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2022-11

開炉夕ざり茶事第二弾2022 - 2022.11.30 Wed



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本日の開炉夕ざり茶事第二弾にお越しのお客様は、うちの露地が一年で最高に良いコンディションの時に来ていただいた。


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紅葉はMAX、ここ数年一番良いときは12月初旬にずれこんでいたが、今年は11月下旬にまにあった。


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そしてこれも1年に1週間しか咲かないマルバヒイラギの花の最盛期で、露地は芳香に包まれる。金木犀にもまけない良い香りなのだ。(その分春の落葉には手をやくが、、)


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苔も夏の暑さを乗り切って今が良いとき。内露地の楓の落葉はちょっとひとりでは手に負えないので、苔の上だけ掃除して、あとは敷紅葉に。


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これも炉開き恒例の柑子の黄色くなる頃の洒落で最後にお土産になる黄柚子を待合に飾って。
本日の待合の百人一首は<むらさめのつゆもまだひぬまきのはに きりたちのぼるあきのゆふぐれ>


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それでは初座のお席入りを。


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時代の柄香炉を花入れに、前日調達した照り葉はもたずに落葉してしまい、かわりに山帰来の赤い実を。


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懐石中どうも下火の勢いがなく、一時釜を上げて調整する失敗はあるものの、そこは百戦錬磨のお茶の先輩方、あたたかく見守ってくださりありがとうございます(^_^;


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懐石中は席のなかのおにぎやかなこと!常に笑い声が水屋まで届く。向付にわさびを忘れたり、煮物椀に柚子を忘れたり、ほんまスミマセン。そこは百戦錬磨の、、、以下同文(^_^;


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時は宗旦忌も近く、銀杏餅にしようか亥子餅にしようか迷った結果がこちら、銀杏たっぷりの亥子餅。干し芋に少し塩をきかせた白あん。今回もみのり菓子さんのアイデアに助けられた。


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中立の時はすでに暗く手燭の交換も気持ちよくスムーズに。さすが百戦錬磨の、、もうやめておこう(^_^; ほんまに色々助けてもらいながらの茶事進行、おかげさまでこちらも少し楽しむ余裕が。


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後座の席入りを水屋で気配をうかがいながら待つ。この瞬間の緊張感が好きな茶人は多いと思う。大寄せではできない茶事の醍醐味。


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今回も干菓子はたっぷりの吹き寄せ。
京風(老松)と太宰府風(藤丸)の無理矢理天神さんつながりコラボ。それぞれの違いを味わっていただけたら幸い。
箒は周利槃特を思い出してね。


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濃茶の茶杓は銘を「村雨」、待合の今日の百人一首にかけまして。

色々なことをご存じのお客様、打てば響く、これが亭主のなによりの楽しみ、今宵も一座建立ありがとうございました。


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お土産に柚子と、お手製ミニ玄猪包み。


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中に紅葉(和三盆)としのぶを仕込んであります(*^_^*)



御影香雪美術館・紅葉とお茶を楽しむ会2022 - 2022.11.28 Mon

阪急御影の駅を降りるとああ、見えてきた!お久しぶり!


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御影香雪美術館、ただ今改築休館中。香雪というと大阪中之島の方がメインになっているが、こちらは旧村山龍平翁の邸宅と庭園があるぶん、その素敵さは全然別物なのだ。


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コロナ前まで毎年村山翁の忌日の11月に、この旧邸と庭園と燕庵写しの茶室玄庵、美術館の所蔵品を贅沢に使った玄庵茶会が開かれていた。毎年行くのを楽しみにしていたが、改築にはいったのと、コロナとであえなく中止が続いた。(参考:3年前の玄庵茶会の様子)

3年ぶりに訪れたのは、邸宅庭園の見学と立礼席にてお薄一服の<紅葉とお茶を楽しむ会>へ参観するため。


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ああ、もう3年かあ、、、、美術館は閉鎖中でも邸宅庭園はほぼ変わりなくて懐かしい。
洋館入り口にて受付、あいにくの雨模様。


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入り口入った所の紅葉すら美しいので、これから庭園内へはいるとさぞや、と胸が期待で躍る。


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庭園の入り口でもある編笠門。これも懐かしいわ〜。


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まずは書院棟の大座敷(28畳+19畳)からの眺め、、、思わずみんなうわ〜!と歓声が出る。玄庵茶会では展観席になる広間だ。


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濡れ縁の下は自然林を生かした庭園。


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濡れ縁の下は紅葉の海で、、、


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よく見ると庭園の中の道も見える。


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書院床の背景も紅葉、聞こえるのは野鳥の声ばかり。


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そうだそうだ、茶会の時も貴重な菊炭を惜しげもなく火鉢にいけてくれていたっけ。雨模様なので、この暖かさがありがたい。

茶室棟へつながる長い長い、そして意匠に富んだ渡り廊下を進めば、廊下の一角の戸を開けると香雪という普段使いっぽいかくれ茶室もあった。これは初見。そして燕庵写しの玄庵。村山翁は薮ノ内の茶を嗜んだので、家元から認められると燕庵そっくりの茶室をつくる権利(義務?かも)を得て建てた茶室である。恒例ならここで薮ノ内のお家元のお点前で、美術館の所蔵品のお茶碗で濃茶をいただけたのだ。


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待合〜寄付と逆行しながら、土間のとなりの寄付でこれも懐かしい大火鉢に出会う。


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茶室棟から庭園へ。
玄庵の茅葺き屋根を露地から見る。土蜂の被害を受けて、屋根が傷んで残念ながらシートがかぶせられていた。こういう建物を維持するのはほんとうに大変だと思う。


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玄庵を仰ぎ見る中庭で本来なら大きなかがり火を焚いて、鳥のさえずりなどを聞きながらお茶一服(玄庵茶会では吉兆のお弁当だった♪)の予定が、雨で急遽屋内にて。

ちなみに3年前の中庭点心席はこんな感じ↓よかったのよ〜。かがり火の灰から着物をまもるために羽織も用意されていた。

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(3年前の写真)



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先ほどの書院大広間からの眺めを下から見上げるとこうなるのか。

最後にお茶はいつもは受付荷物預かりになっている<梅園>という立礼席にて、織部好みの棚をアレンジした薮ノ内流の立礼卓にて。やはりお家元も来ておられた。



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末富さんのきんとんをいただいて、お薄を一服、体があたたまる。これにて会はおひらきである。

リーズナブルな会費でこれはこれで楽しいなあ。来年も開催されるとのことで楽しみ。もっと楽しみは、おそらくだけれど5年先改築が終了した暁には玄庵茶会も復活されるとのこと。


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最後に香雪美術館の名品選の図録までいただいて、目を通すとほんまええもの持ってはるわ。道具についての歴史なども勉強できるので、これはけっこう良い図録、しっかり読ませていただいた。




遠州山里にて古民家で茶事〜無庵 - 2022.11.26 Sat



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遠州掛川から一車両の天竜浜名湖鉄道に乗り換え、ヤマハのロゴはさすがご当地、ここまで来るのは初めてである。


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ノスタルジックな駅舎の遠州森駅から車で少々、あたりはだんだん山里の景色になり、こんなところに精進料理を出す店が本当にあるのか?と現地のタクシードライバーすら疑わしげだった(^_^;
しらなければ、看板もなにもないので通り過ぎてしまうだろう侘びた古民家、ここが精進懐石無庵である。


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主が吊り下げた干し柿の暖簾が山里の秋を感じさせる。

実は無庵さん、ずっとインスタでフォローしていたが、半年ほど前、東京の某茶会にご夫婦でお越しになっていて初めてお目にかかれたのだ。これはもう無庵に行くしかない!と決めて、師匠はじめお茶友有志のありがたいご参加をいただき、お料理ではなく茶事をお願いしたのである。


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精進懐石のお店という抱いていたイメージと違って、まさに古民家の茶友のお家に茶事に招かれた、という感あり。すでによく存じ上げているご亭主のような錯覚を覚える。
普段からお店はご夫婦おふたりできりもりされていて、茶事はご主人と奥様が亭主・半東を。ご主人は懐石も作りながらの亭主なのである。


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ご亭主は堀内長生庵にて表千家のお茶を学んでおられる。亡くなられた先代の宗心宗匠に師事されたとか。よって待合の軸は瓢の炭斗画讃、堀内不識斎(江戸期の宗匠)であった。

露地の延石、四つ目垣、柴折り戸、さらに石垣張りの障子までご主人のお手になるもの。


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もとは玉砂利を敷いていたという露地は自然に地苔が生え、良い感じに育っていた。植え込みの足下には敷松葉も。これから季節が冬に向かって寒くなるごとに松葉を広げていくそうだ。


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この蹲居の向こう側は流れの速い小川が流れていてせせらぎの音がする。山水なのだそうだ。


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茶室は四畳向切。かつて六畳のなにもない座敷だったのを、手を入れてここまでの茶室にされたよし。ご主人ご本職は料理人なのだが、お茶好きがこうじてここまでのものを作ってしまわれたのだ(^_^; (そしてそういうところへ距離もいとわずやってくる同じ穴の狢たち?)山里にふさわしい侘びた景色のほんとうにすてきな茶室である。

