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2017-06

ピアニストだって・・第九!〜わざ永々棟にてサロンコンサート - 2012.12.09 Sun

車の外気温表示が1℃だった寒い夜、あたたかい数寄屋のお屋敷にてピアノのサロンコンサートへ(クラシックファンの)ダンナと。

場所は白梅町近くの平野の家・わざ永々棟

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この家は大正時代の数寄屋建築でありましたが荒れ果てていたそうです。
この家を手に入れた数寄屋大工の山本隆章棟梁が、その数寄屋建築の伝統を伝えるために、あらゆる大工の技術を駆使して工繊大とのコラボで改修した家なのです。

ここがオープンした当初から、私はちょくちょく訪れていますので、詳しくは過去記事を。

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夜の風情もまた格別。

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ステンドグラスはもとからあったそうですが、現在のは工繊大の学生さんが作った物とか。

さて、今宵はピアノで大工、、、、いや第九!

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え?第九にピアノのパートってあったっけ?
と、思われた方、正解です。
ないのです。
ピアニストは第九交響曲の間は客席で指をくわえて聞いていなければならないのです。

でもピアニストだって第九を弾きたい!と思っておられたピアニストの梅原尚子さん、リストがピアノ用に編曲した楽譜と運命的に出会ったのですって。

そこでこの日は第九の全楽章を演奏してくださるのです。

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さて、このピアノ。
永々棟を開くにあたって、なにか目玉になる物を、、、とさがしていたスタッフの目にとまったのが寺町二条の楽器屋さんでほこりをかぶっていたこのフランス製エラール(Erard)のピアノだったそうです。

エラール社は残念ながらいまはもうなく、幻のピアノとなりました。
そしてこのピアノが製作された20世紀初頭、この屋敷が建てられたのも20世紀初頭なんだそうです。
中の部分はごっそり新しいドイツ製のパーツに入れ替えられていますが、外枠の木製部分は当時のままだそうです。

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ご覧のように客席は土間の部分(カーペットで十分暖かい)、座敷に椅子や座布団などで思い思いの場所にすわって聞くカジュアルなサロンコンサートです。

多分フルオーケストラの第九をよく聞きこなしている方なら、それがピアノでどう表現されるのか、とても面白いんじゃないかと思います。
でも、わたくしはあまりクラシック音楽に詳しくありません。(ので、違ったことを書いていましたらごめんあそばせ。(^_^;ん)
しかも何回も第九はオケで聞いているのに、第1〜3楽章まではほとんど記憶にない(__;)

今回、各楽章の前に梅原さんがミニ解説をしてくださって、それをきいてから曲を聞くととても理解できて、なんだか覚えられそうな気がします。
以下、梅原さんの解説のダイジェスト。(多分あってると思う、、、、)


第1楽章:不安感をかきたてるような音から始まって、ベートーヴェンの人生の苦悩をそのまま表したような章。
ベートーヴェンの生涯はたしかにあまり幸せとは言えないものでした。伴侶にも一生涯恵まれませんでしたし。

第2楽章:追い立てられるようなリズムのくりかえし、フーガ。ベートーヴェンまだ苦しんでます。

第3楽章:その苦しみの人生からたどりついた諦め、すべてをすてて得られる安らぎ。天国の音楽(第1テーマ)と地上の安らぎ(第2テーマ:まだ悟りきれていない)がくりかえされ、天国の天使が高らかに吹くファンファーレの後には第1テーマのみ。

いやがうえにも第4楽章への期待はたかまりますが、ここで懐石で言えば小吸い物、
リストの超絶技巧曲「ラ・カンパネラ」を。

intermissionでは奥の広間にて、老松さんのお菓子とお抹茶を。

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お菓子の銘はずばり「歓喜」。
画像ではよくみえませんが、上に金箔がのっていていかにも、、、なんです。

さて、いよいよ第4楽章:合唱入ります!、、、といってもピアノ1台でどう表現するのだろう、ソロパートの4重唱は?、、と思っていましたら、すごいんです。
たしかにピアノで4つのメロディーがあわさっているんです。
あれには感動でした。
知っている部分の歌詞だけピアノにあわせて心の中で口ずさみました。
苦しんで苦しんで、やっとたどりついた生きとし生けるものへの歓喜、勝利の歌。
これがベートーヴェンがたどりついた最後の交響曲。


