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2023-04

大覚寺舟遊び茶会again〜5年ぶり - 2023.04.12 Wed

大覚寺望雲亭にて舟遊び茶会をしたのはなんと5年も前!だった。あれは秋だったので、大沢池畔の桜がきれいと聞いて、今度は春にしよう、と計画してお客さん募集までしたのが3年前、あえなくコロナで中止に追い込まれた。


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そう、あれから3年、満を持して?ようやく開催の運びとなった。


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望雲亭は小間、広間いくつか、八畳のお稽古用茶席3席(多分)を擁する眺望抜群のお茶の施設で、月釜も隔月ひらかれているのだが、せっかく整備した小間を使う人がいなくて、5年前、光栄にも私にお声がけいただき初使いさせていただいた。


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今回は前と少し趣向を変えて

小間→濃茶
舟上→薄茶
大広間→煎茶   +持ち帰り点心


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待合の広間はこの大沢池を見るベストポジション(宝塔が池越しに見える)、ここを待合に。
諫山宝樹画伯(売り出し中の日本画家お友達♪)に描いてもらった謡曲「桜川」の名場面を掛け物に。(桜川でシテが網で桜の花びらをすくっているところ)


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<謡曲桜川>
日向国の貧しい母子、母を楽させようと子供の桜子は人買いに自分の身を売る。それを知った母は貧しくとも我が子なしで、どうしてしあわせになれようか、と半狂乱で子供を探してたずね歩く。遙か故郷遠く、常陸の国の桜川のほとり、おりしも桜の花びらが川にうかぶ。それを母は網ですくうが、「この桜は木の花、わがさがす桜子ではない 恋しい」と狂ってみせる。その噂を聞いてやってきた僧侶とその稚児(実は桜子)、そこで母子と気づいた僧侶により親子は再会をはたし、ふたりして日向国へ帰っていく。



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またその下に華籠、5年前も使った藤原公任の百人一首の札
「瀧の音は絶えて久しくなりぬれど なこそ流れてなほ聞こえけれ」

名古曽の瀧はこの大沢池の畔にあった嵯峨院の遺構、今は跡しかないが、公任の頃はすでに枯れていたのでこの歌が。(ちなみに大沢池も瀧も嵯峨院が作った人工のものであります)


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待合から小間の濃茶席へ。


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この望雲亭を整備し、大覚寺との御縁をむすんでくれて、この日は舟の船頭もしてくれた植木屋さんが、蹲居に一輪の椿を投げ込んでくれた。これだけではっとする景色になる不思議。


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船底天井の小間(二畳台目向切+相伴席二畳)は障子を開け放つと目の前に大沢池と薄茶席の舟が見える。茶室自体が池にこぎ出す舟のよう。障子を閉め切った濃茶席のあと、障子を開放するとぱあ〜っと広がるこの景色にみなさん歓声をあげてくださった。(私の手柄ではないが(^_^;)

しかし、この小間、前回私が使って以来ほぼ使われていないとかで、炉壇の灰が石みたいにカチカチになっていて(゚Д゚)。皆さん、使って茶会されませんか?(^_^;


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軸は江月の「虗(虚の異体字)」に松花堂の舟の絵で「虗舟=空の舟のように、とらわれることのない心」
下に桜川の桜を模した水盤。ほんとうは大沢池の桜を花に見立てたかったのだが、残念ながら桜〜〜葉っぱになってもうありません、、、(^_^;


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これも5年前に使った櫂の香合(岩渕祐二作)、練香には使えないが、ここで使わねばいつ使う?とひっぱりだす。下の古帛紗は有栖川文様、大覚寺を流れる川が有栖川で、煎茶席の大広間にある椅子とテーブルセットは有栖川宮下賜のものゆえ。


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脇床の柄香炉にいれたもう一枚の百人一首は陽成院
「つくばねのみねよりおつるみなのがわ 恋ぞつもりてふちとなりぬる」

みなのがわ(男女ノ川)は筑波の国の桜川の支流、まさに謡曲の舞台なので。

茶杓が名古曽の瀧にちなんで銘を「瀧の音」。瀧の音は絶えてひさしくなりぬれど、、、


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向切点前は普段しないので、前夜付け焼き刃で練習したが、一席目はボロボロであった(T-T)
しゃべりも安定せず、ごめんなさい〜〜。
ここの小間は洞庫(水屋に通じる)があって、ほんとうに洞庫って便利!と実感した次第。


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お菓子は和菓子店青洋さんと相談して流れる水のイメージで作ってもらった、ういろうと桜餡のお菓子。「桜川」という銘にした。菓子器は李朝白磁。


