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2020-01

香雪美術館・玄庵茶会2019 - 2019.11.28 Thu

神戸は高級住宅地御影にある香雪美術館、昨年は大阪中之島にもできて人気が出てきたのか今年は初めて玄庵茶会の券の入手に苦労した。



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おかげさまでなんとか今年も玄庵茶会参加できた。

この美術館は朝日新聞の創始者の一人・村山龍平翁(香雪)の茶道具コレクションを所蔵し、玄庵茶会ではそれらをおしげもなく使ってくれるのである。
ちなみに香雪翁はお茶は藪内流であり、玄庵は露地に到るまでほんとうに正確な燕庵の写し。(燕庵見に行ったとき「玄庵そっくり〜」と言って顰蹙をかった(^_^;)



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席まで時間があったのでまずは美術館の展示を拝見。
今季のテーマは「戦国大名と利休七哲」、時代を追って、利休、織部、遠州、不昧、、の名品を拝見。
勉強になったのは、先日三井記念美術館・高麗茶碗展で見た「遊撃半使」、こちらには「遊撃呉器」、唐津・名護屋城跡で中国の講和使者が泊まった施設を遊撃丸といったのと関係があるのかな、と思っていたら、ここの解説でやっと意味がわかった。文禄慶長の役の講話使節として来日したのが遊撃将軍・沈惟敬、彼が携えてきた茶碗だから「遊撃」なのね。




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さて、美術館から一度でて、ぐるりと回って旧村山家住宅の和館棟へ。
燕庵にもある編笠門をくぐって、市中の森の中へ。野鳥の声がかしましいくらい。

寄付には松花堂昭乗の天神さんに遠州の賛「このたびは幣もとりあえず手向山、、、」の百人一首にもある歌。



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(庭園内に設けられた点心席)


織部考案の割腰掛け待合いで待っていると、藪内のお家元が中門まで迎え付けしてくださる。
いよいよ玄庵の濃茶席へ。もちろんお点前は家元自身がされる。そういえば、最初に玄庵茶会に来たはるか昔にはまだ若宗匠でいらしたなあと懐かしく思う。

しかも床の徐熙「梅鷺図」は、一番最初に玄庵茶会に来たときにかかっていた物だった。感動の再会。徐熙(10世紀中国五大十国時代)の鷺図は何枚か日本に入ってきていて、これはそのうちの一つ、また別の一つがかの松屋三名物の一つだったという。

水指が井戸の片口を見立てた物、よく見るとやはり井戸=粗質白磁なのだ。

家元自らが練ってくれた濃茶を三つの碗でいただく。主茶碗は極渋の柿の蔕「浦舟」、次茶碗がなんと長次郎の黒楽筒茶碗「楓暮」、箱が宗旦。長次郎はかせた黒楽のイメージを覆すつやつやの黒。私がいただいたのは三碗目、すごく重い馬盥みたいな信楽の茶碗「雪梅」。



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(点心席には焚き火がしてあって、灰よけに羽織を用意してくれる)

藪内の霰灰の炉にかかる釜は古芦屋で馬の地紋がある。

茶入が中興名物・瀬戸肩衝大覚寺手「初雁」
茶色い釉薬の上にむらむらの黄色い釉薬が飛んでいて、初雁の名もなるほどと思わせる。
挽家が小堀大膳宗慶(遠州長男)、箱が権十郎(三男)。

茶杓がとても面白くて、節より先に細長い穴があいている。これは清めるときとても気を使うと家元。変に力をいれたらペキっといきそうだもんなあ。寸松庵で有名な佐久間将監の作で、秀吉の妻ねねさんの甥に当たる木下長嘯子の箱あり。銘はなし。



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濃茶のあとは中庭にて点心をいただく。
見上げると玄庵の屋根。

玄庵は三畳台目+一畳相伴席で10人くらい詰め込まれるが、意外と余裕。相伴席の威力を再確認した。



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点心は今年も高麗橋吉兆、これに煮物椀が付くのでかなりお腹一杯。
さらに女将さんがお酌もしてくれる。ありがたし。今年は茶友さんのお連れがいたので、今見た道具のディスカッション?をしながらいただく。



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葡萄と今年は洋梨(柿のことも多い)と、大好きなソーダ味ゼリー。

五十畳の大広間には歌川派の祖である豊春の謡曲「松風」の三幅がかかり、俵屋宗達の四季花屏風もならぶ。ここに大火鉢や、寒桜と椿を枝ごと生けた伊万里の大壺など、一時のお大尽気分。



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庭から薄茶席の書院へ。
ここはまた紅葉が美しい。



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薄茶席は大阪のF宗匠の席である。藪内F派とでもいいたいような、とても武士らしいメリハリのきいたお点前をされる。

掛物は源俊頼の四半切、古今集・恋の歌四首
俊頼といえば百人一首の「うかりける人を初瀬のやまおろし、、、」を詠んだ人である。唐紙の地紋が亀甲でこれもきれいに見えた。
唐銅の花入れにいれられた花がなんだこれ?、、、美男カズラのまだ青い実(桑実みたい)であった!



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薄器が「源流茶話」で有名な藪内5代竹心好みの栗蒔絵。ころころの栗がかわいい。過日某所の藪内の席でも栗の薄器が出ていて、よっぽど栗がお好きだったのかな?と。

主茶碗は黄伊羅保「廬山」
今年の秋はいろんなところで黄伊羅保を見る。作行がそれぞれ違って多彩、これは見込みに砂を撒いたような胡麻がでていてなかなか渋い。

先日行った、根津美術館・川上不白生誕300年の展示で、図録の表紙にもなっている不白手づくねの「赤黒一双鶴亀(赤が鶴、黒が亀)」と同じのが出ていてなんだかうれしかった。
絵唐津で、窯の中で二つの茶碗がひっついて、一方をたたき割ったどこから飲むの?の茶碗が面白くて座の人気を博していた。印象深いよね。普通なら失敗作として捨てるところをとりあげ、溝口家伝来と伝来物にしてしまう茶人の美意識たるや!




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美術関係の茶会の中で一番好きなそして価値のある玄庵茶会、今年も無事いけました。感謝。

お土産に香雪美術館カレンダーと絵はがきをいただいたが、この般若の絵はがきはだれへ出すべきか考えてしまうが、、、、(^_^;



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