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2020-01

但馬の国で口切茶事2019 - 2019.12.05 Thu

そらいろつばめさんが呂宋の壺を手に入れられて初めての口切り茶事にお招きいただいたのはもう2年前になる。思えばお互いに忙しく、あっというまの2年ぶりの但馬の国である。



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秋色麗しく、そよ風でも落ち葉がちらほら音もなく落ちる。

寄付では私が初めてこちらの茶事によばれた数年前にかけていただいた服部嵐雪の短冊に再会。
嵐雪と言えば「ふとん着て寝たる姿や東山」の句が有名、その東山の麓に住む私への歓迎のお気持ちであった。当時お互いに変体仮名が読めなくて頭をひねったが、今では勝率6割ながらちょっと読めるように(^_^;



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(細かいタイル張りのベンチを腰掛け待合いに)


今回振り返ってみると、お茶事の楽しみをほぼ完璧に備えた茶事だったように思う。
おもてなしに関しては私が知る限り最高レベルのそらいろつばめさんご夫妻ならではの、ご夫妻だからこそできる茶事であった。



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腰掛け待合いから庭に出て、蹲居を使い茶室に入る。

ここのおうちは建築雑誌にも載った、キャパが100人という広間もあるアップダウンを上手に生かした素晴らしいお宅なのだが、茶室部分だけはご両親が暮らしておられた座敷をほぼ再現したものだという。



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本日のお正客は茶の湯44流派の比較検討した「お点前の研究」の著者H様ご夫妻(ほぼほぼ新婚さん)、先日宗偏流の口切りを見せていただいたA様、祗園祭宮本組を内側から書いた本を上梓され学生時代からお能を嗜むS様、そうそうたるメンバーである。(なにものでもない私(^_^;)



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本席にはお正客H様がご持参されたという新たなる御代を寿ぐ歌、脇床に小学生くらいの男の子がベルトに仕舞扇を挿して前傾の仕舞の基本ポジションを取っているお人形が!これはS様のお謡がきけるのでは、という期待に胸がふくらむとともに心憎い。



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京都まで壺を持ち込んで松籟園さんに碾茶を詰めてもらったそうである。今回濃茶は三種三袋、詰め茶(薄茶)はなんと五斤(3kg)。前回二斤で少なかったので増やされたそうだ。
御茶入日記をみんなで拝見し、お任せとする。



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そらいろつばめさんのルソンの壺は、御主人がNHKの「ルソンの壺」に出演されたのを機会に手に入れられた記念のもの、色は違うが唐物茶壺「金花」に釉薬のなだれがよく似ていてとてもよい茶壺なのだ。大きいので壺を入れる網も紐も特注での誂え品とか。



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そらいろつばめさんの懐石はいつも豪快だ。いつぞやは座を変えて炭焼きの分厚い但馬牛ステーキをだしてくださったこともあった。



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そして今回は蟹!!♪
しかも朝、津居山漁港であがったばかりの新鮮ぷりっぷり!
冷凍蟹しか普段食べていないので、この美味しさがしみる。みなさん無口になってひたすら蟹と格闘。

さらにご郷里の東北名物芋煮、これには但馬牛がたっぷり入って、私何しに来たのか思わず忘れそうになりましたわ(^_^;

お運びにはそらいろつばめさん以上にもてなし上手の御主人も手伝われて、ご夫婦で茶事できるっていいなあ〜と若干うらやましい。



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そしてお待ちかね、八寸のご馳走、S様のお謡。
季節柄「龍田」のキリを謡ってくださった。学生時代からずっとされているので、もはやプロ級、しかも体格がよくていらっしゃるので、すごく響くよいお声、100人入るおうちの隅々にまで響き渡ってすばらしかった!
これによってさらに茶事の楽しみが完璧に近づいたと私は思う。(もう二度と茶事で自分は謡うまいと思ったくらいレベル違う)



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主菓子は東京の女性がひとりでされている”あさ貴”さんの特注、本日お正客のH様ご夫婦へのお祝いの意味をこめて。中が栗あんで美味美味♪



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中立では広間で茶臼の挽きあいっこ。
実際濃茶に使われるお茶は別注だが、これもひとつの口切りの楽しみ。水屋でごりごり挽く音がご馳走と一説には言うが、実際挽いてみると上等の宇治石の臼はなめらかで全然音がしない。よってこの説はアヤシイ。



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そうこうするうち挽かれたお茶が少しずつ出てきて思わず歓声。



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(100人入れる広間です。すばらしい!)


後座では白わびすけとドウダンツツジの照り葉を。
めったに見る機会のない紹鷗棚のお点前を拝見、あれは格式高い感じがして風炉先代わりの江戸時代の古い屏風ととても雰囲気があっていた。

濃茶は「松籟」を選んでくださり、とても美味しい。
茶入がちょっとヨダレが出そうな高麗・粉引のころんとしたもので、銘も「玉椿」、遠州流宗家の先代宗慶さんの眼鏡箱があって、ずっとよりそって行きたい云々(おぼられません(^_^;)の歌が書かれ、ほぼほぼ新婚のお正客ご夫婦へのなによりのお祝いとなった。



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後炭もきちんとしてくださって、炉中を眺めるのは楽しみの一つ。
胴炭は大きかったが半分はまだ残っているのに感動。

薄茶の干菓子は同じくあさ貴さんの薄氷と花蝶。



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薄器にご郷里にちかい塩釜の風景を写して、これもさかなに話はつきぬ。

ふりかえって、茶事の楽しみの要素がすべてつまって、いずれも見事にされたそらいろつばめさんに感服です。御主人のお働きにも感謝。
席入りから5時間あまり、しかも京都へ帰るのに2時間かかることすら厭うことなし!で、ありました。




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● COMMENT ●

遠路はるばるお越し下さいましてありがとうございました。
しぇるさまが初めて来られたのは、岡崎のお宅の完成前なので、既に10年は経っています。速い!
これから10年もまたお茶が楽しめますように。


そらいろつばめ様

ほんとうにありがとうございました。
精神的にも物質的にもとても贅沢な茶会でした。
あの席に入れてとてもしあわせです。
あと最低10年、とにかくお互いに健康でいましょう!

しぇる様 

お世話になりありがとうございました。
夫から事前に色々聞いておりましたので、この日をとても楽しみにしておりました。
予想を上回るお茶事にそらいろつばめ様ご夫妻の仲睦まじさに幸せな一日を過ごさせて頂きました。またお会いできますことを楽しみにしております。
(まだまだ新婚?)

京乃都 様

HNを見て、あ、なるほど〜と合点しました(*^_^*)

当日はあまりに周りのお客様が濃くて、目を白黒されませんでしたでしょうか?(あ、御主人さまも濃いですね(^_^;) ほんとうに楽しい茶事でした。
今年は何度もお茶事でお目にかかれうれしい限りです。
なんだか京乃都さまのところはいつまでも新婚さんみたいな気がしてしまいます。
お二人ならんで駅まで帰られる後姿がとても良い感じでした!


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