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2022-10

<世界一美しい無人販売所>〜信楽・まさんど窯 - 2022.10.06 Thu

信楽のまさんど窯を訪ねて、その敷地に御自作の井戸茶碗を売る「世界一美しい無人販売所」の制作過程を見せてもらったのは今年5月だった。

10月には完成のお披露目会をするから、というお言葉に甘えてやってきたが、仕事終わってからかけつけたので、着いた時はもう黄昏時だった。


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おお!これが完成形か。

大阪の山本博工務店の方の指導を受けつつ、ご自分で設計、木材刻み、鑿によるほぞつくりなどこなして完成した、これも立派な作品だ。


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すでに作品が並べられ、値段もついている。
お支払いはPayPay なんだそうだ。


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さてこの作品を載せた台、、、すっかりきれいに仕上がっているが、


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5月にはこんな状態だった。


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これを電動サンダーで磨くことで世界一美しい無人販売所作りに参画できたのだった。(ほぼ30秒だけ(^_^;)
それにしても完成品の板の木目の美しいこと!ここまでやらないといけないのね。世界一かどうかはおいといて(^_^;美しいには違いない。作品の数も以後増やしていかれるのかもしれないが、このくらいで欲がない感じがとてもいい。
平金井戸(茶碗)はオイル窯時代のものを一つ拝領して、今も日々愛用しているが、面白さではやはり薪窯のがほしいなあ、と思った。いずれここで一つもとめましょう。


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母屋は灯ともし頃。
お祝いに来られた方はもうひけて、以前お目にかかった事のある若い茶園主さんや、茶畑労働などを住み込みでされている若い方々など近所の方が数人いらして、お互いに干渉するでもなく思い思いに古民家の美しい宵を楽しんでいる。


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ここの近所の料亭・魚仙さんのお寿司がお祝い(これもお知り合いのSさんから)に届いていたので、お相伴にあずかる。ラッキー。鯖寿司は絶品、信楽巻きというしんこ巻がとってもお酒に合う味である。(運転ゆえ飲めないけど)


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一応お茶の室礼はできているが、お客さんがお茶点てたかったら勝手にどうぞ〜というスタイル。ここではみんな好き勝手にしたいことをしても許されるような空気感が好き。夜を徹してのんで雑魚寝が好きな人もいれば、なにをするでもなくぼ〜っと景色を楽しむのもまた。


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茶畑の見えるこの縁側でごろりと横になっても許されそう。


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それからもう一つ気になっていたあの露天風呂はどうなったのだろうか。これは5月の時、土台だけができていて、その本気度を感じたのだが。


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おお〜!!
水も燃料(薪)供給ルートも完成!


IMG_6416 (1)


そしてなによりこの美しい瑠璃色の湯船!
信楽焼の大御所さんの窯で(こんな大物を焼けるところは少ない)、助言を受けながら完成させた湯船なのだ。<まさんど窯>の文字はここをアトリエにしてはる書道家奥田さんのもの、それを平金さんが造形して貼り付けたという。
色がすてきで一目見て、あ、信楽の火鉢だ!と思った海鼠釉。今の若い人は火鉢自体をしらないかもしれないが。

当分は男子のみということで。(女子はちょっと勇気がいる)ここで湯につかりながら向かいの茶畑を眺めるのは最高の気分なのだそうだ。

そしてそのあとお茶するという<淋汗茶の湯>そのものの世界、、、と思っていたら平金さんは一歩さらに上を行っていた。山科の奇人茶人・丿貫(へちかん)と利休の逸話(茶室の前に落とし穴をほって利休を落とし、汚れたところをすかさず風呂をすすめ、さっぱりしたところで茶を点てた)をまねてこの湯船の近くに落とし穴を掘ったそうだヽ(´∀`)ノ
はまる第一号はだれだろう?



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そうこうするうち釣瓶落としの秋の日は暮れ、外も真っ暗。


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どこからともなく芳香がするなあと感じていたが帰る間際になって庭の金木犀に気づいた。空には半月、美しい宵になった。翌日の夕べには尺八のコンサートもここであるという。そのうち月一映画会もしたいとか、こうして平金さんの(苦労もおおいだろうけれど)美しい古民家ライフは友人知人地域の人を巻き込んで発展していく。




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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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