本席の軸は蓮月尼
  <ちどり鳴く かもかわつつみ月ふけて 袖におぼゆる夜半の初霜>
京都から来る客のために鴨川堤を掛けてくださったのだなあ。ちなみに私が住む岡崎は蓮月とも縁の深い場所なのである。

炉にはご精進の灰、山里の極わび茶室に合うように、少し粗めに仕上げられたとのこと。表千家の炭手前を興味深く拝見する。



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お料理はご本職だからお手の物。私は全くの精進懐石はあまり経験が無い。だからお出汁が鰹節をつかわず、昆布だけでこれだけ美味しいのか!と驚いた。ご飯は竈で炊いた煮えばなでこれまた美味しい。向付はお手製の胡麻豆腐である。

ここでお給仕は奥様に変わって厨房へ。



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これがまた絶品の湯葉がき。湯葉を蕎麦がきに練り込んだもので、たっぷりのきのこの山の幸、この里山でとれたものだろうか。これも昆布のうまみだけで食べさせる。
あといくらでもお酒がすすんでしまう豆腐の八丁味噌田楽、ねっとり美味しい今期初物の海老芋、次郎柿の白和え、精進でこれだけ美味しくてお酒のすすむものができるとは思わなかった。(ちなみに茶事でなく懐石料理のみいただくこともできます)



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主菓子までお手製の薯蕷。懐紙と比べてみてもらうとわかるが大きいのである。ほかほか♪
どうもこれを見ると師匠とご亭主の坊主頭が並んでいるように見えて(^_^;
ちなみにご亭主は心より尊敬されていた堀内宗心宗匠が亡くなられた時に頭をまるめることにきめられたそうだ。理想的な師弟関係に巡り会われたことがうらやましい。


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後座の花入れは少し凍みが入った青竹、もちろんお手製である。裏山の西王母のつぼみと照り葉。
濃茶を、ゆっくり時間をかけて少し体を丸めるようにして練られる姿がとても印象的であった。師匠が言うにはまさに宗心宗匠の練り方なのだそうだ。ご亭主の誠実なお人柄がにじみ出ているようなお点前であった。


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薄茶はあまり泡をたてない表千家のお茶。
ずっと思っていたが静岡はお茶の一大産地でありながら、あまり静岡産の抹茶ってないなあ、と。実際ほとんど煎茶などになって抹茶にならないそうだが、せっかくお茶の産地にいるのだから、とご当地のお茶を無庵好みにブレンドしてもらっているとのこと、そのお茶を二服もいただいた。

干菓子もお手製で和三盆のふくら雀、中に大徳寺納豆ならぬ浜納豆入り、と晩白柚のほろ苦砂糖漬け。


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遠州森駅、もうこのノスタルジックな駅には心奪われる。
この駅まで最後には車でお送りいただいた。なにからなにまで淡々と誠実に行き届いてされるお茶事は、料理店の茶事などというものではなかったことに深く感動。

露地や茶室の手入れ掃除を自ら行い、客に一服のお茶をさしだすためだけに多くの準備をし、周りにある食材を使って亭主自ら包丁を握る。客が来れば着物を整え迎付にでる。、、、映画「千利休〜本覺坊遺文」の中のシーンを思い出してしまった。これぞ茶事の本来の姿だ。


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最後に、静岡茶の無庵好み「無双の白」を買って帰ったので、今度の茶事にお出ししようと思うのである。



秋夜の奈良旅〜春日大社〜興福寺北円堂 - 2022.11.25 Fri



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秋の夜長の奈良旅は、まず春日大社宝物殿の前から始まる。
春日の森は暗いが、ここの前だけ明るく若宮おん祭りでも使われる鼉太鼓が輝く。


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春日大社は、今年20年ぶりの御造替を終えて新しいお社に入られた若宮様を祝しての万燈会である。二ノ鳥居から続く参道の灯籠すべてに灯が入る。(11月の金曜、土曜のみ)


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しかしながら蝋燭の灯りはあまりに頼りなく薄暗い。足下あっぶな〜!な場面が何回も(^_^;


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春日大社の本殿ではたくさんの釣灯籠。ここにも観光客復活!で、押し合いへし合いで回廊を牛歩で進むしかない。


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灯籠には寄進者の名前や願文が書かれている。中には平安〜鎌倉期のものもあるそうだが、多くは室町〜江戸のもの。それでも古い。


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浮遊する灯火はどこか美しくも妖しい。


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本殿を通り抜け、今回の一番大きな目的の新しくなった若宮様のお社の、、、


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これ!瑠璃灯籠を見んがため。
オリジナルは藤原頼通が寄進したとされる(1038年)釣灯籠であるが、現存せず。現在奈良県の文化財指定を受けている一基は鎌倉時代の物と推定される。5年ほど前にそれを手本に5基再生し、重要な神事の時には本殿に4基、若宮さまに1基飾られる。鎌倉時代の絵巻にもこの瑠璃灯籠が釣られているのを描いたものがあるそうだ。


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思ったより暗い。(別の日に行った奈良友さんの写真ではもっと明るかったが)
径2㎜ほどの小さな小さなブルーのガラスビーズを糸に通して縦に連ねた物。すごく手間のかかったもので、当時としては貴重で贅沢なものであったと思われる。いや、それにしても美しい。夜のお参りに来た甲斐があるというもの。

一月前に、お砂持ち行事で、あそこの内境内に白砂を撒いた、というのは自慢だ(?)


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12月の春日若宮おん祭りで若宮様が御旅所に移られる道を辿って一の鳥居の方へ。
灯籠の灯りは頼りなく、足下はほぼ真っ暗である。この夜の闇があるから奈良の夜って好き。


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どんどんすすんで興福寺の方へ。


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一の鳥居が見えてきた。


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夜参りをされる方は小さな提灯をお持ちの人がけっこういらして、提灯の灯りが暗闇にふわふわ動いていくのもなにやらゆかしく幻想的な景色だ。


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さて、興福寺五重塔!いよいよしばらく、、もしかして最後になるかもしれない見納め。来年から長い修復調査に入り、見られなくなる。12歳の(修学旅行)私の心を奈良にがっちり引き寄せた夜の塔である。


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(礎石の上の影絵ライト)


めざすは北円堂の夜間拝観。ここはいつもは非公開でたまに公開されるが、夜間の公開は21年ぶりなんだそうだ。昼間は何回か来ているが私も夜は初めて。


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ここには運慶の無著・世親両菩薩に会いに来る。
インドの兄弟僧侶であるがまさに息をしているようなお姿で、しかもおふたりの表情は対照的、真ん中にご本尊の弥勒菩薩。

北円堂の諸仏は平家の南都焼き討ちの後、運慶一門により復興された仏様で、まさに「鎌倉殿の13人」の時代のものなのである。


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ただ、日の光の方が、灯火より陰影がよりはっきりと見えるのではないか、と思われた。静かな雰囲気は夜の方が良いが。


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参拝記念に切り絵の散華いただいた♪

時間の都合と、若干痛めている足首の都合でもうひとつライトアップしている元興寺には行けず。次はそこと若草山トワイライトバスに乗ろうかな。奈良は夜も好き❤️



3年ぶりの銀月サロン〜中国紅茶会 - 2022.11.24 Thu

3年前、コロナで突如中止になってしまった北白川・銀月アパートメントの銀月サロン桜の茶会。桜の季節ではないけれど、3年ぶりに訪れることができる幸せ。


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アパートメントの庭の枝垂れ桜は紅葉も過ぎ早くも落葉の季節。ああ、ここは変わらないなあ、とほっとする。


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懐かしいような、ついこの前きたばかりのような、、、そんな感じがするサロンである。


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久々の中国茶会のテーマは<紅茶>


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中国ではもともと主に緑茶が飲まれていたが、緑茶が合わない硬水の英国より、紅茶を要望されて、茶葉を完全発酵させた紅茶が量産されるようになったそうだ。


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その最初の紅茶が福建省で作られた正山小種(ラプサンスーチョン)。英国では松で焙煎したスモーキーなのが好まれるらしいが、日本人的には正露丸臭?(^_^;といわれているが、、、
ちなみに産地の桐山は武夷山の一部だそうで、いわば岩茶のお仲間。


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minceされた茶葉。
煎れたお茶は見事なルビーレッド。一杯目から衝撃であった。今までラプサンスーチョン美味しいと思った記憶がないが、これはスモーキーさは全くなく、後口が甘い。そして香りが岩茶の烏龍茶の芳香でありながら、やっぱり紅茶、という認識ができる。最近飲んだ中国茶のうち一番美味しいかもしれない。


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(中国骨董のミニカップ 茶杯かデミタスか微妙なところ)


二つ目のお茶は安徽省の祁門(キーマン)紅茶。
世界三大紅茶(ウバ、ダージリン)の一つといわれる。英国におけるラプサンスーチョンの人気に目をつけて、清朝時代から国を挙げて大量生産、世界にプロモーションをしかけた結果有名になったお茶なのだそうだ。(その後民営化されて質の良くない茶葉もでまわることになったらしいが。)


