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2018-10

京大吉田寮を残したい! - 2018.08.23 Thu

40年前の在学中からここはすでに魔窟のオーラがただよっていた。




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近衛通りにある京大吉田寮である。当時もちょっと足を踏み入れがたくて、ただここの学食だけは異常に安かったので利用したことはある。
既に何年も前にとりこわされた京大病院西の西寮は友人がいたので、たまに訪れていたが、こんな魔窟感はなかったなあ。

しかし、今この建物が取り壊しの危機にあると聞いて、最近の京大立看問題(京都市の看板禁止令を盾に大学当局がウン十年の伝統ある?京大周辺の立て看を強制撤去して学生との間に攻防がくりかえされている)にもちょっとむかついていた(当局にだよ)私は、この魔窟の見学会に参加したのである。




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竣工は1913年(大正2年)、京都帝大の寄宿舎として建てられた建物である。105年の歴史と言うことになる。設計は山本治兵衛、永瀬狂三となっている。建築様式は当時はやったセセッション様式(幾何学紋様を多用)というらしい。

寮費は数百円、諸経費入れて現在でも月2500円という天文学的(?!)安さである。
今でも150人の寮生が暮らすという。
この9月末までに大学はこの現棟、3年前に建て替えたばかりの新棟から学生の立ち退きを要求している。

いままで、歴史的にも寮は学生自治の場であり、何か問題があれば大学側と議論の場を持って解決してきたのに、いきなり議論を打ち切り、理由もつげぬまま、強制退去を要求してきたのである。




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危機感を抱いた寮生たちは「吉田寮を守りたい」という思いでいろいろな活動をしているが、この吉田寮週末一般公開もそのひとつ、市民と考える吉田寮100年プロジェクトの一環である。

まずはどんなところなのか知らなければ。

学生の案内で約1時間の寮内散歩、寮生のプライベート空間なので写真はNGでのせられないが、いや全くすばらしきカオスというか、東大路のちょいとなりにこんな宇宙があったのか!と思うような感動であった。建築的にも私はすばらしいと思う。これは中身共々壊したらあかんやろう。
(映画「鴨川ホルモー」はここがロケ地なので景色を堪能できるよ。あとこんな記事にも画像あり)



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アルファベットのEの字の縦棒の部分は管理棟、学生たちが集会をひらいたり、思い思いに読書(あ、漫画が多かったけど(^_^;)したりゲームしたり、ピアノ室まであって、薄暗い中、だれかがかなり上手なクラシックピアノひいているこのカオス感!

そして横の3本棒にあたるところがまた実に長いのだ。はじめてのぞいたこのどこまでも延びる廊下は80mあるという。それが北、中、南と三棟もあるこのスペース感。
しかも間の中庭は、大学が植木職をいれることをながらく拒否しているため、木は伸び放題、しかし、寮生が飼っているアヒルや鶏、シャモなどが憩うなにかしらの秩序がある。
寮生の荷物の中には猫のカリカリもあったので、猫もどうやらいるらしい。

各棟には一箇所自炊できる場所もあり、各棟の東端に、なにやら昔懐かしいトイレの花子さんがでてきそうだけれど、清潔なトイレもある。
廊下には冷蔵庫が多いが、部屋をはみ出した寮生の荷物もあって、これはいったい何に使うのだろう???と思うようなものも。
階段はそのセセッション様式なのか、レトロな感じで良い木材をつかっていると思われる。創建当時は学生さんは本当に尊重され,大切にされたのだ。
帝大の寄宿舎だった頃は、個室だったそうだが、現在では3室を2人で使うとか5室を4人でつかうとか、しているらしい。
北寮だけは昔から木製のベランダもあって、良い雰囲気だ。

見学者のなかに、実際にここの何号室に住んでいた、という方も多く、昭和30年の卒業生、,,という方もいらした。(何歳だろ???)

私らが学生の頃はなんとなく学生運動の巣窟というイメージもあったが、案内してくれた学生さんも、時折すれちがう学生さんもまじめそうな学生で、バンカラ感はほぼない。あ、約1名、いつの時代なんだ?的な角帽かぶった学生さんいたな。そうそう、うちらのころもずっと在学中角帽で通して名物男になってた子、いたなあ、懐かしい。




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こちらは西に隣接する旧食堂。ここで学食だべたんだったかな。ちょっともう記憶があいまい。現在は食堂はもうなくて、イベントやったり週末近隣の住民も参加する学生酒場だったりするそうだ。この日、学生バンドの練習中でなかなかにぎやか。

3年前にこれもレトロで感じの良かった学生集会室(主に部室になっていて、オーケストラの部員がよく練習していた)も壊され、西寮という新棟ができたばかりだが、大学はここの寮生にも退去を要求しているという。それはどういうこと?消防法とか、耐震法とかじゃないでしょう、もう。
つぶしてその後どうしようというのか、まったく見えてこないのが学生をバカにしているのよ。

