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2023-09

壺中日月長〜初秋の宵の茶事 - 2023.09.29 Fri



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北摂阪神間の妊婦さん達はほぼここで安産祈願すると思われる中山観音さん。宝塚に住んでいた頃、長男がお腹にいたのでここにお参りしたのも、生まれてから長女の手を引いて長男抱っこしてお礼参りしたのも懐かしい。これは参道のお礼参り用さらし(腹帯)を売っている景色、これもかわらない。


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中山さん(中山寺)の五重塔の上にはもう秋の雲だが、9月末と思えない暑さはまだ続く。


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お招きいただいたのは、広い露地と小間の茶室を擁する某道具屋さんの大きなお家。本日のご亭主はご懇意にされておられるので、ここをわれわれ客4人のためにお借りくださったとか。まあ、入り口からはいったところでその風情に感激。わくわくである。


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待合の座敷には「楽しみはその中にあり雪月花」で、瓢箪の絵。どなたの作かと思っていたら、100歳を越えてお元気でいらしたお母上の手によるもの、本日のテーマに沿って久々にお使いになられたとか。


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腰掛待合にはきちんと蕨箒、夕刻の中立にはこの灯籠に灯りが入る。


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変則的に広間でまず懐石をいただく。なにしろ我が家と同じで小間の茶室にはエアコンがないとのことで。日中は暑いだろうと、夕刻のお招きのお心使い、感謝である。


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社中のお弟子さんの渾身の懐石。盛り付けにも、献立にもすごく繊細な心配りがあってこれも感激。自分の雑な懐石をちょっと反省。
金沢とのご縁で、加賀のお酒あれこれ数種、それぞれちがう酒器でいただいた。いずれも美味しい。今日は車じゃないのでいっぱい飲める♡


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写真にはうまいこと写っていないが、黄色の満月のようなしんじょうにはこぼれ萩にみたてた小豆が入っているという懲りよう。小豆も柔らかく炊けていて美味しかった。(小豆炊くのはけっこう時間がかかる)


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びっくり!が八寸である。
満月にみたてたサツマイモは私も作るが、尻尾を兎の耳に見立てた海老には感激!これも手がこんでいるのよ。梨の酢の物も美味しかった。参考にメモメモ。

大きな月とススキを描いたお皿に載ってでてきたのは栗きんとん。なめらかで栗の風味がとても、良い具合、、、と思っていたら、今朝、加賀の行松旭松堂から届いたばかりですと!なんてうれしいお心使い。


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懐石終わる頃には日も暮れて、灯火の美しい時間。
小間に場所を変えて炭手前。かかる軸は山田無文師の「壺中日月長」
これが本日のテーマ。われわれは時を忘れて壺中に遊ぶ客である。


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初代寒雉の車軸釜は鐶付がカマキリ。ちょうどこの季節に卵を産んで、小カマキリがあちこち出没する季節だな、、、と思う。(カマキリは不完全変態なので、芋虫時代がないので好き)

土風炉の時には風炉中拝見があるとは知らなかった。自流ではあるが、まだ知らないこといっぱい。勉強勉強。
曲げ物の香合は木賊に月、蓋裏には、ここにも兎。(木賊、兎、月の三点セットは昔からある意匠らしい)
昔からお気に入りだったという時代の火箸は、柄のところがエンドウ豆の莢そっくりで、かわいらしい。



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後座の迎付はあるかな?あるかな?とみんなで喚鐘の数を数える。よし、最後の一点はなし、手燭の交換あるわ〜、と喜ぶ。久々に客として交換させてもらってうれしくて舞い上がったので、ご連客の足下照らすのすっかり忘れて、とっとと一人席入りしてしまった(^_^;



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 花はかわいい紫のビーズ玉みたいな花のカリガネ草、柳蓼、あと菊に似た黄色い花、、名前を失念(汗)


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竹檠のほの暗い炎に照らされた小間はまさに世間から切り離された別天地=壺中である。
濃茶の主茶碗は黒楽なので、ご亭主はお手元暗い中、茶の分量、お湯の分量は手探りである。茶入が古丹波耳付き銘を「山路」、茶杓は淡々斎「峰の雲」。山路に上り来て、見上げれば峯の雲、このとき胸に去来(茶碗の銘)するものはなんであろう、、、というような景色が脳内に広がる。これが茶道具の銘のほんま面白いところなのだ。
かずらの蔓を巻いた建水がまた、伊勢物語の蔦の細道を連想させて、宇津の山越え〜山路につながって、、、と妄想はさらに広がる。



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薄茶では透明なクリアキャンドルをたくさんご用意くださって、これどうしてこんなに透明なの??と話題も広がる。
時代の升を煙草盆に、曳舟の図が描かれているのが印象的。この曳舟の意匠は淀川の景色だと以前教えてもらった。それから発展して、くらわんかの茶碗についてとか、茶道具についてご造詣の深いご連客の古老さまに、色々教えていただく。ほんまに今日は勉強した〜!


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干菓子はこれも加賀の諸江屋さんの菊煎餅。裏にちゃんと萼まである仕事である。
薄茶器も朱の彫り物の菊(人間国宝・北村昭斎)、茶杓がなんとヤジロベエになった案山子!私も好きで2本ほど持っているところの家具デザイナー久野輝幸さんのもの!

今うめだ阪急でふくいひろこさんの茶箱遊び展をやっていて、そこに久野さんの茶杓もたくさんでているのだが、同じようなの見たことある!と思ったら、昔ご亭主が、わざわざたのんで作ってもらったものとのこと、つまり原案は本日のご亭主だったのね!意外なつながりに感激。



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 かくして壺中に遊んだわれわれもついに壺から追い出される時刻に。
気心しれたご連客様方とご亭主と、本当に楽しくて、話もはずんだ一会であった。(水屋さんもご苦労さま、ありがとうございます)

余韻にひたりながら空を見上げれば美しい十二夜の月。いよいよまもなく中秋の名月だ。



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