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2023-08

蒔絵百花繚乱〜MIHO museum - 2023.08.15 Tue

会期すれすれの信楽MIHO museumへすべりこみ。




台風が近いせい?エントランスの幟がない、、、
風やら小雨やらで涼しく、空はもうなんとなく秋の気配すら。




ここは展示もいつもすばらしいのだが、この山の中の景色や鳥のさえずり(鶯の鳴き声を高確率で聞ける)空気の透明さ、なども好きでここまでのドライブも結構好きで、企画展をいつも楽しみにしている。


(異世界空間へようこそ、、、の感 ペイさん、天才やわ、やっぱり)

今回の展示は「蒔絵百花繚乱〜江戸時代の名工とその系譜」大好きな蒔絵なのだ。





大きく最初に取り上げられているのが17世紀の山本春正とその一派。初代春正は京都の蒔絵師でありながら和歌の道にも通じ和歌学者ともよばれた他、漢籍にも通じ、本阿弥光悦以来の多能多芸の人、といわれたらしい。





春正は、不明にしてその名を知らなかったが、高名ゆえに真作は少ないとも。唯一間違いないものとしてでていたのが「蘇婆石・鷹島石の付属蒔絵箱」。
これがまたすごい。かの明恵上人が紀州湯浅の浜で見つけた小石二つ、これを上人は釈迦の形見として終生大事にそばに置いたという。その石のための宝珠の形の箱、それの外箱、が春正の作、いずれにも

    われ去りて のちにしのばむ人なくば 飛びて帰りね 鷹島の石

という上人の歌が散らしてある。おまけに上人の「夢記」の断簡まで添えられていたのには感激。上人を慕いしのぶ人はあまたいたので、この石は鷹島に帰らず高山寺にいるのやな。




蒔絵の技法はほんとに多くて、ありとあらゆるテクニックを詰め込みました、という作品も多く、完成にどれだけの時間を費やしたのか気が遠くなりそうだ。文様を細密に描いたものは、どんな細い筆で描いたのだろうか。私も試したことあるが、絵の具や墨と違って漆で自由自在に描くのは、ほんまに難しいのだ。昔の職人の集中力ってすごい。スマホいじったりTV見たりの、ある意味無駄な時間が無かったとはいえ、、、(^_^;





文箱や硯箱の意匠がまた江戸時代のものはインテリ好みだ。
蓋表が蔦の細道、蓋裏が笈で、すぐ「伊勢物語」とわからないといけない。蓋表はみられなかったが「野路玉川」は裏が萩、六玉川(歌枕)の一つ野路の玉川は萩の名所という知識も必要。(江戸の人の教養ってすごいといつも思う)





酒井抱一(下絵)と原羊遊斎(蒔絵)コンビの作品も素敵。
琳派系の意匠ばかりかと思いきや、骨山蒔絵引き戸(狩野養信下絵)は迫力あった。骨山は渥美半島の海岸で鷹の渡りがみられる場所らしいが、波に洗われる岩で渡りの途中、羽根をやすめる一匹の鷹を高蒔絵(漆を盛り上げる)に針で細かい羽根まで彫りだした図柄。まあ、超絶技巧もいいところ。七宝の桐の花の引手もすばらしかった。





松平不昧とくれば羊遊斎のみならず、小島漆壺斎、松枝不入、中山胡民、このあたりになってくると名前知ってる。不昧の消息もあって、「玉川又徹(出雲の名指物師)の箱じゃないと箱書きしないよ」というような内容。わがまま(^_^;

明治になってからはこれも好きな柴田是真がいっぱい。5,6,7,8代の宗哲の作品も。
米田孫六の牡丹蒔絵提げ重は華やかな朱漆の牡丹の蒔絵の重箱セットがゴージャスなのだが、これはその上200年前の仁清の酒瓶をセットするために誂えたものだとか、なんと贅沢な!(↓左下に写真あり)




印象に残った物の一つに照宮(昭和天皇の長女・東久邇成子さま)のご婚儀調度食用漆器の試作品。これを誂えたのが京都の美濃屋という安永年間から続く蒔絵の老舗であったが、戦後廃業、残っていた試作品を京都国立博物館に寄贈したものだそうだ。朱色の椀の蓋の蒔絵が照宮さまのお印・紅梅と東久邇宮のお印・若松になっており、当時の時代背景(大戦中)とあわせて考えると感慨深い。照宮さまはその後皇籍離脱してから経済的にご苦労されて、35才という若さでなくなったことも考えると。





あまりに一気に大量の蒔絵を見てヒートアップした頭をクールダウン、ミュージアムカフェでほっと一息。飲み物、コーラと思うでしょう?いえいえスパークリング珈琲なんですよ〜(^_^;




驟雨もあったので、気温も下がったと思うけれど、やっぱり信楽の山の中はもう秋だったわ。







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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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