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2018-11

興福寺中金堂再建落慶法要〜慶讃茶会 - 2018.10.13 Sat

藤原不比等によって建立されたのち、幾度か、1717年、最後に焼失した奈良・興福寺の中金堂、平成22年の平城京遷都1300年をきっかけに再建するプロジェクトが動き出した。そして今年ついに完成、めでたく落慶法要をむかえる。



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ああ、見えてきた見えてきた。雲一つない青空を背景に立つ中金堂。

法要はなんと5日間も行われ、毎日日替わりで法要の内容も、藤田美術館+千宗屋主催の慶讃茶会の道具内容も変わる、、、という中身の濃さ。毎日行ってもその価値がある、といわれたが、残念ながら仕事のある身、私がいったのは3日目(10月9日)であった。



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この壮麗さ、華やかさ!これはやはり奈良の寺院なればこそ。いつもは春日大社国宝殿におさまっている鼉太鼓も登場。(春日大社も興福寺も藤原氏ゆかりの寺社だからね。)

法要にはこの日だけでも3000人という参列者。



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法要を行われる猊下・式衆の沓



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この日は南都諸大寺(薬師寺・東大寺・法隆寺・西大寺・唐招提寺)の僧堂の方々。晴天に華やかな僧衣が美しくまぶしい。




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まるで天平時代の一大ページェントをみているようだな。

行くことがかなわなかったが、翌日は南都北嶺と並び称せられ、いずれも暴れん坊(強訴)で教義的に敵対関係にあった比叡山の天台座主が600余年の歳月を経て、興福寺の法要においでになる、という歴史的な法要になったらしい。天台声明も実によかったそうだ。



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まずは南都楽所による舞楽、「振鉾三節」
儀式の最初に舞われる曲だそうだ。いかんせん,遠くてあまり見えないが、オーロラビジョンでなんとか。これって音楽のライブみたいだな〜(^_^;



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5日連続で献茶される武者小路千家の若、千宗屋さん。のちに濃茶席を藤田美術館館長さんと担当される。


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これもオーロラビジョンじゃないと見えないわ。
この時のBGM(?)が薬師寺管主さまの唄匿(法要の最初に唱えられる声明)
錫杖の音を響かせる法隆寺式衆、そして、、、



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晴天に舞い上がる散華!
美しい風景

この散華は中金堂再建のために寄進された善男善女が二枚書いた、その一枚だそうだ。もう一枚はこの中金堂の天井裏に納められたと聞く。

散華の後は東大寺による梵音(声明の一)



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この日は舞囃子が演じられたが、なんと!!
当日の式次第を見てはじめて知ったのだが、私の能の師匠ではないか!
しかも演目が大好きな「菊慈童」 一番のサプライズであった。
ただ、お堂に向かって舞われるので、ほとんど後姿ばかりでしたが(^_^;
(後に先生は3000人にお尻向けて舞ったのはじめて、とおっしゃってました)

つづけて祝辞、読経、焼香と続き、この日の法要はおひらきとなった。

こんな壮麗な落慶法要なんて、ほとんど参加する機会はないので、たいへん貴重な体験であった。(お手配下さったFさまに感謝)



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そのあと慶讃茶会へ
濃茶席担当が藤田美術館、しかも道具日替わり、というのでとても楽しみにしていた。
(藤田は現在建て替え休館中)

その期待にたがわずすばらしい席であった。
なによりお点前が木津宗匠、半東に千宗屋さん、藤田の館長という贅沢さ。
慶讃茶会に藤田を引きずり出したのが宗屋さん、お二人は同年代なのでとても仲よしらしいです。

道具をいずれも奈良の古寺の法要というのを念頭におかれて決められたとか。

待合の軸は鎌倉期の虚空蔵菩薩画像に、伎楽面・迦楼羅(天平時代の伎楽面師・基永師作)
(他日は、興福寺伝来千体聖観音菩薩立像とか、法隆寺夢殿所要の青銅風鐸とかいずれもすごい〜)