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こちらは水色(すいしょく)がオレンジである。わりとあっさりくせがなく飲めるので、お菓子にとてもよく合う、と思った。


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ちなみに本日のお菓子はイチジクをアールグレイと菩提樹蜂蜜で煮たものに、ほろほろクッキー。


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三つ目の紅茶は雲南省・滇紅(てんこう dienhong)。滇は雲南省の古称。
滇紅は手のひらほどもある大葉種の新芽を摘んだお茶。水色はさらに明るく黄色みをおびて味は淡いがやっぱり紅茶と感じる。これも何煎でもいけるお茶だ。


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そしてそしてお待ちかね!(*^_^*)点心の時間。
久々に味わう銀月さんの手作りぷりぷり海老シュウマイ。


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そしてきのこたっぷりの薬膳スープ。ことこと3時間、手羽を煮込んだスープで、すっかり身も心もあたたまった。

最後の紅茶は台湾の蜜香紅茶。
蜜香というだけに東方美人茶のようにウンカ(虫)のもたらした茶葉の変化あり。いままでの3つの紅茶とは全く違う独特の香りだが、それでもやっぱり紅茶と認識できる。私、この蜜香系大好き。


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この紅茶にあわせるのは淡路島のモーツァルト牛乳(モーツァルトの曲を聞かせた牛からとれるミルク)で作ったミルク寒に自家製イチジクシロップをかけたもの。期待にたがわず美味しい。

このところ中国茶系の紅茶、日本茶系の紅茶を飲む機会が増えた。いずれも美味しく、安いティーバッグにはもうもどれないなと思う。しかしながら同じお茶のDNAを持ちつつどうしてこんなに多彩な変化ができるのだろう。茶葉を見つけて利用方法を考えた昔の人は天才だ!

すてきな眺めの部屋とセンス良い室礼で何杯もの紅茶をいただきゆったりする、、、こうしていると3年ものブランクがあったのだがウソのように思える。このひとときが貴重な時間。また次の季節にも是非。






宇治縣神社〜藪内の茶事2022秋 - 2022.11.23 Wed



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宇治縣神社、この頃は年2回の薮ノ内の若武者の茶事がすっかり定例になった。おさそいを楽しみにしている。


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茶室・棠庵(とうあん)
薮ノ内の先々代が作った四畳半台目、織部風に窓が多く、特に午前中は日の光が障子をとおしてたくさんはいってとても明るい。


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初座
軸は藪ノ内六代竹陰の「我有萬戸宅」
李白の漢詩の一節で、友人の隠者が嵩山の隠棲地に帰る時に贈った歌だそうだが、けっこうシュールな内容。(白龍に乗って青天を雄飛する云々)

久々に薮ノ内の霰灰を拝見。裏千家の四岳とちがって、隅に山がくる。江戸大西の釜には菊の地紋。


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さて、若武者の懐石はとても美味しい。珍しい食材もよく使ってくれる。それが最近若奥様が作られるようになってから、さらにバージョンアップ!で、今回は懐石の写真ばかりになってしまった(^_^;


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煮物椀のすりおろしが蓮根なのである。胡麻豆腐の上に乗るのはぐじ(甘鯛)。


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懐石席の広間の床
布袋さん?が茶臼を挽いている口切りの頃にふさわしいちょっとユーモラスな絵で、讃が薮ノ内の歴代宗匠のもの。花は、ムベの蔓が良い感じで、それに磯菊。


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半東、水屋は若武者がお茶を教えているところの大学生の子達。一回生の学生もいて初々しい。自分があの頃なにでもってお茶に心惹かれたのか思い出そうとしても、もう忘れてしまったくらい昔になってしまった。

八寸もおしゃれになった〜♪


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薮ノ内の懐石は箸洗い、八寸のあとにまだ強肴がでてくる。しっかり食べさせてくれるのは男子点前だからかなあ。酒盗もでて車で無ければ痛飲できただろうに、残念。



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主菓子は老松さんのきんとん。


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中立
露地のお掃除、落葉でさぞ大変だったことと思うが満天星や楓の紅葉がまさに秋である。

後座
花入れは二重切竹花入れに老爺柿、白玉椿。花入れには「野鶴」という銘。仕官せず悠々自適の生活を送る人、のことだ。
水指がまたよかった。円形ではない大きな三島写しの鉢。蓋をあけると底は山水画になっているのだ。なんと江戸初期の土風炉師だった辻井播磨の作、こんな焼物も作っていたんだね。
遠州の指導がはいってそうな半使(はんす)茶碗で濃茶をいただく。
茶杓の銘が「憶昔(いくじゃく)」だったかな?西本願寺・飛雲閣に薮ノ内の六代(本席軸書いた人)竹陰が増築した小間の茶席の名前である。


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薄茶はまた席を改め、再度、席入りすると軸も替わっている。
透月斎?の菊画讃「菊(聞く)だけれど聞かず 葉(歯)というけど食べず」云々のトンチみたいな軸である。水指もはなやかな京焼に替えられている。
床にちょこんと乗っている小さな猩々の香合は木白(赤膚焼)と聞いて驚いた。一見どう見ても一刀彫りにしか見えないが、焼物なんだね。
棗の菊蒔絵で、菊シリーズの打ち止め。

会を重ねるたびに頼もしさに磨きがかかり、余裕もでてくるご亭主、奥様を迎えられてさらにレベルアップされているような。だんだん偉い人になっていくのかもね。考えれば長いお付き合い、よく見限らんとおつきあいくださっているわ。さらに今後どう活躍されるのか、楽しみです(*^_^*)


<おまけ>
ちなみに今回もすんなり宇治には行けなかった。高速降り損ねて城陽までいってしまった。どうも宇治のまわりには結界があるような気がしてならない。というか私がきらわれているのか?橋姫さまあたりにでも?


銀杏二題2022〜東大寺西大門跡+岩戸落葉神社 - 2022.11.21 Mon

楓の紅葉は文字通り赤いが、やはりイチョウの黄色い紅葉は見逃せない。


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ここは県庁東の東大寺西大門跡である。一昨年ここのイチョウの紅葉の見事さを知ってから、できれば毎年見たくて、今年もこれを見るためだけに奈良へ。


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西大門?の礎石の上にも黄色い落葉。


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ここは観光客のあまり来ない場所ながら、近年このイチョウの見事さに、三々五々、近所の親子連れや女子高生、外国人観光客の姿がみられる。みんな葉っぱをたくさん空中にほおりあげて写真を撮る、というのがトレンドみたいだ(^_^;


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ちょっと卵焼きを連想させる黄色い絨毯。
ここでもふもふ寝転がりたい、、、と言ったら鹿の糞まみれになるで、とちゃちゃをいれた人はもういない。


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JKも幼児も高齢のご夫婦も、写真を撮ったり、落ち葉を踏みしめてしみじみ秋をかみしめたり、晩秋の短い間だけおとずれる浄土だな、ここは。


さて、こちらはリベンジマッチ。

周山街道を、高雄を過ぎ栂尾高山寺を過ぎ、北山杉の中川地区を過ぎ小野郷へ。


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なんとか日没前に間に合った。
本当は夕日に照らされる黄金が見たかったけれど、どうしてもこの日のこの時間しか行けなかった、岩戸落葉神社。


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境内はすでにほの暗く電灯がともっているがなんとか。

↓ これは10日前に来たときの少し早すぎた時の物。


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10日であっという間に黄色く落葉、この先何日くらいこの景色ももつかどうか。桜もいつ散るかとヤキモキするが、紅葉もまけずおとらずタイミングを計るのがむつかしい。


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この前はまだちょぼちょぼしか落ちていなかった葉っぱもこのように絨毯になっている。


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来年は夕日の頃をねらおう、、と思う。
(この季節周山街道は紅葉狩りでたいそう混むのがちょっと問題)



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さて、今一度振り返る。
見事な黄金銀杏にお別れを。




空也堂開山忌2022〜歓喜踊躍念仏〜千本六斎 - 2022.11.19 Sat

空也上人は平安中期の人である。ひたすら「南無阿弥陀仏」の称名を唱えることで救われるとされた、いわば浄土教の先駆者である。


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その空也上人を祀った空也堂(紫雲山光勝寺極楽院)、普段は非公開であるが、11月第二日曜日は開山忌がおこなわれるので、中へ入ることができる。で、初めて行ってみた。


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まずは献茶式(王福茶:後述)、そして1時間にわたる鉦や太鼓がにぎやかな、独特の法要がはじまる。


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頭にかぶるのも独特の定盛頭巾とよばれるもの。
鉦、太鼓、ひょうたんまで叩いて入場。


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ご住職が持っておられる鹿の角の杖は、有名な六波羅蜜寺にある空也上人像にもみられる。上人が鞍馬で修行中、鳴き声を愛した鹿がいたが打ち取られてしまった。それを悲しんだ上人がその鹿の皮をまとい、角を杖としたとされる逸話から。

