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2023-12

師走雑記2023 - 2023.12.31 Sun

今年もいよいよ暮れて行きます。まあ、いろんな事あったな。
師走を振り返るどうでもいい(かもしれない)事の雑記(^_^;


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某数寄者の会の打ち上げで行ったお店で<うずみ豆腐>がでた。白味噌の汁に豆腐をいれ埋めるようにご飯をのせる。ああ、もうこの季節かと思う。京都では普通の家庭料理らしいが、表千家では稽古仕舞にこれを社中にふるまうという。ご飯をのせるのがむつかしい。茶友が言う、、ご飯が汁に落ちたらあっというまに猫まんま、、、、(^_^;


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コロナで惜しまれつつ閉店された李青さんの寺町店。かわりというわけではないだろうが、このたび河原町本店のすぐ近くに物販のお店<すもも(李)>をださはった。
李青さんだから李朝民具や韓国の雑貨、お眼鏡にかなった作家物作品、などなど、好きなラインナップ。李朝の四角い小さな盆を連れて帰る。


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せっかくだし李青さんにも行く。


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店内は昔来た時よりかなり変わって、物販部分がすももに引っ越してなくなったので、広くなった感じ。寺町店と河原町店を合体させたような雰囲気。居心地いいのは同じである。


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土曜日だけのスペシャルメニュー、ビビンバサンドイッチ!


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月日社さんで茶友さんと井政さんのお弁当会。
茶福箱。一見茶碗の桐箱にしか見えないのは、大将こだわりの真田紐コレクション。


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いつも中味ぎっちり、、で、いずれも手抜きなしの美味しさ。枝豆、むかご、サツマイモのご飯が泣かせる。


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弁当のあとは千本玉壽軒の柚子きんとん食べて、お茶点ててもらって、、、


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諏訪のお酒でできあがり!♪


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西陣に用事があり行った帰り、時間あったので久々に神泉苑へ。
祇園祭発祥の地だから夏場は神輿を追いかけてくることもあったが、そういえば冬場はこないなあ、、、池には渡り鳥のカモも来ているし、、、、


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っ?!
アヒルが落ちてた、、、


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参拝客の存在などどこ吹く風、、、のアヒルさんがいらっしゃってた(^_^;
実はここの人気者なのかしらん、、、?


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うちの庭には紅葉の木が5本ある。
それが一斉に落葉。あまりに突然で見事な落葉、、、、って感心している場合ではない。


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例年は苔の上の落葉を一つ一つ手で拾っていたが大変な作業であった。
大型のブロワーもあるのだが、重いし、苔までぶっ飛ばすし、、、でイマイチ使う気になれず。


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ところが今年はどうしたことでしょう。
すいすいと掃除できた。


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これです、これのおかげ。
軽量コードレスブロワー!軽いので片手ですいすい、コードないので手軽に落葉を集積できるのだ。しかも苔を痛めることのないほどよいパワー。なんて楽なんだ!もっと早くに導入すべきだった!と昨年までの苦労はなんだったのか、と思うのであった。


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12月16日、東大寺は忙しい。
開基の良弁上人忌だからだ。この日だけご開帳される(今年は遠忌で特別公開が10月にあったが)法華堂(三月堂)の国宝・執金剛神像!これを拝まなければ。覚悟はしていたが、なかなかの行列。人気者。


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一年に1日しか開扉されないので当時の彩色が鮮やかに残る(部分的だが)執金剛神。良弁上人の念持仏だったという。髻の簪みたいな飾りが左だけ失われているのは、それが蜂になって将門を悩まし、乱平定に導いたという伝説は今回初めて知った。下げられている提灯灯籠の文様も蜂であった。


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お向かいの開山堂(こちらも1日だけの公開)で糊こぼし椿を見て(まだ咲いてない)、良弁上人像を拝する。背後におられるはずの修二会を始めた実忠和尚像は東大寺ミュージアム出張中だったので、あとでそこまで拝みに行った。


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お腹減ったので(朝飯抜き)持参した萬萬堂さんのぶとまんじゅうで血糖値を上げる。四月堂の裏でこっそり食べる。


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ついで奈良太郎(国宝梵鐘)周辺にある建物も公開中。
南都焼き討ちで荒廃した東大寺再建のため生涯をささげた良源上人をお祀りする俊乗堂。こちらで良源上人像を拝する。



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おや、いつも閉まっている念仏堂も開いている。
こちらの屋根は珍しいしころ屋根という。(しころ=錣)


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実はこのお堂、堂守さんに声をかければ開けてくださるそうだが、この日はおおっぴらに中へはいれるらしい。初めて中へ入った!大きなお地蔵様がおられた。そういえば、地蔵盆の時はここを開けて子供達が楽しむのだと聞いてたな。

というわけでこの週はおん祭と開山忌のために連続3日奈良通いをしたことになる(^_^;


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今年はひさ〜びさに南座顔見世を見に行った。


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団十郎のご子息の新之介南座初舞台である。まだ10歳であるがこれくらいの子は大きくなるのが早い。あっというまに声変わりして一人前になっていくのを見守るのもファンの楽しみの一つだろう。


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私の時代は勘九郎ちゃんだった(早世された18代目勘三郎)。団十郎の父の12代目がまだ海老蔵だった頃、NHK大河「春の坂道」で徳川家光やってた。17代目勘三郎は「新平家物語」で清盛の父、忠盛をやってた。(年齢バレバレの思い出)そんなこと懐かしく思い出しながらの観劇。


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今回用に特別に誂えた村上隆の祝幕。
どれがどの演目かすべてわかったら、かなりの歌舞伎通。私はそこまではワカラン。


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でも顔見世独特の華やぎは好きやね。
お着物をお召しのご婦人方の率は年々さかっているけど。そういえば私もかつては髪を美容院で仕上げて着物着て張り切って行ってたな(^_^;今は気軽な洋服やけど。


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幕間の文字通り幕の内弁当。
30分しかないので結構食べるの必死。これもかつて菱岩さんに届けさせたりも経験したわ。(かなり力はいってた)


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デザートはこれ!
南座どら焼き


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年末恒例の北野天満宮詣で。
はやくも来年の干支・辰の絵馬が上がっていた。


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はい、こちら。
大福梅をいただきに。お正月の大福茶にいれる大粒の天神さんの梅。
くれぐれも<だいふくちゃ>と読まないように。おおふ(ぶ)くちゃ、、でございます。


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来年も良い年でありますように!



春日赤童子に感動〜三五夜歳暮月釜 - 2023.12.30 Sat



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この12月どれだけ奈良に通ったことかしら、、、
その締めくくり、三五夜さんの歳暮の月釜におじゃまする。


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懐石料理も作れるキッチンのあるカウンターもすっかり落ち着いてきた。ついこの前、ここで酒器の会でご機嫌で日本酒いただいたような気がするが、あれは桜の頃のはなしか。もう年の瀬。


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こちらでほかほかの酒まんじゅう(萬萬堂)をいただいて席入り。
器も温めてもらってお手間を感じる。


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茶室にはいったとたん目に飛び込んできた「春日赤童子」、これでこの日はすべてのことがぶっ飛んだ!

春日赤童子は法相宗(興福寺、薬師寺)の護法童子とも、若宮の本地仏ともいわれるが、諸説ありはっきりした起源は不明ながら、特に興福寺学侶には大切な本尊となる。
法相宗の寺では、若い学侶がおこなう慈恩会竪義加行(りゅうぎけぎょう)という21日にわたる厳しい加行がある。(薬師寺のは講座を拝聴した。横になって寝てはいけないとか、落第したら寺を去らねばならないとか)その間に学侶のかたわらには慈恩大師像と赤童子像をかかげるのである。



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(お渡り式の馬長児・ばちょうのちご)

おん祭との関係は、ひとつは若宮さまの荒魂といわれること。また興福寺の学侶がおん祭にだしていた稚児=馬長児がおん祭当日「法印権大僧都」という高い位を興福寺本坊でもらうのであるが、その際にも赤童子の像がかかげられるのだ。

特にほぼフルコース参拝だった今年の春日若宮おん祭の直後ではうれしくて感激したのもわかってもらえるだろうか。おん祭月にこれを茶室に掲げてくださる心意気がうれしい。

というわけで、萌えすぎて他が一瞬ぶっとびましたが、気をとりなおして(^_^;
茶杓の銘が「倭歌(やまとうた)」、香合が笙、これまた南都楽所の、おん祭に欠かせない雅楽つながりではありませんか。若宮様のおいでとお送りの時にも流れる雅楽は、遷幸と還幸でちがうのよ〜。


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春日山の絵付けの赤楽に、薄茶は春日神鹿シリーズ、ちょっとだけクリスマスもひきずりながらの楽しいお茶碗。
薄茶のお菓子が出てきたときには女子としては歓声をあげるしかない!ご友人が京都にださはった洋菓子のお店の特注バージョン、2つをチョイスなんでどれだけ迷ったことか。
お店の名前はun petit peu??(英語でいえばa little bit)調べたらなんだ、わがテリトリー内ではないか。いってみなければ。


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お土産に三笠の山にいでし月かも、、の漆の杯までいただいた。しかも箱が砂糖傳さんの金平糖の箱!これ、コレクターアイテムなんだ、私もいくつか持っている。
楽しい今年最後の月釜、ありがとうございました。(ほぼ赤童子にもっていかれた)」



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帰りは二月堂まであがろうかと思ったが、ちょっと足がしんどかったので、大仏池でゆっくりぼ〜っと。冬の渡り鳥がたくさんきている。


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なによりこの冬の冴えきった青空が美しくてな〜、、、



歳末鴨茶2023 - 2023.12.28 Thu


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おはよう鴨川!
今日は良い天気である。(寒いけど)


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年末、今年最後の鴨茶(鴨川でお茶をする、、、というだけの会)
先日来の寒さに用心して厚着してきたが、意外と気持ちの良い気温であった。
鴨川縁のベンチに店をひろげる。


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前夜の招集だったにもかかわらず、なんというレベルの高さよ!
それぞれの持ち寄りが良い感じにばらけて立派な朝食フルコースになる。


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茶友お手製チョコレートムース、紅茶はフランス製、カップはイギリスのブロカンテ。(彼女、某店で買い占めたらしい)


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さらにお手製レモンピールジャムを投入。良い感じに熟していてやみつきになりそうな。出町の人気パン屋さんの白パンにつけて食べて二度美味しい〜。あとは自家製キッシュを少々。


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出町ふたばで買ってきてくれた、芋餡の大福豆餅。豆餅は行列できる有名さであるが、これは初めて食べた。芋餡、美味しいのね!


