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2020-06

官休庵東京初釜2020 - 2020.01.25 Sat

裏千家雑誌「淡交」に「茶道心講」を連載され、ファンも多い岡本浩一先生にお声がけいただき、先生のお弟子さんご友人方々と、初めて武者小路千家・官休庵の東京初釜に行ってきた。

官休庵さんでは地元京都でも初釜をされるが、私はお呼びでないので残念に思っていたが、なんといううれしいチャンスであろうか!
官休庵は、若の宗屋さんが昨年ご結婚され、おめでたい雰囲気に包まれているに違いない。



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東京は道灌山にある武者小路千家東京稽古場
明治大正時代に実業家であった久米家の旧邸宅で、現在でも同家は武者小路千家の重鎮であるという。



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まずはお家元の濃茶席

広間に相伴席、襖が渦巻紋で、同じ帯を玄関さんがしていたので、これは流派紋のひとつなのかしら。(武者小路千家の好み紋だそうです)
当代お好みの緑漆+柱溜塗の真台子に皆具、床に武者小路五代の大黒さんの画賛、その下に緑(お家元は緑の色がたいそうお好みだと聞いた)の宝珠が熨斗アワビの上に乗り、諏訪蘇山青磁耳付花入れに紅白の牡丹(島根・牡丹で有名な大根島の)+古木となんとも華やかな室礼の中、長い長い結び柳がたれさがる。

お家元のお点前を拝見するのは初めてなのだが、なんとも豪快、それでいて柔らかい。やはり長い年月それに専心されてきた方のお点前だ。茶杓で茶碗のふちを打つとき、カーンと音がするくらいでどきどきしつつも小気味よい。
主茶碗がすてきなすてきな一入の黒楽、金継の上に鎹が2本打ってある。手に取るとずっしり重く、土色が独特。(後にこの茶碗の土は聚楽に備前の土を混ぜたものと聞く)
この茶碗にここで出会うのを楽しみにされている方も多いとか。
私は替の島台の金の方でいただいたが、銀の方が茶の渋でええ感じに色がついていた。毎年張り替えるとおっしゃるが、このままの方が味があってよいかも。

釜が六代の好みで、先ほどの先代の大黒画賛の一部の文字をそのまま釜に鋳込んだという呼応のしっぷりがいいな。初代下間庄兵衛作(江戸中期)
台子の天板に飾られた棗には「君が代」の楽譜が蒔絵してあるが、これはこの棗を好んだ先々代が、交流のあった小林一三翁の宝塚の楽譜(すみれの花咲く頃、、か?)を蒔絵した棗をみて感動して皇紀2600年(昭和15年)を記念して作らせたものだそうだ。棗一つにも歴代のストーリーがあって感動的。

お正客を岡本先生がされたので、しかもこの席が初釜千秋楽の席だったので、お家元もリラックスされたのかご家庭内でのプライベートなお話しも次々と出て、とても興味深く拝聴。
印象的なのが畳の話。昨年こちらの畳を全部替えはったそうだが、なんと一枚数十万という肥後表。最初固かったのが使ううちにちょうどよい弾力になって、長時間すわっていても足の痛め方がちがうのだそうだ。よい畳はそれだけの価値があって、すわってみないとわからないという話だが、昨今畳が一枚もない家が増えていることを思うと残念でならない。


さて、初釜のお菓子は決まっているのだが、、、

表千家は常盤饅頭
裏千家は花びら餅
武者小路はさてなんだろう???

