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2022-04

「伊勢物語」にちなむ茶事 - 2022.04.29 Fri

御著作をいくつか拝読している日本文学研究者をお迎えするにあたって、無謀にも日本古典文学でおむかえする命知らずでございます(^_^; 事前に必死こいて「伊勢物語」原文を読み直し。


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寄付
♪武蔵鐙さすが(刺鉄)にかけてたのむには 問はむもつらし 問ふもうるさし

実際は使わなかったけれど隅田川香合
♪名にしおはばいざこととはむ都鳥〜


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あまりくどいのもなんやし、松葉勇気さんのミニミニ経筒にフタバアオイいれてみる。


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芳名録に、先日川口美術でゲットしたばかりの菊池克さんの桃の陶硯と仏手筆架


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なんかすてきでしょ?この仏手


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待合に筒井筒の絵と初冠にかけた冠香合(大宗匠好)


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本日のお客さま方は組み合わせがどうも不思議なそれぞれの道のスペシャリストたち。かなり長いお付き合いらしく、共通項は「茶が数寄 いや好き」ということなんやろうなあ。


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露地はあっというまに緑色がしたたるようになった。緑陰とはこのことだな。(陰では毎日常緑樹の落ち葉拾い、、、)


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床の上の板は最後まで花入れなににしようかと逡巡した痕跡


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ほんとうは藤の花をいれたかったけれど(百一段 咲く花の下にかくるる人の多み ありしにまさる藤の陰かも)手に入らず、ちょっと似てる!とアケビの花を。


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煮物椀には先日知ったばかりの食材、板わらびを使ってみた。見た目まあまあだが味はちょっと微妙、、、
今回はお酒の瓶が気持ちよくあくこと!亭主にも飲ませようとするので困るわ(困らないけど)。和やかな親父ギャグとダジャレに癒やされ?つつ、亭主の緊張もほぐれる。

でもそこは日本文学スペシャリスト、さすがというか伊勢物語を潜ませたポイントをことごとくわかってくださって、打てば響くとはこのこと、亭主冥利に尽きる。伊勢物語でこんな会話ができるの快感でしかない。


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また窯元であるスペシャリストは、懐石に忍ばせたこれに鋭く反応、「御菩薩焼やね。」古清水についての見所や、作り方の解説を拝聴。このまま席中で話をずっと聞いていたかった!


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主菓子は毎度お世話になっているみのり菓子さんにお願いした「橘襲」
♪皐待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
黄身餡に柑橘を練り込んだ美味しいお菓子であった。


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後座も在原の行平にちなむもの、武蔵野(若草の妻もこもれりわれもこもれり)にちなむもの、など少々こじつけもありながら、わかってくださることにすっかり甘えて。


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亀廣保さんの春の野

現在の茶の湯のあり方に対するきびしいお話もでる。おおいに首肯するところあり。


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干菓子その2は茨城県古河市のお菓子屋・はつせさんからとりよせた「しら玉」
これほろほろの白あんを薄くチョコでコーティングしたものだけれどめちゃくちゃ美味しかった。実は名前買いしてあまり味は期待していなかったのにびっくりだ。
ちなみにこれは伊勢物語で一番好きな「芥川」から
♪白玉かなにかと人の問ひしとき 露と答えて消なましものを

業平の永遠の恋人藤原高子(二条后)を背負って逃げたものの、つかまって二度と手の届かない(入内した)人になってしまった悲しみを歌った歌。


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しのぶ草
♪春日野の若紫のすりごろも しのぶのみだれかぎりしられず


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お正客さんのスピーディーな所作に(席入りも早かった〜!)けっこうイラチなわたしでさえ追いつかないほどで気がついたらお開きまで4時間切ってたわ。最速新記録。そのせいかおかげで後の疲れが少なかった。


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東下りならぬ東から下ってきていただいて一座建立、とても息のあった主客となったと思っている。深く感謝します。またダジャレで和ませて?くださったお詰めさま、今回の客組の労をとってくださったIさまにも御礼申し上げます。




藤田美術館いよいよリニューアルオープン! - 2022.04.27 Wed


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こちらは大阪城北詰にある5年前の藤田美術館のお蔵の写真である。戦火を免れた土蔵に藤田男爵(傳三郎)の貴重なコレクションが展示されていた。なにせ国宝曜変天目を有する美術館である。中に入るとオイル引きの板の床はぎしぎし鳴って、照明は白熱灯?と思うようなレトロな施設であったが、けっこう好きだった。

2017年、改修工事前の記念茶会を最後に長きにわたる休館が続いたが、今年4月、いよいよリニューアルオープンである。(あれが太閤園内の茶室や洋館に入れた最後かもしれない)


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外観は以前から前を通って知っていたがなんともまあ、かつての面影のかけらもない超モダンな建築である。
しかも入館料はキャッシュレス決済のみ、図録もQRコードを読み込んで自分のスマホを見ながらの鑑賞になる。ただし、撮影はOK!の太っ腹。かなり先進的美術館に変貌をとげているなあ。(しかしスマホを使えないネット難民はどうすればいいのか??)


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エントランスを入るとまず目に入る広間の茶室。ここで茶会なども行われるのだろうな。


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そしてフロアの半分を占めるカフェ・あみじま茶屋(ここは網島町、心中天網島の網島)もニュースタイルだ。ここはあとから行くとして、、、で、入り口どこ???


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かつての土蔵の扉をそのまま埋め込んだドアが美術館の入り口であったが、これほんま迷うと思うよ。ちなみに下の敷石も旧美術館周辺にあったものらしい。


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とにかく美術館の中はかなり照明を落としているので暗い。目を慣らすためのスペースがこちら。床は旧美術館の陳列棚の板を再利用、この柱みたいなのは蔵の梁の4分の1なのだそうだ。樹齢200年を超える材木をふんだんに使えた時代を感じつつ、目が慣れた頃、暗い美術館へ。


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、、、とこのように暗い。ほんま暗い。しかもガラスケースのガラスの透明度が高すぎて激突しそうになる。

陳列されている物は以前何度も旧美術館で見て、また出張展示(奈良博など)でも見たおなじみの物なのだが、照明一つでこんなに印象が変わるのだな。とりあえず藤田の一級品のラインナップ。


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スマホ片手に解説を読みながら暗い展示室を徘徊する。(徘徊という言葉がぴったりなくらいな動線配置の展示になっている)

印象的なのはやっぱりその逸話とともに有名な交趾大亀香合かしら。傳三郎が所持していたが、茶会で使ったことのない田村文琳茶入(これも展示)とともに是非お披露目したい、と長年彼が熱望していたのがこの香合、落札した!という知らせを聞いたのはその臨終の床だったという。



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そして別格は言わずとしれた藤田曜変天目!これも何回も拝んだなあ。静嘉堂に比べるとやや地味ながら、それゆえこちらの方が好き、という人もいる。もちろん国宝、これも撮影OKだなんて、あまりに畏れ多いので、遠景のみ(^_^;
(この天目だけ一部屋独占してはった。さすが)


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展示室を通り抜けると、暗さに慣れた目が痛いくらいまぶしい部屋、この窓もかつてのお蔵のものである。


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ここを通り抜けて外に出ると新しい四阿風の建物はあるが、、、


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どこかで見た景色、、、、と思ったら、、、


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今では市民が憩う公園になっている藤田邸跡公園につながっていた。ここも以前来た時より整備されきれいになっている印象である。


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残念ながら素晴らしい庭園と建築、茶室を要する旧藤田邸の一部であった太閤園は売却され、某宗教団体の所有になったと聞いたが。つぶさないでいてくれることを祈る。


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さて、またエントランスにもどって(ここは美術館利用でなくても入れる)あみじま茶屋へ。メニューは団子に抹茶か煎茶か番茶500円だけなのだが、お茶の話をされながら、目の前で抹茶は点ててくれる、煎茶もいれてくれる。



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ここのスタッフさんはカフェだけでなく美術館の仕事も兼任されているようで忙しそうだ。


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抹茶茶碗のこれは村田浩一郎さんの井戸写しで、、、どうやら大阪の超敷居の高い古美術商TM屋も噛んでるみたいね(^_^;


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で、私は和歌山産のかぶせ茶をいただきました。三々五々みんな階段やベンチにすわって食べている気軽な感じがなかなか良い。

かつてのお蔵の美術館も忘れがたいが、これはこれでまた楽しめそうである。




五事式茶事2022 - 2022.04.25 Mon



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いつも花月の自主稽古をさせてもらっているKさんのお宅で、お茶友さんたちと五事式の茶事を。五事式はほんと何年ぶりだろう。道具やなにからなにまで準備がとてもたいへんな茶事を開いてくださったKさんに感謝。


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ちなみにこちらのお宅の茶室・露地はうちと同じ大工さん、庭師さんの手になります(*^_^*)

五事式は七事式の総集編、花月・且坐・廻り炭・茶カブキ・一二三・員茶の中から5つを選んで行う物、息の合ったベテラン同士でないとこなせないのだ。とはいえ、われわれは年齢的には大ベテランだが、技量には色々アヤシイところもあって(^_^;それなりにああでもないこうでもない、と迷いっぱなし。ただ5人集まればそれぞれの得意分野を補い合えるのでなんとか。


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一番の難物は(私が苦手なだけか)廻り炭である。一番ややこしい亭主役をKさんがやってくださったので、助かった。1時間ばかり燃やした炭を巴半田に上げて、燃えかすと灰をあげて、種火を灰に埋め込み、香も埋め込む。そして5人順番に炭を好き好きについではあげ、ついではあげ、最後に種火を掘り起こして亭主が炭をつぐ。今回埋み火が十分復活して見事に火が熾った。ご名炭!


