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2018-11

信楽・まさんど窯の窯焚き - 2018.10.21 Sun

十数年ぶりの完徹(途中ちょっと寝オチ)をした。さすがにこの歳ではこたえたが、翌朝のすがすがしく晴れた心持ちはなんともいいようがない。



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夕刻信楽朝宮に着いたときには、上弦の月がもうこのように空高くのぼっていた。
井戸茶碗つくりとサラリーマンの二足の草鞋をはく、まさんど窯のあるじ、平金昌人さんの手作り窯(2号機)の窯焚きをにぎやかしに。(まさんど窯の記事が次号「和楽」に出る予定)

なにしろ今回は、先だってここで生まれて初めて自分で轆轤をひいた茶碗および五輪塔etcが混じっているのだ。



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古民家の母屋からちょっと離れた窯場。左手にはうずたかく積まれた薪の山。

迷って迷って、電灯一つない暗い小森沿いの小径で、正体不明のケモノの鳴き声におびえつつやっと到着した。窯焚きを見たい?手伝いたい?ギャラリーも数人。私ははじめからお手伝い人員外(^_^; 賑やかし専門。


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前日からオイルバーナーで徐々に窯の温度を上げているという。



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窯の温度はこのとき1149度、いよいよ薪に切替。



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窯の鋼鉄の蓋は真っ赤にやけている。先ほどの月も沈んで、周りはほんまに真っ暗だから、この赤い炎だけがこの世界みたいだ。



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温度を確認しながら、窯の後方の煙突の炎の色を見ながら薪をくべていく。
これが体力勝負、気力勝負の過酷な作業とわかるのは後ほどである。



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薪をくべると水蒸気とともに炎は赤くのぼるのだが、しばらくすると炎は透明になってくる。これが温度があがった印なのだそうだ。透明になる瞬間がまた見たくて、なんども煙突に目をやる。



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中をちらっとのぞくと炎は高温すぎて赤と言うより白く、渦をまく。なかで白熱している茶碗が瞬間見えたが、なにか神々しいような感じがする。

数分おきに窯に薪を数本入れる、閉める、また入れる、、、を一晩中いったい何回繰り返すのだろう。
前日、火をいれてから、一睡もしていない平金さんは今夜二日目の徹夜である。



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窯場においたテーブルには野菊の花がいけられるなど、これは心の潤い。ここ、朝宮に手作りの窯を築いて、今回は1号機の失敗(らしい)をふまえての2号機、この2号機4回目の窯焚きだそうだ。
過去3回に失敗もあったそうだが、今回はなんか温度の上がり方が良い感じなのだそうだ。シロウトにはよくわからないけど。



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ノートには30分おきに窯の温度の記録が。
薪を入れるたびに一度下がってあとはぐんぐん上昇する。上がれ!上がれ!とつい心で応援してしまう。最終的に1200を少し越すところまでいった時にはおもわず万歳。黒楽茶碗が1200〜1300度というから、かなりの高温である。



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さて、サポート班はいちど母屋にもどって、、、



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みんなで窯場飯(?)作り。
メニューは豚汁と鮭ご飯(ご飯のストックがすくなくてご飯鮭になったけど(^_^;)ご近所のMさんの手際のよさ、Hさんの椎茸の軸まで刻む包丁さばきがひかる(^ ^)



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ご飯は仕込んで窯場のカセットコンロで炊き上げた。これがまたご馳走でなんである。



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窯場のまわりは漆黒の夜なのに、ここだけ明るい火の前でご飯をたべたり、お酒やビールをのんだり、談笑したり、この夜をすごす時間が貴重だ。
平金さんは一番疲れているはずなのに、みんなが寝オチしないように、いろいろ窯のはなし、茶碗の話、お茶の話をいろいろしてくださる。ギャラリーは途中で帰る方もいたがMAX8人で、窯焚きへの思いもさまざま、お話しを聞くのは興味深い。