まあ、独特のリズムを聴いてね。




長い読経のあとはいよいよ踊躍念仏(ゆやくねんぶつ)と言われる踊り念仏の始まり。
京都他各地に存在する六斎踊り念仏はこれが祖といわれる。





「もうだ〜」をくりかえすが、同じ空也が建てた六波羅蜜寺(西光寺)の年末に行われる空也念仏では「もうだ〜なんまいと」だったな。あからさまに南無阿弥陀仏と唱えられないので(当時空也僧は異端だった)こう言ったという。


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空也本人が踊り念仏をしたという記録はないそうだが、かつて念仏踊りの六斎講は作るにあたって空也堂が許可をだす権利を持っていたという。(もう一つは左京区田中の干菜寺)六斎はその後念仏のみの念仏六斎と踊りや笛太鼓の演奏を伴う芸能六斎に分かれ、空也堂系はどちらでもよかったそうである。


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そしてその名残である京都六斎念仏保存会(14団体 六波羅以外はすべて芸能六斎)のうち、千本ゑんま堂盂蘭盆会奉納をされている千本六斎会の方達の六斎念仏。

(ちなみに祇園祭綾傘鉾の棒振り踊りも六斎のひとつで、壬生六斎念仏講である。)


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六斎には小さな子供も参加、女性の参加も目立つ。演目はどこの六斎もほぼ同じ感じ。これは四つ太鼓という4つの太鼓を小さい子からだんだん年長さん、大人とかわるがわる叩いていく演目。






まあ、怒濤のパーカッションを聞いてくれ!


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さらし踊り。女性参加が増えたことで新たに作った千本独特の演目。


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豆太鼓ときて、、、


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今はもう懐かしい祇園囃子。綾傘の棒振りとほぼ一緒のメロディである。


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これも千本独自の雀踊りというユーモラスな踊りで、笠についた鈴が鳴ってにぎにぎしい。


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六斎踊りが終わった後は順番に王福茶(皇福茶)をいただき焼香する。

その昔都に疫病がはやったとき、空也上人は車に十一面観音を乗せて市中を回り、茶を煎じて病人に与え治癒させたという。時の帝、村上天皇もこれを召し上がったことから王福茶という。



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その後も空也僧たちは、年末になると市中で茶筅を売った。病気平癒の力があるとされたのだ。
年始に大福茶をいただくが、そのルーツがこれであろうか。


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ちなみに開山忌法要はいまでは第二日曜におこなわれるが、忌日は11月13日。空也上人が亡くなった日ではなくて、奥州へ布教の旅に出た日、この日を再び帰ることがないので忌日にせよ、と弟子達に言い置いた日なのであった。



萬福寺ランタンフェスティバル - 2022.11.18 Fri

黄檗山萬福寺、明から渡来した隠元禅師が建立したお寺で、梵唄(声明)やら仏教儀礼やら中国的な色彩の濃いお寺で独特の雰囲気がある。煎茶を広めた売茶翁がここで修行したこともあって、毎年9月には月見煎茶会が開かれ、何度か夜の萬福寺には訪れていたが、こんな萬福寺の夜景は初めてだ。



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あたりはあまり人影もない宇治の黄檗、ほんまにやっているのかな、と心配しつつ来てみると、なんと〜!!山門が、、、山門が、、、、


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あの広くて奥深い境内の隅から隅までびっしりランタンが!

今年は隠元禅師350年の大遠忌であるのにちなみ、すごい規模のランタンフェスティバル、しかも来年1月まで続くというロングラン。


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いやもうびっくりだわ。という訳で本日はほとんど写真です。(これでもセレクトしたので、ほんとうはもっとたくさんあるのだよ)


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この竹林にパンダのランタンもあった(^_^;
主宰は日中文旅Co.Ltd、中国の文化を知ってもらおうというコンセプトらしい。


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中門はいつも通りの通常運転、その向こうにキラキラの世界が。


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これは隠元禅師の渡来の舟だそうだ。


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如意棒のゲート、奥に孫悟空のランタンもあり。


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これが孫悟空が下界に追われる原因になった蟠桃園の桃。これをむちゃくちゃにしちゃったのだ。


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ランタンは化繊布でできているみたいだ。それにしても細かい作業だわ。


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平日の夜なので、人出は少ないものの三々五々、飲食の店も少しでていた。


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中華街でおなじみ龍舞。


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こちらは玉取獅子かな、と思ったら麒麟だった。


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きらきら色彩鮮やかで、布製のランタンと少し違うな、と思ったら、、、


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なんと色水の入ったバイアル瓶をいくつもつないであった。すごい!


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龍と麒麟、いずれも瑞獣で、めでたいことこの上ない。


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天王殿のおなじみ、弥勒菩薩の化身といわれる布袋さん。夜のお寺の雰囲気はどこか妖しくてとても好き。


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その前にある七宝の香炉。これ小さいサイズで、茶会などでは建水に使われているのをよく見る垂涎ものなのだ。


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布袋さんの背面にあるのが男前で有名な韋駄天様。今宵もりりしい。


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蓮のはちすも花も。


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南海観音。中国海南島にある観音様だそうだ。いかにも中国的。


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隠元禅師が中国から持参したという朱泥の茶器。ちゃんとお湯が注がれているように見える。


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わ〜、、、いつも見慣れている灯籠にさらに華やかなランタンが付け加えられて全くべつものに見える。


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ちなみにこれが普通の時の灯籠。


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こちらは通常運転の、煩悩珠を吐く開梛(かいぱん)さん。
この周辺はいつも月見煎茶会で夜来たことがあるけれど、全く違う雰囲気になっている。


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萬福寺の境内は奥が深い。本堂や天王殿のさらに奥にも広い空間があって法堂がある。その前はなにやら妖しい赤いランタンが点滅する。


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敦煌莫高窟の飛天の林を通り抜け、、


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人気のない開山堂の方へ行くとなんと、またあでやかな、、。
宮廷に使える女官の花見の図なのだそうだ。


最後にもうオシマイだろうと入り口までもどると、まだあった!!


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ほんまもんの枯れ蓮が林立する池の中にまでランタンが。


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いや私、実はこれが一番好きだわ(*^_^*)

夜は人気もとだえる宇治の夜の一角にこんなキラキラのランタンワールドがあるなんて!行く人が少ないのはちょっともったいない。1月31日までやっているそうだから、おすすめよ。意外とはまったわ(^_^;



三年ぶりの光悦会2022 - 2022.11.16 Wed



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3年ぶりの光悦会、洛北鷹峯、3年前の記録をみていたら、今年の方が紅葉の色づきは早い。


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今年は人数を絞って、午前午後とわけての開催、例年に比べてがら空きといってもいいくらいの余裕、いつもこれくらいならいいのになあ。


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最初に最も混み合うと思った名古屋席(ご担当:米近)へ気合いをいれて。
ここは寄付の本阿弥庵〜待合の自得軒〜本席騎牛庵の三カ所を回るので、はやくも頭がヒートアップ。


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光悦会にふさわしい待合の光悦消息、花入が檫(さつ・九輪の根元)で挿してある花が鍍金の蓮華とはとてもしゃれている。檫には延暦一七年(798年)の彫りがあって、延暦寺ができた年号やん!と感激。この席はけっこう天平とか平安初期のすごく古い古い美術品が多かったような印象。

<ちょっと学習コーナー?>
よく聞くけどしっかり覚えてない太郎庵さん(ちなみに炭斗がでてました)
覚々斎原叟の弟子で名古屋の人。原叟の手作り楽茶碗「鈍太郎」をくじ引きで当ててから太郎庵と名乗ったとか。太郎庵椿もこの方の名前由来。


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待合の宗達扇面紅葉流水図はきれいな赤の紅葉、中回しの縫い取りが小袖かなにかかからとったもので美しい。
本席は堂々の大燈国師墨跡、弟子の徳海に与えた道号で紀州徳川家伝来。
砧青磁の耳付花入、この耳がかわいい雨龍なの。花は寒蘭、嵯峨菊。
光悦会の炉縁はみんな久以と思っていたが、今年は半入がトレンドだった。

そして水指、なんと天平勝宝5年の銘のはいる古銅の壺!4年が大仏開眼の年だから、まさに正倉院展の時代のものなのね。ちょっと感動。(平瀬家伝来)

大名物唐物茶入<朱張茄子>名前の通り朱に色がにじみ出しているような色具合。蓋も珠光好みと遠州好みと二つ添っているのだが、最初遠州のがのっていて、珠光のに替えると途端に雰囲気がかわるのに驚いた。蓋でこんなに雰囲気がかわるとは!蓋も大事やね。ちなみに珠光のが好み。(平瀬家旧蔵、すごいな平瀬家)

建盞天目に添った堆黒天目台、黒だけでなく、ベースに朱が入ってまた華やか。
茶杓は利休、原叟筒で「芹生」。櫂先の裏にケラ判があるそうだが見られなかった。



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次は東京席(筒井先生ご担当)、徳友庵にて
待合の松花堂と江月コラボの大黒布袋図だが見るべきは中回しの上辺だけに使われた金襴、織り込まれている文字が「明萬歴皇帝贈日本国王(=秀吉)」なのだ。

床脇に置かれた香炉が私的には一番のツボ!
祥瑞の香炉で細かい蓮弁が焼物、真ん中の火屋にあたる金属部分が蓮の花托になっているのだ。種の部分はふさがり、種がこぼれ落ちたあなぼこが煙のでる穴、これおしゃれやったわ〜。


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こちらの炉縁も半入だったが、なぜか寸足らず、一尺三寸なのだそうだ。一尺四寸に決めたのが利休だったので、それ以前のものと思われるとのこと。
古瀬戸(実は唐物?)淀丸壺は秋本子爵家が大事に大事にされていたそうで、3つの牙蓋と仕覆をおさめるのに茶入と全く同じ木型を3つも作ったそうで、それも展示されていたのが興味深い。
この茶入、手にとらせていただいて感激、とにかく軽い!!

