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2024-02

国宝・一遍聖絵と時宗の名宝展〜京都国立博物館 - 2019.05.02 Thu

(令和元年 おめでとう〜!)

京博開催中、時宗の名宝展、厖大な一遍聖絵(一遍上人絵伝)が目玉。

時宗とか、一遍上人とか、一通り歴史の勉強はしたが、時宗っていまいちなじみがない。京都に時宗のお寺ってあるのかな、と調べてみたら、なんと!ご近所にもあるじゃないか。仁王門の聞名寺、円山音楽堂あたりにある正法寺や長楽寺、かの謡曲「東北」の舞台でもある比較的ご近所の東北院も時宗のお寺だったとは!(歴史に詳しいM女史によると、京都にはけっこうたくさんの時宗道場があるとのこと、シラナカッタ、、、)

今回の展示は一遍と十数年を遊行(ゆぎょう)をともにし、後を継いで(一遍は自分一代限りとしていたが)時宗の教団としての形を整えた二祖・真教上人700年遠忌にあたる企画。



IMG_4938.jpg



さて、圧巻の国宝、一遍聖絵
一遍の弟子が詞書きを草案、画僧・円伊(どんなひとかよくわからないらしい)が描いた一遍の生涯は歴史資料としても価値があるらしい。五色の詞書きの部分、当時の風俗がうかがい知れる絵、最後まで見たら(かなり疲れるけど、、)一遍の生涯がざっと頭に入る。

ちなみに所蔵は神奈川県の藤沢にある、時宗総本山・清浄光寺(遊行寺)



IMG_4939.jpg



ざっくり絵伝の内容(一遍の生涯)を、、、

一遍は伊予国の人で、最初法然の孫弟子聖達上人から浄土宗西山派の教えを受けた。そののち一度は実家に帰るものの、一念発起し家を出て、信州善光寺に参詣、そこで「二河白道図(にがびゃくどうず)」に出会い生涯にわたり尊敬崇拝、自分の本尊にしたという。

(*二河白道図:貪りや執着を表す水の河と怒りや憎しみの火の河の間をまっすぐな白い道=願往生心が通り、亡くなった人が釈迦如来に送りだされ白い道を渡って阿弥陀如来の迎える浄土に行くことができる、という比喩を描いた絵)→2つ、展示あり。

一遍、35才にして、家も田畑も投げ捨て肉親とも縁を切り、遊行の旅にでる。
四天王寺で人々に念仏札(南無阿弥陀仏決定往生六十万人)を配り歩く時宗を特徴づける「賦算」をはじめる。
熊野権現の夢告げにて「信じない人も往生できる」という時宗独特の考えに開眼。
豊後国で後の二祖となる真教上人に出会い、弟子とし、他阿(弥陀仏)の名前を与える。(真教はよって他阿上人とも)
同行する僧や尼僧がだんだん増え、信濃小田切の里で、もうひとつの時宗独特の「踊り念仏」をはじめる。念仏を唱えながら踊るというのは阿弥陀仏と一体になること、という。



IMG_4945.jpg
(遊行寺のパンフから)


一行は訪れる各地で、踊屋という屋根の下、鉦や太鼓の音に南無阿弥陀仏の念仏を唱えながら、集団で踊り狂う。イヤホンガイドにその音声が入っていて、まるで踊る様が目に浮かぶようであった。なんともリズミカルな声明で、確かにこれは体を動かしたくなるよなあ。ちょっとトランス状態にさせる効果があるのかもしれなくて、これが後に盆踊りになったという説もうなづける。

   はねば跳ね 踊らばをどれ春駒の のりの道をば しるひとぞ知る

この教えは当時の民衆の心をつかみ全国に広がっていき、踊り念仏には貴賤老若をとわず、たくさんの民衆があつまったそうだ。

やがて15年の長きにわたる過酷な遊行の末、一遍上人は兵庫津観音堂にて51才の生涯を閉じた。
自分の教えは一代限り、寺院を建立することや教団を作る意志がないことを言い残したという。



IMG_4941.jpg



この聖絵は絵画としても面白く、隅々までみていくと当時の風俗が垣間見え、興味深い。粗末なあばら屋の屋根に穀物かなにかを笊で干していると烏?がこれをついばむ、こら〜っとばかり棒で追い払おうとする庶民の姿など、くすっと笑えるところもある。当時の男女の装束も面白い。多くの女性が当時外出するときに小袖を頭から被ってたのが印象的。髭も蓄え中年に見えるのに水干を着て牛を引く、大童?も当時いたんだな、とか。




IMG_4944.jpg 



一遍の後を追おうとした真教上人であったが、時宗の教えを求める人たちのために思い直し、一遍の思惑とは違うが、教団を整えた。四祖呑海が藤沢に建立した清浄光寺(遊行寺)は現在に到るまで時宗の教えを伝えている。

すべてを捨てて遊行、、というのはもう出来る時代ではないけれど、今でも賦算は行われ、踊り念仏も保存会(多分地域の人)があって見ることができるそうだ。しかし、時宗の僧侶はいまでも踊り念仏をされているのだろうか。時宗寺院の存在に気づかないのはそれがおおっぴらにされてないからじゃないかしら。


浄土宗は信仰のあかしとして念仏を唱えれば往生出来ると説いた。
一遍は、信仰がなくても念仏を唱えれば往生できると説く。なぜなら信心のない人も阿弥陀如来の力ですべて救われる約束に始めからなっているからという。なんとすざまじい教義であることか。





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