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本日デビュー、市川孝さん作の簡易炉。(と、煮茶器)


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これにて私は抹茶を点てる。


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イギリスのカップに移していただく。
あったまる〜。なにせお湯目の前でわかせるから、戸外でも熱々なのだ。


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鴨川見ながら、通りすがる人に見られながら約1時間の茶会。
楽し♪


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撤収はあっという間、みなさんそれぞれのお仕事へ。
また来年も鴨茶たくさんできますように。



仕覆作りに挑戦⑥〜表地の底付けに苦戦する - 2023.12.26 Tue

仕覆制作、全体像が見えてきたと言ってもまだまだ山はこれから。


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表の底にまち針で糸を通しやすいように穴をあける。


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裏地の時には薄かったので問題なくすいすいいけたのだが、表地は布も硬い。思いの外難渋した。せっかく一周したのに気づけば糸がたるんで、底が浮き上がってしまった。一度やり直するも、思うようにいかず、先生に手伝ってもらいながら、本来なら一発できめるべきところ、二周してなんとかしっかりついたのであった。これだけするのにこの日は精一杯。3時間くらいやってたかな。底の台紙はもうヨレヨレ、目はしょぼしょぼ、肩はコリコリ、、、、一番しんどい作業だったわ(T-T)



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慰めてくれるのは(?)草木染めの織り姫・F子ちゃんの作った針山。長いことしまっていたけれど、仕覆制作始めてひっぱりだして愛用している。


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なんとかかんとかの完成形の底。真円?微妙、、、(^_^;(^_^;
さて次回は綿入れ作業らしい。これも見ているだけでけっこう大変そうやわ。

<おまけ>

日々庭の落葉と格闘し、ずっと下ばかりむいてたから、ふと見上げたらいつのまにか満開になっていた坪庭の白いわびすけ。


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季節がどんどん進んでいく。


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お正月にはもうみんな散っているのが残念〜。



MIHO museum〜金峯山の遺宝と神仏 - 2023.12.25 Mon



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今回のMIHOmuseumの展示「金峯山の遺宝と神仏」、とうとうギリギリ最終日に滑り込み。
金峯山といえば吉野のでっかい(特に顔が、、、(^_^;)青い三体の蔵王権現像を思い出すが、吉野はいわば山下蔵王堂、本格的には大峰山の山上蔵王堂が核心やろうね。(ちなみに山上は現在も女人禁制)


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吉野で蔵王権現像を拝み倒しているが、その由来、どこからきた仏?(神?)、仏教界での位置づけは?なんて考えなかったが、すでのその存在自体が伝説の役行者(飛鳥時代!)が金峯山で修行中にひねりだした、、、というか感得した日本独自の仏様なんだね。


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(今年の春に行った時の吉野・金峯山寺蔵王堂)

インドにルーツをもたない、、、というかよくぞ古代の日本人がこんなかっこいい造形を考え出したなあ、、とうれしくなる。片足をふんばり、もうひとつの足は蹴り上げて虚空の邪をはらう(右足ふりあげが多いが、左足もある)。片手はふりあげ三鈷杵を持ち、反対の手は腰のあたりで印を結ぶ。
歌舞伎のみえを切った感じもあり、躍動感、疾走感があって好き。



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蔵王権現像の骨格になる心木の展示があったが、これが西暦762年の記録。その後修験道(蔵王権現が本尊)は衰退したが、9世紀に、かの理源聖宝大師(奈良のもちいどの商店街の名前の由来にでてくる上人、醍醐寺開祖)により再興、西暦1000年前後の道長の時代へ。


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展示に国宝「御堂関白日記」がでていて感激したよ。
1007年8月11日、1週間かけて金峯山寺に詣でた道長は山上に経筒を埋めた、と記す。この経筒(国宝)も中の傷みが激しいもののなんとか残った経典も展示あり。


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その翌年中宮彰子に道長の孫ともなる親王が誕生。彼の祈りは聞き届けられたのだろうか、その後彼は国の権力の頂点に立つのである。、、、なんてことを考えているととても感慨深い。(そういえば来年の大河はもろに彼の時代だね)


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日露戦争中、あやうく供出されそうになった国宝蔵王権現鏡像(正面ポスターの像)は思ったより大きくて蔵王権現のみならずその眷属も線刻で描かれていて、ひとつひとつ見ていて飽きない。背面には梵字。


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そのほか1985年前後に山上堂発掘調査の際にでてきた出土品が多く展示。銅鏡とか小さい像とか、展示としてはかなり地味なのだが、考古学や歴史をやる人にはたまらんやろうね。

あと蔵王権現は釈迦如来(過去)・弥勒菩薩(未来)・千手観音(現在)が変化した姿とか。金峯山寺の権現さまが三体なのは、それを意味しているのだろうか?と思った次第。



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最後にカフェで珈琲ゼリーをいただいて帰る。
コロナ前は中国人観光客でごったがえしていたが、今は少し人が増えたとは言え、まだまだ静かなMIHO museum、信楽の交通の便の悪い山の中、自然豊かで空気が美味しく、ここに来ること自体が楽しみ。
次の展示は桜の季節か、またごったがえすのかな、、、



其中庵秋の茶事〜宗旦によせて2023 - 2023.12.23 Sat

(お許しでましたので遅めの其中庵さん開炉茶事の記録)

春先に「もしも鈍翁を茶事に招いたら」茶事によせてもらって以来、久々の其中庵さん茶事である。
今回はたっぷり宗旦にひたる茶事らしい。あれが出るかな?これが出るかな?とあれこれ予想大会しながら嵯峨野へ。


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開炉にあわせて新調された青竹の四つ目垣、柴折り戸がすがすがしい。

待合は芳中の画讃であるが、弘法大師の大好きなお言葉、「己の長を説くなかれ 人の短を言うなかれ」の一節。(本当は後漢の詩人・崔子玉の言葉を写したんやけど)

本席は広間だけれど小間仕立てにして。

床には宗旦の消息がかかる。(これだけで驚いてはイケナイのは後ほどわかる)
八瀬の紅葉を楽しんだあとに、その素晴らしさを漢詩と短歌にしたものが書かれている。宛先は不明。紅葉のことを「からころも(唐衣)」と表現、唐衣って杜若の季節だけかと思っていたが、たしかに錦秋もいけるわね。

弥五郎の織部好み筋釜、炉縁は炉縁界のエルメス久以。
いつも拝見している唐物脛当炭斗であるが、今回「茶屋四郎次郎所蔵」というのにひっかかる。だって大河ドラマ「どうする家康」で勘九郎が演じているのだもの(^_^;あの顔が浮かんでしまった。

香合がこれも懐かしうれし、呉須銀杏。型物香合番付にも登場する、また香合の本にも載っているまさにそれ。これは私が光悦会デビューした2011年のその光悦会東京席にでていたそのものなのですヨ。↓


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数年前に其中庵さんが入手され、ご披露の茶事で、光悦会デビュー時の着物帯でおいでくださいとのご指示のを受けた思い出も。今回帯だけ当時の物、またまた感激の再会なのである。



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今回も中尾さんのザ・懐石をいただく。
向付はそれぞれ模様がわりの金襴手、中国明代の、格が一番高いと言われる磁器である。私のは赤玉瓔珞紋。(よく古伊万里で写しているやつ)
折敷も利休好みの角不切。


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ふわふわのしんじょう。

焼物、強肴の器も一線級をだしてきはった。
古備前の沓形鉢、天龍寺青磁の鉢、(大好きな)鼠志野の皿。


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お菓子がお善哉かな〜と思っていたら、その逆。小豆の中に餅がはいるのでなく、餅に小豆をかけてある。あんころ餅をいただいているような気分でかなりお腹一杯。


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中立の待合
さて、其中庵劇場はこれから!