片身代わりの熊川がでていて、ちょっと小ぶり、鬼熊川的、鏡はっきりしない。銘を「中川」。
茶杓は近衛信尹(三藐院)銘を「つれつれ」陽明文庫の印あり。


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ここでちょっと休憩、点心席。瓢亭さんのお弁当。大原女のコスチュームのお茶くみさんも復活しててうれしい。瓢亭くらいになると、お給仕の方々のしつけというかマナーがやっぱりいいのよね。


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点心席からの眺め、こんもりした鷹峯、紅葉、見下ろす市街地の眺めが抜群なのである。

それにしてもお客さんのなかに説明したがりがいるのはなんとかならんか。席の方の説明をしっかり聞きたいのに。


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(こんもり鷹峯)

大阪席は大阪だけど東京の数寄者?の方? 了寂軒〜太虚庵にて。
本席は清拙正澄墨跡、壬戊臘八、と書かれた日付がわかるもの。ちなみに1322年12月8日で、清拙が来日する前に中国で書かれたものとわかるそうだ。(佐久間将監所持)
元時代の青磁浮牡丹花入とは、清拙と時代をあわせてくるところさすが。


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与次郎の「大雲院什物」の鋳込みがある釜もすごいが、炉縁もすごいよ。沢庵和尚が梯子で作ったといわれるもの、梯子らしく板をとりつけた跡がある。なぜか孤篷庵の焼き印あり。
茶入が名物古瀬戸「溝口胴高」、えらくでかい茶入だが、小堀家〜溝口家〜赤星家〜鈍翁と渡り歩き、それぞれ箱の横に上に裏に所蔵印ラベルがあるのがかっこいい。

茶碗はいかにも井戸らしい古井戸「龍田」、軽い!
茶杓は本阿弥空中(光悦の孫)



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(光悦の墓所)


最後にやっと京都席、善田さんご担当〜三巴亭にて。
待合の軸が珍しい芭蕉、「はつしぐれ 猿も小蓑を ほしげなり」
お菓子の銘も「初霜」だったけれど、この日はほんまに暑いくらいで、、、(^_^;
11月でこんなに暑くていいのか?というくらい。


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この席はなんといっても蒔絵がすごかった。(さすが京都)
ひとつに薄器・岩波蒔絵平棗(前田家伝来)、表はびっしり青海波に囲まれた鉛の岩、蓋を開けるとなんと蓋裏だけでなく抹茶でかくれる底にまで、貝寄の蒔絵である。海の下にもぐると見える景色といった感じだろうか。


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二つ目は光悦の芦手忍草蒔絵の硯箱である。表面にびっしり細かい細かい精密忍草の蒔絵、芦手は「たれゆえに」(みちのくのしのぶもじずりたれゆえに、、、ですね)蓋をあけると蓋裏に、今度は鉛と青貝の兎が。この青貝の上にまでびっしり忍の蒔絵が施されているの、すごいわ。

茶杓が灰屋紹益。東京席のが近衛信伊ので、その養子・信尋と紹益が吉野太夫を争った逸話を彷彿とさせるのはたまたまか、企みか。


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(休憩所の囲炉裏だが、暑くてさすがに火がはいっていない)

さて、これにて4席すべて終了。
他にも名物は多々あれど、もうインプット情報多すぎて、、、

とにもかくにも3年ぶり、晴れやかな心持ちになれる光悦会、久々に行くことができてほんまありがたかった。


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帰り道、入り口までの道の紅葉
今年はわりときれいだね。



御所西にて遠州流開炉夜咄茶事〜炉に米塩鰹節を投入する! - 2022.11.15 Tue

遠州流の先生であるイギリスのS先生、ベルギーのT先生とお茶友かつS先生の弟子のDさん、お三方の月釜へ行こうと思ったら、急遽夜咄茶事にします!とのことでお茶友さんさそって夕刻、御所西の京町家へ。


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一階のフロアに蝋燭、外はまだ明るいがここには一足先に夜の雰囲気。手燭を交換して二階の茶室へ。


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お〜〜!すてきな夜咄空間。

最初に全員で般若心経、四弘誓願を唱える。S先生のお稽古のルーチンなのだそうだ。


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そして炭手前。
Dさんちにつたわる朱塗りの水屋炭斗を炭斗に、灯火に朱塗りが映えて、夜咄に似つかわしいいい雰囲気だ。ただしご本人曰く底が深いので、中の炭が見えない、、、(^_^;

S先生に遠州流の炭について、またその美学・哲学について色々お話をききながらDさんのお炭を拝見。遠州の枝炭は胡粉のついていない黒いままの炭だ。


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驚いたのは、炉の中に塩(清め)・米(山の幸)・鰹節(海の幸)を投入したことだ。炉開きの時の作法らしい。炉中に物を投入するという発想はなかった!しばらくすると鰹節が焼ける香ばしい匂いがしてきた。遠州流では宗家はじめみなさん毎年このような炉開きをしておられるそうで、これは貴重な初体験、目から鱗である。
ちなみに遠州流では客の前ではいわゆる口切り、封印切はしないそうだ。



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そして欠かせなのが御神酒。


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それをみんなでいただいて開炉を祝う。ここらへんは神事みたいだ。(仏教のお経から始まったが)


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床には遠州の画賛、富士山の絵でこれも開炉にふさわしくめでたい。花入は七官青磁(明代)である。青磁の色は暗いところで美しく映えるのだなと実感。(写真は電灯下で撮った物)


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魚三楼の懐石をいただく。この器の梅の花みたいなアレンジはなかなかおしゃれ。さすが伏見の老舗名店だけあるわ。

中立の間は暗くした烏丸通に面した座敷から十三夜の月が見えて、みんなでみとれる。


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後座
遠州流らしい繊細な意匠の棚、点前座の向こうに脇床においたS先生のコレクション、猩々の一刀彫り。ここで「猩々」の一節でも謡えればかっこいいのだが、詞章忘れた、、、(^_^; でも今宵の客はみな猩々(酒飲み)なんで(*^_^*)

濃茶はDさんのお点前にて。
仕覆入りの天目茶碗に象牙茶杓は、裏千家では真台子からの扱いになるが、遠州では普通の棚でもこれを使われるのだ。格調高い。唐物天目茶碗の美しい禾目が灯火に映える。数茶碗のクメール朝南海茶碗(カンボジア)も面白い。


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その間われわれ客は蝋燭の芯切りに忙しい。あれはちょっとしたコツがいるのだ。


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薄茶はいつも端正なお点前をされるT先生。
釜が与次郎の阿弥陀堂というのもびっくりだが覚々斎原叟箱の黒楽四方茶碗もびっくりだ。今国博にでている「ムキ栗」は利休所持であるが、抜群のデザイン性はおそらく一つ作るだけではなかったのであろうと思われ、これもさる筋に見てもらって長次郎に間違いないのではとのこと。Dさんコレクション、いや〜長次郎で一服いただいちゃったわ〜。(ちなみにやっぱり角から飲まないとこぼしてしまう。)茶杓が金森宗和なのもすごい。遠州と宗和はきれいさびと姫宗和でどこか通じる物があり、実際仲良かったらしい。

色々お宝を電灯もつけてためつすがめつ手にとり鑑賞、これはありがたかった。おまけにDさん作成の、道具や作者、それに関連する参考文献までいただいてもう感激するしかないのである。

目利きの熱い茶人Dさん、日本人の茶人より茶道に造詣の深いS先生、茶葉のことはおまかせの端正なお点前のT先生、このお三方のご活躍にますます注目である。このような形で茶事に招かれるとは思いもかけず深く感謝する次第。




ちょっと早すぎた岩戸落葉神社の大銀杏+高山寺 - 2022.11.14 Mon



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周山街道を行く。高雄槙尾を過ぎ栂尾・高山寺前の由良川沿いはほどほどに色づいていた。
町中のイチョウがけっこう黄色く色づいてきたので、きっと山中の、一度行きたいと思っていた岩戸落葉神社の大銀杏ももうすっかり色づいているのでは、と思ってでかける。


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栂尾から周山街道を京北の方へ、北山杉の里、中川地区よりもさらにすすんだ小野郷にその神社はある。(ちなみに駐車場はない。バスは1時間に一本のJRバス)


