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2020-05

百人講(油量り)〜修二会を支える講の一つ - 2020.01.29 Wed

あっというまに今年も東大寺修二会が近づいてきて、修二会カテゴリーを立ち上げる季節になった。
10年以上前の雑誌「ならら」のお水取りシリーズを見ていて、あ、これ興味あるけどたどりついてないな、と思ったのが修二会を裏方で支える講社の件である。
修二会の間、裏参道を歩くと○○講社宿泊所、△△講社宿泊所、、、と張り紙がしてあるので、興味は惹かれていた。

信仰心に基づいて寄り合い、ご奉仕する、という講(講社)の中でも二月堂にかかわる講を「圓玄講社」といい、かつて奈良にとどまらず近畿一円に50〜60くらいあったそうだ。そのうち消滅したり、新たにできたり、で現在は30前後あるらしい。

山城のお松明の竹を送る講、信楽の松明をしばるクツワ蔓を送る講、伊賀の達陀松明を調進する講、お水取りの警護に当たる河内永久社、などなど、、、それに去年初めて参加した満行翌朝の達陀帽戴きを担当するのも講(朝参り講)の方だったとは!
(また新しい修二会に関する鉱脈をみつけちゃった〜♪)



IMG_8484.jpg



その他近畿一円にある講のうち、行中用いられる灯明油を寄進するのが百人講とよばれる奈良の講社。ちなみにこの写真は2009年の「ならら」の、百人講による油量りの様子である。

ありがたいことに、その百人講の方にお話しを聞く機会があった。



DSC09973.jpg



これがその修二会の間、十一面観音様に捧げられる灯明の油である。原料は植物性で菜種、綿実、椿などらしいが、製法は秘伝で、現在は愛知県の岡崎で作られているという。二月堂、伊勢神宮、宮中祭祀のみに使われる貴重な油だそうだ。煤の出にくい調合とは言うが、一晩お堂に籠もったら、マスクは真っ黒になったもんだ。


修二会に先立つ2月18日(毎月18日は観音様の縁日)、二月堂ではこの油を三つの甕にきっちりはかって入れる油量りという行事がある。百人講の代表の方が堂司などの監視の下、木の目盛りを使って一斗(約18L)、一斗二升、一斗三升といれわける。油はかつて貴重品でもあり、信仰篤い庶民の浄財でまかなわれたため、無駄が出ないように量った名残。



DSC09975.jpg



灯芯は、短檠を扱う茶人ならお馴染みの藺草の芯でできたもの。

百人講は現在は木津川ぞい(菜種の産地)に約300人弱いらっしゃるそうだ。お話しをしてくださった方は、かつて代々油を東大寺におさめたお家で、少なくとも280年以上の歴史があるらしい。江戸時代以降は記録もないではないが、それ以前のことは不明で、もしかしたら鎌倉以前からの歴史があるやもしれぬ。畏るべし、古都奈良!



DSC09978.jpg



油量りの日はかつては興味を示す人も少なくて、重い油缶を楽々お堂まで運べたそうだが、昨今すごい見物客で、通る道も塞がれる状態だそうだ。そうそう、昔は12日の大松明の日でさえ、お堂の真下で見ることができたものだ。



DSC09981.jpg



修二会の行の始まる前にすべての行中の灯明のもととなる一徳火が切り出されるが、ここでは一足早くライターが種火ではあるが(^_^;火をつけてみた。なにやら尊い。

こうして講の下支えなくば修二会は遂行できず、東大寺もお世話になってるわけだが、それに対して東大寺では各講に出向いて法要を行ったり、塔頭を宿舎として提供したりしている。そんな信仰に基づく密接な関係がこんなに長い間続いてきたことは奇跡としかいいようがないと思うのだが。だからこんなにもこの行に惹かれる人が多いのではないかしら。




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● COMMENT ●

 「油量り」のことを取り上げていただき、ありがとうございました。今年も、過日、2月18日に滞りなく終えることができました。

H.Matsuishi様

18日の当日も行かせてもらいました。初めて拝見したのでとても興味深かったです。
講の方にこうやってお話しがうかがえるのはとてもありがたいです。


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