待合の軸が変わっている、、、と近づいてみると、これも宗旦の消息、最初の「竹の花入れ、、、」の所しか読めなかったが、それだけで十分であった。これ、本席で、出るぞ出るぞ〜!とテンションあがる〜。

後入り
床の間に出た〜!
宗旦手作りの竹一重切花入。何本かの割れは黒漆で繕ってある。入っている花は白玉とハシバミの照り葉。花を入れる穴は自然に空いた穴のようで不整形なのがまた侘びてる。

先ほどの消息の大意をいうと「竹の花入れを作りました。銘を『天晴(あっぱれ)』とつけましたのでおおさめください。また時間があるときに是非お茶飲みに来てね」
宛先は詳細不明ながら宗旦と仲良かった茶の湯友達らしい素閑老人。

雨が降れば風情あるからお茶飲みに来てね
雪が振れば面白いからお茶飲みに来てね、、、

そんな関係の茶の湯友達って私の理想、だからうらやましいぞ、素閑老人。

この花入れは今回初登場、この消息があってこそさらに物語性も価値も上がる、感動も大きい。これが今回の茶事の醍醐味でありました。
まさに「あっぱれ!」と叫びたい。



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(干菓子:亀岡楽々でもよくいただいた、八つ橋の生と焼いたのと混合紅葉 盆は鎌倉時代の黒根来)


濃茶茶碗は金海、茶入は唐物「唐衣」、初座の消息にあった歌にかけてあるのね。
薄茶は、いつも大好き大好きと公言してはばかってないので、毎回出してくださる熊川「白菊」さんで。他にも遠州流の方には高取(遠州七窯の一)、宗入赤、三玄院天目(仁清)などなど。
これも大好き大きな円座みたいな竹の蓋置、銘もそのまま「円座」by杉木普斎。

薄器がまた良かった。何回か見ているはずだが、こういう文脈で見るとまた違う感動がある。初代一閑の棗で蓋裏に黒漆で「咄(宗旦花押)」ちょっと鳥肌。

最後に濃茶薄茶で使った一対の茶杓、並べると左右対称スキー板みたいに見えるこれはなじみがある。覚々斎原叟の「伯夷叔斉」。如心斎(表千家)と一燈(裏千家)兄弟の父であることも象徴的だが、この中国古代にでてくる兄弟の有名な逸話から、宗旦は「元伯」を号としたのでは、ということを其中庵さんは熱く語って茶事はお開きとなった。

今回は花入+消息にヤラレタ其中庵劇場、あっぱれ!
ありがとうございました。






春日若宮おん祭2023〜御旅所祭〜夜中の還幸の儀 - 2023.12.21 Thu

流鏑馬を見ていて御旅所へ行くとすでに御旅所祭は始まって、最初の神饌のお供えや、巫女の神楽は見逃した。


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4人の少年による東遊(あずまあそび)
いよいよ神遊びのはじまり。正面の行宮に、明るくてわかりにくいが提灯(瓜提灯)に灯がはいると若宮さんがおられるお印。これからお帰りになるまでの約10時間、ここでゆっくり芸能を堪能されるはずだ。


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片袖脱いでの舞がりりしくてかっこよい。先ほどのお渡り式では「十列児(とおつらのちご)」として騎乗していた少年たちである。


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だんだん陽も落ちてきて、西の空に三日月が早くも沈もうとしている。行宮の瓜提灯がはっきり見えてきた。これは田楽座の芸能。やはり大花笠は高下駄はいているのもあって、目立つね。


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あたりは黄昏をとおりこして夜になる。他に灯りがないので御旅所を一歩離れるとお手洗いにいくのも難儀する暗さだ。奈良の夜はほんまに暗い。


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大好きな細男(せいのお)
始まりは黄昏時、終わる頃は夜、、の演目だが今年はちょっと時間がおして、暗くなってからの登場。さっそくお決まりの白い布で顔をかくす。


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この袖で顔隠して腰曲げて、ぽちゃん、ぽちゃん(鼓の音)、ひーひー(笛)という伴奏で歩く様は毎年萌えるわ。
ちょっと距離があったので音声が少し小さいが、このぽちゃん、ぽちゃん、ひーひーを是非体験してみてほしい。





神功皇后と海神・安曇磯良の逸話からこの舞は磯良の舞なのである。磯良は顔に蛎殻がこびりついているので、その醜さを恥じて顔を隠すという。(ちなみにこの神話は祇園祭の舩鉾のご神体になっている)右袖、左袖、最後に両袖、、で顔を隠すというのは今年初めて知った。


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舞楽が始まると鼉太鼓が打たれ、腹に響く迫力。
左方舞は唐風の舞で装束は赤系統、右方舞は高麗系の舞で装束は緑系統である。これも今年初めて知ったのは、左方の曲は笙を使うが、右方では使わないということ。これからは聞き分けられるだろうか。

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ご覧のように行宮にはたくさんの美しい御幣がたてかけられている。このあたりから寒さが応えてきた。一応防寒MAX状態できたのだが、甘かった、、、、寒いわひもじいわ、、これはやばいやつだ。おん祭はいつも凍死寸前というのも大げさでないくらい冷え込むの、不思議。


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途中抜けてバスで駅まで出て、防寒グッズを買い込んで、さらにおうどんで体を温める。


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帰ってきたとき、これも毎年の楽しみである蘭陵王(左方・勇猛でイケメンの王様 わざわざ龍の面で顔を隠して戦ったとか)が舞われている。ドンドンという鼉太鼓の音がまさに進軍の様子みたいで迫力あった。


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舞終えて威厳あるステップで退場する蘭陵王と、、、


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すれ違って登場する、つがい舞の納曽利
この後ろ姿がかっこよかった〜。

その後何番も舞楽が続くのだが、行宮周辺、参道ではすでにお帰り(還幸の儀)の準備がすすんでいるもよう。


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23時前、すべての神遊びが終わった頃、参道の真ん中に白い幕が張られる。お帰りになる神様が通られる道の端になる。


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還幸の儀も遷幸の儀と同じく、真っ暗な中、カメラもスマホもいかなる灯りもNGという暗闇の中で。

目の前を榊を持った白衣の神人に囲まれ、地の底から響いてくるような、お〜お〜の警蹕の声とともに暗闇の中を神様はすぐ目の前を通って通り過ぎられる。お香の匂いと雅楽、遷幸と違う曲調で、お帰りは軽やかなんだそうだ。まさしく<青垣山の移りゆくが如く>その間は頭を下げる。そして参拝客は黙々とその後をついて行くのだ。凍てつく星明かりの下、足下には松明のこぼれ火を目印に。

ご存じのように春日さんの参道は一の鳥居からが長い。途中こけたり、つまづいたり、散々であったがなんと二ノ鳥居の中まで入って、最後お社参拝ができるのだ!

昨年まではお渡り=遷幸の儀に何度かついて行った。真夜中だし、昔は10人くらいの参拝者だったが年々増えて昨年はええ〜っ?!と思うくらいすごい人数が参列、それで今年はお帰り=還幸の儀にしたのだが、断然こちらの方が良い!


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若宮への参道。本当はもっともっと暗い。
1〜2km歩き通した後、本殿の前の白砂の上に座し、神楽殿では巫女さんの舞が奉納される。
おかえりなさい、若宮様、今年も神遊び堪能されましたか?昨年は20年ぶりの御造替で、今年もまだ新しいお社の前には、特別の時にしかともされない瑠璃灯籠がともっている。


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これは昨年御造替の時の瑠璃灯籠の写真。美しい。


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神様もこれからお休みだろうか。宿に帰る道すがらすでにがらんとしている御旅所を見る。もう行宮の提灯はともっていない。この行宮もあっというまに解体されるのだ。


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(実際は真っ暗)

今年も無事におん祭完遂おめでとう。関係者の方々もホッとされていることだろう。空を見上げると冬の星座が美しくまたたく。星のきれいな夜でなんだか幸せな気分になる。帰りは宿が遠かったので深夜30分歩いて疲れた〜、、、


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今回もお泊まりは小さなホテル奈良俱楽部さん。次の朝には仕事なのでここの自慢の朝ご飯がいただけなかったのが残念。


春日若宮おん祭2023〜松の下式 - 2023.12.19 Tue

一昨日の大宿所祭は暑いくらいだったが、やっぱりおん祭だ、通常運転の寒さ!


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昨日というかこの日の明け方、若宮様は遷幸の儀で御旅所にお渡りになり、暁祭を楽しまれたことと思う17日、大和大路を一大風流ページェントのお渡り式。


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朝から奈良公園周辺はたくさんの美しい馬たちが集合する。

さて、お渡り式のハイライト(と思っている)松の下式。
一の鳥居を少し入ったところの影向の松(ようごうのまつ)、能舞台で正面の鏡板に描かれているあの松ですよ。この前を通過するとき、芸能の一節を演じるので、これが楽しみ。
昨年は1時間前からスタンバイしていたのに雨で中止になったリベンジである。(フルバージョンは実に5年ぶり!!)


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強力さんにかつがれて、ずっと潔斎してのぞむという頭屋児(とうやのちご)が影向松の前に座り奈良奉行も定座につくと松の下式開始。


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三条通からやってくる、まずは明治以降加わった、という前行行列。
地元のお子たちの稚児行列。かわいい♪がんばって歩いたね。


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壺装束の物詣のおねえさんたち。


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さあ、いよいよ三条通から伝統行列がやってきた。
わかりにくいが向かって左の赤い装束の人は梅白枝(うめのずばえ)という長い枝を持っている。


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この千早(ちはや)という長〜いトレーンが見所。
なんやいよいよ神遊びが始まるな、って感じで。


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日使(ひのつかい)さん。行列のなかで一番偉いさんなんで、いつも関西財界のえらいさんがつとめはるが、今年は銀行さんみたい。おん祭風流をはじめた関白藤原忠通の代理の楽人ということになっている。(悪左府・頼長の兄 保元の乱で敵同志になる)冠には藤の花。


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山吹の花をさすのがお供の陪従(ばいじゅう)。


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楽人なので、松の前で篳篥?を軽く吹く。


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これも陪従かな。


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これも稲ナントカと言ってたが、正確には忘れた(^_^;
まあ五穀豊穣を願う意味でも稲束なんだろう。


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これがめちゃくちゃ美しい五色の懸絹幣!


