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2023-09

修二会2019〜14日満行 尻つけ松明・走り・香水・達陀 - 2019.03.17 Sun

お水取りに行き始めのころ、もう20年以上も前になるが、一度で良いから達陀の行を見てみたいなあ、、でも真夜中の行だし、夢のまた夢、と思っていた。それが年を追う毎に、南の局でちょろっと垣間見たり、正面の西の局の一番後ろから見たり、そしてとうとう、真正面かぶりつきで達陀を見ることができた今年。生半な迫力ではなかったよ。



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一週間前は中日で小観音出御をおこもりでみた、二月堂、いよいよ最後の満行の日を迎える。



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この日も早くに、16時半に着いてみると西の局(真正面の局)はまだまだがらがらであったので、ど真ん中かぶりつきの席をゲット。



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なぜそんなにお堂の中が余裕かというと、この日は最後の練行衆初夜上堂は尻つけ松明という大きな見所があるので、みなさん、下の席を確保されるのね。




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いつもはお一人お一人ゆっくり上堂されるので、お松明は一本また一本とゆっくりあがってくるのだが、この日はどんどん間をつめて上がってくる。だからあたかも先を行く練行衆のお尻に火が付くようだ、というので尻つけ松明とよばれる。おまけに二月堂欄干に10本のお松明が並ぶ様はまさに壮観、一大スペクタクル!



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良弁杉の向こうに暮れてゆく西の空。
(あ、、、花粉が、、、ヘックション!)



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いつもは静かな茶所も最後の数日はおうどんやお寿司などの軽食食堂に早変わりする。



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二月堂うどんに若干心ひかれつつ、お稲荷さんをお腹に仕込む。
これから約8時間、お堂に籠もるので腹ごしらえはしておかないと。



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尻つけ松明(この日だけ18時半〜と早め)の日は二階の欄干への居残りはできないので、下で見るか、お堂にお松明が終わるまで閉じ込められるか(トイレもダメ)なのだ。
17時にお堂の扉は閉められ、中に残っているのは10数人、意外と少人数。人手が外にとられるので、中は意外と自由空間だった。ちょっとねそべったり、おしゃべりしたり、屈伸運動をしたり、、、だれも文句は言わない。



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その代わり尻つけ松明はこんなふうに隙間からちらっと見えるだけ。でもあの煙と杉の焼ける香りにはしっかりつつまれてお松明満喫気分。

今回も三度の案内、練行衆の「うけたまわってそうろう〜」をしっかり見て聞く。

↓この場面


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ついでに、ちょっとさびしいので、2年前の画像を置いておく。↓
10本上堂の壮観お松明。



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これも2年前撮った動画。







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真正面なので、練行衆がそれぞれお堂にはいって差懸にはきかえ、あの独特のリズムの音を刻んで内陣入りするのをはじめて目の前で見た。

それから数時間、目の前の戸帳に大きく小さく映り、また飛び去る影を見たり、神名帳の神様の名前を聞き取ろうとしたり、少し意識を失ったり(^_^;、、、
(練行衆の休憩の時にお手洗いは行けますよ)

22時過ぎ、咒師と3人が四方加持を戸帳の片隅で。咒師はお声のよい上司師。そのあと走りの行に先だって、戸帳の巻き上げ。これがまた見物なのだ。堂童子が、我々が見ている局の前の格子ぎりぎりまで戸帳を持って巻き上げる。尻尾の方は隅に控えた加供が巻き上げ。きりきりと巻き上げられると兜率天を写したという内陣の様子がはっきりみてとれる。
かさなった壇供、糊こぼしや南天の荘厳、燈火、、、

走りが始まる。最初諸役以外の8人で、内陣の須弥壇のまわりをぐるぐる、順番に五体投地後着座、最後の一人がかなりのスピードで飛び去るように走る。あれはかなりしんどそうだ。もう五体投地をして着座して良いよ、という合図は咒師の「シッチヘン」という謎の言葉なのだが、今回それもはっきり、聞き取れた。

走りの後は香水たまわり、一番に手をだしてお香水をいただいた。(今回はたっぷり!)先週のはまだお水取り(閼伽井屋)前だったが、今回はその後、あたらしい香水だっただろうか。

差懸の音をそろえて足踏みしながら謡うように唱えられる「散華」の声明はほんまに萌える。

24時前、再び戸帳が巻き上げられいよいよ達陀の行である。
はじめてこれを見た時は、これ何?何これ?と美しさと妖しさに感動しつつも不思議でしょうがなかったが、いまもってこの行の意味は謎のままなのだそうだ。(なにしろ実忠和尚が兜率天でみてきた行法らしいから、人間の身ではわからんのね)

ぶぉ〜ぶぉっ!ぶぉ〜ぶぉっ!、、という原始のリズムを刻む法螺貝の音
火天が火を、水天が水を、芥子がハゼ(餅米をはぜさせた物)を、こちらめがけて、ユーモラスとも見える所作で放り投げる、あと楊枝とか、鈴はほられたとき、ゴトンって音がした。

そしてキラキラ蝋燭の火に光る達陀帽をかぶった火天と水天の達陀松明と水のせめぎ合い
これも練行衆の仕事なのだと思うと尊い。
音、光、匂い、振動、、、この一大ページェントの仕上げは達陀松明をこちらに向けてダ〜ンと放り投げる。こちらまで飛び散る火の粉。火事にならんかとヒヤヒヤするが、これを箒でけしてゆく加供の職人技、これも見所。

この達陀を正面最前列で見るという望みを叶えるまで何年かかったのか、ありがたいことにそれも叶った。



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この後明け方4時頃まで続く結願の行事にそなえて、練行衆はいったん下堂する。



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下堂はまとまって、早い早い!



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このあと再び上堂して修二会の間、お堂にもちこんだ自分道具や荷物を片付け、壇供も荘厳も片付け、通常の荘厳とする、、、以後も行事が続くがさすがにここまでで体力の限界、これで二月堂においとまを。それ以後の満行下堂などはまた次回への課題となった。(何年来ていても、これで全て見たということがない。多分残りの人生でも無理ね。)




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この時、二月堂の向かいの西の空、奈良の都の上に赤い半月がかかっていた。



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宿に帰ってお籠もりの間していたマスクを見てびっくり!
うわ〜これだけの煤!道理でマスク無しの先週は咳がよくでたことだ。




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