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懐石は三友居の大将がおでましで、水屋で作ってくれた物。美味しくないはずがない。
そういえば10年以上前、初めてうちで茶事をしたときも三友居さんにお願いしたなあ、、遠い昔。結局自分で作る羽目になっているが。


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食材や調理法など参考になることがたくさん。今回この透明なシート=板わらびというのを初めて知って早速うちでも使ってみようかと。


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主菓子はKさんの個人的お祝いもかねて紅白薯蕷(老松製)

後座は且坐で。
花は花寄せ形式で、五人それぞれ5つの花器に花をいれる。これもご準備たいへんだっただろうなあ。花も、花器も。


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香を焚いて聞香をし、それから濃茶である。
ご自分のお祝いと言うことで、Kさんのすごく気合いの入ったお茶碗がでてきましたよ〜。お家元に次々と箱書きを頼まれているので、そのノウハウや逸話やなどで皆で盛り上がる。私は楽茶碗、箱書き頼む前に楽さんとこで振り落とされてそれっきりだなあ(^_^;(黒歴史)

薄茶は員茶方式で。十種香札の絵がなんの花かわからんとか騒ぎながらなんとか完遂、でも迷うこと多々あり。花月百辺朧月とはよく言ったものだ。


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最後に亭主のKさんをおこがましながら採点する一二三之式。
月の一がベストで平札の二がワーストというお遊び、これも何をいれるかむつかしい(^_^;

ベテランさんばかりなので迷いつつも無事お開き。ああでもないこうでもない、とにぎやかに騒ぎながらが楽しい茶事であった。それにしてもほんっとにご準備たいへん。お片付けも大変、だからあまりされる人は居ない中、こうして開いてくださったことに感謝しかない。



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最後に炉中拝見がどうしてもしたくて釜を上げて見せてもらった。見事に胴炭まで燃え尽きている。この景色、いいなあ。炭をさわっているとなんだか心が落ち着くので、だれか炭火セラピーとか考えつかないのかななどと思ってしまうのである。



宇治平等院の藤 - 2022.04.23 Sat


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屋根の上にキンキラ鳳凰、ただしホンモノ(国宝)はミュージアムに納められているけれど。そう、十円玉の裏側にもその姿をみることができる宇治平等院鳳凰堂、藤の花が見頃と聞いてやってきた。


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入り口にも見事な藤棚があったが、中へ入るとさらにお見事


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というので、今日は藤の花のシャワー的画像ばかりです。


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 紫の雲とぞ見ゆる 藤の花 いかなる宿のしるしなるらむ  (藤原公任)


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鳳凰堂は藤原氏が頂点をきわめた時代に建てたものだから、やはり藤は藤原にかかる。同じく藤原氏の氏神でもある春日大社にもりっぱな砂ずりの藤があるように。(同万葉植物園の藤は種類と数ともに藤では関西一の圧巻)


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「伊勢物語」の百一段に曰く

  咲く花の下にかくるる人を多み ありしにまさる藤の陰かも

藤原氏の庇護にあずかろうという人がいかに多いことよ、、というその栄華を褒めたたえたもの。


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時の(業平の時代)太政大臣・藤原良房は娘を入内させ、後の清和天皇となる皇子をもうけ、天皇を外孫とし後の道長につながる藤原氏全盛の時代の礎となったのだ。


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藤の紫は緑の若葉ともよくうつる。かつて藤棚に仕立てる以前は、藤は松の木などにからませていたそうだ。
  
  夏にこそ咲きかかりけれ藤の花 松にとのみも思ける哉  (源重之)


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「源氏物語」は紫のゆかりの物語といわれるように、源氏最愛の人は藤壺、そして生涯愛した人は紫の面影(藤壺)を宿す若紫、そう思えば鳳凰堂にもっともふさわしい花かもしれない。


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まさに藤色のシャワー、この真下に立ってみたいものだ。(残念ながら立ち入り禁止)


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霧島躑躅も満開

久々に堂内へも入ってみた。(時間制人数制限あり)
いつ見ても雲中供養仏はかっこいいなあ。これが一つ床に飾ってあったら、、、と思うとしびれる。当時はこれも極彩色で、ミュージアムで当時を再現した物を見ることができるが、頼道、どれだけ豪華な極楽を想像しててんと思っちゃうわ。こんな仏様にさそわれたら、うかうか向こう側へいってしまうではないか。


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久々の鳳凰堂と藤を堪能して帰る。

(帰り高速反対方向に乗ってえらい遠回りしてしまったわ。宇治のかえりはいつも迷う、、、)







「鎌倉殿の13人」〜源平合戦にちなむ茶会 - 2022.04.21 Thu



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孫が三人お世話になったところのわら天神さん。
その近くにある某お道具屋さんのさくらの茶会へ。


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ここの茶会に以前寄せてもらったのは約10年前。道具のことな〜んもわかってなかった頃やったな(今もわかってるかというと、、、まあムニャムニャ、、)

ご店主の好み全開というか、ことしは「鎌倉殿の13人」でいきます!とのこと。楽しみ♪
寄付の青邨の義経の絵からはじまる。今回の大河ドラマの義経はかなりブラック(^_^; 近代戦をあの時代に持ち込んだのはすごいが、それ以外が幼稚すぎたのね。



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さくら茶会の名前の由来のお庭の枝垂れ桜もちょうど頃合いであった。

本席には、時代的にはすこし下るが近衛前久の懐紙。そういえば「麒麟が来る」の前久は朝ドラのぶんちゃん(「カムカムエブリバディ」)がやってたな。

花入れが「頼朝公旗棹(!)」の由縁のある竹二重切り。頼朝が石橋山の合戦で敗走し、安房へ逃れた時に潜んでいたお寺に伝承されたものだという。入っている花が熊谷草、そう「敦盛」でも有名な熊谷直実ゆかりの花。ちなみに敦盛草もよく似ているがやや小ぶり。

今回紹鴎好みの芦屋「都鳥」という釜を初めて見た。おもしろい形で、たしかに釣釜としてゆらゆら揺れている姿は千鳥が泳いでいるようだ。(非対称の形で底の上に半分だけ鳥の首のように筒釜がついている感じ)そこで香合が「隅田川」という符牒。

棚は吉野棚である。吉野といえば、しずやしず、しずのおだまきくりかえし、、、、と思っていたら茶杓が淡々斎の「白拍子」。なにしろ主茶碗が一入の黒で「静」、玄々斎の謡曲「吉野静」の一節を書いた添え状付き。すごい、ここまでそろえられるなんて。

茶入は松浦家旧蔵・瀬戸で遠州の箱「一谷」、一ノ谷の合戦かあ〜(゚Д゚)
替え茶碗の伊羅保内に鶴刷毛の銘が「鉢の木」と来た!(佐野源左衛門常世、謡曲「鉢の木」、いざ鎌倉!ですわよ)


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しかも特注の干菓子が、源平の旗印の赤と白、砂糖干菓子「瀬戸内」は壇ノ浦の波、、とまあここまで凝るとは感動物である。

もちろん源平に関係ないいいお道具も一杯あって目を楽しませてもらったが、源平合戦のお道具がインパクト強すぎて。きっと御店主様、大河ドラマがほんとお好きなのだなあと感心していたら、、、



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ややっ!
会記の裏にこんなものまでついていた!(*^o^*)


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時候ゆえお持ち帰りの瓢亭さんのお弁当、お家でゆっくりいただく。さすがお道具屋さんの茶会はひと味もふた味も違うわいと思いながら。