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つづく十列児(とおつらのちご)は桜の飾り。御旅所祭の初っぱな、東遊びを舞う少年たちである。
この白い馬がまたええなあ〜。


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続くは巫女の行列。大宿所祭で参席していた巫女さん達もいる。


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やっぱり白の被布(かつぎ)と藤のびらびら簪がかわいい。あとウン十年若ければ私だって、、、いやいやいや、、、変な妄想はやめよう。


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御旅所祭では一番好きな細男(せいのお)座
松の下で影向松の前に整列して、、、


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軽く一節を。(ぽちゃん、ぽちゃんという音)


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この子の迫力がすざまじかった。
おそらくばんえい型の馬だと思う。足なんかぶっといの。


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馬の見事さに見とれるが、そこはやっぱり生き物、出る物は出る。でもちゃんと片付け部隊が一働きするのである。


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馬長児(ばちょうのちご)
背中には牡丹の造花を背負う。興福寺学侶がかつて輪番で出していた稚児だという。


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稚児に付き従う従者のかぶり物が面白く美しい。四角いお盆に龍の絵をのせたものをかぶり、、、


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手に持つ笹には五色の短冊、それぞれ「忍ぶ恋」「会う恋」「見る恋」「和泉(和泉式部のことか?)」と書かれている。なにやら色っぽい、なぜ???と思わんでもない。


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そして待ってました!
今年一番の目的はこれを見ること。
猿楽座

一の鳥居の下に一列にならんでまずは千歳の歌「鳴るは滝の水、、、♪」(これだけわかる)


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かつては大和猿楽四座がつとめたが、現在は金春座御奉仕。
これは千歳的な存在か。


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続いてはやっぱり翁だが、秋に見た奈良豆比古神社の翁三人舞を思い出すわ。
後ろにずらっと囃子方。観世会館でみかけたこともあるお顔も。


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能友に聞いたらきっとお名前わかると思うけれど、けっこうすごい重鎮も来られているみたいで。


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三番叟
顔を塗っているのは、普通つける黒式尉の面のかわりだろうか?

お見送りするが、そのあと、御旅所の埒を開けるのが金春太夫のお仕事なのだ。


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はい、この大花笠を見たら田楽座!
大宿所祭では近くで拝見できたものね。今年の人形(一刀彫り)は高砂みたい。昨年は前日の田楽座宵宮詣で、若宮社の前でのパフォーマンスをゆっくり見ることができた。


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この御幣もまた美しいのだ。(5本くらいの幣をあわせたものらしい)


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松の前で一くさりそれぞれの芸を披露。
現在はしろうと集団なので、なかなかやりにくそうではある。





ササラの芸を動画でちょっと。

外にも競馬、野太刀、大名行列(郡山藩)、大和士と続くが、ご一行が御旅所にはいられた15時前くらいに流鏑馬が行われる。


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射手は三人、いずれも日頃練習している少年達だ。


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ちなみに馬は走らせず、止まった馬上で射るのであるが、時々馬が動いてしまうが、あわてず頑張った!

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流鏑馬の稚児は三人、それぞれ3つの的を射貫く。


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ちなみにこれがその的。


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さて、流鏑馬も終わり御旅所へ急ぐと、すでに東遊びの舞手たちがスタンバイしていたわ。心震える神遊びについてはまた後日。



千本釈迦堂大根たき2023〜のばら珈琲 - 2023.12.17 Sun



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年末の風物詩大根炊き、本来は成道会(12月8日)の行事だった。今年は曜日周りもよく、久しぶりに西陣の千本釈迦堂へ。翌日鳴滝の了徳寺とハシゴするつもりがなんと!了徳寺、今年は中止なんですって!毎年行っていたのになんでかな〜?残念。


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ここは門脇の紅葉がまだ見頃。寒さもゆるんで少し暖かいくらいの日であった。


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コロナ前までは券を買うのにも長蛇の列、で若干辟易していたのだが、今年は待つことなくすいすい進む。


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例年は大根を炊く大きなドラム缶みたいな鍋も見えるのがご馳走だったが、今年は幕の向こうでみえない。


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とにもかくにも大根いただく。味のしゅんだお揚げの美味しさよ。
三きれの大根は大きくて美味しくて、これだけでもうお腹いっぱい。ほとんど水分だからすぐお腹すくけどね。


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境内のテントではご近所の方、観光客もいれば私みたいに京都に住んでる観光客?も。近所の方はビニール袋でお持ち帰り、これも通やな。


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写真に撮りたかったが売り切れの生大根。いただくのは普通の大根だが、ここでは丸い聖護院大根に梵字が墨書されたものが売られている。


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その後は境内をぶらぶら。手作り市も同時開催で賑わいがもどってきた。でもコロナ前のあの騒乱はいらんなあ。


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本堂にお参り。
ここの本堂、室町時代の国宝建築って知ってた?
普段はほとんど人の姿を見かけないお寺だけれど、なにげに国宝というところに昔感動したわ。


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ここは山名宗全が陣を構えた西陣、本堂の柱には応仁の乱の時の槍傷などなまなましく残る。京都の人が「先の戦争いうたら応仁の乱」というのもうなづける(^_^;


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有名な枝垂れ桜・阿亀桜も来年の花咲くときのためにじっと力をためているようだ。


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西陣あたりはまだ町家の町並みがかろうじて残る。観光客でごったがえす、、ということもあまりないので、ぶらぶら散歩にはもってこい。


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こちらも久しぶりの、のばら珈琲さんへ行ってみた。気づかないくらいのろうじの細い入り口のどんつき。


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昭和初期の町家をリノベした看板建築。中には走り庭らしき名残もあるレトロな作りだ。


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以前通りに面してだしていた「のばら珈琲」のタイルの看板ひっこめちゃったのね。
知ってる人だけがたどりつけるカフェ、、(^_^;


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ここはお客さんはほとんどお一人様、二人以上の時も会話はなるたけしないように。


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すてきな雰囲気の中、ケーキと紅茶をいただいて、伝票を二度見。え?こんなに安くていいんですか?



春日若宮おん祭2023〜大宿所祭+御湯立 - 2023.12.16 Sat

いよいよ今年も春日若宮おん祭である。


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近鉄奈良駅から餅飯殿商店街を歩くと見えてくる「大宿所祭」の案内。


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一歩入るとそこはそう、普段は建物があるだけの(地域の人が使っているみたいだが)広場なのだが、おん祭の間は大宿所となる。


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17日のおん祭に先立つ15日、祭の無事執行を祈願してここで行われるのが大宿所祭と御湯立神事なのだ。ちなみに大宿所とはおん祭の主催者ともいうべき大和士(やまとざむらい)が祭の前に精進潔斎した場所である。(旧遍照院・ぜんじょういん)


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コロナ開けで久々に、のっぺ汁のおふるまい。主に厚揚げと人参と牛蒡と牛蒡と牛蒡(^_^;
あっさり塩味がしみる。


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さんばいこ、、とは御湯立の巫女さんが腰にまくわら縄のことで、安産のお守りになるらしい。


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さて!!
これが一番見たかったもの!
かつて大和の大小名が奉納したもので、現在はたくさんの鮭、鯛、そして雉(さすがに現在は剥製らしい)がぶらさがる懸物。
いつも16日に来ていたので(撤去された後)、ほのかな生臭い残り香しかかげなかったが、ようやく実物を拝めたわ。
昔は兎や狸などもぶらげていたようで。



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建物の中ではお渡り式に着用する装束や、幣、などがぎっしり飾られていて美しい壮観である。


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田楽座の大きい花笠もあり。今年飾られる一刀彫りの人形は「高砂」かな?


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そうこうするうちに三条通などを練ってきた参拝者ご一行が。
おもに餅飯殿商店街の役員の方々は直垂姿、そして四人の巫女(みかんこ)さんは輿に乗って。


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お渡り式でもかぶる被布をかつぐ姿が初々しい。


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四人とも何々の巫女と名前があるのだが、区別つかず。


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春日大社の巫女のシンボルである藤の前簪。いつもこれかわいいなあ、と思っている。


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この日は3回御湯立がおこなわれるが、14時半からのは参拝者と4人の巫女さんへ。この御湯立の巫女さん(惣一とよぶらしい)が腰にまいているのが、さんばいこ。(語源調べたが不明)


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大釜の湯に酒や米など投入、大和中の神様の名前をとなえているようだったが詳しくはわからず。笹の葉でお湯を左右にまくとき「さよ〜さ さよ〜さ」と唱えるが、これは左右という意味らしい。


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参拝者全員にお湯をふりかける。私もその時滴を感じたから、きっとこの一年は無病息災。


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参拝者の玉串奉納
巫女さんの装束が小袿をたくし上げているのだけれど裾のはさみ方が左右非対称で独特やな、と思った。





地元の小学生の歌披露があったが、「せんじょ行こう まんじょ行こう」という有名なやつ。
せんじょとはこの場所にあった遍照院(ぜんじょういん)のなまったもの、まんじょは万衆の意味だとか。



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お開きの後餅飯殿商店街を帰る方々。
さて、17時からの大宿所祭までに少し時間があるので御旅所を見て、若宮さんへ先参りしよう。


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お渡り式、競馬もあるので道に砂が撒かれ整備中。


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こらこら、わたっちゃいかん、、、といっても鹿には通用せんね(^_^;


