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2023-01

上田流和風堂初釜2023 - 2023.01.13 Fri



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訪れたのは安芸国広島、昨年に引き続き今年も上田宗箇流・和風堂の初釜におさそいいただいた。


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(この町には路面電車がいまだ健在。引退後をここで勤めている京都市電の車両も見かけた。)

関ヶ原では西軍につき敗れて剃髪、大坂夏の陣では一番槍の功績をあげた武人にして茶人、造園家、利休や織部の弟子であった上田宗箇(ここらへん「へうげもの」に詳しい(^_^;)、浅野幸長に従って安芸広島藩に入りそこで浅野家の家老までつとめ、以後生涯広島をはなれることはなく、彼の地で上田宗箇流茶道の祖となった人である。



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広島駅から車で15分ほど、和風堂がある。
ここは数寄屋建築の第一人者であった中村昌生先生の強いおすすめと監修にて当代お家元が、宗箇が造営した広島城内上田家上屋敷を100数十年ぶりに再現した建築(書院屋敷、書院庭園、廊橋、茶室「鎖の間」「次の間」、茅葺きの小間茶室「遠鐘」)である。



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(和風堂HPより)

まあ、この広大さ!昨年初めて訪れたのだが、感動もの以外のなにものでもない。ほんまに素晴らしい。庭園も数寄屋建築も。(是非プロモーションムービーを見て欲しい)


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1年ぶりの庭園は、昨年気づかなかったが一面の敷松葉、(一体何トンの松葉を用意されたのであろう)が塵一つ無くきれいに整えられていて、あの松の葉のすがすがしい香りまでするのだ。アップダウンや視界の変化に富む広い露地を抜けて、まずは広間の敬慎斎にてお家元直々の濃茶席。
点前は薮ノ内流にとてもよく似ている。宗箇も剣仲も織部に師事したので当然か。

軸は浅野家12代藩主・浅野慶熾(よしてる)の鶯と梅をうたった漢詩だが、この藩主は23歳にて夭折されているのでかなり若い頃の書で、生真面目に書いているなあ、という感じ。

初釜にはかならずだされるという宗箇の茶杓「ほまれ」、蟻腰というよりは尺取り虫!(と去年感じた)の茶杓と、主茶碗の浅野家お庭焼「ひろしま」に再会できたうれしさ。浅野家が安芸国に入城し、この土地を「広島」と名付けことに由来するもので、碗の底にうっすら「ひろしま」の文字がある。(ちょっと見えにくいが)

芦屋だったか天明だったか、波兎の文様のある釜はお家元の母上遺愛の釜だったとか。かわいらしい文様でとてもよかった。

宗箇所蔵であった古瀬戸茶入の底には彼の生涯の友であった某(名前ちょっと不明(^_^;)の名前が書かれているという。また赤膚田焼の数茶碗・立鶴ならぬ立鹿の茶碗に再会できたのもうれしい。この鹿の絵もオリジナルは浅野の何代目かの殿様の手になるものだそうだ。

水指はちょっと変わった形の(シュガーポットを大きくしたような)祥瑞(古染付との過渡期か)、出し帛紗が龍村のスウェーデン花兎(スウェーデンの伝統的文様から着想したもの)。同じ席にその龍村さんがおられて、龍村の帯を締めていた茶友さんにお声がけを。そんな出会いもあるんだなあ。でも龍村の帯お高い、、、(^_^;

お菓子は赤い練り切りの表面に筋がついていて、?と思っていたらなんと「猩々」という銘ですって。なるほどあの猩々の赤い髪の毛だったのね。



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薄茶席は若宗匠席で鎖の間。
真ん中に点前座があり、その両サイドに客の席があるという珍しい席で、建築学的にもとても面白い。釣釜、宗箇流の袋棚、昨年びっくりした薄茶に黒豆、梅干し、山椒を投入!も、今年は余裕で味わえたわ。

この席には毎年かならず万年青(おもと)を当家伝来の古銅四方盆にいれるのだそうだ。軸は狩野派の鶴と寿老人の三幅対。

茶器は7代宗哲中次、茶杓は上田家先々代?の松の木で作った茶杓で銘を「松王丸」。これは「梅王丸」「竹王丸」と三本組の一つなのだそうだ。<菅原伝授手習鑑>に松王丸、梅王丸はでてくるが、あと桜丸なんで、竹王丸は松竹梅にしたかったお家元の遊び心かもしれない。干菓子も老松(天神さんの紋)の和三盆だったし。もひとつの干菓子は広島の蔵元SAKURAO brewery & distilleryの酒粕を練り込んだ餡の薄焼き煎餅、お酒の風味がとても美味しい。

印象に残ったのは古染の蓋置。平べったい円盤の下に三本の猫足がついて、(これは後補と思われるが)円盤の周りには金属の覆輪という今まで見たことのないような珍しい形。あれはよかったなあ。


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お家元夫人がお酒(賀茂鶴)をサーブしてくださる点心席。がっつりいただけて、八寸ににごまめと伊勢エビ、これ、もっとお酒がほしかったわ〜(^_^;

とううわけで、とても楽しい2時間、おつれくださった茶友さん、他流派にも門戸を開いておもてなしくださる家元ご一家に深く感謝。益々のご発展を、そして来年もまた行けますようにと思わずにはいられない。





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