今回のお勉強・風炉先屏風が「六玉川」なのでここにメモメモ(なかなか全部は覚えられんのよ)

<六玉川〜古歌に詠まれた6つの玉川>
1.陸奥・野田の玉川 (千鳥)
2.武蔵・調布の玉川 (布)
3.近江・野路の玉川 (萩)
4.山城・井出の玉川 (山吹)
5.摂津・三島の玉川 (卯の花)
6.紀伊・高野の玉川 (信仰)



2022京都の桜まとめ - 2022.04.19 Tue

3月から今まで奈良参りが忙しくて(^_^;すっかりご無沙汰の京都です。ブログタイトル「いつか・住もう・奈良」に変更した方が、、とも言われつつ、京都の桜も楽しんでおりましたことよ。

京都移住当時はあちらこちら桜の名所を忙しくまわっていたが、住んでいる岡崎周辺〜白川、そして鴨川と御所の桜があれば十分じゃないかと思っている。名所じゃないところに、混雑もなく静かに美しい桜はいくらでもあるのだ。


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岡崎周辺の桜

観光寺院ではないお寺の毎年楽しみにしている桜


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このお寺の境内に人が居ることはほとんどないので、通りすがりに中に入るのはためらわれるかもだが、ご存じの人は中に入ってここの枝垂れを愛でていく。



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ロームシアターの西の、昔芝蘭会館があった場所になんとかのこった紅枝垂れ。昨年までは工事のパネル越しだったが、今年は柵までつけてもらってよかった。いつ切り倒されるか気が気じゃなかったから。


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岡崎から夷川の疏水べりはどこも桜が美しいが、特に東大路より西は観光客がまずいないので地元民の楽しみ。ここは花筏もたのしめるスポット。特に夷川ダムの池の花筏をわけて水鳥が進んでいく様をみるのは楽しい。


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岡崎のテニスコート横の桜も毎年楽しみ。ここの下でよく夜桜ミニ茶会をやった。最近ちょっとやれてないけど。


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メジロなんかが花の蜜を吸うついでに落としていく。もったいな〜!


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都メッセを巡る疏水の桜
水の流れと桜はよく似合う。水の流れを眺めているだけでもぼ〜っと時間がすごせる。


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今年は十石船も復活したが、大々的なアナウンスはしていなくて、いつもぎゅうぎゅうの船がすかすかだった。今年がチャンスだったかもな〜。乗り損ねたけど。


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京セラ美術館側から見る桜
ここは夜遅く帰る時の抜け道で、帰るのが楽しみだったところ。今年もライトアップはなしなので、それはそれで妖しい夜桜が楽しめた。夜はほぼだれもいないので、お稽古中の仕舞の練習をこの下でやってみたりしながら。(謡がへたで、桜に迷惑かけたかも(^_^;)


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この桜を疏水側からみるとこんな感じ。ここは観光客も多い撮影スポット。
(ちなみに霧雨の日だったのでこんな写真に、、、)


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満開にはやや早かったが、毎年見ている野村碧雲荘前、清流亭のしだれ。南禅寺畔別荘群の中の一番の桜の名所。(来週碧雲荘の見学行ける〜♪)野村美術館に通う道でもある。


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ご存じ蹴上のインクラインの桜、ここも生活圏内で外から車で眺めることが多い。昨年、一昨年と観光客が激減してほんまに人がいない写真が撮れたが、今年はかなり以前の水準に近くもどってきた印象。


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それから孫たちとお弁当をもって楽しんだ御所の桜
ほとんど地元の人だけ。今年は忙しくて近衛(旧近衛邸跡)と出水の糸桜は見逃してしまった。


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このときは未だ早いが八重系の里桜も充実している。御衣黄もあるしね。


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御所の桜が見えるベンチで桜のお菓子。


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お茶を飲みながらそ〜っとお菓子をつまむ手(*^_^*)


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最後にこの下で川中茶会もやった(懐かしいなあ)白川の桜
夏は蛍も楽しめる川沿いである。

というので、今年花見に遠出したのは吉野だけだったなあ。

来年もまた美しいご近所の桜が楽しめますように。なにがおこるかワカラン世の中だからこそ。






當麻寺練供養式2022(聖衆来迎練供養) - 2022.04.17 Sun

葛城なる當麻寺、二上山の麓である。


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中将姫の命日旧暦3月14日、現在では4月14日に行われる聖衆来迎練供養式である。コロナで2年間中止となっていたが、今年は縮小パターンで開催されることに。
境内にはすでに来迎橋がかけられている。


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例年は1万人の人が押しかけて立錐の余地もないと聞いたが、今年は楽勝のすき具合である。
ちょっと待つ間に参道で買った蹴速餅を。野見宿禰に相撲で負けた当麻蹶速(たいまのけはや)にちなむ餅で、中将餅が草餅に餡なのに対して、餡のはいった草餅、と逆転している。いや、あんこ、美味しかった。


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16時前、中将姫像をのせた輿が、現世と浄土をつなぐ来迎橋をわたる。(本堂から娑婆堂へ)


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中将姫伝説はあえて説明するまでもないが、姫が聖衆(二十五菩薩)の来迎をうけて生身のまま極楽往生を遂げたさまを再現するのがこの練供養。



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まずは當麻寺の各子院のお坊様方の行進。



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かぶり物があったりなかったり、これも當麻寺が真言宗と浄土宗の二つの宗派の子院にわかれるからなのだ。これもおもしろい。起源が古代すぎてよくわからないお寺らしくていいわ。


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柄香炉からほのかにお香の香りがする。


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菩薩様達の来迎。
能面より目穴が小さいようにもみえるし、来迎橋はかなり高いし、面をつけて歩くのはさぞこわいだろうなあ。


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例年は二十五菩薩が練り歩き、かわいいたくさんのお稚児さんのお練りもあるそうだが、今年は七菩薩のみでちょっとさびしい。まあ、ゆっくり余裕で拝見できたのでよしとしよう。


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そしていよいよ登場、「スクイホトケ(救う 掬う)」と呼ばれる観音様。


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蓮台を持って姫の魂をお迎えに来られるのである。腰をかがめて、伸ばして、蓮台で姫を掬うような動作で進んでいくのでスクイホトケさんと。


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このリボンみたいな羽衣が風になびき美しい。それにしてもほんと、こわいよな、狭くて高い橋の上。しかもずっと屈伸、若くないとできない。


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同じく屈伸しながら進まれるのは勢至菩薩さん。


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こちらはずっと合掌してはるので「オガミボトケ」さんとおよびするらしい。


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最後に天蓋を持っただけの(^_^;普賢菩薩さん。

この来迎再現のお練り供養を最初に考えたのが、当麻出身、平安時代の恵心僧都源信(「往生要集」を書いた方)だという。


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菩薩様方が来迎橋をくだって左手の娑婆堂へ、ここで中将姫をお迎えする。


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さきほどの蓮台に姫様が乗っておられる。


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あ、こんなかわいいお姫様なんだ。中将姫が往生されたのは29歳の時だという。


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勢至菩薩さんも後をおいかけて浄土へもどっていかれる。


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中将姫伝説では折口忍の「死者の書」がいい。謀反の疑いをかけられ二上山に埋葬された大津皇子の伝説もからめてあって幻想的なお話になっている。


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七菩薩さまも浄土へ帰っていかれた。これで無事来迎供養はおわった。縮小版なのであっというまであったが、これが二十五菩薩や稚児行列なんかあるともっと華やかなのだろうなあ。


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舞台裏をちょっとのぞくと、お寺のスタッフさんが無造作に中将姫さんをかかえてはった(^_^;
それからスクイホトケさんはやはり若い方だったのね。お疲れ様ですm(__)m




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本堂から、もう撤収がはじまった来迎橋を振り返る。こうしてみると結構幅があるね。

何年も前からずっと来たいと思いつつ忙しかったり、忘れていたりで来られなかった當麻寺練供養、縮小版ながら、念願がかないうれしい。





筑紫の国で粥の茶事 - 2022.04.15 Fri

はるばると筑紫の国へ弾丸日帰りツアー!