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いつもは小高い土塁になっているところにちゃんとお社が完成している。祭の為だけに作って終わったらすぐ壊すというのは日本文化独特。白いカバーは鼉太鼓。


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あさっての御旅所神遊びを楽しみにうずうずしている(かもしれない、、)若宮さんへお参り。祝詞奏上中であった。昨年は御造替で、中へ入らせてもらって白砂まいたっけ。瑠璃灯籠はでてなかった。


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夕刻の大宿所祭は大和士がお参り。


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神饌奉納があったり、巫女舞があったり。


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鈴の音でお祓いをうける。


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直会では大和士たちはお酒と、そのあてに「意傳坊」を拝領する。


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意傳坊とは御用菓子で、餅米、胡麻、小豆、山椒、芥子、味噌でできた丸薬みたいなものらしい。とだえていたのを10年前菊水楼さんが140年ぶりに復活させはったとか。
おん祭に先立つ数日朝一で40人先着で拝領できるらしいが、さすがに諦めた。材料見てもどんな味かさっぱり想像もつかない。


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大宿所祭もおひらき、ライトアップされた懸物はますますあやしく(生臭く、、、(^_^;)


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後にすれば正面の明るいところは餅飯殿商店街。
この時間ほとんど店閉まっているところが奈良らしい(^_^;


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大宿所のあかりを見ながら帰る。
昨年の遷幸の儀はものすごい人で(真夜中にもかかわらず)、今年は諦めることにした。昨年雨で中止になったお渡り式は行きたいなあ。





藤田美術館〜妖・護・山 - 2023.12.15 Fri

大阪は、心中天網島で有名な網島にある藤田美術館へ久しぶりに。


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昨年4月にリニューアルオープンした美術館は以前のお蔵だったころのイメージを一新、モダンでスタイリッシュな美術館になった。(新たにオープンしたときの記事はこちら)
料金もキャッシュレスで、一見どこから入れば良いのかわからない、、、という(^_^;


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かつてのお蔵の扉をそのままはめこんだエントランス。ここから入ると中は真っ暗に近く一瞬足下がおぼつかない。
(お蔵といえばかつての展示室は文字通りお蔵の中で照明とか問題はあったけれどオイルステンの木の床とかなかなか味わい深かった)


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最初はだれかにぶつかりそうな暗さだが、だんだん目が暗さに慣れてくる。この暗さで展示物のみスポットがあたって、対象物に集中できる仕組み、これも良い雰囲気だ。
(撮影OKの太っ腹)


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QRコードを読みとって自分のスマホで解説・ガイドが聞ける。なので今回は忘れずにイヤホンを持参した。できればソウルのリウム美術館みたいに対象物に近づくと自動でガイド開始、、、になればさらに便利なんだが。(テクノロジー、日本おくれてる(^_^;)


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今回の展示は
<妖>
ようするにあやかし、あやしいもの
長沢蘆雪の応挙ばり女の幽霊(応挙の弟子やし)+白蔵主(コミカルな顔)+白蔵主を食い殺した仔犬と髑髏の三幅や、大江山の酒呑童子絵巻(菱川師宣)ではでに血しぶきが飛んでるやつ、もあれば吉原通図なんて艶っぽいのもある。
いちばんぎょっとしたのは卒塔婆小町座像。桃山〜江戸初期の木造なのだが、卒塔婆に腰掛ける老いさばらえた老婆の姿はリアルでもあり、三〜四頭身という人形的かわいらしさもあり、キモカワとはこれか、と思う。なぜか天理市のお寺旧蔵だったのだとか。



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(一瞬絵画?と思った窓の景色 ほんものよ これもかつてのお蔵の窓)


<護>
神仏のご加護
密教の法具や十二天図、一番見せ方が素敵だったのが鎌倉時代の四天王像(高さ30〜40cmくらいであまり大きくない)がそれぞれのケースにおさめられ、大きな円陣を組んでいるような見せ方。真ん中に立つとよこしまな心をもつ者はチュドーン!と四方向から攻撃光線でやられそうな(^_^;

<山>
山にまつわる絵画や山の銘を持つ茶道具あれこれ
井戸茶碗「江山」、島物鶴首茶入「富士見西行」、祥瑞反り皿山水人物紋、一番うれしかったのが茶箱がでてたこと。茶箱といえどすごいよ。
如心斎茶杓、唐物大海茶入、仁清茶入、古染付茶巾筒、小さい一入赤楽、堆朱香合、一番素敵なのが杯サイズの刷毛目茶碗!銘「浪月」。小さくて渋くていいわ〜。

↓ホンモノは畏れ多いので写真を載せとくわ。

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外に出ると中の暗さとうってかわった明るさ、よけいにまぶしい〜。


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ここからは付属の庭園もあるので散策もできる。茶室もあり、腰掛け待合もあるが、中は見たことがない。
この竹藪の、、、


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影が良い感じに墨絵みたいになっていて良い感じ。
等伯の松林図、、、ではないけど(^_^;


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ここではまだ紅葉が美しかった。多宝塔は17世紀末の建築、高野山光臺院から移築したものだそうだ。(有形文化財)


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最後のお楽しみは、あみじま茶屋。(館内のお茶どころ)


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ここのお茶どころもシンプルスタイリッシュ。


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でも藤田家伝来の釜なんかがかかっている(^_^;


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煎茶も丁寧に煎れてくれるので、美味しい。お団子セットは餡子と醤油、これもまたよし。館内のどこででもいただける。エントランスの広間茶室でいただきたかったが、先客さんがいてはったので残念。


<藤田美術館>
京阪京橋駅片町口からなら歩いてもしれてます。



紅葉の南山寿荘+有合庵で茶会〜名古屋・昭和美術館 - 2023.12.13 Wed

○交社企画の茶会へ、名古屋へ。新幹線のぞみだと30分でつくから名古屋は近い、と思っていたが、町の規模がでかすぎて(京都のノリで失敗)、名古屋駅からがけっこう大変。


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たどりついた昭和美術館
名古屋の実業家後藤幸三のコレクション、主に茶道具が展示されている私設美術館である。その庭園と移築した茶室がすばらしいという。


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季節はちょうど紅葉の見頃、建物がぐるっと周りを囲む庭園はまあ美しいこと!写真ではお伝えきれないのが残念である。


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茶室が二つ、ひとつは山里の名家(佐野弥高亭・光悦会で水指でてた)の茶室(表千家・久田耕甫好み)を移築した「有合庵」、そして三河奥殿藩主次男にして渡辺家に養子に入った渡辺規綱こと渡辺又日庵の隠居所である南山寿荘の茶室である。(県指定文化財 普段は非公開)


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三河奥殿藩と聞いておお!と思うのは裏千家の方、そう裏千家11代、幕末明治を生き抜いた玄々斎の出身地、又日庵はその実兄になるのである。


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早くも28歳で隠居して、茶道、作陶、風流の道を楽しんだ方だそうだ。
南山寿荘はその渡辺家別邸で書院+茶室、これを後藤が譲り受け昭和初期にこの地に移築したものである。


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この屋根と本体の扉がねじれている門は、かつて後藤が住まいしていたときの正門だったそうだ。実は南山寿荘には「捻駕籠(ねじかご)の席」というねじれた茶席があって(どうねじれているかは後述)おそらくそれを念頭にいれての意匠かと思われる。


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まずは有合庵にて薄茶席
本日のご亭主は名古屋といえばこの方、代々名古屋につづく茶の家のK先生。

本席の軸が一如斎8歳の時の字「富士」+父親の玄々斎合作。8歳で筆でこんな字書くのね、上手〜。一如斎が生まれたとき玄々斎が喜んで曙棗を好んだことは有名な話、残念ながら一如斎はあとを継ぐことなく10代で夭折、のちに又妙斎が角倉家から入った。(その間に又日庵の息子が裏千家に入ったがこれも後をつがずに三河へ帰っちゃった(^_^;)


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水指が場所柄、御深井焼(おふけやき 名古屋のお庭焼)
薄器、替茶器がいずれも三代宗哲(彭祖というのね、菊慈童といっしょだわ)、茶杓が玄々斎、光格天皇が削った茶杓「幾千代」を写す、とある。細長い蓮弁のような節無し茶杓で、竹筒を縦に割って作った茶杓入れにはいっているのがものめずらしい。

主茶碗はこれもご当地・尾張徳川家12代斉荘手尽ね「美保の松原」
一時又日庵も彼に仕えていたからね。
私はうれしいことに半泥子でいただいた(*^_^*)瀬戸黒にちょっと似ている「泥仏堂」。


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濃茶席はいよいよ南山寿荘
二階の広間で。ここからの庭の紅葉の眺めがまたすばらしかった!


