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2018-04

一枝窓〜宗和流宗匠の茶事 - 2018.03.25 Sun

ここは東京をはなれること少々、一枝窓という名の茶室。
とうとう念願の宗和流・U川宗匠の一枝窓茶事にお招きいただく。(師匠、ありがとうありがとうありがとう。゚(゚´Д`゚)゚。)  (宗和流HP

キャベツ畑ものぞめる田園の中に突如あらわれる数寄屋門、中へいざなわれると、とんでもない茶の湯空間が広がっていたのだ。




 IMG_0900.jpg

(一枝窓露地の枝垂れ梅)


U宗匠のお茶をはじめて拝見したのが約3年前、宗和流会長に就任されることを決心され(世襲ではない)、流祖・金森宗和と深いつながりのある大徳寺真珠庵・山田老師に参禅、「寒鴉(かんあ)」の齋號を授与された披露茶会@根津美術館であった。まだ40代の若さにしてすばらしい創造力、マネージメント力、人脈。お話ししたわけではないけれど、とても包容力のある暖かい、そして面白い方ではないかと秘かに思っていたのである。
そのご縁もあって、昨年秋,宗匠が懸けられた八王子美ささ苑獨楽茶会にもはるばるでかけた。その流れで宗匠と親しい師匠のお声かけで今回の茶事が決定、感激もひとしおである。

関西各都市からばらばらに、連客に茶友をつのったら、お彼岸のさなかなのに僧籍の方が3人も集まるという、、、(^_^; 実に楽しい席組となった。





P1140128.jpg

(これはうちの露地の楓の芽吹き)



待合に、不思議な、でも魅力的な未来風に解釈した観音様?の墨絵が掛かっていて、これはだれのだろう???と一堂首をかしげていたら、作者は「ファイナルファンタジー」のアートディレクター上国料勇さんという方だった。(ファイナルファンタジーを知らないモノで、、、)茶事の八寸のおさかなとして、さらさら席中で描かれたものを軸装されたとか。これがご縁で、宗匠の参禅の師、山田老師の真珠庵の襖絵を描くことになったそうだ。(このニュースは京都新聞でなにげに見ていた)


露地では枝垂れ梅が散りかかり、塀越しに近隣の桜の木が見える。腰掛け待合いの雨樋や枝折り戸にそれぞれ工夫があり、これも宗匠自ら考案されたものなのだろう。

初座席入り
三畳台目中柱下座床給仕口付きの小間で、突き上げ窓もある。
床にかかるのは近衞応山(信尋)の宗和への消息で、日付が「三月尽」、まさに今の季節。宗和の茶は公家社会を中心に浸透していたから、これもその人脈をうかがわせるもの。

炭手前で見事な古芦屋の釜を拝見するが、鐶付きが見猿、聞か猿、、、言わ猿がないなあ、、と思ったら、古色も見事な蓋のつまみがクチナシ(言わザル)とか。
ここらへんから宗匠の高尚なギャグが連発。

「炉縁の材は?」
「真珠庵のクリの古材ですが、クリではありません」
「?」
、、、、庫裡と栗ね (^_^;

箱書にあった「寛延(かんえん)○年、、、」と読んでいたら「B型ですかね」
「?」
、、、B型肝炎なのね。


以前2回の茶席はフォーマルな席だったので、きっとおすましされていたと思う。でもこの方は本当はもっとユーモアのある面白い方にちがいない、と思っていたので、まさに的中、茶事の間中、ずいぶん笑わせていただいた。

ちなみに宗和流の炭手前で印象深かったのは枝炭の上に「花炭」と称して小さい輪炭をおくこと。まるで梅の枝に花が咲いたように見える。
また、小豆石の炉壇がみごとであったことと、寒鴉斎の号にちなんでなんと烏で作った羽根が、まさに濡れ羽色で美しかった。(こんど烏の羽根がおちていたらひろっておこう、、)



懐石は八畳の広間にて
また八寸が長い長い、だって御連客がみな芸達者すぎて終わらない(^_^;





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これがバカウマだった奈良今西酒造のどぶろく。まさに爆発的にうまい酒。(ちなみに最初のお酒は宗和出身地の高山のお酒だった)