昔から京大は「自由な学風」というのがうたい文句で、T大の御用学者養成所とはひと味違うぞ、という反骨精神の塊であった。その京大からだんだん自由がなくなって、大学当局のしめつけばかりが目に付く。立て看問題もしかり。あれを迷惑と思う近隣住民はほとんどいないと思うが。あれも長いこと大学の風景の一つであった。

私らのころでさえ、最近の学生はおとなしい、従順になった、といわれていたのに、さらに管理されて小学生か?と思うような授業の出席取りとかより管理になれている学生たちの、京大の学生らしい最後の砦のような気がする、吉田寮は。

寮内見学後は、映像作家・若林あかねさん製作のドキュメンタリー「銀杏並木よ永遠に〜吉田寮が寄宿舎とよばれていた時代の自治」を旧食堂で見る。

齢90ちかい寄宿舎卒業生が、当時の寮母さんを偲んで楽友会館(これも同じ時期の建築)にあつまったときの映像で、かつて寮生だった頃の写真や思い出話を語るというもの。
この映像もとてもよかった。寮食の食中毒問題に、寮生の中の衛生部だった医学部の学生が、いろいろ調査して原因をつきとめ、費用を大学に請求して、改善までもっていったというエピソードが、学生の自治のサンプルとしてとても印象深い。

その自治がいま、こわされようとしている。


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数十年、見慣れたこの景色は失いたくない。

私は寮生だったわけでもないし、在学中足を踏み入れたわけでもないけれど、同じ時代をシェアした者として、また近隣住民としても吉田寮は守りたい。久々に大学時代の(ナンデモカンデモ)権力反対!の血がちょっとさわいだ。だからといって、そのためのアイデアもなく非力なのだが、せめてできることとして、署名運動やカンパは是非協力したい。

もしご賛同いただければ、ネットで署名もできます。
    →ネット署名




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● COMMENT ●

吉田寮、懐かしいですね。第三高等学校からの伝統寮です。
私が学生時代には、この食堂も現役でした。薬学部南側には吉田西寮もありました。
今の熊野寮は本部へ移転前の教育学部でした。
私の入学当時には、教養部には三高の校舎のいくつかが残り、そこで授業を
受けた覚えがあります。
数少なくなった第三高等学校を偲ばせる吉田寮を残して是非とも残して思います。
松本市には旧制松本高校の思誠寮が市の歴史建造物として残され記念公園に指定
されているのですが、もし、吉田寮が解体される事態になれば一部でもどこかに
移築して残して欲しいと思っています。
明治からの京都近代化の生き証人ですから。

narahimuro様

吉田寮の場合は建物だけの保全ではなく、学生生活、学生自治、京大の文化のひとつとして、中身ごと残さなくては意味がないように思います。まだ週末見学できますので、いちどのぞいてみて下さいませ。

しぇるさんのブログで興味が湧き、日帰り京都の中で見てきました。
お目当ての畑やヤギのあるところへは入れませんでした。
まだまだ寮生を募集する強気の貼り紙などありました。
東大にも駒場寮という魔窟がありましが、同様に取り壊されました(たしか岡田准一主演でドラマになった)。
どうなるんでしょうね。

Mariko Ishii様

日帰り御上洛、お疲れ様でした。
まさか吉田寮までおいでになるとは!あの棟の間の庭(?)の植生(というか単にほりっぱなしの庭なんですが(^_^;)もしかしたらマリコさんのご興味をひかれたのかな。
今月末が大学が提示したデッドラインです。かつての京大の自由のシンボル的吉田寮、どうなることやらちょっと心配です。

しぇるさん、ご無沙汰してまーす。
友人の子が家から通えなくはないのに熊野寮で生活中です。従弟と同僚はかつて自宅から通っていたのに、わざわざ吉田寮の友人のところに徹夜の有意義な時間!?を過ごしに行っていた、と聞いています。そんな貴重な会話から生まれる物もあるだろうに??
せっかく今の今まで現役で遺っている歴史的にも貴重な建物、取り壊してなんて欲しくないものですねぇ。。

くーちゃん様

お久しぶりです。

ほんまに、大学時代に学ぶ物は学校の講義だけではないですよね。(教養部時代は講義なんてほとんどでてなかった〜)。吉田寮だけでなく友人たちとの出会いや学びはあると思いますが、好きこのんで(!)あそこに住んでいる学生たちとは徹夜で話し込みたい!とみんな思わへんのかな〜。
あれこそバンカラ学生の象徴みたいなスペースやのに、もうバンカラなんてはやらんのかな〜。
♪下駄をならして奴が来る〜腰に手ぬぐいぶらさげて、、、>^_^<♪


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