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先日我が家の茶事においでくださったお客様に粥の茶事にお招きいただいた。特急つばめは快適で、実際下りたところでホンモノの燕が飛ぶのをみる。九州ではもう桜はすっかり終わって初夏の風情であった。


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外観からは想像できないご亭主のお茶室は、動線や使い勝手をよく考えてあり、DIYもあればプロの仕事もある数寄屋である。
初座の三畳小間では清水公照(大仏殿昭和大修理当時の東大寺別当)さんの軸に迎えられる。先日の二月堂修二会の返礼とか、ありがたし。灌仏会も近かったので、その下に誕生仏。

ご当地のお詰さんが板木を勢いよくたたいて粥茶事スタートである。


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一富士二鷹三茄子の飾りのついた鉄製自在に手取釜、炭をいつも以上についであるのでお湯がたぎる中、お米投入!ご亭主の茶事はいつもこのスタイルなのだそうだ。


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しばらくしたら釜を火からおろして、まずは三部粥のアルデンテ。


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おかずをいただきながら、釜の中でむらされて次の五部粥〜全粥に変化していくのを楽しめる懐石である。
向付がアワビで、梅ひじきの入った器が蛤とは。ちなみに向付は美濃の久尻窯古陶だそうだ。なかなか重厚。


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お粥のおともにとでてきたこれが珍しい「川茸(かわたけ)」(のちほどこれに関連する話が)
福岡県朝倉のここでしかとれない淡水海苔なのだ。二杯酢でいただく。海水海苔とちがって海苔の味なのだがほんのりと淡い。これを乾燥して伸ばしたのがあの水前寺海苔だったとは!(懐石で毎度お世話になってます。ちなみに学名がスイゼンジノリなのだそうだ)


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八寸では、懇意にされている京都の京焼作家さんにつくってもらったという別杯をおもちだし。
それにしても粥懐石の進行の手際よく素早くダイナミックなこと!裏では奥様が指令を飛ばしておられるような気配も(^_^;


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湯桶のかわりに各自お湯をお持ちだしいただいたが、その器がなんと信楽の匣(さや)なのである。細々とした焼物を焼くのに直接火が当たらないようにおさめる、いわゆる窯用品のお見立て。そのままでは円錐形の底ゆえ立たないので、ご自作の竹の輪っかに乗せるアイデアがすごい。(ご亭主は竹道具作り、茶杓も含めてマイスターなのである)


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季節柄吉野漆のお皿に、桜餅風味の葛菓子を主菓子にいただいて中立。


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腰掛け待合から見える灯籠には、缶詰缶と食用油と灯心で自作された灯火器が。なんでもこれで24時間持つらしい。試行錯誤であれこれ燃焼実験されたよし、手作りの工夫がすばらしい。


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ふと腰掛け待合の天井を見上げると、、、おお!茶杓によさげな竹がいっぱい干してあるではないか!ご亭主の作られた茶杓や、茶杓の削る前の状態の物を、某流派のお家元もご所望されるそうである。私も先日お越しくださったときに櫂先だけ曲げた良い竹をたくさん(宿題に)いただいた。まだ茶杓に削るとこまでいっていないが(^_^;


後座は、先ほどのお粥をいただいた小間の隣の四畳半である。(茶室2つの贅沢)


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軸が、室町時代の妙蓮華経化城喩品第七の木版経とは渋い。

そしてなによりこの花に感動。ご自宅で咲いた武蔵鐙(ムサシアブミ)、これ自体なかなか育てにくい貴重な花であるが、それを入れる花器がまたいいのだ。なんという焼物だろう?と思ったら、なんと小鹿田焼の陶製湯たんぽだったとはだれも思うまい!実際昭和の中頃までお母上が使っておられたとか。(現在は湯たんぽ自体が死語になっているが、、、)
ある意味「民藝」と言っていいかも。これを花器として生かすアイデアがすてき。


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濃茶は各服立てながら、あとで濃茶のついた茶碗でそのまま薄茶をたててくださるので、茶筅もそれぞれ変えて使われるというお心使い、この御自作の茶筅立てには萌えた。

それから茶筅の後ろは洞庫になっているのだが、その右手にあるのが茶室の各照明のコントローラーなのである。これもまたびっくりのアイデア。初座後座簾巻き上げ、お道具拝見で自由自在に照明を手元で調整できるのだ。

ご亭主がお釜を80余個!もお持ちだとは聞いていたが、ここででた古芦屋はそのうちの一つなのねえとしみじみうらやましい。



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お茶碗のラインナップがもう私のツボでツボで(^_^;
中でもこれがピカイチだった。(写真アップのご許可いただきました)美術館の展示にも貸し出されたという(憧れの「個人蔵」)織部志野。呼継ぎが二カ所あり、見込みに焼成時にできた小さな虫食い穴が多数で良い味だしている。これほんまによかったなあ。
他にも宋代と明代の青磁人形手を並べる当たり渋くてまたすごい。

茶入が南蛮(南蛮水指をそのまま小さくしたような)、茶杓が利休だって(゚Д゚)!
先日私が使った根来薬器の薄器の返礼として、独楽型?の根来。

また静かに感動し、うらやましいと思ったのが高麗青磁の平水指である。形がまず美しい。上から見ると真円でなく、蓋を特注しないといけなかったという朝鮮独特のゆがみ、如窯と言ったら言い過ぎかもしれないがそれに負けない美しい雨過天晴色、良い物をお持ちなのはわかるとしてどうしてここまで私の趣味をご存じなのか〜!?と言いたくなるようである。

最後に水次として輪島の古い合鹿(ごうろく)漆器を見せていただいて茶事はおひらきに。

ここからはエキストラとして、せっかく九州までこられたのだから、とお車でご連客と一緒にご案内いただいたこちらは、、、


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そう、さきほどの懐石にでてきた川茸(かわたけ)の「畑」なのである。
今はもう全国でここ、黄金川でしか採取していない貴重な川海苔を育てて販売されるのは二店だけなのだそうだ。


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川の底にたゆたう藍藻類・川茸をざるに取り上げたところ。


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この箱の中、瓦の上にぎゅうぎゅうに川茸を詰めて乾燥させるとおなじみ貴重な水前寺海苔になる。(かなり体積が減る)この瓦を茶事に使えないかとご亭主はさっそく割れて廃棄するだけのものをゲットしてはった。なにに見立てで使われるのか、きっと楽しんで使われるのだろう。


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これが川茸「畑」
なんだかのどかな風景。ここでしか見られないけしきだな。


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さて、川茸の塩漬けを買って、水前寺海苔も、と思ったら売り切れ中、残念がっていると17代目というご主人が申し訳ながって、切れ端ですけれど、、、といって大量に水前寺海苔、くれはった!うれしい〜〜♪(けっこう買うと高価です)

というわけで弾丸日帰りながら、ほんとうにみのり多かった筑紫の国の茶事であった。
ご亭主ご夫妻、ご連客様、感謝です〜!


御所朝茶2022桜 - 2022.04.14 Thu

恒例の御所朝茶は桜!


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ただしソメイヨシノとか糸桜とかはもう終わって、里桜には若干まだ早い、、、という端境期になってしまった(^_^;


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場所は里桜の名所、出水の小川。
むか〜し京都ブロガーさんたちとよくこの木の下で里桜を楽しみながらお茶したっけ。あれからみんなどうしてるかな。細く長くお付き合いが続いている人もいれば、消息不明の人も。


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桜のお弁当箱!
この中にぎっちりおにぎり。桜塩でにぎったのと、クレソンとじゃこ入りとの。


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お手製ジンジャージュースをついでもらう。(今回はアルコール抜きだったな)


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桜の季節をまたぎ超して、季節は新緑の候へ


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私は先日の茶事の道明寺鶏団子が美味しかったので、試作品を。ちょっと道明寺が厚すぎた。持ち寄りの朝飯をお腹一杯いただいたあとはお茶タイム。


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今回私は中国茶を
お菓子は桜シリーズ


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茶箱女王Fさんの茶袋?(右手のインド的袋)にはこれだけの茶道具が。


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Mさんに抹茶を点ててもらう。


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出水あたりの里桜のピークはまだ先だが、満開の木もあって、目を楽しませる。


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佳き佳き。
こんな小さな幸せが続くことを祈らずにはいられない。



新薬師寺修二会〜お松明2022 - 2022.04.12 Tue


二月堂、花会式ときて、いよいよ大和の国の修二会もこれでおしまい、新薬師寺の修二会こと、お松明。今年はよく奈良へ日参できたわ。


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夕刻、新薬師寺に到着、すでに最前列はカメラおじさん、おばさんで埋まっていた。ふだんはあまり観光客のいない(アクセスにやや難あるため)境内にこれだけの人が集まっているとは!