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小間から舟へ。
お見送りの水屋。


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これは朝の試運転の時の写真
桜がちらほらかすかに残る景色、この日が雨にならぬことをどれだけ前から祈っていたことか!
前日の荷物搬入は土砂降りだったし、、、


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朝方曇ってはいたが、なんとか雨にはならず。しかし、全部で五席であったが、そのうち一席は濃茶の最中に大ぶりの驟雨、どないなるか舟はあきらめか、と点前しながら心で葛藤、舟にのりにお客さん来てるし、、、



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そこは水屋の連係プレーで先に煎茶席にはいってもらい、雨が通り過ぎた後、なんとか乗舟してもらうことができた。信頼できるバックがいるってほんとうに心強いものだなあと感謝。


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その後も小雨がふったり晴れたり落ち着かない天気だったが、後半強風が雨雲をふきとばしてくれて青空が見える。やはり水面の景色は晴れの時に美しい。


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ただし、突風が吹いて小間の障子を数回ぶっ飛ばしてくれたのには参った参った。
舟上の薄茶席亭主は師匠とその茶友さんにお願いした。つーかーのチームワークである。薄茶席については、最終席で乗船させてもらったので後ほど。


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しかし絵になる大沢池の舟遊び、お寺の本堂から観光客がさかんに写真を撮っていた。


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最後の煎茶席は大広間にて。
こちらが有栖川宮下賜のテーブルセットである。さすが重厚。今回このテーブルが伸縮可動式ということを初めて知った!昔の家具職人すごい。


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煎茶は、よく下鴨・K美術で煎茶席をもたれる小川流のOさんにお願いした。小川流のお茶は滴々、ほんの1,2滴のお茶で、初めての人はびっくりしはる。煎茶席自体が初めての方もおられて、楽しまれていたようだ。(のぞくひまがなくてごめん)
こちらの席のお菓子は上七軒本店でしか買えない老松の大和橘、砂糖漬け橘の実の中に餅が入るほろ苦菓子、あとを引く。



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さて、最後の席、舟の薄茶席にお相伴させていただいた。
(その間必死に後片付けしてくれてた水屋さん、ありがとう〜〜)


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師匠の席のテーマは、松平不昧公と姫路藩主・酒井宗雅の茶の交流の逸話。
互いの参勤交代の途中、東海道見附宿で二人は邂逅する。不昧を尊敬する年若い宗雅をもてなすのに不昧は茶箱で茶を点て、お菓子に振り出しにいれた金平糖をだした、、、ということから舟上茶箱点前、そして振り出しにはいった金平糖。


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もう一つのお菓子は宗雅の姫路の銘菓「玉椿」
お点前は前日海外在住で臨時帰国したばかりの師匠の茶友さん、学園卒でさすがにとてもきれいなお点前。


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師匠の語り口は談志を尊敬するだけあって落語家並みに軽快。
そして晴れた空にこぎ出す舟の上は少し寒いくらいであったがなんと爽快!とりあえずお客さん全員、舟に無事乗られてよかった。


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舟上は火気厳禁なのでお湯はポットで。


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茶碗はこの日の為に(ほんとうは3年前の日のために)水屋もてつだってくれた若手陶芸家の生華窯・浅井慶一郎さんに頼んで焼いてもらった、お茶を飲んだら底に桜川の網がでてくる数茶碗(ちなみに絵付けは待合掛けと同じ諫山画伯)


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最終席のお客様だったイギリス人のS先生(遠州流)に桜川のクセの部分(”桜川の波かけて、、”)をおしえてもらうなど(私はキリの部分しかしらない、、(^_^;)まだまだ勉強不足ですわ。


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最後の舟も帰り、とうとう舟遊び茶会お開き。

水屋総勢16人、抜群のチームワークであった。
濃茶席の水屋は日頃お世話になっている若い方ばかり、ほんとうによくおつきあいくださりよく気働きしてキビキビうごいてくれて感謝しかない。
一つの目標に向かってみんなで力を合わせてなにかを成し遂げる時間のなんと貴重で幸せなことか。それは子供の頃からよく知っている。終わるのがもったいなくて寂しくなるくらい楽しかった。準備大変なことも多かったがすべてぶっとぶくらいに楽しかった。名残惜しい。

そしてなにより舟遊びにおつきあいくださった51名のお客様に深く感謝いたします。
3回目あるかどうかわからんが、またおつきあいください(^_^;



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最後に水をイメージした着物に舟の帯を締めたが、気づいてくださった、お客様、ありがと!




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