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2023-12

ようやくオープン、京セラ美術館(旧・京都市立美術館)〜「瑠璃の浄土」杉本博司 - 2020.06.02 Tue

本来なら長い改修休館期間を経て、3月に堂々グランドオープンされるはずだった京セラ美術館(多くの京都人の中ではまだ市美)。延期につぐ延期で、企画展は5月はなし。(満を持してのリニューアル開館お披露目の企画展は6月2日から。)



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それもようやく開館のはこびとなった。ただし、当座は京都府民限定、時間限定で予約(予約サイト、、または電話075-761-0239(10:00〜18:00))必要。
これは夜の美術館、ブルーにライトアップは新館・東山キューブで開催中の「瑠璃の浄土」にちなむ瑠璃色かなあ。



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さて、朝の美術館。



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すでに予約時間前に行列ができ、「SD(social distance)をとってくださ〜い!」との呼びかけが。


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体温測定の後アルコール消毒してSDを守って入館、チケット購入。チケットはバーコード読み取り方式、出入に必要。


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昔の堂々としたクラシックなエントランスは閉鎖されて、一番広い展示ホールだった場所がエントランスホールになっていた。この様式、ヨーロッパの少し新しい美術館によくあるようなパターンだ。
ここから奥へ行くと東山キューブ、右手に常設展治場。企画展はどこでされるのだったのかな。



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このらせん階段はちょっと意味がわからない(^_^;

さて、お目当ての新館・東山キューブ、杉本博司「瑠璃の浄土」展へ。



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キューブは右手の建物(入館前に撮影、ここは外部になる)、この景色は何度も外から見て、「(オープン)まだかな、まだかな。」と思っていた。(ご近所さんなのでしょっちゅう前を通る)



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それを内側からみるとこうなっている。


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コロナで京都市内の美術館・博物館が総休館に入る直前、これとリンクした細見美術館の杉本さんの飄々表具展に行ったのがもう一月半前のことなんだなあ。
彼のインスタレーションは古美術・仏教美術コレクターとしての基盤に支えられているのでほんとに見応えがあって好きだ。

三十三間堂の千体千手観音を美術館の一室に召喚した作品(「仏の海」)では、一番惹かれたのが中央の国宝千手観音様の写真の前におかれたホンモノの吊り鉄灯籠。「慶長辛丑年五月吉日極楽寺」の透かしが入る。西暦1601年である。またその前に置かれている木の棒が東大寺転害門垂木だなんて!

ここ、岡崎の地にかつてあった法勝寺の瓦はこの場所にふさわしく、またガラス(瑠璃玻璃)の茶碗数点は仕覆が本物の名物裂で目を奪う。白玻璃の多面カットの気泡入り薄生成色の茶碗は、正倉院御物でたしか見たものと重なる。


     瑠璃の浄土は 潔し
    
     月の光はさやかにて 像法転ずる末の世に遍く照らせば底も無し (梁塵秘抄)



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ガラスの廊下にて一休み、ここはいつも通り抜けをしているところの裏庭の景色を楽しめる。



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ここの池に浮かぶのがガラスの茶室の「聞鳥庵(もんどりあん)」
ここでほんとは千宗屋さんがお茶を点てられるはずだったのにね。細見美術館の杉本X宗屋対談もきれいさっぱり流れてしまった。



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ここにある、これも杉本さんのインスタレーション、光が当たるとプリズムが綺麗な虹を作るらしい。



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この廊下からエントランスホールを見た景色。


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旧館は展示はないが建物拝見ができるので行ってみる。かつて市美であったころなんども行っているはずだが、こんなにじっくり建物をみていなかったなあと思う。



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これは旧館のミニチュア、リニューアル後のミニチュアもならんでいた。どこがかわったか比べられる。古い方には私が好きだったけどなくなってしまった中央入口の階段とスロープを見つけて切ない。



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やはり建築的には昔の方に軍配が上がる。
近所の書道教室の展示やら、小さい展示もよく行われていたことを思い出す。


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この正面がかつての入り口、現在は閉鎖されてしまった。



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かつてはこの景色を見ながら入館したものだ。
(東博とか民藝館とかと同じつくりやね)



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しばしかつての面影をさがし、ヨーロッパ絵画のような景色をあれこれ写真におさめる。



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光の広間というアトリウム
ここは以前はどうなってたっけ。この白亜と晴天の空の組み合わせが南欧っぽくて、今度行けるのは一体いつになるのだろうか???と思った。



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地下にあるミュージアムショップ
かつて美術館には珍しくショップ自体がなかったからね。


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ショップの反対側が待望のカフェである。
むか〜し美術館の裏手に独立した小さなカフェがあったが、あれがなくなってから一休みしてお茶できるところがなかったのだ。



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お昼時なのでプレートランチを頼む。食事系も充実、美術館カフェにしては(^_^;メニューも豊富で美味しかった。おなかいっぱい!



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ショップとカフェの前は外から見ると「ガラスのリボン」になるところで、外の景色がよく見える。平安神宮の大鳥居は映り込むと京都らしくてオススメ。



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北西の出口はちょっとルーブルのガラスのピラミッドを意識した?と思われるが、ちと色彩がうるさいかなあ。


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最後に夕刻前を通った時の聞鳥庵の景色。
この茶室の前の渡り廊下は玻璃だったのね。


<追記>
本日(6/2)より開催、企画展「京都の美術250年の夢〜第一部:最初の一歩:コレクションの原点」に行ってきた。



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会場は常設展の向かい、左右対称の左手だった。


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アトリウムはこんなことになっている。

大禮記念(昭和天皇御即位)京都美術館開館(昭和8年)、その設計建築(コンペで選ばれた)から最初のコレクション、展示をどうするか、で旧都・京都の矜恃をかけた一大プロジェクトであったことがよくわかる。

今までバス停前の入り口のポールにかかっていた「(大禮記念←此処の部分は剥がされている)京都美術館」のプレート、いつでも見られたのが美術館の歴史を語る展示でガラスケースの中にいれられていたのはちょっと切ない。



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こちらは東山キューブの屋上のパブリックスペース。
粟田山の緑がきれいだが、、、、暑い、、、。






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