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そして濃茶席のお道具はなおもすばらしい。

掛け物に伝藤原定信「戊辰切」、森川如春庵旧蔵 主に鶴の歌。
今回のテーマは昭和美術館45周年記念なので「めでたい」なのである。そういえば薄茶器は亀の蒔絵だったな。

灰匙が平瀬露香旧蔵とか、丹波広口茶入小堀宗友(遠州流七代)書き付け「笹枕」が関戸家伝来とか、主茶碗の古井戸が土岐二三の箱とか、極めつけが茶杓が宗旦!銘を「わび介」。

私はかせた黒楽、もしかして、、と思った通り宗入、玄々斎の書き付け「山彦」。今回は上座にすわらなかったのに、とりわけよいお茶碗にあたってうれしい。



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席の後、南山寿荘名物?捻駕籠の席中へ入って見学。(普段非公開)
なぜ捻なのか?、、、外からの写真ではわからないが、内側から見ると茶席部分が母屋に対してななめに作られているからなのである。決して茶室がねじれているわけではない。

三畳+一畳点前座+中板の構成。
床と点前座の間に中柱がなく、床柱も上のほうで切れているので開放感あり。よって花釘はつけられないので壁に楊枝柱を作ってここに花釘。

まわりを欄干付き廊下で囲まれて、客はここを歩くとき、あたかも露地を歩いているように美しい庭園を眺めながら席入りできるのである。さらにこの茶室はもともと堀川という川沿いに建てられていたので、川から舟をのりつけて席入りできるという風流な仕掛けも。


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右下のように茶室が(本来は川の上に)はりだしている。


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庭をぐるっと回ってみると紅葉の間になにやら屋根が、、


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近づいてみると腰掛け待合だった!
いいなあ、こんなところで席入り待つの。


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最後に点心をいただく。


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このようにきれいな紅葉を眺めながらいただいたのは、、、


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一宮の老舗懐石処・末木さんの点心。
愛知県では有名だそうで、美味しかった♪


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あとは昭和美術館の展示を拝見
重文の熊野懐紙(源家長)、瀬戸黒「垣根」(ちょっとフォルムにゆがみがあるのが斬新)、鬼熊川「薄柿」、、、いずれも名品ばかり、後藤幸三のお茶への傾倒がよくわかるのであった。




北野天満宮献茶茶会2023〜久田半床庵御奉仕 - 2023.12.11 Mon

いや、こんなコンテンツぎっしりで中味の濃い、しかもリーズナブル会費の献茶式+茶会があるなんて、京都に長年住んでたのに知らなかったよ〜。
北野天満宮のお献茶は毎年12月1日、三千家+薮之内+久田半床庵+堀之内長生庵の6家が交替で御奉仕されるそうだ。今年は久田半床庵御奉仕、お弟子さんであるところの茶友さんからいただいた茶券、軽くいただいたが申し訳ないくらいの充実茶会でありました。


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まずは絵馬堂の菓匠会の香煎席から。


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京菓子菓匠会の会員のみなさま(名だたる京菓子の老舗ばかり)ご接待、あらこの方、おやこの方、とどこかで拝見した有名菓子店のだんさんのお姿がいっぱい。


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とりあえず四種からチョイスできる創作和菓子から一つ選んで香煎をいただく。これ北野さんらしくてかわいいわ〜♡の薯蕷饅頭。(どこやったかな?鶴屋吉信さんやったかな??)


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それからずらっと並んだ各店の創作和菓子の展示を拝見、ここは一般の観光客の方も入れるのでみなさん、その面白い意匠に写真撮りまくり。
私的に一番いいな、と思ったのが塩芳軒さんの熾火。炭の中にほんのりこもる火の表現がいかにもあたたかそうで。もちろん食べられます。


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他にもおもしろいのがたくさんあったのだけれど、画像アップはこれくらいに。
ちなみにこれは亀屋良永さんやったかな?冬至の柚子風呂〜。


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天神さんの本殿で久田半床庵御奉仕の献茶式、これはスルーして茶席巡り。なにせたくさんの席があるので回りきれるか心配なので。ちなみに久田家のご先代は早世されたので、修行中のご子息があとを継がれるまで、かわりに表千家の左海宗匠(而妙斎の甥ごさん)が御奉仕されたよし。


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次に毎月の月釜がある松向軒の呈茶席
ここだけは裏千家だったような。軸が印象的な(玄々斎だったっけ?)「南無天満自在天神」、字の間に白隠さんの観音さんみたいな顔がかくれているもの。
ちなみに天満自在天神は、道真が太宰府の天拝山で天に無実を訴えたところ、この尊号が書かれた祭文が降りてきたという伝説による。


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ここは秀吉の北野大茶会の折、細川三斎が釜をかけたところとされ、三斎の井戸あり。


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お次は明月舎。
ここは月釜でおなじみ、うちの先生も懸けはったこともある。
ここのお道具が一番すごかった。(嘉祥会)
のっけから宗旦の梅(天神だけに)画讃だもんな。宗旦所持の古天明釜、藤田家庭園の梅の木の炉縁、鴻池家伝来如心斎茶杓、宗入の黒、、、だけどさりげに飾ってあった内刷毛のはいった茂三にしびれる。(ほんま茂三ほしい、、、、)


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ちょっと興奮した目に出口の赤く萌える楓が美しい。


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神社の一番奥の、イチョウ定点観察場所にもなっている地主神社(摂社末社の一)、今年も黄金のイチョウをみあげつつ、こちらの近くにある、、、


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点心のお蕎麦をいただく。(これも券にはいっているのよ、太っ腹)お蕎麦は河道屋さん。


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この献茶会のすごいところは神社境内だけでなく、上七軒エリアにも茶席があるところ。三々五々上七軒を歩く参加者のみなさま。


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ご存じ上七軒歌舞練場!北野おどりでよく来てます〜。


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もちろんお点前もお運びさんも上七軒のきれいどころの舞芸妓はん。


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お運びの舞妓ちゃんが、12月だから顔見世の簪。この簪のミニミニ招きに顔見世にでる役者さんに名前をいれてもらうのが恒例。この妓ちゃんのは鴈治郎はんと壱太郎はんの親子さんどした〜。



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そしてその芸舞妓さんがお茶のお稽古に通う西方尼寺も茶席に。
ここに入るのウン十年ぶりだわ。(通常非公開)真盛豆の由来はここを創建した真盛上人による。(北野大茶会で秀吉が誉めた)

久涼会御奉仕、大広間書院にて如心斎の「松有千年操」の軸、覚々斎原叟の発句が朱書きされている大棗、覚々斎って連歌俳句が好きだったみたいね。いろんな道具に書いてるの見た。一入黒楽、覚々斎茶杓がええわ〜。銘「短長」



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この門の裏に、北野大茶会で利休がここの水を使ったという「利休の井戸」あり。井戸は待合からばっちり拝見した。


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そして最後の大物、久田半床庵席(清和会)は社務所〜風月殿にて。
他の席はうまいこと待ち時間ほぼゼロで入れたのだが、ここはさすがに並んで1時間待った。

お菓子を盛った朱塗りの小盆の裏に、これはもう覚えた久田尋牛斎の花押。(私もいくつか尋牛斎さんのお道具持ってるのでなじみがあるの)
掛け物は表千家九代了々斎「無事是貴人」
了々斎は啐啄斎のあとに久田家から養子にはいった方。こちらの席はずらっと表千家の歴代の名前がならぶ。(表千家の歴代はまだ把握できてない)
券くださったお茶友さんが、見所は水指の裏!と耳打ちしてくれたので、ばっちりお願いして拝見させてもらった。(裏であって底ではない(^_^; これ聞いてなかったら絶対見逃してる)
水指は丹波、久田家ゆかりの了々斎が道安茶の湯道歌を朱書きしている。

「茶の湯こそせぬ人もなき手すさみの こころのするは世にもまれなり」

右の心茶の湯の奥義にて御座候。(掛け物として表千家に伝わる)

手すさみで茶の湯をする人は多いが、心でする人はまれである、、、と。あとでしみじみくる言葉。

最後に拝復席、大きな三宝に盛った天神さんの紋菓子をいただいて一服、もうお腹も胸もいっぱいである。



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なんて盛りだくさんな茶会なんだ。知らなかったわ、これは来年もいかねば!
券をくださったお茶友さんに深く感謝。




晩秋奈良散歩2023 - 2023.12.09 Sat



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とりあえずなんとか間にあった。東大寺西大門跡のイチョウの絨毯。
大銀杏は半分くらい葉っぱをおとしてしまっていたけれど。


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なんだか毎年このイチョウを見ないと落ち着かないの。
今日は珍しくぽっかり空いた1日だったので、特に目的もないまま奈良へ、とにかくここへ。


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ふかふかイチョウ絨毯、寝転がりたいと言ったら鹿の糞があるよ、と返した茶友は今はもう亡い。ここに来るといつも思い出す会話。


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イチョウを見て気持ちが落ち着いたので、やっとランチしようと言う気になる。西大門跡に近い奈良県庁、ここの本館6Fの食堂は外部の人も利用できるのだ。しかもこの景色!興福寺の五重塔、若草山も見える3方向のパノラマ。


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しかもこれで650円という抜群のコスパ、もちろん美味しいよ。


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気持ちとお腹が落ち着いたので、あてもなく紅葉をもとめて散策。いつも目的めざして走り回っているので、こうして何にも急ぐことなくぶらぶらしていいよ、と言われるとかえって困るもんだ。習い性ってこわい。

というわけで、観光客のごったがえすメインスポットは避けて、奈良公園あたり。公園内に宿泊棟が散在する江戸三さんあたりの紅葉。


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一度泊まってみたいと思いながらもう数十年、いまだに泊まれていないわ(^_^;


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江戸三から近くの浮見堂をめざす。


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ここも素敵な景色だが、意外と人は少ない。池には渡ってきた鴨や、白鷺などもいて魚を狙っていた。背景は若草山、奈良市内でこの静けさ。


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浮見堂の椅子に腰掛けてしばしぼ〜っと、、、したいけれどできない性分なんよね(^_^;次行こ次行こ!


