fc2ブログ
topimage

2023-02

立春の湖国〜茶飯釜・粥茶事 - 2023.02.12 Sun

寒かったり暖かかったり立春過ぎて気候はまださだまらない。
そんな季節に久しぶりに湖国の茶事にお招きいただいた。


IMG_0813.jpeg


窓の外にお手製の柚餅子がぶら下がっている。あれ、美味しそうだな、、、
ここへ来るとつい、美味しいご亭主の精進懐石が食べられる!とうれしくなってしまうのだ。


IMG_0816.jpeg


リビングには古色の大きなひな壇飾り、もうそんな時期かと焦る。ここのお雛様の道具にはりっぱな台子飾りがあるのがうれしい。


IMG_0818_202302100103218c5.jpeg


以前と同じくアカンサスで縁取られた蹲居をつかって席入り。


IMG_0823_202302100103248a9.jpeg


一足お先の釣釜は茶飯釜、火力が必要なので、炭はいつもの倍近くつぐ。炎が立つまで火吹き竹で酸素を送り込む。

茶飯釜には決まった作法がないぶん、亭主の炭の力量が問われる。以前茶飯釜をされた時に、釜が吹き出して客の私はあわてたのだが、ご亭主動じず、ちゃんとタイミングをみはからってご飯をたきあげたのだった。今回は炊き上げず、だんだん濃度を増して行く粥である。



IMG_0824.jpeg


コロナの時期ゆえ客がお手伝いする火吹き竹もそれぞれ一本、ご用意くださった。これで頬をふくらませながら客が交替で火を熾らすのもまた楽しい茶事である。


IMG_0829.jpeg


さて、お待ちかねの懐石!
蕪蒸しにたっぷりの餡、芳しい柚子の香り、中に百合根やら美味しい物がいっぱいつまっている。


IMG_0830_202302100103275e2.jpeg


粥ができるまで、待つことしばし。
粥に合う少し塩気のある縁高のなかみ、これすなわちお酒にもあうってことだよねえ(*^_^*)

琵琶湖の冬の味覚・氷魚(鮎の稚魚)とヤブカンゾウの若芽をあえたご馳走!大根餅もあれば、先ほど美味そう〜と思っていた柚餅子もはいってた。5時間もことこと炊いた柔らかい梅牛蒡、シャキシャキの菊芋、お手製の醤油(!!)を絞ったあとのモロミ、などなどどれもお手間がかかっていて、お粥ならぬお酒がすすんでしようがない。


IMG_0831.jpeg


そうこうして飲んでいる内に湯気があがる。


IMG_0832_2023021001033023a.jpeg


まずは重湯を。
これが思いもかけずとても美味しかった。米ってすごいなあ。


IMG_0834.jpeg


以後は釜は炉からだしたまま、お粥は中で少しずつ濃度を増していくのである。


IMG_0833.jpeg


五分粥から七部粥ときて全粥、ちょっと病院の術後食をおもいだしちゃった(^_^;
お米食文化萬歳!で香りも楽しみつつのお粥、完食である。(あまり完食する客はいないらしいが(^_^;)


IMG_0835.jpeg


釜の代わりに炉にかけていた鉄鍋の中身がけんちん汁(根菜汁)、お出汁は昆布と椎茸だけであるが、根菜からでた出汁でしみじみ美味しい。こんにゃくが絶品であった。
、、、って食べ物のことばかり書いたが、どうしてもここに来るとそれが楽しみなの(*^_^*)


IMG_0836.jpeg


鍋を上げた後の炉中拝見、倍ついだはずの炭はきれいに燃えて、胴炭も半分はいっている。ここで変則ながら後炭を。胴炭が見事に二つにわれて、また火勢はあがる。この炭を見るのってみんな好きだよね。いつまでも見ていられるわ。


IMG_0838_20230210010338701.jpeg


中立で待合に帰ると置き火鉢には饅頭がのっている。客同士わいわいいいながら炙り目がついたところで熱々をいただく。中の金柑入りほかほか餡子が美味しい、そしてこの緑は蓬ではないし、、、と思ったら春菊であった!(お嬢様手作りとか)


IMG_0839.jpeg


濃茶を美味しくいただいたあと、薄茶のお菓子でまた大騒ぎ(^_^;
三角形のお菓子は山形のからからせんべい。


IMG_0841.jpeg


割るとばらばらになってしまうのが食べにくいのだが、中に小さな民芸玩具がはいっているのである。私のは小さい独楽、打ち出の小槌の根付けや、ミニミニ団扇など、楽しいばかりでなくしっかり黒糖風味の煎餅もとても美味しいものだった。


IMG_0843_20230210010342ded.jpeg


ご亭主は古民具などの見立てがとてもお上手なのだが、一つどうしても何なのかワカラナイものが、、。この蓋置である。あとで種明かしを聞いてびっくりした。これは秘密にしておきますね。文具系ガジェットとだけ(^_^;


IMG_0844_20230210010344af2.jpeg


最後に客のわがままとして、炉中の最終形態を拝見したく、釜を上げてもらった。おお〜!すっかり白い灰になっている。お見事、これを拝見できて良かった〜!


IMG_0847.jpeg


美味しくて酒の肴になりすぎる醤油のモロミ、お土産にいただいた。思わずきゃっほ〜!とはしゃいでしまった。もろもろありがとうございました、そしてごちそうさま!



NEW ENTRY «  | BLOG TOP |  » OLD ENTRY

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (16)
茶の湯 (413)
茶事(亭主) (86)
茶事(客) (181)
茶会(亭主) (18)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (97)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (111)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (66)
京都めぐり2024 (4)
京都めぐり2023 (33)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (15)
美術館・博物館 (148)
奈良散歩 (131)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (61)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2024 (10)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (12)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
熊野三山巡り (2)
有田2022 (1)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (6)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)
春日若宮おん祭2023 (3)
春日若宮おん祭2022 (3)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR