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2017-10

「欧米が愛した輸出蒔絵の華ー芝山と杣田」〜清水三年坂美術館 - 2013.08.02 Fri

あまりにも観光化されすぎてかつての面影のない三年坂。

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あまりここへは足を運ぶことはないのだけれど、久々にやってきたのはこちらの特別展を見たいがため。

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清水三年坂美術館。幕末、明治の比較的新しい時代の七宝、金工、蒔絵、京薩摩を展示してはる美術館で、一度は行きたいと思いつつもあまりに観光地なので遠慮していた次第。

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今回私の好きな蒔絵がテーマということで、久々に三年坂に足をむけたのです。

「欧米が愛した輸出蒔絵の華ー芝山と杣田」

明治の欧米文化流入で行き場をなくした伝統工芸品が、反対に欧米に流出することによって再評価されだした時代。政府の殖産興業政策によってそれまで需要を失っていた職人達が欧米好みの輸出品を作るようになった、そのころの作品群。

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確かに意匠は欧米向きというか、日本人好みの侘びさび渋みとはちょっとちがう、なんというかキャッチーというか派手というかゴージャスというか。なのにそれらのなかにも、当時の職人の卓越した仰天ものの技術と古来からの伝統的美意識が、これでもか!というくらいせまってくる迫力があります。

芝山は千葉県芝山町出身の大野木専蔵の考案による技術で、のちに江戸で流行し「芝山象嵌」として有名に。刀の鍔などに好まれたそう。
貝、鼈甲、象牙、珊瑚などを細工して遠くから見れば絵のようにみえるのが、近づくとすべてこれらの細工でできているのでびっくりする。図柄は花鳥風月の中国絵画風なものが多いかな。大ぶりの貝細工などダイナミックにば〜んと貼り付けてあると思えば、5mmくらいの梅の花に細かいおしべまで彫り込まれるようなミクロの仕事まで。

こりゃ、すごいわ。日本の職人技はほんとうにどうしてこんなにすごいのだろう。驚け!当時の欧米人!(?)
当時の日本人が捨て去ろうとして、行き場のなくなった腕に、ここぞとばかりよりをかけたのだろう。その情熱が伝わってくるようだわ。

絢爛豪華と思えば、色数をおさえた印籠にぽつっと一つ、赤い珊瑚がひかるこの効果。これぞ日本の美意識だ。わかるか?当時の欧米人!(スミマセン^_^;)

対して杣田は超微細で幾何学的なミクロの青貝蒔絵細工。江戸初期の富山藩主が青貝師杣田清輔を京都より招請し,藩の青貝師として重用したことに始まります。
意匠は細かい幾何学模様を得意とするらしく、むしろアラベスクに近い。七宝繋ぎ(しかも1紋様が数ミリの大きさ)、青海波、六角の籠目、網目、ヨーロッパの美術館などでよくみるような装飾に似たデザインも。
そして青貝の光は静かで、妖しくもあり、七色にも見える。これどれだけ薄いんだろう。0.1㎜とかそんな感じ。昨年香雪美術館で見た江里佐代子さんの截金細工を思い出す。こういう伝統の上に江里さん(故人。人間国宝)の仕事も発展していったのだろうか。しかし、、、、こんな青貝の香合が一つ、、一つでいいから欲しい、、、。・゚ヾ(゚`ェ´゚)ノ。゚・。

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しばし別天地に心を遊ばせ、観光客でにぎわう三年坂へ出る。でもこうしてみると、やはり京都らしいよい風景だなあ。(=だから観光客もたくさんくる=混雑がいやになる=行かない、、、の撞着)

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二年坂も通り過ぎ、、、

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うふふ。やっぱり最後は甘い物で締めないとね。
高台寺前の都路里にてかき氷。冷房の効いた店内で冷たいお茶を飲んだ後の氷、、、、完食できず。やはり氷は熱い外で食べるべき。(そういえば屋外の席もあったんだ。そういうことか)



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● COMMENT ●

おそらく幕末から明治にかけてが日本の工芸の絶頂期ですね。
「そこまでやるか」な無茶な感じが大好きです(笑)。

私はアイスが!食べたいです。今年はまだ食べていません。
もちろん蒔絵は好きです

relax様

やっと行けました、こちらの美術館。
それ以前の(欧米むけでなかったころ)ものとはずいぶん雰囲気が違います。
工芸もまた時代を映す鏡なんですね。
薩摩焼もたしかにすごいですが、茶席にはちょっとアレなんで、、、(^_^;

ひいらぎ様

かき氷は今年食べ過ぎくらいたべていますね〜。
だって尋常じゃない暑さなんですもの。
これって意外とダイエットの敵ですな。


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清水三年坂美術館

清水三年坂美術館は名前が示す通り、清水寺門前産寧坂(三年坂)にあります。 前の通りは、清水寺を訪れる多くの観光客でごった返していますが、案外みな素通りしていきます。 地味な外観なので、ここに美術館があることさえ気付かずに通り過ぎる人も少なくないのかもしれません。 美術館は規模こそそれほど大きくありませんが、ワタクシ、展示品にシビレました。 繊細かつ緻密に作り上げられた工芸品の...

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