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ならまちも普通観光客の通らない細い路地を選んで歩くと、色々おもしろい景色に出会える。なぜかお寺さんの門前で爆睡中のわんこ。


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有形文化財になってもいいような奈良町家。現役。中から住民のおじいさんがでてきはった。なんとなくわかる屋根のむくりにほれぼれ。


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元興寺を目指して歩く途中に御霊神社。


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見ただけでびびりそうな最恐御霊の名が並ぶ。縁結びの神様と言われてもなあ、、、

*井上皇后(いのへ内親王 のちに皇后追号 聖武天皇の娘)とその息子の他戸親王(おさべ廃太子)は謀反の疑いをかけられ幽閉先でふたりとも亡くなる。藤原氏の陰謀、毒殺説が強い


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悪い物が出歩かないように、と足止めの紐をまきつけられた狛犬がまた怖い〜。


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そして元興寺
国宝にあふれた寺である。かつてはならまち全体が境内だったのだが。ここには何回も来ているが、やっぱり撮ってしまう天平時代の甍。


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国宝の禅室で、この手の写真毎回撮ってる(^_^;


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石塔や石仏を集めたここ(浮図田・ふとでん)には、夏には桔梗が咲いていたが、今はマリーゴールドなのね。9月には萩がきれいだし、花が楽しめるお寺なのだ。


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境内のすみには大和の名指物師・川崎幽玄の作った茶室がある。以前幽玄顕彰茶会に中へはいったこともあったなあ。


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休憩所になっている小子坊(旧極楽院庫裏)の建物もまた良い雰囲気なのだ。県の文化財なのに休憩所にしちゃっていいのか?と思うくらい。


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境内に戻れば、あれ?雪でも木につもってる??と思うような、寒桜がもう咲いていた。


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最後の〆は、北京終の七福食堂さんで。


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栗のパルフェ(+ホットワインコーラという謎の飲み物)
もう、上の栗クリームの部分が美味しくて、、、




奥嵯峨にて紅葉・時雨の茶会 - 2023.12.07 Thu



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奥嵯峨にお住まいの陶芸家・N氏に、うちの紅葉がピークを迎えるので、と茶会にお招きいただく。今年5月の若葉の候にお招きいただいて、はや半年、奥嵯峨の風情漂うたたずまいのお宅にうかがうのも恒例になってきてとても楽しみである。


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暗い玄関を入ったところで振り返ると嵯峨野の竹林に紅葉の赤が映える。美しい眺め。


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大きな火鉢を待合にご用意してくださっていた。ほんまこの季節はありがたい暖である。藁灰もご自分で作られたそうだ。(むか〜し、私も一度挑戦したが、なかなかむつかしいよ、これ)


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待合の床に、開炉の茶会ということで、色づいた柚子を。
掛け物はモダンアート。いつもここからわくわくさせてくれる。


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腰掛け待合に座すときからぱらぱらの時雨、席中にては激しい驟雨となり、竹林や露地をたたく雨音が心地よい。紅葉の季節のしぐれはなおさら。大げさだが、日本に生まれて、こんな雨の風情を楽しめる機会にめぐまれて、幸せだなあと思えるのである。


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席入りしたお茶室はどこからどこまでも表千家の不審菴写し、平三畳台目の小間である。ただし不審菴は風炉先に茶道口がある変わり種だが、そこだけはまっとうな?位置の茶道口。


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茶室内は雨もあって暗く、御自作の灯火器の灯りがほのかに空間を照らす。

以前までは濃茶と薄茶だけであったが、今回バージョンアップの炭手前付き!
N氏は遅くに茶の湯を習い始められてまだ日は浅い方である。炭手前の稽古も2,3回しかしていないそうだが、果敢に挑戦される。


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(この灯火器は我が家のを見て似せて作られたとか、光栄である)

それにしてもお母上の残されたこの茶室で人を招いて茶会を頻回にすることになろうとは、ご自身も思っていなかったとか。人生なにが契機になるかわからんから面白い。契機といえば、炭手前をしよう!と思われたのは侘びた阿弥陀堂釜をさるところから譲り受け、それをお披露目したかったからだそうだ。侘びた炉縁と相まって、小間の茶室によく似合う。


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ご用意くださったお菓子は聚洸さんのおだまききんとん。錦秋の風情にて。
作陶のお手本に、と昔入手された大井戸で濃茶をいただく。前回はイギリス人のS先生がこれで飲まはった。遠慮がちな高台内側の梅花皮が上品。S先生といえば、N氏とも共通の友人であったベニシアさんの話になる。残念ながら今年亡くなられたが、大原暮らしといえばまず思い浮かぶ方。N氏とはとても大切な友人関係であったという。

水指は薄暗い茶室で存在感を発揮する白い粉引の梅壺型。もちろんご本人の作品。色々思うように道具を作られるってほんま、うらやましい。


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中立の露地から見上げた玄関先の紅葉。
このころには時雨もあがって、秋が一歩、また深まる気配になる。


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後座で薄茶を。
床には瓢に山帰来の赤い実。ここ、嵯峨野では少しあるけばいろんな植物、花、実に会えるのがうらやましい。ちなみにこのヤマブドウはお手洗いに投げ入れてあったものだが、私はこの葉っぱも蔓も実も絵になるこれがほしくてたまらない。ここでは裏山にいくらでも生えているそうだが。

後座のお菓子は有平糖と、初めていただいた亀屋良永(御池煎餅の方)の「瓢々」という瓢箪型のお煎餅。これおいしいの。ふつうの煎餅と違うな、、と思ったら山芋を使ってあるのね。御池煎餅も食べ出したらとまらないが、これもとまらない予感。こんど買いに行こう(^_^;

作品の唐津写し、塩笥、、、でいただく。濃茶も薄茶二服も丁寧に一人ずつ、お話しながら点ててくださる。私もご亭主に一服差し上げたり、、、気がつけばいつのまにか四時間!懐石なしだけれどほぼ茶事、これはいつものことなのでその心づもりで来ている。ご連客もお茶大好きな方々なので、お茶の話をしだすととまらないのである。

かくして濃密な茶の時間はお開きに。今回は炭手前付きの進歩、さらなるバージョンアップを期待しつつ次回のお招きを待たなくっちゃ(*^_^*)



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帰り支度の玄関に、さきほど茶室にあった灯火器がお見送り。
外に出れば十六夜の月、広沢池の上にぽっかりうかんでいるのも楽しみながらの帰路であった。



時雨の夜咄茶事2023〜速水滌源居 - 2023.12.05 Tue

茶道速水流家元のお宅である速水滌源居、北野天満宮、平野神社のご近所である。


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今宵はこちらで夜咄茶事、<時雨の茶事>である。
初めて時雨の茶事に参席したのはコロナ禍渦中の2020年、3年前であった。途中でほんとうに時雨れてきて肌寒い日で、客も3名という(4名中おひとり気分不良にて)理想的な夜咄であった。今年久々に参席。


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門を入って露地行灯に導かれるまま、奥へ奥へ。幽玄の世界の始まり。(いや、これだけの蝋燭をつけるのはさぞお手間であったことだろう)


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最初の席入りは手燭の交換から。
まったく電灯を使わないので、露地も真っ暗、足下も手燭だけではちょっとおぼつかないくらい。ただし、十四夜の月が明るくてありがたい。昔の人の月への憧れがなんとなくわかる。

広間にて初座
本日はお客さん5名、正客様、次客様が本願寺派のお坊様。
座敷も短檠と手燭だけなので、目が慣れるまではおぼつかない。

手燭の灯りで見る掛け物は光格天皇の弟宮・聖護院宮盈仁親王(えいにんしんのう)の漢詩。

流祖速水宗達は、裏千家一燈の弟子、もともと御典医の名家出身であり、茶の湯の研究をした学究肌の人であったため、盈仁親王の茶道指南を通じて、お茶を愛した光格天皇(18世紀 朝議朝権の復活に熱心であった)の支持を受け、御所風の茶風(襲の色目の帛紗なども)を確立していった御家である。


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炭手前で、釜を上げると見える炭火が暗い座敷では頼もしい。釜は「滌源居」の鋳込みがあり、流祖の頃から使われていたという釜。
羽根が野雁であって、よく見ると虎縞、、どうも宗匠はタイガースファンらしい(^_^;(のちに虎柄の備前酒器もでてた)
光格天皇から仁孝天皇へかわる大嘗祭で使われた建物の古材で作られたという、さすがの香合、ぶりぶりで、花食鳥蒔絵。これも暗い中で扱うので要注意。


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懐石の時には思いっきり膳燭をだしていただいたので明るく。膳燭には50号くらいの大きな和蝋燭、これは迫力あって明るい。お酒は白酒(しろき・大嘗祭に使われるお酒になぞらえて)、宗匠はお酒がお強い。八寸の時など千鳥でだれだけきこしめされたか(^_^;


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(画像は3年前のもの)


最後に川端道喜さんの「雪餅」を食べて中立。
宗匠から建仁寺の茶会の時に「道喜さんではお菓子は黒文字を使わずに手で食べて欲しいといわれている」とお聞きしているので、手づかみ。黒文字でぐちゃぐちゃにつぶすよりはスマートだと私も思う。(きんとんなどは別だが、、、)


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中立の時には奥庭の前にある四阿の小間茶室にて待つ。3年前はこのときに時雨れてきてとても寒かった。この小間にともされた瓢の灯りと煙草盆の火入れの火のあたたかさ(視覚的にのみだが)がありがたかったことが忘れられない。
今年は寒さはましである。四阿の暗さと庭の遠慮がちなライトアップ両方を楽しんで、銅鑼の音を待つ。


