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2023-10

びわこ疏水船〜浜大津から蹴上まで〜桜 - 2018.04.01 Sun

朝、蹴上のインクラインから地下鉄の駅まで



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朝早いと花も見頃のインクラインもこんなに人が少なくてよい。





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地下鉄蹴上駅から地下鉄、京阪を乗り継いで浜大津まで、今日は予約していたびわこ疏水船に乗りに。
昨年周航してから人気なので、かなり早くに予約したので、きっと桜にはまだ早いだろうと思っていたが、(心がけのよき、をもって(*^^)v)なんと!桜の真っ盛り!




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三井寺駅近くの大津閘門、琵琶湖疏水の始まりである。




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都を東京にもっていかれて産業も衰退し、元気のなかった明治の京都の起死回生の一大プロジェクトであった琵琶湖疏水。




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そんな歴史もたどりながら、この14人乗りの船で、大津から蹴上まで、来たのと逆コースをゆっくり下る1時間の旅である。




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第三代京都府知事・北垣国道と若き英才技師・田邊朔郎、この二人がいなければこの大事業は成功せず、今の京都はなかったかもしれない。




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スタートはいきなり長さ2436mの第一トンネル。向こうに出口の灯りが点のように見えるが、そこまでなかなかたどり着かないくらい長いのだ。
トンネル内の温度は低い。

右手の二本線の下の方は、まだ性能のよいエンジンがなかったころ、疏水を登るのにこれをひっぱってのぼったという綱なのだ。まだ残っているのか。




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トンネルの中ほどに北垣の扁額がある。
「寶祚無窮」
船足が速すぎて写真におさまらない、かろうじて「無窮」が見えるくらい。

琵琶湖疏水事業でいつも感じ入るのは、東京帝国大で土木工学を学んだ田邊朔郎、この時若干21歳だったこと。当時はやりだった外国人技師を用いず、この若者に大事業を任せた北垣もすごい見識の持ち主だった。
あの時代の日本人はすごかった。こんな人材がいた時代は奇跡かもしれないと思う。





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真ん中あたりで白く見えるのは第一トンネル第一竪坑から溜まった雨水がシャワーのようにしたたり落ちているところ。
このトンネルは竪坑方式といって、山から縦に穴を掘って両側に掘り進める工法も導入されていた名残。




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トンネルから出るといきなり桜のおでむかえ、このあたりもう山科の四の宮に近い。




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こちらは阪神淡路大震災後もうけられた緊急遮断ゲート
堤防決壊時に水流をとめるための門




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さて、両岸満開の桜のトンネルをゆっくりすすもう
(ガイドさんのガイドつき!)









山科では疏水に散策道が沿っているので、花見がてら散策する近所の方や、遠足の子どもたち、が上から手を振ったり写真を撮ったり。今日一日でえらいたくさんモデルになってしまった。(モデル平均年令かなり高いけど)




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四の宮舟溜に到着
ここで下船される方もあれば、新たに乗船される方も
私はこのまま蹴上までもどるよ。




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諸羽トンネルへ突入
こちらのトンネルは短い




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早すぎて写真にとれないのだが、すべてのトンネルには入り口と出口に当時の政治家の扁額がかかる。大津側は陰刻、京都側は陽刻で

伊藤博文とか西郷従道(せごどんの弟)とか井上馨とか山県有朋とか
いかに北垣が国に働きかけたのかがわかるようだ。




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天気もよく、のどかでうららか




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疏水を横切る橋もいろいろな意匠があって面白い。
あ、また写真撮られてる(^_^;




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桜 桜 桜、、、、



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ここは安祥寺舟溜
水深は浅く、右と左の水路をわける水中の壁がよく見える。




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お散歩中のひと

今度地上の方から、ここへきてみようか




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見上げれば木にとまっている鷺が!

何羽も見かけた。絶好の漁場になっているのだろうな。




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水面をみればもう花筏!
咲くとほぼ同時に散っていっているようで、今年の春はいきなりすぎて追いつけない。
本格的に散り出すと水面は薄紅の絨毯になるのだろう。




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いよいよ蹴上に近づいてきた
この船旅もそろそろおわり




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蹴上までの最後のトンネル、第3トンネルの手前にある小さな橋は、日本ではじめて作られた鉄筋コンクリートの橋なんだそうだ。





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やっと扁額の写真がまともに撮れた。
明治の元勲・松方正義の「過雨看松色」(読めんけど、、、)
雰囲気たっぷりのレトロなトンネル




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この第3トンネルをぬけると蹴上の下船場
左手にみえるのが旧御所水道ポンプ室という西洋風の建物、明治45年竣工




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これは外からは見られない建物なので貴重なものを拝見した。(片山東熊、山本直三郎設計)
天皇が京都へ帰られたら、防火用水を御所へ送る目的だったのだが、天皇はついに京都へ帰ることはなかったのだ。




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振り返ってみる疏水




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そして反対側は、朝見たインクラインの桜




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ここにはひっそり疏水工事殉職者弔魂碑が建っている。
大事業、難事業ゆえに命を落とした工夫は17名




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そして私財でこの碑を立てたのは、あの田邊朔郎であったのだ。
彼の人間性の一端に触れた気がした。


最後にインクラインの桜の写真をおいておく。
この時間(朝11時頃)もうほとんど日本じゃないみたいになってたけどね。




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● COMMENT ●

わあいいなあ、すごい、私も乗りたい。
と思いましたがダメです。トンネル2436m。
閉所恐怖症なので。
ところでしぇるさま、鷺が何「匹」もですか。

Mariko Ishii様

鷺、、、やっぱり「羽」ですよね(^_^;
訂正いたしました。

山科から蹴上ルートだと短いトンネルだけなので、こちらなら大丈夫かも。
ネット予約もできるので、上洛機会がありましたら早めのご予約を〜!


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