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バス停の前には交番もある小さな小さな集落が小野郷である。一説に惟喬親王(木曳をあみだしたという伝説あり。「伊勢物語」にも何回か登場、業平がお仕えした不遇の皇子である)終焉の地といわれるが、宮内庁認定墓所は大原にあるしなあ。(惟喬親王については伝説が京北一帯にたくさん残る)
そして平安遷都の時の木材調達場でもあったという。上賀茂神社の神領、後に天領となった。


そして、、、


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うわああああ、、、というしかない大銀杏!
ただし、未だ散り始めで少し早かったようだ。市中と色づきはそんなにかわらんなあ。


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起源は不詳らしいが平安時代にはすでに存在したらしく、元は落葉社、岩戸社と別々の社だったそうだが後者が火災にて合祀されることになったとか。(梛隼神社みたいなものね)


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常住の神職はおられないようだ。未だ少し紅葉には早かったようで、静かなだれもいない神社であったが、それでも2,3人の観光客が写真を撮りに。Instagramとかで急に有名になった場所、それまではほんとに地元の人以外訪れることのないひっそりした神社だったと思う。



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背景は北山杉
ご祭神は三柱の比売命(女性の神様)でいずれも水に関係した属性を持つ。(+落葉姫)清滝の上流であることに関係するのだろうか。



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境内にちらほらの落葉。これがいずれ真っ黄色の絨毯になるという。機会があればもう少し紅葉したころにまた来たいな。(きっとカメラマンも多いと思うが)


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ダメ押しにイチョウの写真さらにアップ。


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太陽光線の具合から夕刻がもっとも美しいのではないかと予想する。

滞在時間約20分、栂尾まで帰ってせっかくだから高山寺にもよってみよう。


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実は高山寺も紅葉にはまだ早かった。楓の葉もまだまだ青いのが多くて。
ちょうど京都の製茶業の方達による法要、献茶祭が開山堂で行われていた。そう、高山寺は一応日本最古の茶園といわれているからね(諸説あり)。室町時代は高山寺の茶以外を「非茶」と言ったもんね。


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かわいい善財くんにご挨拶。また来ましたよ。学生時代は高山寺で合宿してたし、なにかとなじみのあるお寺である。


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CFリターンの終生無料入山券(抹茶付き)もあることだし(^_^v




開炉茶事2022 - 2022.11.12 Sat



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今年も無事開炉をむかえられた。あるべき季節にあるべき事をなせるありがたさを、この年になってしみじみ思う。


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毎年恒例の(^_^;「柑子の色づく頃、、、」なので寄付に黄柚子を盛る。これはお開き後にお土産にする予定。


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ネットで調べながら玄猪包みを作ってみる。
ほんものの下賜される包みは位によって、また一の亥の日、二の、三の、、で色々こまかいしきたりがあったようで、また時代による変化も。古くは宮中で下賜された餅を包むものであった。できあがったこれは仁清の玄猪包香合から逆におこしたもので、本来は三の亥の日に餅としのぶと一緒に包みの中にイチョウの葉をいれたという。


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ふふふ、、、仕入れて間ない一番お気に入りの赤穂段通に煙草盆が映えるわ(自画自賛)


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露地では紅葉はドウダンツツジのみがやる気をみせて、あとは今少し。そのかわり石蕗が盛りである。


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やっぱり香合も柑子、、、が色づく頃、、、ってしつこいか?
灰器が備前、炭斗は瓢(岩渕祐二さんと父のある意味合作)、向付に織部と、これで三部そろったかな。


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今年は裏庭の椿が豊作で、ようやく日の目をみてデビュー。西王母+白玉、花器は裏にハングルで発掘年、場所を書いたラベルあり、の新羅土器。照り葉は赤い実付きのハナミズキ。


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椿も紅白、汁も餅と小豆で紅白、田楽味噌をかける強肴も蕪と柿で紅白、、、茶碗も濃茶は白系、薄茶は赤系でそろえて紅白、めでたい!、、にしてみました(*^_^*)


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さてここで一体何本私はお酒の五合瓶をあけたでしょう?近来まれに見る?お酒好きばかりのお客様、お酒をつぐときに杯でなくて汁椀の蓋をさしだす方達ばかりで(^_^; 彼らにとってはこれがデフォルト、なんと利休のころにもそういう作法はあったそうで、むしろ正統な飲み方かも〜。
というわけで、実はこの日のお客様は日頃お世話になったりお世話したりの、十年以上のお付き合い、気の置けないお茶友さんたちなのだ。こんな方々と開いたばかりの炉を囲んで、お祝いをどんちゃん、、、いやしみじみできる幸せを思う。

八寸でお肴をお客様に乞うと若い茶道男子が英語の歌をうたってくれた。(Alicia KeysのIf I
ain't got youという歌だったらしい)



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主菓子はみのり菓子的亥子餅。中に生の柿とか入って絶品。


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中立後の後入りでは手燭交換も。ロウソクの明かりがうれしい季節にようやくなった。


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薄茶では、最後にお客様に一服点ててもらう。いつもはお開きの後ゆっくり独服するのだが、今回は楽しくてご一緒にいただきたいと思ったのだ。

客上手もあって、今回はきっちり4時間でお開き、楽しいひとときもいつかは果てる。またの日を楽しみに、よき開炉茶事、ありがとうございました。



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この日は炭手前のあといっさい炉中に手を加えなかったが、見事に濃茶の時に松風を聞き、終わって釜を上げてみればこのように。うまいこといったわ〜(再び自画自賛)それにしても炉炭の太さのなんと頼もしいことよ!








正倉院展2022 - 2022.11.10 Thu

日本人みんな大好き正倉院展!
ここにこれだけ人が集まってくる限り、日本文化はまだまだ大丈夫と思える。


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今年もコロナ対応で要予約、当日券ナシであったが、見よ!!
きらきら光る?予約不要のいつでもフリー招待券を!(クラウドファウンディングのリターン(^_^;)
というわけで待ち時間ゼロで入館を果たす。(予約時間前は行列できていたが、半端な時間に行ったので)

2年前はガラすきであったが、昨年今年とまあまあの入館者、陳列ケースには少し並んだが、コロナ前の押し合いへし合いはなく、こういう感じでいつも拝見したいものだと思う。


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いきなり大きな香木「全浅香」がで〜んと。蘭奢待に比べると知名度は劣るが、双方の香りを聞いたことのある足利義政は蘭奢待と同じ匂いと書いているそうな。もう焚かれることもないのだなあと思うと残念。


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ポスターにもなった今年の目玉は漆背金銀平脱八角鏡。(ちなみに右のはショップで購入した飴の缶)金銀の薄板を貼り付け漆をかけ、かわいてから金属の上の漆を掻き取るという技法だが、一見象嵌細工のようにみえる。つまみの部分にまで装飾がほどこされ美しい。(双眼鏡持参がおすすめ)


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今回一番のお気に入りは意外や銀壺(右)であった。一抱えもある大きな壺で、表面に狩りをする騎乗の人物と追われるいろんな種類の動物が躍動感あふれるタッチで彫られている。しかし、このスモークがかかったような背景は、、、?と思って双眼鏡でみるとなんと!この大きい壺全体の背景部分は全部魚子(ななこ)になっているのだ。小さな丸い鏨で空間を埋めていく、、気の遠くなるような作業。称徳天皇(孝謙天皇 聖武天皇の娘)が東大寺に寄進したものだそう。

左の竹帙(じす:経典をまとめてつつむ)もすてきで、これも双眼鏡でのぞかないと、細い竹ひご一本一本にさらにほそ〜い色糸をまきつけて文様としているのがわからなかったと思う。これもすごく根気のいる作業。

伎楽面や東大寺の荘厳具などは「天平勝宝4年4月9日」がキーワード。西暦752年(修二会の開始も)、大仏開眼法要の日である。この日のためにつくられたいろんな工芸品、どれほど華やかでにぎにぎしい法会だったのだろうとはるかに想像してみる。


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今回の特別テーマは布、装飾品と、乙女心?をヒットする展示物が多い。
古代の刺繍や染め物、織物、ほとんど残欠というより糸くずに近い物もあったが、それでも当時の美しい色彩を垣間見ることができるのである。
当時の人がアクセサリーとして腰にまいたであろう美しい色彩の紐、その先にぶら下げる小さなけれど美しい刀子、魚や鳥の形の小さな飾り、これらをキラキラじゃらじゃら腰につけて歩くってなんておしゃれ!(現代の若者もキーホルダーじゃらじゃらぶら下げているがあれと同じだ)

天保年間に正倉院の倉を開け、その裂類の整理に和紙で裏打ちをして保存する方法がもちいられ、明治以降も正倉院の古布管理の手法として今も使われているのだそうだ。かつて東大寺屏風といわれ屏風に裂残欠を何枚も貼り付けた屏風もあったそうで、レプリカの展示もあり。(現在はばらして保管)先人達の文化財保護の努力のたまもの。

古文書類はいつもほぼスルーするのだが(見てもワカラン)、今回久々に有名な「五月一日経」がでていたので、これはしっかり拝んだ。光明皇后が亡き父母(不比等、県犬養三千代)の供養のため発願した一切経写本、経文の最後の奥書に「皇后藤原氏光明子奉為、、、天平十二年五月一日記」と書かれているもの。