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後座の花は竹一重切(流祖だったか?)の花入に椿、ハシバミ。
炉の火は赤々と。濃茶は久々に回し飲みの一碗、白っぽい古萩である。茶入は宗達箱の黄瀬戸、これも白っぽいので、暗い中に映える。

そして本日の主役、「しぐれ」の茶杓である。
この茶杓は、流祖宗達が削り光格天皇に献上、その茶杓が巡り巡って堂上家の一つ、勧修寺家へ、そして勧修寺家より「時雨」の銘と和歌とともに速水家に下賜、戻ってきた茶杓なのである。
蟻腰、長年の使用でつやつや、結構男前な茶杓であった。天皇さんの手にも触れたと思うと感慨深いなあ。

続き薄で使われた薄器は竹製で、蓋裏に花押、蓋表面に楓の漆絵。描いたのは本願寺の大谷尊由(明治〜昭和)、ここらへんお正客様次客様を意識。尊由はかの有名な大谷探検隊の大谷光瑞の弟になる。

かくして暗い座敷で各自御礼をのべてお開きとなる。
ああ、やっぱり夜咄はいいなあ。電灯に慣れた目や生活習慣では思いもつかないが、きっと昔の人は暗闇はこわかっただろうし、蝋燭の明かりは影が多い。灯火で見る茶道具もまた風情があるのである。

滌源居を辞して外に出れば22時ごろ、中天に上った月がいかにもさやけき、と言い表したいくらいであった。






野村美術館特別鑑賞会2023秋〜天授庵の紅葉とともに - 2023.12.04 Mon



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南禅寺畔別荘群、旧細川邸の紅葉。ここのはいつも真っ赤だ。


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少人数で野村のお宝を手に取って鑑賞、谷館長の講義付き、となれば行かないわけには、、、と休みをとって野村美術館特別鑑賞会へ。

以下自分の備忘録、自分の解釈なので、間違っていることもあるやも、、、のつもりで読んでね。おまけに南禅寺天授庵の紅葉を添えておくわ。急に冷え込んだので、やる気をだした紅葉を見てね。



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今回のテーマは「茶入」

この分野も最近発見された遺跡や古文書で次々といままでの常識が塗り替えられているので、上書き修正に忙しい。


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<茶の伝来>
①西暦800年代 餅茶、団茶などの煮茶
②1200年代 粉末の茶(抹茶) 点茶
③1400年代 煎茶など 淹茶

それぞれ形態を変える茶葉。


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大壺:茶葉をいれる。 ルソンの壺などもてはやされたが17世紀、大量に輸入されて以降価値が下がる。かわりに小壺:現代でいう茶入がもてはやされる。


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<唐物茶入>
唐物:13世紀・南宋時代 ほとんど福建省洪塘窯で焼かれた。元代になり淹茶が主流となったため作られなくなり、かえって希少価値があがる。
中国で作られた唐物を漢作唐物といい、初代藤四郎が中国から持ち帰った土で瀬戸で焼いたものを唐物という時代があったが、伝説にすぎず、漢作唐物という分類は意味がない。

一般的に唐物は薄い。厚さ2mm以下、100g以下が多い。
薄い物を割れずに焼く技術があった。土の選別、水簸(すいひ)の技術。



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<瀬戸茶入>

一生懸命藤四郎とか、春慶とか、真中古、金華山、破風、、と覚えたが、現在では発掘調査の結果、窯分けは意味がないそうだ。ほとんどが17世紀初めの作らしい。17世紀後半ではもう生産されなくなった。(例外:芋の子〜15世紀)

ただし、○○手というタイプ分類は残る。渋紙手とか飛鳥川手、広沢手とかね。


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<茶入の鑑賞>

なり、ころ、ようす=形、比(バランス)、雰囲気・侘数寄の美意識

なり:「君台観左右帳記」の参考図あり。
ころ:ほとんどの名物とよばれる物は、口径:高さ=1:1あたりに集中



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そしていよいよ、美術館所蔵の5つお宝茶入を拝見。
拝見どころか、手に取ってひっくり返したり回したりためつすがめつ拝見できる、なんてありがたい鑑賞会なんだ!


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①唐物「常陸帯」
ほんま軽い。小さくてかわいらしい茶入で、常陸帯(=鹿島神宮の宝物云々)の由縁の帯のような筋が胴体にはしるが、きっちりしてなくて、ちょっとヨレヨレの線なところが日本人に受けるのかも。

底の糸切り渦を見ても、いまだに唐物と和物の区別がつくという轆轤の回転方向がわからない。

②破風窯渋紙手肩衝
いかにも渋紙とは言い得て妙。わりと標準的な感じの茶入


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③備前肩衝「玉ノ井」
これはごつい、ほんまに無骨なまでにごつい。これが備前やね。底は糸切目なくて、ちょっと高台をつけてみました、、という感じ。

④織部茶入
「餓鬼腹」みたいな、いわゆる織部と雰囲気が違う。瀬戸で焼かれた織部様式?

⑤仁清薩摩写し
底に「仁清」の型判あり。背が高くて形も釉薬もスタイリッシュ。現代的でおしゃれ。



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どれがええかと言われるとやっぱり唐物かなあ(^_^;
使い勝手はやはり瀬戸の渋紙手。織部もいい。仁清は鑑賞用にはいいけれどちょっとおしゃれすぎるわ。


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触りまくったあとは、立礼席でお茶とお菓子をよばれて、野村の絵はがきセットも頂戴して、たいそう満足な会でした。来年の会も是非参加したいが、毎回月曜で仕事休まにゃならんのがなあ、、、、(^_^;



宇治縣神社〜藪内の茶事2023秋 - 2023.12.02 Sat



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年2回春と秋の薮之内の若武者の茶事。
恒例のお楽しみになっていて、もう宇治へのドライブもナビいらなくなった。(初期の頃よ〜く道間違えた)


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縣神社の奥にある露地の木々も少し遅いながら紅葉。


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前日のお掃除も大変だったと思うが、きれいに清められた蹲居を使って席入り。


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茶室・棠庵(とうあん)は薮之内十二代・猗々斎(先々代)作。 
点前座がほぼ燕庵である。間取りは三畳台目+相伴席の燕庵に遠慮して四畳半+台目、毎年藪内流家元による献茶式がおこなわれる格式ある茶室。


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上下2つの下地窓を通した光がを背景に点前する姿は美しい。

今回ご連客の中に薮之内の家元でお稽古されている方がいたので、いままで疑問に思っていた所作の数々をお聞きできて良かった。
一番流派バリエーションのある炭手前で、ついだ炭の一番上に置く枝炭を、釜の底でぐりぐりして割る、というのを不思議に思っていたが、粉にして火の通りをよくするためで、寒い時期には盛大に、暖かくなると遠慮して少し、というのがロジカルであった。
あと炭の置き方は三方向の導火線になっていることも。いままでなんとなく自流と違うな〜と思っていたことに見識をあらたにできた。

弾きの織部香合はよくあるが、4つの小さい足がついているのは初めて見た、と思ったら、薮之内の家伝の形なんだってね。初代剣仲は織部の義弟になるから、これが本歌か。


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懐石は広間にて。
広間においてある茶壺の紐の結び方が独特。これは茶壺の中を使ってしまって空になったときの結び方なんだそうだ。


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元々、男子ながら懐石つくるのお上手だったが、奥様が懐石をされるようになって、さらにバージョンアップ。向付のキンメのお造り見た目もお味もとても結構。


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自分が作るとどうも中まで火が通らず生くさい蓮根餅も、美味しい。コツを伝授してほしい。白髪ネギのあしらいも。


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同じく宇治の興聖寺で陶展中のいつもつるんでいる茶友さんたちと一緒の席だったので、ほんま楽しかった♪

ちなみに陶展の様子はこちら。↓

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老松さんのきんとん「錦秋」をいただいて中立。


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後座の床
ちなみに給仕口は広間に通じるショートカットになっていて、使い勝手が良い。

特筆すべきは水指、唐津のゆがんだ片口なんだが、この片口に合わせて立体的に作られた塗り蓋。よくこんな3Dに作ったね〜と感動。
濃茶は茶入が一入の「冠者」。薩摩に似たイメージで、耳付なところが太郎冠者の棒しばりみたいなイメージだからか。茶杓は宙宝の「千秋」。各服でいただいたお茶碗はきれいな枇杷色の御本茶碗であった。


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薄茶はまた席を改めて、今度は水指が古清水の透かし彫りのある二重になっているやつ。お茶碗にも古清水がでていて、この時代の京焼はしぶくていいねえ。(辰砂が高価だったので、赤色がほとんどない)

香合が狸香合で??と思ったら、ご亭主、学生の頃興福寺・宝蔵院隆槍術をされており、伝統的に正月の初稽古の時に狸汁をふるまう<狸汁会>というのがあって、それにちなんでとのこと。ちなみにいつの頃からか、狸のかわりにコンニャクを使うようになったそうである。(そりゃそうよね、お寺で生臭はアカンし、狸の肉は超くさいらしいし(^_^;)
下に敷いた唐草模様の古帛紗は○ザワヤで買った布でみずから仕立てはったそうだ。なんでもできるんねえ。


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(紅葉の季節のコーディネート?)


薄器は女郎花の蒔絵の棗であるが、女郎花は流派的に大切な花とかで、薮之内中興の五代・竹心のお好みだそうだ。黒い中にすっと一本立つ金蒔絵の女郎花の風情がよろしかった。

今回も薮ノ内流に関して学ぶこと多々、なにより楽しい和やかな一会、感謝である。





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