宗匠に八寸のおさかなとして求められて、イタリアン茶事の雄・Y和尚は例の割り箸芸(鼻の穴につっこむようにみせるやつ)を見せるし、M尾流のT和尚は声明をひとうなり、師匠はプチ落語をご披露、もうみんなお酒の勢いもあって笑いがとまらない。八寸のあとにも懐石がでてくるのは、お酒が長くなったときの臨機応変版なのね。

石杯の数を人数より一つ少なくするのは、杯が回せるから(いろいろな杯で飲める)というのは勉強になった。

名残惜しい八寸、懐石の最後にでた主菓子が、齋號披露茶会でもでた赤坂・塩野の「鴉笑」、寒鴉齋好み。黒糖のきいた小豆色のきんとんを切ると、中から赤い餡がでてきて、まさに鴉が笑ったよう。





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(これもうちの露地のつわぶき)



後座はふたたび小間にもどって。
少し暗くなった部屋で静かに練られる濃茶は斗々屋茶碗にて。茶入が美ささ苑茶会で拝見したあの背の高い高い肩衝であった。またここで再会できるとは!不昧公が作らせた出雲焼で、仁清の背高肩衝「存命」写し。あの時見損ねた、不昧公おかかえの指物師だった(小林)如泥の雪月花の三つの箱も今回はちゃんと拝見できた。


そしてそして今回最大のサプライズが薄茶席であった!!




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(寒鴉→枝にとまっているんですが、見えるかな?)



別棟の二階へ上がるとまずは二畳中板の薄暗い小間、床はなく、真珠庵和尚の画賛がかかる。釜はどこ?と思っていたら、まずは一辺の襖を開ける、するとあらわれる台目席!中柱が(そうは見えないけど)鉄で、壁が建材ボードというのもびっくり。いえいえ、まだまだ序の口、「人数が多いときは、、」とおっしゃりながら、隣の辺の襖をあける、おお、一畳の相伴席、これで三畳台目ね、と思っていたら、残る最後の辺の襖をあけはなつ、、、うおおお〜〜〜((((;゚Д゚)))))))
いきなり開放的な広い窓からさしこむ光、そこは三角形の畳もあるという変形ながら四畳半ほどの茶室になっていて、逆勝手の炉に釜がかかりお湯がわいていたのであった。


こちらは窓辺に客が腰掛けられる仕様になっていて足が楽。
お茶碗はたくさん出てきましたよ〜、仁清の三玄院天目!そういえば根津の齋號披露茶会ではじめてこの三玄院天目、というのを知ったのだった。





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これはその時の引き出物、宗匠プロデュースのスガハラガラス(sghr)で写した三玄院天目。これは透明だが、不透明黒ガラスのもあって、すごいcreativity、と思ったが、美ささ苑の茶会ではガラスでかの有名な重文茶碗・鱗波紋茶碗も写していてさらに驚いた。その茶碗にも今回再会できて感動したのである。

ふりかえって思い出せば、おどろいたり、よく笑ったり、(よく飲んだり)心はずむ楽しい茶事であった。やっぱり、私が目をつけた(?(^_^;)だけあって、宗匠はほんとうに多才なすてきな茶人でした。御連客も思うに最高・最強のメンバーでこんな一座建立はもうないのではないかと思うほど。
ありがとうありがとうありがとう(師匠、特にありがとう!)と心でくりかえし、京都に帰り着いたのであります。



(一枝窓の茶室の画像がこちらでちらっと拝見できます。宗和流HPより)





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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

いいなぁ~

美味しい酒に酔いたいです私も

桜も、今年は早く儚し

裂けと共に桜に酔う季節

高兄様

はい、よろしいでしょ?
美酒とお茶と、、、あと桜で仕上げたらもうなにもいうことはありません。

お誘い下さいましてありがとうございました。
お陰様で充実した、そして楽しい時間を過ごすことができました。若き宗匠はもちろんのこと、ご連客の皆さまが強者揃い。それにしても、何か芸が必要とは困ったなあ。
私は翌日は、喜左衛門井戸を手に取ることができて、始発の新幹線で京都日帰りした甲斐がありました。それからずっと東京におりましたが、本当に様々なご縁に恵まれて有難いことです。お茶の繋がりは嬉しいですね。

そらいろつばめ様

(当日私のせいじゃないけど、、)長いことお待たせして申し訳ありません!!
それでもお待ちいただいただけの甲斐はあったことと思います。楽しかったですね〜。
なかなか最強の亭主と客でありました。
私も仕舞だけでなく、ちょっと謡いもしこまなあかんな、、、と思いましたよ。


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