家具屋姫さんのワンコイン「茶事」 - 2020.03.03 Tue

播磨国の家具屋姫さんとこへ行くのは2年ぶりくらいだろうか。昨年は思わぬ悲しい出来事があって、ずっとお休みをされていた。
他人が知ることの出来ない色々な思いが渦巻いておられただろうと思うが、とにもかくにもお茶をしようと思われたことに安堵する。
家具屋姫さんのお茶はいつもとびきりユニークで、それでいてしみじみ心に残る。
コルトレーン茶会、JAZZ茶会、ホームレス茶会、、、なにより印象深いのが百均茶会であった。
最初は百均?まさか〜となめていたのに、実際いってみると、百均の道具とお手持ちの道具との境をまぎらかし、どれが百均でどれがそうでないか、全く区別がつかない。その上センス良く使われているので、すごくすてきな室礼になっていた。なめていてゴメンなさ〜いと思ったものだった。
四畳半の茶室に席入りすると蝋燭がともされ、ちょうど利休忌でもあり、mourningの雰囲気も漂う。床にはブラックホールを思わせる作家さんの絵画、お線香が一本。
亭主と客が対面する形の流し点てで。一服を献茶とし、薄茶をそれぞれいただいた。
この日の会費はワンコイン、それも某茶道団体へ寄付されるという。お菓子がうす〜い羊羹一切れです、というお知らせに、足りないかも、、と阿闍梨餅を買っていったのだが、無用の心配であった。うす〜い、というのは冗談で、しっかりした羊羹、それも日にちを測って、羊羹の表面に砂糖結晶の皮膜ができるかできないかの絶妙なタイミングでご用意くださった。
お茶をいただいたあと、離れのすてきな空間にいざなわれる。こちらに入るのは初めてだ。小さなカウンターキッチンもあり、すべて家具屋姫さんの設計だというのにも驚く。
暖かくなったので、使う必要はなかったが暖炉もあり、ここでおしゃれなグリーンサラダ、家具屋姫さん特製(これもあちこち食べ歩いて研究を重ねた)の粉もんをいただく。
とても百均とは思えないグラスやお皿!おしゃれ〜♪
順序は逆であっても、これは立派な点心、だから今回のお招きは家具屋姫さん流の茶事であるな、と思った。これまでいろんな形の茶事をあれこれ楽しんできたが、また新しい茶事の形を体験させてもらった。
日々の暮らしの中では様々なことがおこる。一様に平坦ではない。そんな暮らしの中で、茶の湯もまた心の支えとなりうることを改めて感じた。
家具屋姫さん、御連客さま、ありがとうございました。
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