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このポスターは戦後のやつの復刻版って感じだな。二月堂の厳粛な宗教行事というより、地域のイベントという感じで、前者も好きだが、こういうのも好き。



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境内にある八重桜が満開。


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19時からの法要に僧侶を先導するお松明がきれいにならんでいた。


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こちらは最後の和上のための籠松明。
新薬師寺は現在東大寺管轄なので、二月堂でも活躍されたお坊さんや、松明をかつぐ童子さんが勤められる。だから法要も「散華」など二月堂で聞き慣れた声明など聞けてうれしい。


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17時からの法要は中で聴聞できる。ここではお坊さんと聴聞者の距離がとても近い。

私の中では「蜘蛛の巣もたまにはってる国宝」としてインプットされている国宝・十二神将、これ大好きなのだが、この日ばかりはたくさんのお灯明に照らされてなにやら生き生きとして見える。


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19時
お松明の種火となる火がつけられる。


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そして閉まっていたお堂の扉が開けられると灯明に照らされた荘厳な世界が。ここもお薬師さんだから浄瑠璃浄土だ。


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上堂を待つお坊さん達。


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松明に点火


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ゆっくりと動き出す松明、その後にお坊さん


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前列で見ているとこちらも熱〜っ!と思うくらいの熱で、抱えている童子さんはどれほど熱いのかお察しする。髪の毛が焼けそうで、ほとんどの方が手で顔を覆って火をよけてはった。


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こんな至近距離でお松明が見られるとは!
二月堂のお松明も近くでみたらきっとこんな感じなんだろうな。


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お堂の前でお坊さんは本堂へ一礼、本堂の向こう側から入堂される。


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そして次のお松明


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目の前に八重桜がぶら下がっているのが撮影に邪魔になるかと思ったが、意外と良い感じ(^_^;


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なんでこんなに火は恐ろしくてかつ魅力的なのだろう。こんなに贅沢にお松明を使いまくるのは奈良ではの景色だと思うのだが。


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こちらも火消し要員が大活躍、特にお坊さんが踏む道はきれいに消火しておかないと。


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お松明が10本続き、最後の大きい籠松明(二月堂では3月12日のみ)、実はこれも東大寺寄進の松明なんだそうだ。


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ひときわ大きい籠松明を担ぐのはやはり東大寺の童子さん。

ではこれの動画をどうぞ。
(ちなみに人の声をひろっていますが、私ではありません、念のため)





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11人そろったところで法要始まる。外から堂内を拝見できる機会はこの時しかないのではなかろうか。荘厳なそして美しい景色だ。見守るのは(今日は蜘蛛の巣はってない)十二神将たち。


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法要の間は堂内へ入ることもできて、しばし聴聞させてもらっていると、あ、聞き慣れたフレーズ!二月堂で唱えられる「神名帳」ではないか!
13700余の神々を勧請する。ゆっくり始まり途中すごい速読になって、だいみょうじんだいみょうじん、、としか聞こえないパートも。ここでも拝聴できるとは。
ちなみに神名帳のトップの神様が金峯山大菩薩、すなわちこの前吉野で拝んだところの蔵王権現って知ってた?


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法要はまだまだ続くが、そろそろ遅くなったのでおいとまを。八重桜を見上げたら三日月が美しかった。うましうるわし奈良の夜、しかも桜の宵をすごせるとはなんと幸せなことだろう。なにより無病息災がありがたく、これからも、とお薬師さんに伏し願う。



桜桜から人生を考える〜茶事へ - 2022.04.11 Mon

若い頃、職住ともに暮らした懐かしい町の茶事にお招きうける。
町並みは変わってなかったり、激変していたり、、、、懐かしい通りや場所はあれこれ、まだ思い出せる。


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自分の人生で一番しんどく、一番がんばった時代だから、今になって思えば人生の黄金時代、そんな懐かしい町の一画で茶事を楽しむ余裕の年代になったことをしみじみ思う。

ご亭主は親子三代のお茶のおうちで、今年学園を卒業された娘さんがこれから茶道教室をされるとのこと、筋金入りである。

待合に人生は清濁併せて流れていく、、、という人生の先達の言葉をしるした掛け物。この年になって初めてしみじみとわかる言葉だと、ご亭主。私もそうだ。


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本席のお軸は芭蕉の「さまざまなこと思い出す桜かな」の句である。これもまた人生ある程度いかないとわからない句だろうなあ。とくにこの年になると、あと何回桜が見られるだろうか、とか、あの方は今年の桜を見ないで逝ってしまわれたなあ、とか桜にこと寄せて思うことは多いのだ。


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四月はやはり透木釜。桜川の文様が先日の桜川茶事を思い出させる。さいわいお天気にも恵まれ、明るい日差しがうれしく、座敷に入る日の光に釜の湯気を見ていると眠くなるほど心がくつろぐ。ええ春日やなあ、、、

炭手前の香合が富士山、桜に富士はこれぞTHE NIPPON!、、、というのもご連客の、今年お国へ帰られる中国の方へのはなむけ。日本で3年間茶道を学ばれた。これからお国でどのように茶の湯を生かされていかれるだろうか。



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お手製の懐石は、このところワンパターンになっていた自分の懐石を見直さなくては、と思うほど、美しくおいしかった。中でもこの道明寺の鶏肉団子、絶品!(帰り道さっそく道明寺粉を買った!)



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主菓子にコロン、、っと蛤?、、と思いきや、


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中に季節の餡のはいった葛餅が(甘春堂)。うまいこと詰めてあるけどどうやっているのか技術的なことがしりたい。貝の片身の殻ですくっていただく。


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後座は旅箪笥にて。
濃茶のお茶碗は主茶碗以外はすべて娘さんが手作りされた楽茶碗。削りが効いていたり、塩笥みたいだったり、光悦ばりのもあってこういうのもいいなあ。(三次元造形はわたしはすっぱりあきらめた)

茶入の蓋の素材がお点前中気になってしょうがない。鈍い銀色で、牙蓋に着色?陶器?あれこれ想像し拝見が待ち遠しい。手に取ってみるとなんと表面だけつや消しにしたスチール、蓋裏はぴかぴか光っている。ワシントン条約以降、異素材の蓋は需要が増えると思われるが、プラだけはちょっと味気ないけど、スチールはありかも。斬新、その本体も若い作家さんのモダンな茶入で蓋によく合っていた。



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さてさて、事前にご指示あったのだが、後炭所望を初めてさせていただく。亭主は娘さんにバトンタッチ。炭半田は廻り炭でなじみがあるものの、後炭で使うのを拝見するのは初めて。


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学園仕込みの炭上げ、灰上げを見せてもらう。種火を再度いれなおして、、、、さすが、するするとあっという間に終わってしまう。
考えたら、後炭所望された方は炭つぐだけだから(亭主に比べたら)簡単よね(^_^; なんとか管炭、割管、枝炭、3本を一度にグリップできてお役目果たした。


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薄茶のお茶碗はすべて桜のモチーフ、よくこれだけこの季節にしか使えない贅沢なお茶碗を集めはったなあ、、、と感心する。茶室の外でも桜、中でも桜桜、、、たっぷり花見をさせていただいた。

よく見ると干菓子の雲平がもう杜若!季節が早足で動いていく。そこに茶杓の銘が「光陰」なんて、ぴったりすぎる。世の中の季節も時間も動き、自分の人生の季節も過ぎていく、、、ほぼ同世代のご亭主と同じ思いであることを感じたのである。






♪吉野の山桜うつろふと見えしがまた咲く花の〜 - 2022.04.10 Sun

美吉野見参二年目の春


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なるほど、一目千本とはこれか〜!!

↓これは昨年のあまりに早い開花に時期を逸したときの同じ場所からの景色である。


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想像力で補うしかないと思っていたが、いやいやどうして、想像以上に美しゅうございました。
昔からたくさんの人が春になると吉野に訪れる意味がようわかりました。


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今回は日帰りで朝早くにでかける。中千本までバスで行って、そこから上千本をめざしてあるく。


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言葉ではなんとも言い尽くせない圧巻の桜を眺めていると、けっこうしんどい上り坂もなんとか。


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吉野の桜は本来山桜なので、葉っぱが同時に出るし、個体差もあって(ソメイヨシノはみんなクローンだから同じ遺伝子)色彩のグラデーションが見事に美しい。


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昨年来た時に、もう夕暮れ近いのにお弁当がたくさん残って困っておられた茶屋も今年は繁盛しそうだ。帰りに寄ってみることにする。


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♪ 三吉野の山桜うつろふと見えしが また咲く花の雲に乗りて 
       行方もしらずぞなりにける  (謡曲「吉野天人」)

思わずくちずさんでしまう。天女が舞い降りそうだ。


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そして中でも、昨年来て深く感動した吉野水分神社(よしのみまくりじんじゃ)のしだれには、どうしても会いたかった。



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今年も健在である。
昨年はほんとうに人が少なくて(コロナと時期遅し)ほぼ独り占め、しんとした中のこの桜の美しさときたら妖しいほどであった。今年はそれなりに人は増えたが、広いお山のこと、たくさん来ても同時に混み混みになることはないのがありがたい。



