大中臣祓〜二月堂修二会 - 2020.03.01 Sun

二月堂の周りにはもう結界がはられていた。2月末日、翌日から修二会の本行が始まる日である。
本行に入る前日夕刻(18時〜)練行衆参籠所の前で行われる大中臣祓を一目見ようと。本格的な雨だし、ややこしいウイルス騒ぎだし、きっと人は少ないだろうと思って行ったら1時間前にはもうけっこうたくさんの人が待ってはった。
18時前、参籠所の前に祓に使われる松明が用意される。
大中臣祓は本行前に練行衆のうち密教的儀式を司る咒師が場と練行衆を清める行事である。
もともと中臣祓は神道からきているのだが、陰陽道や仏教にとりこまれてきた歴史があるそうだ。
「お祓いにござろう お祓いにござろう」の呼び出しで参籠所の門が開く。
この日の午後、別火坊を出て参籠所入りした練行衆の方々だ。
全員、北の回廊(細殿)下にならんでうずくまる。
咒師のお出ましを待つ火
咒師が蹲踞すると小綱(堂童子・駆士とともに参籠三役の一)が松明をかかげ、、、
火をつける
咒師が本尊を勧請
ここで普段僧侶が右肩を出す形にかける袈裟(黒い紐状の簡略化された袈裟)を左肩を出す形に掛け替える。仏教の修法から神道の作法に変わるため、と言われる。そして襟元にさした幣をとりだす。
中臣祓を黙誦(声はださない)
中臣祓は祝詞である。
祓戸ノ八百万ノ神達ノ広前ニ練行ノ諸衆、カシコミカシコミ申サク、、、
、、、、、、、、、如意宝珠ノ珠ノ御簾ヲトメテ聞コシ召セト申ス
他の練行衆も蹲踞のまま数珠を手に祈る
祓の儀式
大中臣祓は別名天狗寄せともいわれる。春になって騒ぎ出し悪さをする天狗を集めて、まとめて祓ってしまおうという。
そういえば本行の下堂の時に「手水手水〜!」とさけびながら回廊を走って下るのは、練行衆が留守の間、天狗が悪さしないように「手洗いだけだからすぐ帰ってくるぞ!」という意味。二月堂のあたりよっぽど天狗が多いのか(^_^;
場も祓い
練行衆も祓いを受け、
そしてみんな参籠所へ帰って行った。
この日の深夜からいよいよ行は始まる。
静けさと人気のなさを取りもどした二月堂に上がって見る。
こんなご時世にこそ、祈りは必要なのかも知れない。(祈りだけでは足りないとしても)
大中臣祓をもって、参籠所の前にも結界がはられ、本行の場の結界は完結する。
これに先立つ21日の注連縄撒きに来年は行きたいなあ。
練行衆として出仕しはる塔頭の玄関にはその注連縄がかかる。
ご無事の満行を祈る。
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