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展示を見終わって、先日お披露目にいったばかりの博物館・八窓庵庭園を眺める。この期間は呈茶席もあったようだ。いつのまにか紅葉がほんのり。



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博物館地下のレストランでこれも毎年恒例この期間限定の薬膳料理弁当を食す。けっこう美味しいので好き。(大阪の桃谷楼謹製)


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図録は安くて小さくて場所をとらない英語版がおすすめ。


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ちなみにこれはミュージアムショップで見つけた大好き❤️疾走する伽藍神様❤️ボールペン、即お買い上げ。


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帰りに寄った東大寺西大門跡の銀杏はまだまだ黄色くなっていなかった。



堀江知彦追善茶会〜大徳寺・孤篷庵 - 2022.11.08 Tue

書道家であり古筆鑑定、また歌人・会津八一の研究でも知られる堀江知彦先生が亡くなられてすでに四半世紀、奥様の堀江恭子先生が大徳寺孤篷庵でその追善の茶会をひらかれた。恭子先生の茶会には、コロナ前には毎年行っていたが、今年久々の復活、お世話になっているK先生にお声がけいただき参加がかなった。


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今回は濃茶を恭子先生、薄茶を徳禅寺の和尚様がもたれる。(この前から徳禅寺さんには東京とかいろんなところでお目にかかっている(^_^;)

最初の濃茶席は直入軒の広間にて。
床にかかっているのが重要文化財の大燈国師墨跡!実は案内状には孤篷庵所蔵の喜左衛門井戸がでてくるはずが、国立博物館の茶の湯展に出してしまったあとだったので、引き換えにこれをもらってきた、というエピソード付き。
早くも寒牡丹と古木が古銅の花入にはいる。脇床に飾られたのが茶入・転合庵のうちの一つ「万石」である。もうひとつの有名な「於大名」は見たことがあり、耳が独特の形をしているのが印象的。遠州はこの八条宮智仁親王から下賜された茶入を披露するために転合庵という茶室をつくってしまったのだ。

遠州らしいきれいな蒔絵や螺鈿の細工のあるお道具で、三葉葵の徳川の紋があちこちに。これは堀江家が代々幕府に仕えた直参旗本だったことから。知彦先生は恭子先生を娶るときに、世が世なら士農工商の工の家をでた人(恭子先生)は女中にも使わないのだが、、と言われたんだそうな。この時代にちょっとびっくり。それだけの旗本の矜持がおありだったのね。
主茶碗の熊川は知彦先生遺愛の茶碗だそうで、熊川❤️の私にはなによりのご馳走。次茶碗も見事な黄伊羅保。
茶杓は小堀権十郎(遠州の三男)で、筒に「父(遠州)が作った<武蔵野>という茶杓よりこれのほ方が良いだろう、だから<宮城野>と銘をつけた」というようなことが書いてあったのが愉快である。
炭道具の展覧の小間茶室の床に知彦先生が愛蔵された定家の詠草切がかかる。これは読みやすかった。「なきひとを しのぶることも いつまでぞ けふのあはれはあすのわがみぞ」(加賀少納言「新古今集」)



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薄茶席は、遠州の大傑作茶室・忘筌にて。
徳禅寺は大徳寺の塔頭であるようなないような。利休没後に秀吉によって破却されそうになった大徳寺であるが、徳禅寺を別寺として生き延びようとした策略ともいう。開祖は大燈国師の法嗣であった徹翁義亨(てっとうぎこう)である。
かれは出雲の出身で、この席に出雲のグループが来られていたのは偶然ではないのかも。



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本堂に徹翁の頂相とこの雑誌の表紙を飾った春日鹿曼荼羅図(室町時代〜江戸初期)がかかる。つい先日春日若宮さまの遷宮祭をTV生中継みたところだし、うれしいのだが、なんで徹翁と春日大社?と思った。なんでも徹翁和尚が夢に春日明神から仏舎利を賜って翌日白鹿が徳禅寺内に入り仏殿を三周頓死したという。これを春日の使者とみなし寺の一画に春日祠を勧請したという逸話から。

これにちなんで鹿の角の茶杓とか、主茶碗金海の銘が「春日野」、替茶碗が御本立鶴ならぬ立鹿(これ宗偏流初釜でも見たなあ)、濃茶席には交趾の鹿香合もあったっけ。

床には一休の二首懐紙、この極めが知彦先生なのである。一首は住吉大社の神主が詠んだもので一休は住吉さんで徹翁遠忌?法要を行ったという御縁と、もう一首は「伊勢物語」から<われみてもひさしくなりぬ住吉のきしのひめ松幾世へぬらむ>(帝が住吉に行幸されたときの話)、これにわれこそは後小松天皇の御落胤と宣言する意味をこめているのだろうと。

一番印象的だったのが花!、、、というか粟田焼の蓮の葉をかたどった水指「荷葉」(後西天皇?)に枯れ蓮をさしていて、その中に一本の嵯峨菊。すてきだったわ〜。この美意識!(孤篷庵の奥様がいれた?)

めずらしく開炉したばかりなのに、忘筌では釣釜であった。なんとなれば釜をつるした鎖が森川如春の奥様愛蔵の品で、その後知彦先生が所蔵されたとか。なるほど、そこですっかりお話としては大団円であった。


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持ち帰った点心、美味しかった!


<おまけ>

帰路に通った今宮神社のあぶり餅、こんなに行列ができてるの、初めて見たわ〜〜(゚Д゚)


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元西園寺公望控邸・清風荘にて記念茶会 - 2022.11.06 Sun

百万遍にある清風荘は現在重要文化財にも指定された建築および庭園を擁する別天地である。
もとは西園寺公望やバロン春翠(住友)の実家である德大寺家の別業であったが、のちに春翠が兄の公望のために控邸として整備したもの。昭和19年に京都大学へ寄贈され、大学所属ということで戦後進駐軍の 接収を免れたという。(清風荘について以前書いた記事はこちら



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4年前には念願かなってここで抹茶と煎茶の新旧乙女茶会をひらかせてもらったし、師匠のお茶会のためのおつなぎもして参席した。何回来てもここはほんとうに建物と言い庭園と言いすばらしい!のひとことにつきる。


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このたび心茶会(当時京都大学哲学科教授だった久松真一が昭和16年大学に作った禅と茶の会)発足80周年記念の茶会が卒業生有志のみなさんの手によってここでおこなわれる。
もう同世代とそれより上の方々は私も含めちょっと高齢化の波が、、、(^_^; それでもお懐かしい顔にもお目にかかり、いっとき学生時代に戻ったような気持ちになる。


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待合にて久松真一先生の迫力の「喫茶去」の軸を拝む。ほんまええ字やなあ。晩年のころのお写真もあって、懐かしく手をあわせる。

公望さんが書斎にしていたという庭園一望の眺めの良い四畳半にて学生時代、接心(お稽古)前にかならずしていた茶道箴を唱え、端座しばし。鈴の音も懐かしく、茶道箴も90%はまだそらで唱えられる。内容にそむくことばかりしているが、、、(^_^; 特に遊戯逸楽に流れ好事驕奢に、、、はしっとるなあ、、流儀技芸に偏固はしてないが。

理屈ばかりが大きくて頭でっかちで、かくあらねばならないと思い込んでいたあの頃、あれから半世紀、人生いろんな事があって端座にのぞむ心構えだけは角がとれた、、ような気がする。
初めて、ここの畳が中継ぎ畳(両側から編んで真ん中にうっすら筋がはいる高級畳。京都迎賓館でも使われている)になっていることに気づくくらいにはね。



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書斎にしていた部屋からばっちりの大文字ビュー。このためによその建物はうつらぬぎりぎりのラインで庭木を刈り込んでいるという。学生の頃はここはずいぶん荒れていたと記憶するが、ほんまにきれいに整備された。

端座のあと広間にて、ずいぶん後輩になる卒会生のお点前にて薄茶一服。普通の点前のスピードを1とすると0.7くらいのスピードでゆっくりと。ああ、これが心茶会の点前だったわ、と思い出し、今のわが点前(1.2くらいのスピード)を反省。久々に学生の茶会に行ってみたくなった。
床の軸は久松先生の「狗子仏性、、、」(あと読めない、、有名な<趙州狗子の公案>)。



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茶会のあとは二階のこれまた庭園の眺めの素晴らしい座敷にて、久松先生の墨跡や心茶会の過去の資料などを見ながら懇談、私は学生の頃いただいて、後に軸装した先生の書を披露。これ読むのたいへんだったんだから。古文書を読んでいたという後輩に助けてもらってやっと解読完了した。

時々あの頃のように禅の修行としてお茶をしているか立ち返らないといけないなと思う。厳しいだけでは楽しくないが、楽しいばかりでもいけないのだとどこかで思っている。なかなか立ち止まってゆっくり考える時間がもてないでいるが。また久松先生の「茶道の哲学」読み直したくなった。





玉林院月岑宗印和尚四百年遠忌記念茶会 - 2022.11.04 Fri

大徳寺玉林院にて開山の月岑宗印和尚遠忌四百年記念茶会が催された。
薄茶席三席、濃茶席、点心、野村美術館の展観席、蓑庵などの建築の解説、、、と思った以上に贅沢な会であったのでご報告(?)


