久御山の椿寺〜浄安寺 - 2020.03.26 Thu
久世郡久御山は京都では数少ない市でなく郡である。宇治の南、かつて王城の南の守りであった、朱雀をあらわす巨椋池も近かったという。

久御山にある浄土宗知恩院派・浄安寺
知人にここは椿寺とよばれるほど椿がすばらしいと聞いて、はるばるやってきた。建立は平安後期、ご本尊は伝快慶の阿弥陀如来という。
入り口にはささやかな張り紙、これがないと入ってよいのかどうかためらうところ。
境内にはすでにあちこちに多種多様の椿が、、、
椿が、、、、
これは日光(じっこう)かな。
なんと清楚で美しい
赤子の頭くらいありそうな大きな椿もあれば、
親指くらいのかわいらしい椿も
ところが境内の椿だけじゃないのである。
本堂の扉の「入り口」に勇気をもらってそ〜っと入ってみると、、、
おおお〜っ!
おおお〜っ!
毎年椿展の間、境内に咲く椿が同じく境内の枝モノと、それぞれちがう花器に生けられている。
なにせ240種!(どんどん増えているらしい、、)を超える椿が境内にあるのだ。
椿ほど名前と種類が多い花は他にはないのではないかしら。茶花としてよく使われるが、いつもその名前を聞いて覚えられんな〜と思っている。
さらにご住職の、御年80を越えられたお母様がそれぞれの花の名前、添えた枝の名前、花器の窯元をご説明してくださる。実はこの方こそ、浄安寺が椿寺とよばれる元となった椿を育てお世話されている方。
使い終わった椿の枝をもらいうけては挿し木で増やし、花器もかしこく集められたり、お参りの方が寄進されたり、、で、先代の御主人であるご住職に「もういい加減にしておけ」とたしなめられたこともあるとか。
ちなみにこの花器は、赤膚焼の窯元の入り口に山積みになっていたもので、1000円で賢く入手されたそうだ。
これは「王冠」という名前のゴージャスかつ珍しい椿。添えられた雪柳?の入れ方がただものではない、と思ったらやはりお母様、お茶の先生をされておられるのだ。
椿だけでなく、枝物もどれ一つとして同じ物はなく、すべて境内にあるとは、茶花に苦労している茶人たちがどれほどうらやましく思うことか!
花が落ちればまたちがう椿を、、と生けていくので日替わりで珍しい椿を拝めるのだが、その作業は大変だと思うが、でもきっと楽しい作業なのだろうなあ。
それにしても、お母様、椿、枝もの、の名前も花器の窯元もすべてそらんじておられるのが素晴らしい。80才越えてかくありたいものだなあ、と思う。
さて、これが浄安寺が椿寺となった出発点と言っていいかも。江戸時代からここでしか見られない固有種・浄安寺という名前の椿である。これは秘して花一輪葉っぱ一枚持ち出してはならぬ、という寺訓があるそうで、八重でこんなかわいらしい小さな椿は見たことがない。
浄土宗知恩院派のお寺なので、知恩院の近くから来た、と言ったら懐かしいとおっしゃって、知恩院周辺、祗園あたりは昔自分の庭のようだったとおっしゃるお母さまに御礼を言ってお別れした後もしばし庭の椿探訪。
盛りの花もあれば落ちて朽ちてゆく花もある。人生かくの如し。
境内で椿をたずねてしばし探検。
そして駐車場にも椿が浸食しているのも発見!
お母様、すごい!
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高兄様
行き帰りはクルマで、お話はお母さんと2mあけて、とコロナ対策バッチリ!
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ほう、久世郡まで、椿を
粋ですなぁ^^
その行動力が、素晴らしい
姐御のパワーには、コロナが逃げていきます^^v