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2023-09

久々の太秦〜広隆寺 - 2019.12.27 Fri

左京区に住んでいると用事でもない限り太秦あたりへ行くことはない。学生時代に広隆寺は弥勒菩薩像を見に確実にきているのだが、いつか再訪したいと思いつつ、京都移住10年間行く機会がなかった。車折神社からさらに車で東に行くこと数分、こんどは太秦広隆寺に行き当たる。





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地元にいたころ中学高校時代から憧れ続けた(抹香臭いのが好きな女学生であった)弥勒菩薩半跏思惟像を拝みに大学入学早々来た場所だ。



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京都にあって唯一(?かどうかしらんが)7世紀飛鳥時代の創建、というのは他の平安時代、都が京都になってからの寺とは歴史的にかなり異質だと思う。



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養蚕、機織、治水、酒造の技術を日本に伝えたと言われる渡来人、秦氏の族長的存在だった秦河勝が聖徳太子に仕え、太子から賜って本尊とした、とされる仏像がくだんの弥勒菩薩半跏思惟像である。
秦氏の領地であったので地名が太秦(うずまさ)になったという。



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現在、広隆寺の本堂にあたるのは上宮王院(=聖徳太子)太子堂、ご本尊が太子33歳の時の姿という。残念ながら秘仏で拝見できないが(11月22日のみ公開)、歴代天皇の即位礼の時に御召になる黄櫨染の御袍と同じ物を下賜されるので、それを太子像に着せる習わしだそうだ。今上天皇即位礼の記憶も新しい今、来年はあたらしい御袍をお披露目されることだろう。



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弥勒菩薩様のおられる宝物殿。
、、、、以前はまだ宝物殿などなくて、本堂か講堂かの中で拝見できたような記憶がある。まとめて拝観というのもちょっと味気ないなあ、、。

いよいよウン十年ぶりのご対面

ああ、なんて華奢で繊細な、、、、
前傾の姿にバランスをとるような頬に当てた右手の優美なこと。



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奈良中宮寺の弥勒菩薩半跏思惟像はもっと力強くて骨太で、よく拝む機会があるためその印象でみるとほんまかわいらしくさえある。ボディなんかしゅっとスリム、新羅系の仏像によくある感じ。材が日本ではあまりつかわれなかったアカマツということで、渡来仏という説もあるのもなるほどと。



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いくつかの国宝第1号に含まれたのもわかる気がする。

しかし弥勒さんだけではない。広隆寺は場所がちょっと辺鄙なこともあって、それほど観光寺院というわけではないが、実は国宝の宝庫なんだな、と宝物殿の諸仏をみて驚いた。

平安の仏像群、十二神将像は秀逸だが、やはり心惹かれるのは天平の仏像。四対腕がある国宝・不空羂索観音立像は高さ3m近いか。上から見下ろされる感じで、荘厳な気持ちになる。ありがたや。
広隆寺を創建した秦河勝夫婦の木像がいっしょに祀られているのが印象に残る。



DSC09661.jpg



広隆寺の境内は広い。
この建物は能舞台だというがもう何年も使われていないのだろう。



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講堂は外からしか拝見できないし、かの有名な三奇祭のひとつ、牛祭も行われなくなって久しい。ちょっとさびしい気もするが、駐車場からしておじちゃん一人が管理しているという昔ながらの雰囲気も捨てがたい。外国人観光客が大挙してこないのもいい。




DSC09666.jpg



そして表門へ出ると、、、
おお!ここもやっぱり嵐電沿線!



DSC09668.jpg



今度またいつ来られるかわからんエリアだからしっかり目に焼き付けておこう。



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振り返れば山門のお仁王様が威嚇してくる(^_^;



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柿食えば 鐘が鳴るなり 広隆寺、、、、ちがうって!♪(*^^)





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