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2023-12

「春日大社のすべて」展・奈良国立博物館〜「聖域」展・春日大社国宝殿 - 2018.05.21 Mon

奈良国立博物館で開催中の「春日大社のすべて」




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768年、中臣氏(のちの藤原氏)の氏神様として創建された春日大社は、藤原氏絶頂期の平安時代,多くの宝物の寄進を受けたため、「平安の正倉院」といわれるお宝の宝庫となった。




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(博物館前の氷室神社 すでに睡蓮が咲いていた)



なにしろ国宝やら重文やらがごろごろ、正倉院展にも劣らない展示物に頭がくらくらするほどである。



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博物館のポスターを見るに、あれ?どこかで見たような、、、、




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と、思って入館するとまずこの鹿がど〜ん!と。(けっこう大きいのよ)
あ!これ!
主祭神である武甕槌命(タケミカヅチのみこと)がはるか常陸国鹿島から白鹿にのって三笠山に降り立ったという由来をしめす春日神鹿御正体。春日鹿曼荼羅はいくつも描かれ像にもなっているが、これはうちのご近所の細見美術館に常時展示されている鹿さんではありませんか!

細見の館長さんによると、春日大社から「そろそろ返してくれませんかねえ、、」と言われているという、、、(^_^;  (ちなみにこれはかつて細見古香庵さんが正規にゲットされたもの)




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御神宝は螺鈿や蒔絵で彩られた調度品から、太刀、鎧兜まで、美しく、さらにその技術の高さに感動する。時代が正倉院から少し下ったこともあって、異国風は姿を消し大和風の雅なものが多い。
だれが奉納したのか、という記録も残っていて、かの悪左府として名高い藤原頼長とか,鳥羽上皇とか、平家物語でお馴染みの名前がでてきてうれしくなる。

そういえば頼朝が寄贈したとおぼしきでっかい鼉太鼓があって、これが比較的最近まで、700年にわたって使用されてきた(雅楽の時に)というのにも感動。




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(博物館庭園 茶室・八窓庵)


鹿曼荼羅も多いが、武甕槌命がなぜ鹿島からわざわざ来たのか???鹿島と中臣氏の関わりは???というルーツはいまだにわかっていない、というのもロマンがある。

春日曼荼羅も非常にたくさんあって、これは春日大社の全景を俯瞰したマップのようになっている。
13世紀、鎌倉時代の重文・曼荼羅を、奈良では町の自治会が所蔵してたりするから油断ならない。

曼荼羅で学習したのは、春日大社本殿では四神(さきの武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神)をまとめて春日神と呼んでおり、それぞれ本地が釈迦、薬師、地蔵、十一面観音であるということ。春日若宮御祭で有名な若宮(比売神の子供)は少しはなれたところにあって、本地が文殊なんだそうだ。しらなんだな〜。




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博物館をあとにして、ならまちを散策しつつランチへ。




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ここへくるとなんとなくいつも入ってしまうカナカナさん。





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カナカナランチをいただいて、エネルギー補給完了!




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次はいよいよ本丸・春日大社へ、、、、ではなくて、、、




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参道の途中、万葉植物園の裏手にある春日大社国宝殿
2年前の本殿造替(春日大社は遷宮はしない)記念行事の一環として宝物殿をリニューアルした建物、今回初めておとずれてみた。




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1Fは真っ暗な中、水や細い金属ワイヤを使ったインスタレーション、これはなかなか癒される。




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12月の若宮おん祭御旅所祭(昨年寒さに震えながら見たよ〜)で実際に使われる左方、右方の鼉太鼓はここに安置されているのか。あれは腹に響くような音が出る。

展示室は2F、こぢんまりとして広くはないが、博物館で一部展示されていた春日本・春日権現記(江戸時代に描かれた縁起絵巻)をもっとたくさん見ることができてよかった。この絵巻では、主祭神武甕槌命は衣冠束帯姿で顔が描かれていない(顔がかくれるポジションで描かれている)。畏れ多いということか。

奈良へ来れば、観光客はまず東大寺と春日大社はマストであり、何回も春日大社はお参りしているにもかかわらず、あまり知識がなかったわ。今回ちょっと勉強できて、またお参りすれば感じ方もかわるやも。(ちなみにそのあと樫舎へいったので、この日はお参りせず〜〜(^_^;)











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● COMMENT ●

この展覧会、行きたいと思っていますが6月10日までですかあ。無理かなあ。
しぇる様のレポートを読んで少しでも行った気分になるしかありません。
でも現地に行ってコツコツと学習しないと中々理解はできませんね。
奈良はまだまだ遠いです。

しぇるさん、こんにちは!この前、日曜美術館のアートシーンで紹介されていました。良いですね!!見たいです!でも今回はちょっと無理見たい。猫の螺鈿の刀のさや、見てみたいです!!

そらいろつばめ様

シラナカッタことは山ほどあり、覚えても忘れる方が多い昨今(^_^;それでも知識を仕入れることは楽しいですね。

みゅうぽっぽ様

当時にも猫を愛して太刀の装飾にまで残した人がいたってことが感激〜!です。
強くもないカワイイだけの生き物なのに、武の象徴の刀にね。

升平の蔵元には取材敢行されたのですか。升平の字は茶人の木津宗泉が揮毫したと聞いております。

ヌーチャン様

八木酒造さんの画像がまじってましたね(^_^;
ならまちの風景として載せたので、取材(?)はしておりません。今度お酒買ってみます。
木津宗詮さんの揮毫でしたか!これははじめてしりました。ありがとうございます。


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