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2018-11

春雨と船出の茶事〜其中庵 - 2018.03.23 Fri

其中庵さんが、亀岡の楽々荘を去るにあたって、さらば楽々荘茶事を催しはったのは昨年の一月のことであった。

 


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(御所 出水の糸桜)



  飯疏食飲水 曲肱而枕之 楽亦在其中 (論語)

其中庵さんはここを去っても茶を愛するの心強く、祗園のお店で茶狂会を続けておられたが、このたびついに自宅を茶事のできるように改修し、ここに席披きの茶事をひらかはった。
そして不肖ワタクシ、他の親しいお茶友様とご一緒に参席の栄誉に浴したのである。





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苦労された其中庵さん力作の露地。
100kgもある石をご自分でころがして据え付けられた蹲居。




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これもつい最近ご自分で作られた塵穴である。

この露地の景色を、歩みながら腰掛け待合いにすわりながら楽しむ予定が、いきなりの春の嵐、よこなぐりの雨も降って断念。そういえば楽々荘最初の茶狂会も雷鳴轟く大嵐であったなあ、、と懐かしく思い出す。(かのときも、今回も、察するに大雨男F太朗のせいであろう(^_^;)





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楽々荘にもかかっていた鈍翁の「茶狂」の軸がこちらの待合に。「其中庵」の扁額も懐かしい。

本席は八畳、炉を切るのにもご苦労されたあとがしのばれる。障子をしめれば、ここはマンションの一室とは思えない密度の濃い茶の湯空間になった。茶の湯愛も業というべきか、執念というべきか、とうとうここまで形にしはったのには感動。


初座では、楽々荘とのえにし浅からぬお客さま方がこの席披きを感慨深く語り言祝ぐ。





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(御所の白木蓮)



床には澤庵 宗彭の消息「春雨の文」
金剛流脇方高安家の某への手紙で中回しが金剛裂か?

外は春雨を通り越して春の嵐であるが(^_^;




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(合掌の形の木蓮)


例によって出過ぎず引きすぎず絶妙のあんばいの富山・万惣さんの懐石
白魚のしんじょうや、富山のホタルイカのぬた、はまぐりのピカタなど、どれも春の味覚で美味しく頂戴したが、やはり一番のご馳走は煮えばなからお米が光っているご飯であった。




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席披きなのでみんなの折敷にツボツボがあったのだが、これの中味が???
ふつう酢の物をいれることが多いが、これは?と亭主にお聞きすると「あれ」と言って軸の方へ目配せ、、、、、ああ!そうか、春雨!! (大受け)

八寸ではお約束のお謡い
F太朗渾身の(?)「猩々」にあるじ十八番の「四海波」
以前茶事で私が歌ったQueenやりましょか?で全員で「We will rock you!」 を手拍子、まことに楽しい八寸タイムであった。

老松さんの美味しく美しいつくねきんとんをいただいて中立となった。




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(近衞の糸桜)



後入りはさいわいにも雨が小やみになったので、やっとあるじ力作の蹲居をつかうことができてよかった。




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後座は燈火のもとにて

室町時代の竹の華籠(けこ・散華のいれもの)に一枝の桜
平家納経を思わせるような麗しい法華経の掛け物

それぞれの影が揺らめく中、濃茶が練り上がるまでの静寂は、濃縮された空間を作り出す。さきほどまで大騒ぎしていたメンバーとは思えぬほど。

手の中にすっぽり入りそうなかわいい小さい古瀬戸の茶入はその名も「春雨」。これを入手されたときのお話しもおもしろかった。

濃茶の茶碗も、続き薄でたくさんでた茶碗も、多くは楽々荘で何度か拝見した物であって、これもまた巡り会えたことがうれしい。そして楽々荘に通った数年のことをあれこれ思い出す。まさに薄茶でだされた干菓子「さまざま桜」の心境である。(さまざまな ことおもいだす桜かな 芭蕉)





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それにもまして其中庵さんはさまざまな事を思い出されていることだろう。

3月は身内の方や友人とお別れした想い出がたくさんある月だとおっしゃる。それ以上に出会いもあり、この季節は其中庵さんにとって特別な季節なのだそうだ。

そんな季節に席披き、新たなる其中庵の船出である。
その航路に幸多からんことを感謝とともに祈る。







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