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2018-06

南禅寺界隈別荘群・對龍山荘にて茶会 - 2018.05.25 Fri

東山南禅寺界隈別荘群は京都最後の秘境といわれている。東山、比叡山までも借景に取り入れ、豊富な琵琶湖疏水の水をひいた池泉回遊式庭園(多くが七代植治作庭)、野村碧雲荘しかり、外国人のものになった何有荘しかり、無隣庵しかり、清流亭しかり。




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普段は非公開の對龍山荘もそのひとつである。今回こちらで淡○交社主催の茶会、ここで茶会をするのは初めてのことだという。





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對龍山荘は南禅寺の山号である瑞龍山にちなむ。薩摩藩出身の実業家・伊集院兼常が別荘として建てた物。彼は無隣庵をたてた山県有朋とも親しく、また玄々斎とも親交があり,裏千家の老分もつとめる数寄者でもあったらしい。




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借景庭園面目躍如の広間・對龍台からの眺め!
この日は天気もよく最高に気持ちの良い眺めであった。ここには東山、比叡山の他に実はお隣の金地院の樹木も写っている。

さて、これを見て、どこかで見たことあるような、、、と思った方もおられるかも。




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これですよ〜。
NHKのブラタモリ・京都東山編!




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ここにも写っている館長の小川さん、ここの植栽の管理をしている加藤造園・植弥さんの方に、この日も案内してもらった。




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(二階の座敷の円窓からの眺め)



この別邸はその後次々と所有者を替え、現在の所有者ニトリが10年前に入手したときには庭も建物も荒れ放題だったという。所有するだけ所有してあまり使いもしなければ管理もしない、、というのはありがちなパターンだが、そこを10年かけて建物の修復、庭園の手入れを続けてきて、なかでも庭園は現在がいままででベストの状態だという。




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(同じく)


冒頭にあげた南禅寺界隈別荘群のいくつかは、けっこう無残なことになっている(使用目的や状態において)ところもある。




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(ゆたかなしたたる緑 二階円窓の反対側)



財力があれば手にははいるだろうが、それを良い状態で維持して行くにはそれだけではだめなんだ。文化に対する見識も、高い志も必要だ。次の世代にも残していけるように、と、その意味ではニトリさんがここを手に入れてくれてほんとうによかったと思う。




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(遠景として黒谷さんの三重塔が見えるがおわかりだろうか?)




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(ほぼ毎日、どこかを手入れしている植弥の庭師さん 女性もいます)



原則非公開ながら、見学も積極的にうけいれておられるようだし、社員の二等親まではお泊まりもできるんだそうですよ。うらやまし〜!茶会にもどんどん使ってほしいといううれしいご意向もあると館長の小川さん。




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(琵琶湖疏水から引いた小川の両脇に躑躅)



会長はご自分で蒐集した美術品のコレクションを、ふたつある蔵に「ニトリ美術館」として公開もされている。けっこうビッグネームの物が若干脈絡なく(^_^;ならべられていた。(何でも鑑定団に出品された壺もあった!)




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對龍台の裏にあたる聚遠亭の前の池 ここにはまだ小さめで鳥に狙われやすい鯉を養生している。
もっと小さい稚魚は隔離しているのだそう。実際われわれが見ている前で大きなアオサギがとんで来ていたから、ほっておけばやばいことになるしね。





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これが感激した蛇籠。
花入れの意匠としてあるが、本物が本来の場所で使われているのをみるのははじめて。




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(園遊会用の芝生広場の四阿 ここでもお茶をたてたらしい)



さて、茶会の方は、日替わりで席主がかわるのである。この日は何回か茶会にお邪魔したことのあるK先生。いつもすごい道具をさわらせてくださるのでうれしい。




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濃茶は小間で。
これがまたかわった小間で三畳+道安囲いのまるまる一畳に向板がつく。今は風炉の季節だが、炉はいずこに??聞くと向切だそうだ。



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對龍台でも聞こえていたが、濃茶が練られている間、ずっと滝の音が茶室にひびき、清々しかった。でも目に見える滝は池のずっと向こうにあり、そんなに音が聞こえるはずもなく、、、その種明かしは,実はブラタモリでもでていたのだが、對龍台のすぐ下の隠し小滝なのだ。(上の写真)




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(カモ、鷺、などの野鳥やってくる)



床は足利13代将軍の歌、花入が小堀遠州(大山蓮華)、釜が古芦屋、とすごいが、なかでも天下一釜師(秀吉時代)五三郎の紹鷗好眉土風炉!土風炉だよ!400年も前のものがまだこんなにつやつやと美しく実用に耐えるなんて!