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本席の軸は5日通して聖一国師(円爾弁円)の南都勧請尺牘と会記に書いてあったが、この中日だけのサプライズ、法隆寺伝来の金銅灌頂幡の一枚。飛天の透かし彫りのある金銅製板だが、これを藤田家の古材でつくった板にとりつけてあり、これは館長みずから工作されたそうだ。
灌頂幡は後に知った名前だが(博学のM女史に聞いた)調べてみるとたしかにこんな感じの板が何枚も連結されてぶら下がっていて、そのうちの一枚だとわかった。1300年の時を経て、なお金色の輝きを放つこれは神々しくて胸をうった。(灌頂幡・参考→

釜は与次郎の東陽坊、水指:南蛮〆切芋頭、茶入:唐物肩衝「蘆庵」島津家伝来、花入:砧青磁、茶杓が珠光作「茶瓢」宗旦文添、で、なんとも変わった形。

主茶碗が日替わりでこの日は三井家伝来彫三島「あらがき」
外の檜垣紋がとちゅうで抜けているので荒垣、と名付けられたそうだ。これがけっこうどっしりした大きめの彫三島で色もグレー〜薄紅と窯変が美しく、なによりしっかりした高台がいいと思った。高台の半径、高さの比率がいい、というのはこういうことか。

実際木津宗匠が練られた正客の茶碗は一入の黒楽、私がいただいたのは三玄院天目。仁清の写しが有名だがそのもとになったもの。

ちなみに他日は、紹鷗伝来の大井戸「蓬莱(もしくは武蔵)」、長次郎赤楽「恩城寺」、柿の蔕「大津」、志野割高台「朝陽」(これ見たかったな〜)いずれもすごいラインナップ。

お菓子は奈良・樫舎さんの千代見草(=菊)、これも法要の五色(赤・緑・黄・紫・白)を日替わりで。この日は黄色であった。

法要でしびれ、茶席でしびれ、ほんまに満ち足りた一日であったなあ。
このあと新しくなった国宝館で久しぶりに阿修羅に会いに行ったのは言うまでもない。(昔はふつ〜にしょぼいガラスケースの一角にならんでいたのにえらく出世したよな)



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引き出物が茶席の茶入の仕覆の一つでもあった「興福寺銀襴」(龍村製)であったのも佳き記念になる。


IMG_3031_20181012211357da8.jpg 

散華





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● COMMENT ●

お久〜でございます

やはりしぇるさんはこの落成法要式典へお出ましでしたね、 
貴重な式典の様子がここで手に取るようにわかりブログを覗いてみてよかったわ〜

こちらは来週から2ヶ月間程の恒例の日本(主に奈良)滞在となっています。

お忙しいしぇるさんですが、ご都合がつきましたら奈良へ遊びにいらして〜


 




ヘルブラウ様

ほんとにお久しぶり〜〜!!
お元気そうでなによりです。今回のご滞在は奈良ですか?
正倉院展には行く予定ですが、そのころまで滞在されてるかな〜?

奈良の住処

11月の末まで奈良に滞在ですので、正倉院展に
お越しの際は気軽に声かけてみてくださいませ!

ヘルブラウ様

了解〜!
また連絡いたします。

歴史探偵の気分になれるウェブ小説を知ってますか。 グーグルやスマホで「北円堂の秘密」とネット検索するとヒットし、小一時間で読めます。北円堂は古都奈良・興福寺の八角円堂です。 その1からラストまで無料です。夢殿と同じ八角形の北円堂を知らない人が多いですね。順に読めば歴史の扉が開き感動に包まれます。重複、 既読ならご免なさい。お仕事のリフレッシュや脳トレにも最適です。物語が観光地に絡むと興味が倍増します。平城京遷都を主導した聖武天皇の外祖父が登場します。古代の政治家の小説です。気が向いたらお読み下さいませ。(奈良のはじまりの歴史は面白いです。日本史の要ですね。)

読み通すには一頑張りが必要かも。
読めば日本史の盲点に気付くでしょう。
ネット小説も面白いです。


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