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2024-03

名も走井の水の月〜走井・月心寺 - 2019.07.09 Tue

大津・走井の月心寺といえば、NHK朝ドラ「ほんまもん」にでてきた胡麻豆腐の尼さんのモデル、村瀬明道尼を思い出す。ここの庵主さんをしばらくしておられて、手作りの胡麻豆腐はじめ、精進料理をお客さんにふるまっておられ、その講演会にさそわれたこともあり、行かなかったことが悔やまれる。ほどなくして遷化されたからだ(2013年)。



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その月心寺へのおさそいあり、初めて行って見たが、、、なんと車がビュンビュン通るもろ国道沿いにあるとはしらなんだ。場所も名にし負う逢坂山。(しるもしらぬも逢坂の関、、、)



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かつて京、大津に入る関所、東海道追分に賑わった走井茶屋の跡地である。走井餅が有名だったが、国道がとおったことですたれて店は八幡に移転された。(走井餅といえば初めから八幡だと思い込んでいた、、)

その跡地を大正5年、日本画家・橋本関雪がご自分の別邸にすべく買い取り、後に天龍寺のお坊さんを迎えて現在のようなお寺にしてご自分の菩提寺となさったそうだ。明道尼はその後ここを借りて寓居されていた、ということらしい。



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門をはいると「枕草子」にもでてくる名水・走井は今も健在でこんこんと清水を湧かせている。

  

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銀閣寺畔の橋本関雪のお屋敷・白沙村荘で春秋遊会と称する展示会を年2回開催している若手の工芸作家さん(漆芸、木工、陶芸、染色、などなど)たちグループが、関雪さんのご縁にてこちらでも展示をされるよし、一度行かねば。

座敷ではグループをたばね、茶人でもあるNJさんがワンコイン茶席をもうけてはる。



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一時は荒廃していたらしい庭園は、見事に美しい。
広間の座敷から眺める。橋の上の椅子も作家さんの展示品。



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池には鯉も。池泉回遊式庭園、なにしろ走井、水の豊かさにはことかかない。



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池をまたいだ渡り廊下をわたって、御座所とよばれる棟にてNJさんのお茶席。歌仙の美しい中回しの切を床にかけて、御茶碗は「郭公(ほととぎす)」の歌銘の付いた蕎麦と、参加している陶芸家AS君の。薄器は、これも参加している女性塗師の真塗りで蓋裏に四葩の青貝、すてきでありました。



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ちなみにお菓子は、昔ここにあって現在は八幡に移転した走井餅さんが、誂えでつくってくれたという水ようかん。



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これをすくう木匙も木工作家さんのもの。蓮弁みたい。



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御座所から広間を見る。
御座所というとたいそうだが、実際明治天皇が寄られてお茶をめしあがったそうだ。



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池の向こうの築山にあるのは投入堂的な小間座敷、百歳堂という。



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百歳になった小野小町の終焉の場所(他にも伝説の場所はたくさんあるが)といわれ、厨子の中には伝・運慶の小町百歳座像が祀られている。



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ここはりっぱな茶室になっていて使えるのだが、この日は作品の展示に。こういうところに置かれると物のもつ良さがさらにひきだされる感じでいいね。



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百歳堂からの眺めも美しい。
ただ、ほんっと国道沿いなので車の走る音がかまびすしいのがもったいない。


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車ビュンビュンのすぐかたわらに、こんな別天地があるのもまた一興か。



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たたきの玄関を通って辞去する。
ひとときの清涼、心にしみました。


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 名も走井の水の月 くもらぬ御代に 
          
           逢坂の関の宮居を伏し拝み、、(謡曲「竹生島」)




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● COMMENT ●

40年前に國分綾子著『京にのこる味』駸々堂を読んで灌仏会のおふるまいに行ったことがあります。丁度國分先生もいらしていて自分の隣の席にくるように言われ、庵主様のフルコースお精進にうっとりとした覚えがあります。正座のできない私がどう誤魔化したのかは覚えていませんが。もう村瀬道明尼も國分綾子さんも、そして駸々堂もなくなりました。

Mariko Ishii 様

40年前!(一応学生だったかな、、、)
そんなころに明道尼さんの精進料理をおめしあがりだったとは!
石井さんがうっとりというくらいだから、どんなに美味しかったのか、と、食べられなかったのはほんとうに残念です。


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