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古伊賀の水指は破れ袋にちょっと似て、茶入は織部所持の古瀬戸。同じく織部の茶入「餓鬼腹」から耳をとったようなあの形、そしてそして!長次郎の黒楽を手にとらせてもらった〜!!銘を「閑坐」
かせて、てどりは軽い。美術館のガラスごしや照明でない、茶室のほの暗い自然光の中で拝見できる機会はそうないからね。これはうれしかった。





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(小間の躙り口 席名はないそうだ)



茶杓がまた変わっていて、二節、かつ、くにゃっと曲がっている。よくこんな竹が手に入ったものだ。紹鷗の長男、武野宗瓦作だそうだ。

ほんま美術館席みたいだった。しかも一応中寄せの茶会にもかかわらず、われわれの席は客が3人で茶事みたいな感覚で楽しめたのも日ごろのおこないのよさ、、いや、ありがたい(^_^;





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(水流の中に涼しげにおかれた流れ蹲居 これは野村碧雲荘にもあったな)



続いて薄茶席は四畳半。錆の出た土壁が侘びた雰囲気だが貴人口障子なので明るい。
仙叟好みの唐犬風炉釜は古淨味、水指が柳の金銀蒔絵の施された手桶。漆が経年変化で呂色になっているのもさることながら、井伊家伝来、かの井伊宗鑑(直弼)も使ったに違いないとおもうとなんかじ〜んとくるなあ。(大河ドラマでは今おもいっきり悪人ヅラだけど)




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茶碗は左入の赤楽「花菖蒲」と替えが仁清のシブ系天目、菓子器の堆黒唐物盆がまたすごかった。




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(何条の橋かは不明ながら鴨川に架かっていた橋脚を高い立ち蹲居にしたもの)



主菓子は哲学の道沿い、ここからも近い緑庵さんのきんとん「相生」
干菓子は亀屋伊織の時鳥煎餅(例のちょっと塩からめの味噌餡)と生砂糖の水




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茶会を十分堪能したあとはこれも日替わりの料亭がはいる点心席。
居間亭にて。ここの天井はこんな自然木と網代で凝っている。




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この日の担当はたん熊北店さん。
5月らしく、大徳寺縁高の上に蓬と菖蒲(端午の節句にはこれを屋根の上に葺く習慣があった)




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いずれも美味しかったが、白ダツという和食の世界では珍重される白ずいきが珍しく、テクスチュアが独特で美味しゅうございました〜♪




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このあとブラタモリにも出ていらした庭師さんが庭園内や植栽を説明してくれて、これも勉強になった。この銅を好む、というか銅にも負けないらしい「ホンモンジ苔」、銅の雨樋などの周辺でよくみられるものらしいが、これははじめて知った。


この對龍山荘茶会、秋の紅葉がきっと美しいに違いない季節にもまた何日か開催されるようなので、これは秋もいこうかな〜と実は思っている。




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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

これは、また、お宝写真、満載

おおきに、合掌でございます^^

御写真の多さが、しぇるさんの興奮、物語っています^^v

高兄様

なかなか入れない南禅寺別荘群、よい機会で、ほんまに興奮しましたよ(笑)。こちらは写真撮影もOKの太っ腹。ありがとう、ニトリさん!って感じです。

對龍台から向こうの山々が良く見えるように順正さんのところの木の上の方を切らせてもらってるそうです。

しん様

そういう要望をうけいれてくださるとは順正さんもすてきです。
このあたりは大きな建物がたたないのは救いです。


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