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この重文のお堂の屋根にも降りかかりしなだれかかる桜。ためいきがでる。


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水分神社から中千本に帰る道々に昨年はすっかり葉っぱになっていた竹林院のしだれも盛りをみることができた。やはりこれも美しいなあ。


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上からみるとそのすざまじい咲き具合がわかろうというもの。桜の花にはある意味狂気を感じる。


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さて、先ほどの茶屋で少し早めのお昼をいただくことにした。おじいさんのワンオペで大変そうだが、今年は繁盛してなにより。


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800円の花見弁当が思いのほか美味しくて、また吉野に来ることがあったらリピートしようと思う。目の前に桜を楽しめるし。


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吉水神社ではすごい花吹雪にであう。(写真では再現率わるいけど)
なにしろ桜の木が多いので吹雪も半端ないのだ。嵐みたい。


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最後に昨年朝参りをしたところの蔵王堂。


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今年は特別開帳として、三体ならぶ青い顔の蔵王権現様の前まで入れてもらえた。しかも囲い付きで個室みたいな感じのスペース。とりあえず唯一唱えられるようになった般若心経をお唱えする。昨年初めて拝見したときに、「顔でかっ!」と思ってごめんなさい(^_^; やはりすごい迫力でした。しかもこの青というのがすごいわ。



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お堂の奥の宝物殿になにげに行くとなんと!!
うちの桜川の軸を描いてくれた諫山画伯の個展がここで!
なんでも紺地金彩蔵王権現を奉納された御縁とか。躍動感があってすてきであった。



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こちらのお仁王さんはただ今奈良国博に避難中でいつでも拝見できるが、この門が完成するのはまだずいぶん先(令和10年予定)だそうである。見ることができるかな。

☆ 修復大修理支援はこちら


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それにしても桜が咲いたと言えば東奔西走、汗だくで走り回る日本人のDNAはすごいと思う。そしてまたそれができることに感謝する。



白川筋の桜を内側から見る - 2022.04.09 Sat

辰巳神社のある白川筋はもっとも”京都らしい”スポットである。京都が舞台のTVドラマなどでは、わざとらしく(^_^;出てくる場所だ。白川沿いに植えられた桜も美しく、夜桜見物の人出は多い。そんなとこにいくことはまずないだろうと思っていたが、僥倖をひろってその桜を内側から(対岸からというべきか)見る機会を得た。


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御縁あって元芸妓さんがお住まいだったという白川沿いの座敷にあがる。白川の向こうに桜。
かつて白川沿いの建物は川に乗り出すように出窓があったそうで(時代の絵にはその様子が描かれている)、まさに「枕の下を水が流れて」いたのである。


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この家のあるじは古美術茶道具絵画がとてもお好きで、すごいコレクションをお持ちだ。いくつか飾られていたので堪能した。平安時代の経筒に花が生けられているのみておもわずよだれこぼしそうに。


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今日のために来てもらったという大学生の茶道男子に、桜餅で一服お茶を点ててもらう。所作がひとつひとつ美しく、ちゃんと茶道やっているな、ということがわかるお点前。


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ビルの中とは思えぬ露地があったり、ちゃんとした水屋があったり、かつてお住まいだった方はなかなかの数寄者。


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本日は夜桜を愛でる会ということで、あるじと御縁のある方々20名ほど、異職能集団で年齢もばらばら、交友関係のお顔の広さよ。私はお茶の御縁にて。


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辻留さんのお弁当をいただきながら、お酒はMy酒瓶を持参(^_^;
だしていただいた杯がまた古伊万里の蕎麦ちょこなんよねえ。


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古美術に詳しい人、花街に詳しい人、寺社に詳しい人、造園業さん、、、いろんな世界の話を聞きつつ夜も更けてくると、白川の桜はいっそう美しさを増す。


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会場を二階に移して、そろそろ増えてきた夜桜見物客を川の反対側から見るのは、なんとなく偉そうではあるがちょっとうれしい。


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本業は別にありながら津軽三味線が趣味(でもプロ級)というかたのオンステージ、太棹をじっくり見せてもらい、ちょっと弾かせてもらった。重い。棹は紅木という水に沈むくらい重い木材でできているのだそうだ。


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さらに夜はふけてゆく。
このあとジャズピアニストの演奏もあるそうだが、翌日の仕事のこともあり中座する。そのあと酔っぱらい達のえらいカオスになったという(^_^;

こんなシチュエーションの桜、あるじにはただただ感謝感謝である。


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帰りは川の外側から桜を眺める。


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確かに人出が多くなるのもわかる妖しい美しさである。


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 「清水へ 祇園をよぎる桜月夜 こよひ会ふ人 みな美しき (与謝野晶子)」



新作能・媽祖 - 2022.04.08 Fri

片山九郎右衛門さんの新作能「媽祖(まそ)」上演に際してCFをたちあげはったのに参加して、リターンとしてチケット入手した。
江之浦測候所を舞台とし、背景を海とした海の女神・媽祖のPVが秀逸なので、是非ごらんください。







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多くの賛同を得て成立した舞台を観世会館に見に行く。

最初に九郎右衛門さんのごあいさつ。新作能をつくることはないだろうと思っていたが、2年前から始まったコロナ禍に舞台の仕事がなくなって、考える時間がたくさんできたことで作ってみようかと思われたそうだ。構想は台湾や中国南部で信仰されている航海・漁業の守護神・媽祖である。詞章、台本を作家の玉岡かおるさんに依頼されて生み出された能である。



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観世会館は一階も二階もびっしり満席、すごいな。

ストーリーは称徳女帝発願の百万塔、天下安寧を祈願するお経を筑紫国までとどけんと、帝の命により難波津にきた大伴家持。航海の無事を祈るための巫女の神楽を所望し、土地の黙娘(もくじょう)という巫女を召し出す。身寄り無く卑しい身分の黙娘は、母の愛を人に施そうという誓いをたてており、同じく身寄りなくさげすまれてうち捨てられていた「目隠し」「耳覆い」というふたりを拾って身を寄せ合って暮らしていた。(目隠しは千里眼、耳覆いは超聴覚のもちぬし、これを黙娘は封じた)

家持とともに航海にでるも途中で嵐に遭い、あやうく転覆せんとするところ、黙娘は目隠し、耳覆いとともに海に身を投げ、天に召される。その命と引き換えに海は凪ぎ、家持は無事筑紫につくのであった。

住吉明神現れ出でて、慈悲の誓いを守った黙娘を、海を守る女神・媽祖となれ、と神より託す慈悲の玉(きらきらきれい)をわたす。
媽祖となった黙娘は緋の衣をまとい、女神の舞を舞い、同じく神上がった目隠しこと千里眼、耳覆いこと順風耳は勇壮な二人舞を舞い、消えてゆく。

  ♪ 平和の願ひはとこしえに 栄えまさなんめでたさよ



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シテの黙娘・媽祖は九郎右衛門さん、目隠しがうちの能の師匠である。耳覆いの分林師で迫力のある二人舞が圧巻。津守が茂山逸平さんで住吉明神が野村萬斎師という豪華キャストであるが、この満員度と能を見るの初めての人が多い度は萬斎さん目当てかな。なにしろ最後はひためん(面なし)であの顔だし、見せ場もあるのでインパクト強すぎて全部持って行かれた感あり。

でも、媽祖の舞の時には後ろに海が見えた、、、気がしたよ。よかった。





ホテルオークラ岡崎別邸〜ヌーヴェルエポック - 2022.04.07 Thu

生活圏内に東本願寺さんの岡崎別院(親鸞聖人の庵があったとも)があって、ながらく半分は荒れ地になっていたが、ここにホテルオークラがくるとは!


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ご近所のよしみでいちどは行きたいと思っていたが、クラブエリー(関谷江里さん主催の食事会)にここがアップされていたのですかさずエントリー。
まあ、いつのまにか立派なホテルができて!


