fc2ブログ
topimage

2023-12

真葛窯尚古軒〜跡見花月茶会 - 2018.10.30 Tue



DSC03321.jpg



清水坂茶碗坂、とおりすぎて馬町あたりにはここららしい看板も。



DSC03325.jpg



馬町から東西にのびる通り、京都なのに渋谷通りって言うんね。
ここに京焼の真葛窯・宮川香斎さんのお宅がある。
真葛は、お茶をされている方ならよくご存じの憧れの茶碗ではあるが、なにしろけっこうお値段が、、、(^_^;

ご当代のご子息、宮川真一さんはご交遊も広く、東京にも進出、この6月に根津美術館で宮川香斎家・花月茶会を、SHUHALLYの松村さんといっしょにしはったらしい。せっかくだからと今回京都のご自宅で、跡見の茶会をされることになった。



IMG_3219_20181028234431ec0.jpg 




陶板の「真葛」の扁額は表千家の即中斎。

寄付に箱書きがずらっとならべてあったが、一番惹かれたのはかの大正名器鑑(高橋箒庵編纂)の入った大きな木の箱がどーんとおいてあったこと。あれオリジナルやろか?復刻版でもけっこう高いんよ。中見たかったなあ〜。




IMG_3218_20181028234435155.jpg




待合
(写真もSNSアップへもどうぞどうぞの太っ腹)
軸は而妙斎一行「花月一窓交」、花月茶会にちなんだ一行、和漢朗詠集より。脇にある大きな花瓶は真一さんのもの。

われわれの席にはなんと祗園祭の宮本組の面々がたまたまならんではって、びっくりした〜!
(今回の干菓子を担当しはった鍵善さんやら、抹茶の一保堂さん?辻利さん?、和風照明の三浦照明さんとか)




IMG_3226_20181028234423bfa.jpg 



こちらには広間のお茶室(尚古軒)があるのね。真一さんはお茶もよくなさる方らしい。(即中斎扁額)



IMG_3233_2018102823443845c.jpg



軸は吸江斎一行「萬年松」
花入は竹置筒「青山」、啐啄斎(如心斎の息子)、花は吹上菊とドウダンツツジ。
吹上菊は浜菊ともいう、とご当代から説明を聞く。
お正客は数寄屋建築の才門俊文先生で、ご亭主とのかけあいがとてもお上手で、客のお手本はかくあるべし、と思う。



IMG_3220_201810282344275ec.jpg



こちらは表千家なので、主菓子は食籠ででる。こちらは当代(6代)がご襲名の折、作られたという黄交趾、七宝透かし彫り。もう一つが4代が作らはった同じ意匠の食籠。こうして世代を超えた物がならぶのが、さすがというべきか。ちなみにお菓子はとらやさんの栗粉餅。



IMG_3234_201810282344321c0.jpg



印象的だったのが虫明かとも思った細水指。
これは横浜真葛(香山)の流れになる幕末の名工・宮川長造の作品である。宮川家のお宝ともいえる藁灰釉の水指。(真葛が原に窯をはじめて築いたのがこの長造さんで、その息子が初代の香山となる)

落雁の絵、これに呼応するのが、、、、



IMG_3235_20181028234439afb.jpg




久田尋牛才斎好み、琵琶湖の浮御堂古材で作った葦波蒔絵、甲に「鳰の湖(におのうみ=琵琶湖)」
近江八景・堅田の落雁である。(浮御堂は堅田のランドマーク)




IMG_3224.jpg



お薄は二服、そのたびにいろいろ真葛のご当代や、真一さん、先代の茶碗がたくさんでてきて楽しい。お互いに客同士みせあって、楽しかった。
これは真一さんのJack'oLantern、そうかハロウィンか。中には月と蝙蝠の絵もあって、真葛もこんな楽しいのがあるのか。ちなみに下絵は私の大好きなニッポン画の山本太郎画伯。




IMG_3225.jpg



干菓子がご同席いただいた鍵善さん製。左はおなじみ菊寿糖だが、右のは東京の根津でやったときの特注品で、さきほどの落雁の反対に空に飛び出す飛行機、銘も「FLY」。ここらへん、SHUHALLYの松村さんテイストだなあ。中の餡は季節に応じて今回黄色にかえたとか。京菓子はほんま芸がこまかい。




IMG_3228.jpg



お茶をいただいたのが、これもさきほどの長造さん作、信楽の土にて藁灰釉、ふくら雀茶碗。宮川家が代々守り伝えていくべき茶碗であったことは光栄。

宮川家は、初代が、江戸中期に長浜から京にでて、知恩院前に居を構え陶料をあきなったのを初めとする。その後横浜真葛は独特の発展をして、2年前東洋陶磁で宮川香山展で見て、その記憶もあたらしい。京都真葛は茶に寄り添って続いてきた。跡継ぎの真一さんも独特の感性と新たな道の模索と、なんとも頼もしくお見受けし、今後の真葛はますます発展されることと思い願う。
(憧れなんだけど、ちょっとお高くてなかなか買えないんだけどね〜(^_^;)







関連記事

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/1111-b71e269a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

其中庵〜瓢・名残の茶事 «  | BLOG TOP |  » 名残の夕ざり茶事

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (394)
茶事(亭主) (84)
茶事(客) (176)
茶会(亭主) (18)
煎茶 (10)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (109)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (32)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (144)
奈良散歩 (133)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (11)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (14)
中国茶 (49)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (2)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (5)
信州旅行2023 (2)
京都モダン建築 (3)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR