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2020-01

ZENGA〜白隠と仙厓展 - 2019.11.07 Thu

白隠・仙厓ときたら行かずばなるまい。あの絵が大好きだから。



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晴天の守山・佐川美術館
気持ちの良い湖岸道路をドライブして到着。(やっぱり遠いわ〜)



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白隠 1686〜1768
仙厓 1750〜1837

と、ほとんどすれ違いなのだが、原の白隠、博多の仙厓といわれ、宗教的中央から距離を置いた場所で民衆の教化、弟子の育成に活躍した禅僧である。
ふたりとも、その時代を映しつつユーモラスで、禅の公案みたいに頭をひねるような禅画を数多く描いた。



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さて、白隠の圧倒的な絵を見ていると、これはユーモラスだけでは理解出来んな、これはむつかしい、と思わざるを得ない。
おそらく当時の江戸の人たちが常識的に身につけていたであろう知識や、風俗、地口(洒落)にいたるまで、一般の現代人にはわからないことばかり。さらに漢籍や仏教に関する歴史や知識がないと、ああ面白い絵だなあ〜で終わってしまう。

「隻覆達磨(遷化の後、インドへ帰る靴を片方だけ持った達磨をパミール高原で見た、、云々)」
「普化振鈴(棺桶の中で鈴を振りながら遷化した普化という禅僧)」
こういうのを見て理解できる人のインテリジェンスはすごい。



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というので、ミュージアムショップにあったこの本を読んでみたのだが、白隠は深いわ。
だてに現在のすべての臨済禅流派の元をたどると白隠に到る、といわれた臨済禅の中興の祖とよばれてないわ。(ちなみに有名な公案「隻手音声」は白隠さんのもの)これを読んでから展示を見ればよかった、と思うくらいディテールに深い意味があったのね。



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白隠の絵にくりかえし出てくるキャラクターは布袋さん、観音様、お多福さん、そして達磨さん。
くりかえし出てくる言葉は「直指人心 見性成仏」
絵はのほほんとしているが、この方はほんとうに厳しい修行を自己に課した人だったらしい。禅病という禅の修行中におこる、1種の心身症みたいなものにおかされたこともある。そんな人だからこそこのノホホン絵にも説得力があるのではなかろうか。



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上品で優美な観音様があったかと思うと、道端でおしっこをしている絵があったり、ぎょろ目の達磨さんににらまれたかと思うと、眉毛の下がったにこやかな布袋さんにほっとしたり、、、
まあ、それだけでもいいのかも知れない。あれこれ意味を考えて理屈をこねくりまわすのは、白隠が若かりし頃陥った陥穽にはまったのと同じかもしれないし(^_^;

ちなみに若くて理が勝って鼻持ちならなかったらしい白隠(当時は慧鶴)を打ちのめして生涯の師となった正受老人(道鏡慧端)はあの真田信之(幸村の兄)の庶子だったというから面白いなあ。



IMG_7534.jpg



そして博多の仙厓さん、これにはもう降参、ただ笑うしかない脱力感がたまらん。
もうどんな教えがこめられているのか、理解しようとする努力すら初めから放棄。
動物がとくにすごく?て、これ、虎?虎ですか?鳥?ですか???猫が紙袋に頭をつっこんで、それを見て笑う子供、、、って、これほんとに猫ですか?



DSC09059.jpg



そういえば有名な絵に「○△□」だけ、というやつもありましたね。
珍しく真面目に?描いたのが「神農図」で、この神農さんはフクロウみたいにふっくらとして虎みたいな顔で好き。

脱力してクスクスと笑う、ニンマリする、これなに?と頭をひねる、、、もう仙厓さんはこういう見方でいいじゃないか、と思うわ。

展示の一画に同じ画題で二人の絵を並べて比べるコーナーがあったけれど、あれはよかった。同じユーモラス系禅画でも趣が全然異なることがよくわかる。

ちょっと交通の便がアレだけれど、オススメです!


〜12月1日まで




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● COMMENT ●

たぶん

白隠さんは正受老人を受け入れられなかったのではないのかと思っています。
本当に強烈。

N様

黄檗と臨済みたいな師弟関係と思っていましたが、ほんとのところはどうだったのでしょう。
結局、正受庵を嗣がなかったので、あるいは最終的には合わなかったのかもしれませんね。


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