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月岑和尚(号:大興圓光禅師 by 後水尾天皇)は古渓宗陳の法嗣である。典医曲直瀬正琳(曲直瀬道三の弟子)が開基となり正琳院(のちに玉林院)を創建、乞われて開山となった方。その方の四百年遠忌で玉林院主宰ではあるが、茶席は玉林院のみならず、総見院、瑞雲軒まで使用という大がかりなもの。


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朝の8時過ぎからいくつかのグループにわかれてスタート。
まずは総見院の薄茶席二席。総見院は秀吉が信長の菩提をとむらうために(自分の後継者としての正当性を誇示する意味も)建立した塔頭で、ここは毎年木村宗慎先生の初釜でお邪魔している勝手知ったる席である。


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洞雲会、常楽会という二つの玉林院茶の湯護持会のご担当。二席ごっちゃになるがまとめてご紹介。

待合には近衛三藐院(信伊)の月岑和尚宛の消息。注文した花がどうのこうの?という内容。本席では月岑の師であった古渓が与えた法号・宗印をしるしたもの。これらはいずれも貴重でこの会の趣旨にぴったり。

かつて玉林院の門前にあった常楽庵という庵で、表千家如心斎、裏千家一燈、川上不白、それに当時の玉林院8世・大龍宗丈、10世無学宗衍が七事式を制定した。常楽会はその名前が由来である。それに関連して、一燈、不白、の道具がでる。特に不白の書き付けのある茶壺は、実際に柳桜園がお茶を詰めているものが脇床に飾られていた。待合で「御茶入日記」が展示してあったのはそういうわけか!
さらにもう一席の軸が大龍宗丈の一行「月落不天離(水流元入海)」。

また花入の花が桐の実と菊で、場所柄総見院なので、秀吉の菊桐にちなむのはさすがである。
印象的なのが黒高麗の茶碗。茶碗は珍しいかもしれない。利休が黒楽をはやらせたせいで好まれなくなったという説はなんとなく納得。洞雲会の半東されていた信楽の陶芸家さんの数茶碗がなにやらかわいくて乙女ごころ?をくすぐった。



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点心は瑞雲軒にて一久の精進である。


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瑞雲軒はなにやらみやびな脇床とか障壁画とかあるなあと思ったら、有栖川宮邸から移築された書院だったのね。もっとよく見ておくべきであった。


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(孤篷庵へ通じる道、、、すっかりおなじみの場所(^_^;)


濃茶席は玉林院の本堂にて。
これは迫力あった。正面に大興圓光禅師(月岑和尚)の頂相、遺偈、一行物、花に菓子。お堂の真ん中に松の木地の台子に南鐐(竹影堂・前日納品されたばかりとか)の皆具。周りを取り囲む畳の席にすわる、、、これはなにか見たことあるような、、、そう四つ頭茶会だわ。そう思ったら点出を運ぶ袴男子が大きな盆にそれぞれ天目台にのった天目茶碗をいっぺんに5つくらい持ってくる。そして出した後、盆を縦にかかえてかえる、、、これまさに四つ頭の作法だわ。
そしてなんとお点前されるのが数寄屋建築の飯島照仁先生なのだ。(現在国立博物館で展示中のレプリカ待庵と黄金の茶室を監修されたということで話題。)

本家玉壽軒さんの薯蕷「玉」(中が黄身餡)についてきた南鐐の菓子切りが今回の引き出物、これはうれしい。


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そしてお待ちかね野村美術館の展観席。
谷館長と交代で説明してくださるのが知人の陶芸家(ダジャレ得意(^_^;)のYさんと才女Mさんコンビであった。野村のお宝を硝子越しでなく至近距離で見られるありがたさ。
今回は不昧公所持、雲州蔵帳に載っているものをメインに。
角倉光悦なんぞ出てましたのよ(*^_^*)宗旦茶杓に与次郎釜、利休所持の火箸、存星の香合。

一番印象深かったのは、野村が最近入手してまだ公開していない一休宗純の達磨の画賛「芦葉達磨図」である。なんと!先だって行った王寺町の達磨寺で学習した聖徳太子の「片岡飢人伝説」がテーマなんである。ちょっと感激。
あれは飢えて死にそうな人に太子が衣を与えたところそれは達磨の化身であったという伝説で、だから達磨。よって水指が南蛮不識(=達磨)なのだな。



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(雨龍かわいい)

残念ながら中へはないれなかったが(でも入って見たことはある)茶室・蓑庵、霞床席、鴻池家が祖先の山中鹿之助(我に艱難辛苦を与えたまえ、、の武将)を祀った南明堂、の建築的解説を工芸繊維大学の建築の先生からお聞きする。ここは足下の歴代楽が作った赤楽のタイルが美しい。古くなったものはその時代の楽が新しく作って補うのだそうだ。
解説を聞いて、南明堂を振り返るとほんとうに美しいこけら葺きの屋根なのである。
この屋根に別れをおしみつつ帰路につく。

ほんまに贅沢で想像した以上にすばらしい会であった。


<持ち帰った干菓子>


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下にのっているのがそれぞれいただいた竹影堂さんの南鐐菓子切り




京に生きる文化・茶の湯〜京都国立博物館 - 2022.11.02 Wed

久々の茶の湯展である。とりあえず前期見参。


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重量級のお宝をようもこれだけならべたな、と驚愕するが、基本的にほぼいつかどこかで見たことのあるものばかりである。展示の目玉としてひとつだけ一軍が輝いている、という展示の仕方であれば、記憶に残りやすいが、こんなに国宝重文級一軍クラス、茶道具の教科書クラス怒濤のそろい踏み、消化しきれんわ、、、


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と、言いつつも食い入るように眺めてかなり硝子板におでこの脂をなすりつけてしまったが(^_^;

道具のみならず歴史的文献なども添えて茶の湯の歴史を、大陸から来た黎明期から、室町の会所の茶、安土桃山の爛熟期、佗茶の台頭、江戸期の庶民へ広がり、明治の近代数寄者の茶と流れに沿ってひもとき展示されているのがとても勉強になった。何度も見た有名な道具でも、歴史的なポジションはどこなのか、ということを考えながら見るのは面白いのである。

さらに江戸時代に興隆した煎茶について、これは道具よりも思想的背景を、さらに製茶についてまで言及しているのもさすが。(教科書でよくみた海北友泉の「宇治製茶図巻」もあった)



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虚堂智愚墨跡(破れ虚堂)は東博ではたしか撮影OKのふとっぱらだったな。同時に流れ圜悟。

茶碗は喜左衛門あれば長次郎のムキ栗、天下に名高い青磁・馬蝗絆、細川三斎の機転で有名な筒井筒、大好きな三井の二徳三島に粉引「三好」、光悦の乙御前、、、、うわあああで、もうアカンやろ。
牧谿をこんなにたくさん一度に見たことがない。野村の名品ムガール王朝の抱桶水指(これに実際水入れてるのみたことあり)新田肩衝、利休遺愛の井戸香炉「此世」、でた〜!!と思わず叫ぶ某古美術商がけっして手放さないといううわさの黒織部、国宝青磁花入「万聲」「千聲」そろい踏み、、、いや、もう書いても書いてもキリがないねんけど、、。



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今回特に印象深かったのは、茶の湯の歴史を振り返るときに必ず出てくる有名な書籍類まで展示してあったことだ。「喫茶養生記」から「君台観左右帳記」、「山上宗二記」(原本の一つ!不審菴所蔵)、珠光の「心の文」、「酒飯論」(漫画チックで面白い)まであったな。

東寺百合文書のうち「南大門前一服一銭売人道覚書、、云々」というのが興味深い。室町時代、大きな寺社の前で一服一銭で茶を売る商売がはやったのだが、東寺南大門前で商売するときの注意書きみたいなもの、場所は決まったところで、火はお寺の香火からとらないこと、閼伽井の水は使わない、道具を鎮守の神社にあずけない、、、など当時の市井の人々の姿が目にうかぶようである。



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これも今回の展示の目玉の一つ。
数寄屋建築の飯島照仁先生監修のレプリカ待庵と黄金の茶室。
利休と秀吉のコラボで作られた対極の茶室であるが、飯島先生おっしゃるところ「印象は対極でもどこか相通じる物がある」。

それにしてもくりかえすが、ほんまによくこれだけすごい物をあちこちからかき集めたものだなあ。交渉など担当した学芸員さんの努力のたまものであろうなあ。もしここで地震とかミサイルとか来たらどれだけの文化的損失になるやろか、、なんて考えてしまった。



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さて爆発寸前まで頭が煮えてしまったのでクールダウン。博物館から徒歩でいける京都ビアラボさんにて、、、


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かぶせ茶ホワイトエールでクールダウン。
できればお茶成分がもう少し強かったらよかった。

これは後期もまた褌を?しめてかからねば!



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