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2024-02

唐津やきもん祭茶会2019〜民藝から茶の湯へ〜 - 2019.05.05 Sun

さて、いよいよ唐津やきもん祭茶会の当日、あいにくの雨模様であったが、会場・旧大島邸の庭園はかえって新緑が美しいのであった。



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旧大島邸(現・唐津市所有)
かの建築士辰野金吾と机を並べ、高橋是清に師事し、のちに唐津銀行をおこした大島小太郎の旧宅、明治中期の建築。



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建物もみどころ満載なのだが、それは昨年の記事にまかせて、お茶会へ。

今年はこの茶会に先立ち、お手伝いの方々その他、博多で出張たこ焼き茶事をされてチームワークをばっちり固めてこられたご様子である。



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風雨がややつよいので、四阿の李朝席はどうなるのだろうと心配していたが、ちゃんと手当てしてあって、さすが。なにがあってもこの四阿を李朝席に、というM和尚様の熱意を感じる。確かに二畳で二方向開け放し、もう一方向も大きな障子窓という開放感は、李朝の雰囲気に合う気がする。



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客は縁側の外に腰掛け、朝鮮人参の砂糖漬(韓国のお菓子)と棗茶をいただく。茶入は唐津の若い作家さんの物、かかれている文字はそれぞれだが、M和尚様とタライ・ラマ師の手によるとか。私のは「己亥(つちのとい)卯月」。年号が変わる最後の月。

床には「サバクヤ心 袱紗サバキツ」、、、おお、柳宗悦だ!
この茶会のテーマは「民藝から茶の湯」だったな。
柳の心偈(こころうた)の中の茶偈の一つ。(他にも「茶ノミ 茶カハ」、「茶ニテアレ 茶ニテナカレ」、「一服イカガ 茶モ忘レテ」、など)



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八角小盤の上には三島の扁壺に白蝋梅とおっしゃったか?
昨年拝見して、これはどうしても同じ物を手に入れたいと思いつつ、いまだ入手できずにいる李朝の鉄製火鉢を風炉にみたてたものに、今年もまた出会えた。そして2日前、お茶を飲むことが出来たあの垂涎の粉引にも再会。

「李朝が好きだが、唐津をみた時に李朝の匂いを感じた。」

素朴でどこか不完全な李朝の器、文禄慶長の役でつれてこられた朝鮮の陶工たちがその技法を伝え日用雑器として生まれ、後にこれこそ民藝と柳にとりあげられた唐津焼。そんな歴史に思いを馳せつつお話しを聞いて、つぎつぎくりだされる李朝の器や民具に和尚様の熱い思いを感じるのであった。

同じ李朝好きといってもレベルが違うのでちょっとへこたれるが、こんな先達(私よりお若いけど)がおられるのはなによりの励みになる。



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おや、これは!
2日前お酒をいれていた鉄釉だけの鶏龍山片口。のちに和尚様がこれに花を入れ替えたら、また不思議にぴったり合うのだ。懐の深い器。

お話しは、柳を朝鮮古陶磁に導いた浅川伯教や、窯にくべるための松の樹を伐採しすぎてはげ山になった朝鮮の山に松を植樹しようと、その発芽法を発見した弟の浅川巧にまで及んで、うれしい限りであった。



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この緑したたる庭園のなかの四阿に別れをつげて次は懐石席へ。



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今年も担当は京都の美山荘で修行されたというひら田さん。


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器はこの会のために改めて作ってもらったという唐津の現代作家さんのものばかり。これだけの協力を得られるとは、いままで培ってきたものの重みを感じる。

今年は本懐石に近い献立で、唐津の食と器を堪能した。



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かわいい八寸、お名前は覚えきれなかったが若い作家さんのものだと聞く。酒器も唐津で、お隣の方とさしつさされつでかなりいけてしまった(^_^; 
古唐津研究会で編集者の方とか、博多の有名和菓子屋の親子さんとか(博多たこ焼き茶事でお菓子を作らはった)、京都の李朝古美術店の主とか、唐津の作家さんのお母上とか、かなり濃いメンバーだったこの席、入れて光栄であるとともに今更ながらタライ・ラマ師のご人徳ご人脈おそるべし!




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タライ・ラマ師の本席に向かう途中、、、あ!やっぱりタライが!
(降らずとも笠の用意、降ったらタライの用意)
雨模様だったので、わざわざこちらで調達されたとか、どちらにいらしてもタライ・ラマの二つ名はついてまわる(^_^;



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本席の床には妙心寺管長もつとめられた山田無文師の「不二」
唯一不二というより無文さんなら不二の妙道、自他不二か。自己と他人は別人でありながら二つに分けられない、主観と客観も分けられない。
李朝の香りを残す唐津は民藝=庶民の器でありながら、茶の湯の道具にとけこんでいる。ラマ師曰わく、「和漢の境をまぎらかす」〜「民藝と茶の湯の境をまぎらかす」、自他不二、、、なのね。




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花はある陶工さんが数日前から手配してくれていたという大山蓮華。ナイスタイミングの蕾具合。

お点前は宗偏流(唐津は宗偏流が盛ん)の達人でもある陶芸家・藤ノ木土平さんがされた。端整なお点前であった。後見のラマ師のお話し上手、笑いの絶えない良い席になった。さらにお客様一人一人についてあらかじめもてなしの用意をされているところが心憎いのである。

先だってたこ焼き茶会の折に拝見した丹波の水指が鎮座していて、蓋の載る面と胴体をつなぐのに(ラマ師曰わく)餃子の皮を閉じるときのように、指で押してつないであるのだそうだ。これも「境をまぎらかす」の一つ。
茶杓が藪内比老斎、先代の有名な竹心作ゆきをまねて作った物で、歌銘が、鶯と思ったらホトトギス(托卵)云々と掛けている。これも「境をまぎらかす」かな。



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薄茶は、唐津の鶴丸商店さんが中里太郎右衛門さん監修の元で作ったおなじみ陶片煎餅(これ、爆買いして帰った(^_^;)お客にそれぞれ好きなのを選ばせて、それの元となった古唐津の茶碗でお茶をたてるというなんともうれしく楽しい御趣向。ということは、これも鶴丸さんに茶碗をみせて作らせた特注品なのね!
私が選んだのは沢瀉、はい、これもお馴染みの好きな茶碗になった、濡れると沢瀉が浮き上がる古唐津で。(乾いていくと沢瀉の模様は消えていくの)



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驚いたのは、石ハゼで穴が開いた青唐津(珍しい)の穴まで煎餅が再現していること。いい仕事だなあ〜、鶴丸さんもラマ師も。

かくして笑い声につつまれて和やかに今年のやきもん祭茶会はお開きとなった。スタッフのみなさま、ありがとうございました。
私は、楽しすぎて、明日から普通の生活に戻れるか不安なくらいだ。





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