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2018-11

ならまち樫舎の和菓子フルコース - 2018.05.19 Sat

奈良国立博物館へ「国宝・春日大社のすべて」展で春日大社の秘宝を堪能した後、以前からなかなか予定が合わず行けなかった和菓子のフルコースにやっと行けました〜♪




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ならまち元興寺の近く樫舎さん。

奈良へ来たとき3回に1回はいっているかな、二階のカフェへ。(かき氷も美味しいし)
でもカウンター席での和菓子フルコースは予約が必要。





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店先はこんな感じ、左手に見えている階段箪笥は薬師寺の故・高田好胤師が愛用されていた物だったとか。薬師寺とはご縁が深く、薬師寺でしか買えない葛の和三盆、「白鳳の飛天」(これも大好き!)は樫舎さんが作られています。




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まずは冷えた煎茶にその白鳳の飛天と同じタイプの鹿の和三盆
お盆や器はすべてこのフルコース用の特注品




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一般的な落雁は寒梅粉がはいったり、口の中がもそもそするのだけれど、樫舎さんはそれはかさを増やすためのもので、接着剤としての役割はない、ときっぱり。
砂糖と、上質の葛粉だけで落雁は固まるし、口溶けもよいのだと。だから白鳳の飛天、うまいのね。

ただ、100個単位だと問題ないが、1000個作るとなぜか美味くできないという。それを調べるために工業試験場まで行って電顕写真までとったそうです。結果、どうしてもたくさん作っている間に粉が摩擦熱に曝され質がおちるのだと。なんと和菓子も科学ですね。樫舎さんきっと理系。




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コースの次はきんとんだが、先にわらび餅を作って、冷ましておく。
みせてもらった、これが本わらび粉。よくスーパーで売っているのは甘藷のデンプンなんで、この農家指定特注で入手されている本わらび粉は値段10倍くらい違うらしい。

かつて和菓子屋さんで修行をされていたとき、わらび粉は火にかけて15分練れ!と教わったそうだが、ご自分で疑問を感じてあれこれ試した結果、数分で上等、それ以上練るとわらびの風味が飛んでしまうと気づかれたそうだ。




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で、目の前で練り上げたわらび餅をヘラの上にのせる。この段階で100℃以上(砂糖による沸点上昇、あ、やっぱり理系?)、きな粉の上に落としてく。




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こしあんの玉をわらび餅の中にしこむ頃には60℃くらいだとか。でも普通は熱い!という温度だよね。ここでもあんこと水の比率で感じる甘さは逆説的にかわる、というお話しも聞く。




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さて、わらび餅が冷めるあいだ、きんとんを。
この白餡が白小豆!

普通の白餡はほとんどが手亡豆(てぼうまめ)で、白小豆というのはめったにお目にかかれない。京都の和菓子のお店でも白小豆だけで白餡を使ってるところは5軒しかないという。

これは岡山産の白小豆で、この農家さんが作らなくなったらどうしよう、、というシロモノらしい。
ここでも、和菓子の材料と成る農家が作るものが以下に大切か、農家をいかに大切にしないといけないか、ということを力説。




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馬の毛を使ったきんとん篩いは一番大きなメッシュでもこの細かさ。きんとんはもちろんつくね芋、しかも冷凍ではなくて数年寝かせたものだとおっしゃる。




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上に「ダイヤモンドカット(^_^;」の寒天を露のようにのせて完成!
銀朱の椿皿にのせて


和菓子は横からの光でみるのが美しい、、、とわざわざ電灯を消してくださったので、自然光で撮影。なんと繊細で美しい。どんな洋菓子より日本人好みの美しさ。つくね芋の味がほんとにしつこくなく美味しい。

これは抹茶でいただいた。




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さて、先ほど作ってさましておいたわらび餅に仕上げのきな粉をかける。
このお皿も練行衆盆のミニチュアみたいできれいだなあ。




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これもふたたび電灯を消して
わらび餅のテクスチュアがもう普通のわらび餅とは別物!ねばるねばる。

これはケニア産のこだわりの豆、入れ方でいれたもの、といっしょにいただく。カップは赤膚焼きの大塩正人さんの奈良絵、特注品。(写真ないけど)





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最後のメインディッシュが最中
目の前で粒あんを皮にしこんで皿に載せる間も惜しんで手渡し。
なぜかというと、一秒でも食べるまでに時間がかかると餡の水分が皮にしみてくるから。




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写真をとるのもそこそこに口にほおばった。
普通和菓子をこれだけいただいたら、ちょっと胸わるくなるのに、最後までまったくそんなことはなく、するっと食べられた。この上品な甘さはなんだろう。




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最中にはほうじ茶
左のミニチュア馬上杯は一煎目、右手の筒状が二煎目、いずれの杯もコーヒーカップと同じく正人窯の特注品。(馬上杯は正人窯で売っているそうなのでゲットしたい)
一煎目では香りを楽しみ、二煎目で味を楽しむ。この茶葉もまた上等なものだろう。


くりかえし、くりかえし、樫舎さんがおっしゃるのは、和菓子職人は砂糖と小豆+αのごく数種類の材料を手間をそれほど掛けずに作る単純な仕事であり、出来上がった和菓子の9割は、その材料を作った農家さんの手柄である、と。なのに社会的地位はそれにつりあっていない。だから後継者も育たない、もっと農家を大切にしなければ、農家こそが日本伝統文化をささえてくれるものだ、ということ。
その熱い思いは確かに伝わりましたよ。








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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

こういうフルコース

良いですよねぇ^^

しぇるさん、

甘いものも、お酒もいける

二刀流ですね^^

しかも、武蔵クラスのマスター度♪

高兄様

このカウンター席、京都の和菓子屋で修行している若い衆もきてるみたいですよ。
高兄様も、甘いもんがいけるくちなら是非一度予約してみてください。
二刀流(^_^;、うん、たしかに、和菓子で日本酒一杯いけます。意外とあうのですよ。御所西のおづさんとか、大徳寺の狐庵さんとか、和菓子でお酒だすところも増えてますしね(^_^)b

和菓子の理系ネタ、わかりやすくていいですね。
お菓子も(茶道具同様)自然光で見るのが一番に納得です。
そして、農家の方々のお陰というのも、もっと高く認知されるように願いたいですね!

こんにちは。
私3回ほどカウンターにはお邪魔させていただいてますが、
感じ入るのがお話なしくださる内容。
工芸のこと、人間の感覚のこと、美しいとは等々・・
心から納得できることばかりで、
耳福、目福、口福、を味わう至福の時を味わって
「楽しかった!!」と思うのです。
季節に応じてのお菓子が堪能できますので
また時期を変えて奈良にお越しくださいませ。

とどん様

はい、樫舎さんのお話しはどれも納得、そして考えさせられることも多かったです。
とにもかくにもどれも美味しい!!

奈良暦様

そうなんです、また季節を変えて是非行きたい!と思っていました。
できれば今度はゆっくりお話しが聞ける最終席ねらいです。(時間がおしてちょっと最後忙しかったので)


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