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こちらのメインダイニング、ヌーベルエポックに面する庭園。かなり別院当時の樹木も残っていると思う。その向こうはたぶん黒谷さん。(金戒光明寺)



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これを眺めながらの食事はなかなかよろしい。


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関守石(左下の青いの)が大きなガラス玉なのが面白い。


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桜の花の投げ入れがテーブルを飾る。まずはワインを一杯。


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食前アミューズはカボチャケーキに生ハム

ご挨拶くださったシェフはお若くてなかなかの男前(*^_^*)



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アミューズもう一品
しらすを揚げたものに、、、あと何か忘れた(^_^;


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パンのバターもぐるぐる渦巻きで目を楽しませてくれる。


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前菜が春野菜とサクラマスに西京味噌クリーム
このアスパラを薄〜く切って結んであるのすごいな。これはマネできるかも。


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牛蒡のフラン(茶碗蒸し的)に新鮮なウニ、そこに出汁系スープをかける。牛蒡の香りはほんのり、ウニは新鮮なものだとわかる。(そうじゃないと匂いがけっこう、、、)
目の前でスープを掛けてくれるサービスがうれしい。



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オマール海老に赤万願寺唐辛子のソース。白いエスプーマはミルク。


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そしてメインディッシュの和牛ロースグリル。
ジューシーでほんっま美味しい。久々に美味しい肉を食べた!という感じ。


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デザート1はバラの香りのエンジェルクリーム(ホイップクリームみたいなものか)

ここのカトラリーはイタリアのサンボネ製、シルバーだけでなくコパー系のものが多くておしゃれ。ただちょっと柄の部分がグリップしにくいかな。がっつり食べる系の人でなくて上品でおしゃれな階級の方々には似合うかも。



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コーヒーカップはモダン、日本製だったが、どこのだったか忘れた。茶人らしくちゃんとひっくり返して底を見たのに、、、、(^_^;


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デザート2
苺とライチのムース。この、、、この苺を桜の花びら型に切ってあるところがなんと芸が細かい!


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最後にほうじ茶のカヌレとクッキーで締める。
美味しかったし目にも美しかった。ここはお一人様リピートありだな。
サービスも迅速で丁寧で、さすができたばかりのホテル、感じがよかったです。


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ホテルとしては一泊6万〜ということで富裕層狙いかなあ。


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もとの岡崎別院の雰囲気を少しのこす土壁がちょっと良い感じ。




蓮の植え替え - 2022.04.06 Wed


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これは昨年、師匠にいただいた蓮根を植えて、見事な蓮を裏庭で咲かせたもの。今年も開花を期待しつつ、桜の咲く頃に植え替え。


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こんな感じで、この鉢はこの冬何回も氷が張ったのだ。すでにどこからきているのかボウフラがわいているのにびっくり!


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鉢をひっくり返すと、、、おお!しっかり蓮根が伸びている。


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泥にからまった髭のような根を取り除き、根頂を痛めないようにしてほどいて水洗い。


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蓮根がふっくらしている部分の根頂を含め、三節ほどに切ってあたらしい赤玉土に植え付け。


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ちなみに断面はほんまにレンコンなのな。観賞用のやつは食べるとまずいらしいが。


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水を張って、あとは葉っぱが出てくるのを待つ。今年も花芽がたくさんでるといいなあ。

残った部分は、蓮ばかり植えるわけにもいかないので、廃棄処分にしようと思ったら、知り合いがうちでも育てるといってひきとってくださった。もったいなかったのでありがたい。そちらのお家でもきれいに咲きますように!






薬師寺花会式結願〜鬼追式2022 - 2022.04.04 Mon


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31日、つめたい雨が降る中、ずっと見たかった奈良の佐保川の桜をようやく見る。
佐保川は奈良の北町から西へ、そして南へ大和郡山まで流れる川であるが、その名も春の女神佐保姫からきている。幕末の名奈良奉行・川路聖謨の治水制作の一環として土手に植えられた桜の流れを汲む。もっと北の方(奈良女のあたり)には「川路桜」という佐保川最古の樹齢170年という老木があるのだが、さすが雨の中そこまでは諦めた。

いや、それにしても思った以上に美しいな。近鉄の新大宮駅あたりで車窓からも見えるので、機会があればまた是非。

さてその足で西ノ京、薬師寺へ。
7日間続いた修二会・花会式の結願法要を聴聞、およびその後の鬼追い式を拝見に。


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18時半 初夜法要前に、本堂裏にて今年の咒師・高次喜勝師(ズーム講座でお世話になってます)による神供(仏教守護の天部神を勧請して結願法要が無事終わるように祈る)が行われる。


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国宝東塔を取り囲むようにぐるりと献灯の小さな灯り。このころには雨もほぼやんだ。


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咒師が手渡した種火を大きくして、松明に火をつけ練行衆(薬師寺は10名)に手渡していく。


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松明を手に般若心経を唱え、御幣を焼いたあと、この松明を前に放り投げるのである。我先に燃えさしを拾おうと駆け出す聴聞客、出遅れたわ(^_^;


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本堂へ入られた練行衆を見送った後、本堂の表へ。まだお堂の扉は閉まっている。


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ややあって厳かに扉が開かれると、そこに瑠璃浄土が、、、(お薬師さんのおわす東方浄土)先日法要3日目に聞いた長音和声の西洋的声明をしばし聞く。
これは五体投地の作法。



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例年なら、この法要には人数を限って本堂の中に閉じ込められ拝聴するのだ。約90分、でることもかなわぬゆえ体力に自信の無い方お断り、なのだが、コロナにて本堂に入れない代わりにこうして扉が開かれ、撮影もできるとは、コロナも悪いことばかりじゃない。


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法螺貝、鐘、太鼓の音、南無薬師如来の祈り。
ありがたいが、さすがに90分、寒い中での立ちっぱ無しはこたえたわ。


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終盤、月光菩薩様の前で、咒師による護摩が焚かれる。炎に照らされたお姿に、造花が美しい。壇供(お餅)も見える。
咒師帽をかぶった咒師が腰をかがめて堂内を小走りに何回も駆け巡る。高次師はお若いのに咒師されるんや、と思っていたが、この咒師、若くないとできんわ。

結願法要がおわり、いよいよ鬼追い式へ。(20時半〜 ここから参加する人も多い)


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こちらでも咒師が鬼が暴れ回る場所を結界していく。喜勝さ〜ん、の声もかかる薬師寺のアイドル?(積極的にSNSを活用し、教えを説くために一般と交流されている若いお坊様である。花会式の造花を作るお家のお話があったときにもいらしてた)


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そして5匹の鬼が登場、松明を手に暴れまくるのである。


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ここの鬼は一番凶暴、松明の火を地面や柵に打ち付け火花を散らす。
お堂の前には行を終えた練行衆が並んで法螺をにぎやかに吹いて煽り立てるようだ。


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時に最前列の人があわててよけるくらいに激しい。(イルカショーの最前列でスプラッシュを浴びる感じ?)おかげで最前列までいけたわ(^_^;


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お堂の西にある境内唯一の桜も満開、それを背景に見栄を切る鬼。


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激しすぎて鬼さんの頭に火がついてあわてて消防団が消しに入る一場面すら。


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火花、飛び散る飛び散る


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松明が消えるとかがり火から補給してエンドレス


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最前列で炎を浴びるも、ちゃんとレインコート着用(これは二月堂修二会で学習したノウハウ)しているので服は焦げないよ。


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うわ〜〜アップ〜!
もう90分立ちっぱの疲れもぶっ飛ぶ、炎を見るとアドレナリン噴出やわ。


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そこへ毘沙門天さま登場


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戟を手に、鬼を追い払うのだが、その歩き方がちょこちょこ、ちょこちょこ小刻みにはねるような、ゼンマイ仕掛けのおもちゃのようなので、なにやらユーモラス。


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前回も、この毘沙門天様、かわいらしい歩き方やなあと思ったのを思い出したが、調べたらなんと7年も前のことだったわ。


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鬼の最後のあがきを見て、、、


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毘沙門天勝利宣言?


