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2018-12

二条陣屋にて謡講 - 2018.09.25 Tue

神泉苑の南にある小川家住宅、江戸後期の豪商のお屋敷で、個人の邸宅ながら重要文化財、二条陣屋の名前の方が通りがいい。



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今宵ここで謡講(うたいこう)
謡講とは、京都で昔えらいはやった座敷で催す素謡いの会(お能の演目を謡だけで楽しむ)で、謡い手が障子や屏風の影にかくれて謡うため、より情景へのイマジネーションがふくらむというもの。




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いうても京都は昔っから室町のだんさんも西陣のだんさんも職人さんも、お茶と謡はかならず教養として身につけてはったそうやから、そんな謡講があちこちで催されたというのも納得である。
特に夜は燈火をけして、謡だけを聞くという粋なお遊びやね。



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今回お誘いいただいて、この二条陣屋の豪商のお屋敷での謡講、これまたぜいたくな。
謡い手は平安神宮薪能でいつもユーモアたっぷりのご挨拶をされる観世流シテ方井上裕久師。もう50回以上、京都の名だたるお屋敷で謡講をされておられる。
井上家の歴史は300年以上とお聞きする。京観世五軒家の一、薗家の高弟であり、明治維新後薗家断絶のあとを嗣ぐお家で「舞の片山 謡の井上」とよばれるそうだ。

さて、二条陣屋、、、なんと!昨年の今ごろ、截金の人間国宝作家、故・江里佐代子さん宅で月の茶会の釜を懸けられた先生のご実家だったのだ!びっくり!この家でお育ちになったとか。(おさそいくださったのはその先生のお社中のかた)う〜む、京都、やっぱりあなどれんなあ〜。



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この二条陣屋には広間の座敷に隣接して板の間があり、お能を演じる時にはそこが能舞台となるよう、後の障子が鏡板に早変わりしたり、橋懸かりになる廊下もある。残念ながら、衝立で全貌は拝見できなかったが。
今宵は座敷が観客席となり、この衝立のうしろで謡が演じられる。
ちなみに座敷の横は町中と思えぬような数寄をつくした庭になっており、時のうつろいとともに闇に沈んでいくのである。最高のシチュエーション。

まずは、井上師による謡講の解説や、初めて聞く「九重」という謡のご披露。
九重は京都の通り名が、東西の「丸竹夷、、、」のみでなく、南北の通り名まで織り込まれていて、「寺御幸麩屋富柳堺、、、」と愛用している歌の原点はここかと、感激であった。




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さて、演目が「井筒」と聞いてちょっと悪い予感がしたのよね。伊勢物語、在原業平の「筒井筒」を題材にしたこの演目は舞台装置が井筒とススキなんで、ちょうどこの季節に演じられることが多く、何回かみているのだが、とちゅう意識を失っちゃう可能性が高いのよね〜。
しかも燈火を消した暗闇で、、となると寝て下さいといっているようなもの(?)

井上師曰わく、「寝るのはけしからん!という能楽師もいれば、眠れるだけはらはらせずに聞いておられる良い芸だから良い、という能楽師もいる。」とのこと。
どうしてもゆっくりな曲はα波からθ波まで脳波がでてしまっていかんわ。

、、、、と言い訳をしておきます。
せっかく持っていった謡本も暗くて読めぬ。
衝立の向こう、お二人で謡われているにもかかわらず、地謡他何人も謡い手がいるような錯覚におちいるのは不思議な感覚。
この豪奢な、歴史ある建物のなかで、謡講、ちょっと昔の商家のだんさんになったような気がしてとてもうれしかったのは確か(スミマセン、意識が、、、)。

最後に、謡講は宵におこなわれることが多いので、拍手はうるさいから、代わりにおわったら「よ(良い)!」と、声をかけるのだ、ということを学習した。

おさそいくださったF様、ありがとうございました。

次の謡講は10月に杉本家でされるそうで、これもまた良いな〜と思いつつ演目がまたθ波誘導する可能性の高い「半蔀」なんで、ちょっと悩んでるとこ。



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外に出ると十三夜くらいの月がおぼろ。

たまたま謡講をごいっしょすることになった東京からの茶友さんと、その後三条通り商店街で鰻丼と漬け物だけで(それ以外もう売り切れといわれたのよ)お酒、よう飲みました。楽しかった〜(^_^;







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