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2023-10

本居宣長を訊ねて〜松阪鈴屋 - 2023.10.05 Thu



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長次郎さんに感激のご対面をしたあと、せっかく松阪に来たのだし、松阪と言えばやっぱり牛肉、、、いや本居宣長先生、その旧宅が保存公開されていると聞いて足をのばすことに。


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また松阪といえば「松阪の一夜」。
昔の尋常小学校の教本にものっていた有名な話である。(あ、さすがに尋常小学校の時代は知らないよ(^_^;)

江戸から来ていた当時すでに有名であった国学者・賀茂真淵(70代)と30代だった宣長が一夜限りの面会をして、真淵に背中を押されるようにして、宣長は「古事記」の研究を始めるのである。


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(松阪城近く武家屋敷のあった面影をとどめるあたり)


真淵は古事記を研究するために古語を知らねばならぬ、古語を調べるために万葉集の研究をしていたらのめり込んで、古事記にまでいたらなかった。自分はもう年だがあとの研究を宣長に託すよ。背中を押された宣長はその後古事記研究最高峰の「古事記伝」を書き上げた、、と尋常小学校の修身の本は結んでいる。どんな研究も先達の苦労と功績の上に少しずつ積み重ねられるもの、宣長も真淵がいなければ古事記研究の頂点をきわめることはできなかっただろうと思う。



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宣長の当時(18世紀)ですら古事記はすでに解読不能の書物だったらしい。それを35年かけて解読した宣長先生なくば、現代のわれわれは、天岩戸も因幡の白ウサギも海幸山幸もしらないままだったかもしれない。(日本書紀は漢文で書かれていたので解読できたがあれ皇室史観だから)



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松阪城二の丸の一画にある本居宣長記念館、敷地内に宣長の旧宅が移築されて保存されている。


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12歳から72歳、天命を全うするまで宣長が住んだ家である。
彼はここで古事記の研究をした。53歳の時に増築した二階にたくさんの鈴を掛け、疲れたときにこれを鳴らして癒やされてたそうで、この家を「鈴屋(すずのや)」と名付けた。


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宣長の本職は医師なので、その仕事もしながら国文学の研究にも励んだというわけだ。資料館にはたくさんの薬の入った愛用の薬箱も展示されていた。


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玄関の間は医師としての診察室であるが、奥の座敷は多くの門人に国学の講義をした部屋。
立派な家だが、もともと宣長の生家は伊勢松阪の豪商であったそうだ。
右手の階段は鈴をかけた書斎へつづく。(拝見不可)


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あ、お風呂発見。
せ、、狭い。


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宣長が古典文学に興味をもったのは京都遊学中で、王朝文学にひかれてゆくのだが、その頃遊びもしただろう彼に母親が「お酒は盃3杯までに!」という書状を送っていて、記念館に残されている。


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で、「本居宣長先生修学之地」という碑が京都市内にある、と聞いてどれどれどこらへん?室町綾小路、、ん?綾傘鉾会所の近く??と思っていたら、なんと綾傘保存会の会合をよくしているビルの前やん!!
絶対見ているはずなのに、スルーしてるわ、今度しっかり見てこなければ。知らないってほんとオソロシイ。



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他にどなたもおられず、座敷には暑いながらもなんとなく秋の日差しが入り込む。かつて門人が、家族が行き交う幻を想像する。


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台所も京町家と同じ、走りがあって、竈がある。この景色好きだな。


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外に出ると松阪市を一望できる松阪城二の丸である。伊勢湾までは無理か?


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記念館にあった、私のとても好きな宣長の和歌。吉野に行くときいつもこの歌が頭にうかぶ。

  敷島の大和心を人問はば
     朝日ににほふ 山さくら花


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松阪市のマンホールの蓋も、宣長愛玩の鈴。



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京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

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