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「Purus Terrae 浄土」〜現代作家が描く大徳寺・真珠庵襖絵 - 2018.09.09 Sun

イラストレーター/アートディレクターの上国料(かみこくりょう)勇さんのお名前をはじめて知ったのは、大徳寺真珠庵とのゆかりも深い、宗和流宗匠の茶事の折であった。
待合にかけられた色紙は、彼が茶事に招かれた折、観音菩薩の姿を墨でささっと即興で描いた物であったが、古美術の観音ではなく、かといって現代的な解釈でもなく、なんとも魅了されてその作者のお名前を覚えた、というわけである。




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(真珠庵・一休宗純を開祖とし、一休から圜悟克勤墨蹟を拝領した村田珠光作庭の庭、金森宗和好みの内露地茶室・庭玉軒がある)



聞けばファイナルファンタジーのアートディレクターとしてその方面では有名な方だそうだが、いかんせん、ジェネレーションギャップでFFが何かを私はいまだによく知らない。

その上国料さんが真珠庵の襖絵を描かれ、9月から一般公開、という。これはいかずにおくべきか!



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その前にNHKのスーパープレミアム特番「大徳寺真珠庵 現代絵師たちの格闘」も拝見。なるほど、そういう苦労話が、、、と納得した上でさらに気持ちはもりあがるのである。

ちなみにこの襖絵プロジェクトに参加された作家さんは上国料さんの他に

北見けんいちさん、、、皆様ご存じ「釣りバカ日誌」の漫画家
山賀博之さん、、、映画監督 「エヴァンゲリオン」の制作会社
濱地創宗さん、、、日本画家で僧侶
山口一也さん、、、美術家
伊野孝行さん、、、イラストレーター Eテレアニメ「大人の一休さん」担当

いずれも真珠庵が所有する長谷川等伯らの方丈障壁画が修理にはいったのをうけて、襖絵を新調するのに和尚さんが請来された作家さんばかり。しかし、よくこんなメンツを選ばれたとビックリする。一体どういう調和がうまれるのだろうか。




DSC02448.jpg




真珠庵の前の大木には台風被害の爪痕が。
折れた木のいたいたしい姿はあったものの、大徳寺の広い境内は今日は倒木などもまったくきれいにかたづけられていてお見事。




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まず入った本堂に北見けんいちさんの「楽園」が正面左右の3面
総カラーであの漫画の雰囲気がそのまま。浜ちゃんとすーさんまでいてるし、後姿で黄昏れて?いるご住職の姿も。これもNHKの特番で拝見したが、いろいろ思い入れもあり、ご苦労もされたようである。ただ、感想はちょっとむつかしく、意見が二つにわかれるかな、といったところ。

檀那の間の山賀さん、「かろうじて生きている」墨絵
のども裂けよとばかりなく海猫の顔と中央の円相(海のテトラポットの上)が印象的。

衣鉢の間の濱地さん、「寒山拾得」ほぼ墨絵
4本の銀杏(だったか?)の木のはしっこにそれぞれかくれんぼでもするような寒山拾得
空間の取り方がとてもよくて、好きだわ,この絵。落ち葉のおちる微かな音や、拾得の箒の音がきこえるような気がする。

仏間の山口さんは本来は本堂の下の袋戸棚の扉絵 「空花」
深い青と黒をかさねたような背景に銀色の星?この作品をつくるあたって、和紙をご自分で漉くことからはじめられたという。

大書院は伊野さん そのまま「オトナの一休さん」がマイクをもって、小僧さんや森女とおぼしき女性の鼓や琵琶などにあわせて絶唱。焼き餅を焼く他寺の和尚さんや、骸骨まで木のかげからのぞく。
これも100年後かつての風俗として語られるだろうか。



DSC02451.jpg



全く、和尚様の頭と感性の柔軟さに驚くばかり。

そして最後の礼の間、私的にも真打ち!上国料さんの「Purus Terrae 浄土」




IMG_2731.jpg
(買った絵はがきをそれ風にならべてみた)


う〜ん、これがやっぱり一番見たかった!
なんという宇宙観。
(奥様がモデルという)蓮ではなく彼岸花の座の上にすっくと立つ観世音菩薩、腰のあたりに飛行機関か、と思わせるような半円のわっかをまとって不思議な宝冠をいただく。来迎のお姿か。
来迎の雲をひきつれ(ようしらんがEXILEの某がモデルという)風神雷神がこれに従い、琵琶をかかえカモシカとコウノトリ?を従えた弁財天。
中空には不思議な建物がいっぱい建っている空中都市がごとき浄土の船がうかび、ここに載るのは阿修羅か?




IMG_2732.jpg





左手の面には黒雲を背負った不動明王、既成概念の龍にはほどとおい不思議な龍をしたがえ宝珠を持つ龍王、白狐(おいなりさん)にのる咤枳尼天はまだあどけない少女の顔。

これはなんだ、、、そう、夏の旅行でさんざん見てきたヨーロッパの近世絵画、宗教絵画と比せられるものではなかろうか。技術的なすごさもさることながら、その世界観が圧倒的。さすがファイナルファンタジー!(ようしらんけど、、、(^_^;)

まだこれから加筆もされていくという。
これは本物を是非間近で見て欲しい。新たな発見がいくつもありそう。

一般公開は12月16日までだが、終わりに近づくにつれ、時間予約じゃないと拝観できなくなる可能性もあり(聚光院の狩野永徳の襖絵もそうだった)、早めに行くのがおすすめ!



DSC02452_201809092219015b7.jpg 

大徳寺にきたときのお休み場所は、町家カフェのはしりのここレモン館(ランチも可)か、15時〜だけど和菓子とお酒、またはお茶、の狐庵。最近もっぱらここらへんです。







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