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鬼のいなくなった境内は聴聞の人たちも三々五々帰っていき、静けさをとりもどし、ライトアップされた夜桜がいよいよ美しい。


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開かれた扉の向こうの薬師三尊さまに拝礼し、家路につく(21時頃)
(7年前はこのあと、写経道場にて、順番に結願うどんが供された)


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これは鬼追い式で鬼がたたき壊したお松明の破片。ゲットしたよ(^^)v




嵯峨野厭離庵〜桜の茶会 - 2022.04.02 Sat



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嵯峨嵐山、秋には人が多くてまだ行ったことないが、桜の季節もはじめてではなかろーか。


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こうしてみると桜の嵐山もなかなかのものである。


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その嵯峨野にひっそりと建つ厭離庵(えんりあん)、非公開寺院であるが紅葉の頃に短期間一般公開される。(コロナ前まで)そのころの人出の多さを考えると、行きたいがつい遠慮していたのだが、このたび○交社さん主催の茶会で、はじめて中へはいることができた。

厭離庵は通りの奥、普段なら前を通っても素通りしそうな場所にある。


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厭離庵は藤原定家が小倉百人一首を編んだ小倉山荘の跡に建つと伝わる。江戸中期、定家塚が残るのみであったのを、定家の子孫である冷泉家が復興し霊元天皇が「厭離庵」と号し、白隠の弟子であった霊源禅師が開山となったという。



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その後荒廃したのを明治になって実業家・白木屋が再建、山岡鉄舟の娘が入山してのち尼寺となったが、どうもこの方、お酒が好きで寺の物を売り飛ばして酒代にしていたらしく放逐、紆余曲折あり、現在は若いご住職が守っておられる。


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境内は手入れが行き届き、苔の美しい庭園でお手入れされている庭師さんがおられ、嵯峨野の自然をそのまま生かした庭にしているとのこと。
石を積み上げただけの上に五輪塔が乗っている定家塚にもお参りできて良かった。定家が硯を洗ったという井戸(柳の井)もある。現在もきれいな水が湧いており、本日の茶席の水はこちらの水であるそうだ。

本日のお席主はご住職とお親しいという若い方で、その御縁で実現した茶会だそうだ。初めての厭離庵、茶室の時雨亭にもはいれるというのはとてもうれしい。ちなみに時雨亭は定家が建てた時雨の亭(ちん)から由来するものと思われる。

  <いつわりのなき世なりせば神無月 誰がまことより時雨そめけん  定家>

(謡曲「定家」にもこの歌でてくる)


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時雨亭は大正年間につくられたもので、月見台の上の屋根が高台寺の傘亭にそっくり。月見台でお菓子をいただく。聚洸さんのオダマキでやさしい桜色、銘が「ひさかたの」。
菓子器が宝づくしのそれぞれの文様が焼き印されたかわいい升であった。



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(ツンツンでているのは百合の芽)


濃茶席の時雨亭は四畳向切升床である。床には作者は不明ながら冷泉家から厭離庵に贈られたという定家の絵と「こぬひとを まつほのうらの ゆうなぎに、、、」の百人一首の定家の歌。まさにこの場所にふさわしい。
御席主自らがお茶を練ってくださった。茶入が休雪の白い萩、茶杓が圓能斎の「放下」、主茶碗が惺入黒楽、これも銘が「嵯峨野」と場所にぴったりなのである。
濃茶は角田香勢園「駒影」、宇治から戦後天龍寺門前に移ってきたというお茶屋さんだとか。



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薄茶は本堂にて。本堂といっても八畳のお座敷的な部屋でご本尊は如意輪観音さま。この御前でお茶を点てていただけるとは。ここの天井は現代絵師の手になる飛天が描かれているのだが、その脱力系のお顔がなごむ。
お菓子がそれぞれにお雛様のお膳ででてくるの、いくつになっても乙女の我々はつい歓声をあげる。しかも載っているお菓子が、叶匠寿庵のあも歌留多、百人一首の絵札の絵が描かれているの。これもまさに場所にぴったり!ちなみに私のは小野小町の「花の色はうつりにけりな、、、」であった。(もともと花だった時代はないけどな)
茶杓の銘が「小倉山」(山科瑞光院前田宗源師)と、これまたよくこれだけ集めましたね、と感心してしまう。



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点心はさが一久さんのお精進、一見お肉に見える擬製豆腐や名物らしい筏牛蒡(牛蒡二本に衣をつけてあげて筏に見立てたもの)、美味しゅうございました。
この点心席には復興に尽力した富岡鉄斎が寄付した扇面の絵も飾られていた。


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高校生の頃百人一首はすべて強制的に覚えさせられた。若い頃覚えた物はほんとに忘れないね。のちに苦労して覚えていて良かったと思うこと多々あり。あれはやはり日本人の心のふるさとであり、四季を愛でる心であり、美しい日本語を意識させてくれる物だと思う。それを編んでくれた定家様に深く感謝。



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せっかく嵐山にきたので法輪寺にもお参り。ここは重陽の節句の時しか来たことなかったから、桜があるなんて知らなかった。


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境内は十三参りの親子さんでにぎわう。
13歳、大人でもなく子供でもない。帰りに渡月橋で振り返るとここでもらった知恵をすべてなくしてしまうと言う。みんな真剣に呼ばれても振り返らないように頑張る。これは大人としての約束をまもること、を覚える第一歩だという。


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で、嵐山に来たら、これ、琴聞茶屋の桜餅。
ここのは餡がはいっていなくて道明寺をそのまま食べるといった感じ。意外とあっさり感がくせになるのだ。



三五夜月釜〜弥生2022〜肥後古流のお茶」 - 2022.04.01 Fri

奈良三五夜さん月釜、弥生ははるばる肥後国からお越しのお茶人さんの席。


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熊本で肥後古流のお茶をたしなむお若い茶道男子、SNSでお知り合いになられた三五夜さんのお招きで、はるばるお道具をもって大和国にいらしたそうだ。

肥後古流は熊本藩初代藩主・細川忠利(三斎の三男)が召し抱えた茶頭古市宗庵(利休の孫婿)を祖とするそうである。細川三斎も利休の弟子であり茶をよくしたが、ご本人は茶人ではなくあくまで武人であったため、流祖にはなっていないのだそうだ。山陰の細川三斎流も同じく、三斎を慕う人たちが起こした流派だという。
よって武家文化としての茶道なので、江戸時代までは武士にしか伝えられなったという。いずれにしても珍しく、めったに拝見できる機会のないお点前だ。

待合には源氏物語の「若菜」の大和絵、ちょうど柏木が蹴鞠の時に女三の宮を御簾ごしに垣間見てしまう場面、そして前に置かれた香合が蹴鞠の蒔絵(截金?)だったのがすてき。(ちょっと見る人の古典教養が試されるけど(^_^;)


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(熊本からお持ちくださった見事な牡丹)

本席では歌切、サインが「宗関」、ご一緒した大先輩のO先生は「片桐石州やな」とこともなげに。ああ、そうなのか〜。歌のお題は「嵐盗花」。嵐が花を散らしてまるで盗んでいくようだ、、、くらいか。ご亭主は書の研究もされているとお聞きする。そのご縁でかどうか、有馬頼底猊下がこの歌に関する考察を書かれた歌仙紙が添えてあり、これがまた見事な筆致で、これも軸装したらいいなあ、という感じ。

主菓子に太宰府・藤丸さんの「春雪?(だったかな)」、薄紅の麩の焼で餡を包んだものだが、中に球磨川の川海苔が仕込まれている誂え菓子、川の香りがまた珍しい。


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(脇床に江戸時代の野遊びセット)


古道弥の釣釜にて、お点前拝見。柄杓の扱いなどは藪内や遠州、石州に似ているが、帛紗のたたみ方が千家に通じる感じで、面白かった。とはいえやはり武張ったお作法である。

主茶碗は、ご当地八代焼(高田焼こうだやき・とも)の雲鶴のお茶碗、高麗青磁的な象嵌を得意とする窯らしい。はじめ豊前に細川家があったときに始まった上野焼があり、肥前に移封されたときについてきた陶工達が江戸時代を通じて焼いたのが八代焼である。

というわけで茶入は上野焼、遠州の長男・大膳宗慶の箱(銘「遠山」)である。肥後古流の茶人が持つにふさわしい。仕覆がまた貴重な「納戸地華籠立花紋風通金襴」、すごくいい。ちょっと古色がでているところも。茶杓が船越伊予、これも掛け物の石州と同じく幕府のお茶頭つながりか。


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薄茶では見事な寿司桶の水指がでてきた。

お菓子が細川家のお留め菓子だった「加勢以多(かせいた)」。本来はマルメロ羹を薄焼きにはさむのだが、日本でのマルメロの栽培がなくなって、最近の復刻菓子ではカリンが使われていたそうだが、これはほんとのマルメロを使った藤丸さんのもの。甘酸っぱくこれは美味しい。貴重なものいただいた。
(ちなみにカセイタはポルトガル語のcaixia=箱からきているそうだ。)



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薄茶は二服ずついただいたので、干菓子も二種とはうれしい。これは磯菜(海藻に砂糖をからめたもの)と桜の花びらの和三盆、同じく藤丸製。

主茶碗が武人であった三斎にちなみ赤楽に左馬の絵。三斎は馬具などもお好きだったそうだ。
たくさんのお茶碗をだしていただいたが、私的に一番ええなと思ったのは古清水の小碗。古清水独特の青みを帯びた地に青と緑で雷文が大きく描かれているもの。京焼はちょっと苦手だが、古清水の渋さは好きやわ。二碗目に虫明焼の12ヶ月絵がずらりとでたのも楽しい。

ご亭主のお茶へのご造詣の深さも感じつつ、貴重な一会であった。
またO先生、ほんまにいつも勉強させてもろてます。ありがとうございました。






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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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