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あるじ以外に大活躍した、茶友の一番若いEちゃん。薪をいれる体勢がもうプロで男前だった。そして針金でしばられた薪をせっせとばらしていた(これも結構重労働)Iちゃん。彼は自分で茶碗も作る。こんな助っ人がいてもしんどい作業、これは一人ではできん仕事だわ。




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不肖ワタクシも割烹着へっぴり腰で数回薪いれをさせてもらった。。
熱い!ほんま熱いのよ、これが。
外が気温がどんどん下がって吐く息が白いのに、この前で作業すると大汗をかくのもわかる。

窯の前の椅子にすわっていると顔はあつくほてるが体は温泉にはいったみたいに(遠赤外線効果?)ほかほかで実に気持ちよく、、寝てしまうわ、、、。



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時々搔きだされる熾はきらきらと白く輝く宝石のようで美しい。

対して、寒い寒い少しはなれた真っ暗な場所では、空を見上げておもわずうなってしまった。

銀河がみえるのだもの。夜中もすぎると華やかな冬の星座がもう登ってきている。オリオン座、すばる、双子座、牡牛座、北の空にはカシオペアもみつけた。

半分眠っていた脳を一度に覚醒させたこの景色は、一生忘れないんじゃないかな。



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夜中の3時もすぎると少々疲労の色がみんなにでてくるが、ここでミニ茶会がはじまる。お菓子の差し入れもいっぱいあるし。



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茶箱の女王(?茶箱好きが高じて茶箱の本までだした)Hさんの茶箱で一服。夜中の胃袋にしみわたる。健康で、このひとときを楽しめることに感謝。



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私が持参した茶箱では中国茶を。極上の単叢蜜香烏龍茶どす。
もつ鍋の中身をさしいれてくれたSさんも自慢の沓形茶箱をみせてくれた(みんなどれだけ茶箱が好きなんだ!)


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そうこうするうちにも薪はどんどんくべられ、、、

明け方朝ご飯を仕込みに母屋へかえったサポート隊、そろそろできあがり、、のころに窯焚き終了したと、窯焚き組が帰ってこられた。




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食器の片付けに窯場までもどるとすっかり夜はあけて、あたりがこんなに開放的な場所だったのか、とはじめて知った。
窯の火と作業小屋の灯りだけの世界にやわらかく抱かれて繭の中のような閉鎖的空間にいたような錯覚をもっていたが。



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とりあえず玄米ご飯と昨夜の残りの汁で朝ご飯をすますと、二徹夜した平金さんは爆睡しに寝室へ。我々も即席ベッドで仮眠。昔は仕事柄しょっちゅう夜中おきて仮眠してまた寝てが平気だったが、さすがに年寄りの冷や水、こたえかたがちがうわ〜。でも一時間ほど眠るとかなり回復した。



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9時前においとましたが、そのときの座敷にはいりこむ朝の光の美しいこと。私は仕事全然していないけれど徹夜した、仕事を見とどけた(?)という達成感?でより美しく感じたので、ほんとうに仕事をこなした人たちにはどんなに美しかろうと思う。ただし、平金さんはたぶん夕方まで爆睡だと思うが。

窯出しは後日、自作の茶碗の完成形に出会える。自信作では全然ないが(そもそも自信作なんてないけど)わくわくしながら待つとしよう。






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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

本当に、御blogの記事を拝見していると

縦横無尽ですね^^

信楽、

今夜あたりは、さぞ、冷え込むことでしょう

今日は、冷え込みました

御身体、大丈夫ですか?

私、子供に風邪うつされちゃいました><

高兄様

冬の窯焚きは氷点下の世界だそうです。
今回もダウンジャケットにフリースひざかけでなんとか風邪引かずにすみましたが、どこかでやすまないとだめですね〜。まあプライベートにもいろいろあり、ちょっと休めてないのも自己責任ですかね。


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