   天の星々がきらびやかな天空をとびゆくように
   楽しげに 兄弟達よ 自らの道を進め
   英雄のように喜ばしく勝利をめざせ



このクリスマスの時期に日本ほど第九が演奏される国は他にはないそうです。(ヨーロッパでは定番は「ハレルヤ」なんですって)
梅原さんは演奏だけでなく、お話しもとてもおもしろい方でした。

最後のアンコールではかのバーンスタインの「ウエストサイドストーリー・メドレー」を。

なぜなら、1989年のベルリンの壁崩壊の直後の年末に東西ドイツとベルリンを分割した連合国のオーケストラメンバーによる混成オーケストラを指揮したのがこのバーンスタインだから。
この時、第4楽章の詩の"Freude(歓喜)"はあえて"Freiheit(自由)"に替えて歌われたのだそう。

この曲の時、梅原さんの小学生のご子息と永々棟スタッフのお嬢ちゃんがカスタネットやブリキ缶などで参加。
猛特訓は半日だけだったそうですが、子供の柔軟な感性にはただただおどろきです。


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とても心温まるいいコンサートでした。
来年もまた是非来ようと思います。



<付録>

永々棟の二階の大広間。

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昨年この広間で観世流シテ方、味方玄さんのお能の会に参加しました。


そして、ここにはよい小間のお茶室もあるんですよ〜。

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聚楽庵。
三畳半というちょっとかわった小間です。
ここでお茶事なんかによばれたいな。

   
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● COMMENT ●

お引っ越しおめでとうございます

相変わらず充実した内容には驚かされます。
どこでこれだけの京都情報を得られるのか不思議ですが、多分ご交際の広さが影響しているのではと。
読み逃げばかりで失礼しますが、楽しみにしています。

NoTitle

なんてステキなサロンコンサートなんでしょう!!
こんな情報、下々の者には到底入ってこないもの。ご夫婦揃ってさすがの御人脈!!と感心しきり(ため息)
 このようなワクワクするスケジュールなら、絶対倒れてなんてことはなさそうですね(笑)後、何回ブログで楽しまさせてもらえるのでしょう。寒い折ですが、又のアップ、楽しみにしています。

NoTitle

追伸
 寺町二条の楽器屋さんって・・・旭堂楽器店かなあ~。花咲が最初のピアノを買ってもらったとこなんですけどね。老舗の楽器やし、そんな珍しいピアノも眠っていたのかなあ~

otyukun様

ありがとうございます。
ご無沙汰しております。
この永々棟も足で稼いだお気に入りの場所なのです。
一度いくといろんなイベントのお知らせをいただくので、楽しみにしています。
おほめいただくと恐縮してしまいますが、書くことですぐに忘れる記憶力の補完をしているようなもの。やっぱり書くことが楽しい文学少女くずれ、、、ですの( ̄∇ ̄*)ゞ

花咲おばさん様

いえいえ、これも自分の足と目と手で見つけた情報なんですよ〜。まあ、もともとはお茶室がらみで見つけたんですけれどね。どなたでもご参加できます。
近所の人が普段着で気軽に来ているコンサート、、、というところが居心地のよさなんでしょうねえ。
おほほほ、、、まだまだ倒れそうになりながら鬼気迫る勢いでお遊びしますわよ〜(恐っ!)

そうです!
それっ!
旭堂ってゆってました。
さすが〜ヽ(〃'▽'〃)ノ

ピアノで第九なんてすごいですねえ。そしてどこまでもお茶が出てくる。やはり京都です。

しぇるさまにはアンテナ何本立ってるのでしょう。
やはり出歩くことで、いろいろ面白い情報が入ってくるんですね。
何事も時間と手間を惜しんじゃいけないんだわ~

ひいらぎ様

私もピアノの第九ははじめて。それにしてもすごいテクニックが要求されると思います。よかったですよ。それに演者と客席の距離が近いのが良い感じでした。

夢風庵様

頭にはえているのは3本かな?(オバQか?古っ!)
まあ、一見まとまりのないような趣味の広さですが、自分的には一本の線の上を歩いていると、、、思ってます。やはり体が資本ね。

 引っ越し、しかもFCに移っていたんですねぇ。
 ご無沙汰しています。

 月末から怒涛の胃腸風邪、胃腸風邪、胃炎、そして胃腸風邪でひっそりしていました。

 寒そうであたたかそうなコンサートですね

ちょきた様

そうなんです。まあ、たまたまブロ友さんにFCが多かったのと、容量がいままでの5倍なんで、長続きするかな?と。ちょきたさんもFCですよね。
胃腸関係でえらいことになってたんですね。
お気をつけてお大事に!


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