とらや製の紅と緑2色のきんとん「都の春」
しかも中の餡の中に求肥がはいっているのは留め菓子(家元初釜以外の用途で作ってはいけないお菓子)なんだそうだ。これで問題一つ解決。



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濃茶席のあとは点心席
こちらもお家元好みの緑のテーブルクロスの席で。
奥様(松江 田部家ご出身)、ほぼ新婚の若奥様、のおもてなし。
点心は三友居で、煮物椀の中のカラスミ入り餅がとても美味しかった。宗屋さんものちにお酌でまわられて、若奥様は初めての初釜ご奉仕、京都、東京、と、さぞや慣れぬことにお疲れのこととお察し申し上げる。訪問着にちゃんと武者小路千家のツボツボ紋の三つ紋(五つ紋?)がすでについていることをめざとく確認。

点心の中に今年の干支にちなむものが一つ入っていますと、奥様。なんだろ?と思っていたら、ナマコのおろしがけ。ナマコ=海鼠であったか!

毎年違う意匠の杯でお酒をいただきお持ち帰りできるのだが、今年の杯は干支ではなく、令和にちなむデザイン。新しい天皇さまのお印である梓の枝に、令和の元となった和歌に詠われた梅である。これはいい記念になりそうだ。



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薄茶席は若の宗屋さんご担当

なんというか、お家元とは対照的なお点前、端整で美しく見とれてしまった。姿勢も頭もぶれずにぴしっと線がとおっているのな。お家元のは無駄な力が抜けて洒脱な感じさえして、世阿弥・風姿花伝の年来稽古条々を思い出す。

棚が緑の組紐に房が巻かれた、これは茶会でよく拝見する機会のある武者小路千家お好みの矢筈棚。棚の材によって格や巻かれる組紐の色がかわるという。初釜は格の高い矢筈で、のせる柄杓まで柄が塗になっているという裏千家の者にはめずらしいもの。

主茶碗が楽吉左衛門を襲名したばかりの16代(篤人さん)の赤楽。還元がつよくて赤と言うより灰色で、形は乙御前っぽく素直。次茶碗がお母上のご実家、松江田部家伝来の米俵茶碗。
私は三島写しでいただいたが、お隣の宗和流の方はかわいらしい鼠に宝づくしであった。



DSC09953.jpg



さて、玄関に「半床庵」と書かれていて、あれ?半床庵って久田家ではなかったかな?と不思議に思っていたが、こちらの稽古場内に久米家が名古屋から移築した半床庵という茶室があって、建築年などは不明ながら久田宗全好みなのだそうだ。

この小間茶室、襖があいていたのでちらっと拝見した。一見、これお茶室、、、??というような間取りで頭をひねる。実際「天ノ川席」といわれ、左右にわかれた客の真ん中の畳でお点前するというかなり変則的な茶室。しかも一畳+台目畳2枚という、、、。中柱?っぽいところの棚の下に、水屋の簀の子の小さいが敷いてある。どうも点前の配置が理解できずじまいであったが、建水の水をここにこぼすようになっているとか。珍しい茶室を拝見できた。(ちなみに久田家の半床庵とは全く意匠がちがうらしいです)



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初釜ののち、これから反省会感想会をされるという岡本先生ご一行と別れて、私は東京駅へ。
いや〜、貴重な機会によくお声がけくださった。まさか官休庵の初釜に行ける日が来るなんて!と感激しつつ東都をあとにした。






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● COMMENT ●

今晩は

京都から帰って参りました。
白川べりを歩いたりしてシェル様気分を味わって来ましたが、
シェル様は東京だったのですね。
しかもお家元の初釜!
今まで築かれてきた茶縁の素晴らしさ、シェル様の御人徳の賜物ですね。
私もちょっと福引が当たったりして、楽しい初釜でした。
そして、東京が寒いです❄️
雪が降る前に、京都に戻れて良かったですね。
ゆっくり休んで、ご自愛下さいね!

Re: ちび山様

> 京都へおいででしたか!白川べりも今は枯木ですが、また春の桜の頃是非に。
> このたびは過ぎたありがた〜いご縁でなんと官休庵初釜へもぐりこめました。(裏千家の初釜ですら正規に行けないのにね)人徳はありません。たまたまですよ(^_^;
> 前日は東京は雪だったそうですが、当日はよいお天気で日ごろの心がけのせいかと(おほほ、、ウソです)


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