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2023-12

草喰なかひがし〜水無月の摘み草ご馳走 - 2020.06.09 Tue

コロナ明け(まあ中休みかもだけど)最初のグルメは銀閣寺畔草喰なかひがしとなった。



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ご存じ、とっても予約のとりにくいお店である。1年半ぶり、今回も関谷江里さんのクラブエリーにお世話になった。前回きっとこれで最初で最後かな〜と思っていたが、再訪できるとは、しかも緊急事態宣言終了後初とはありがたい。



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まだまだ完全終息とはいかないけれど、こうした生活を少しでもとりもどせることはしあわせである。前回は師走のあわただしいときであったが、今日は初夏〜梅雨前の季節の料理、草喰のコンセプトでもある「医食同源」、お互いに感染しないよう工夫をしての食事である。



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最初にでてきた前菜の籠におもわず歓声があがる。
籠の上にそれぞれあしらわれたのは小紫陽花の花。花が一つ数ミリのかわいらしい花である。(シモツケに似てなくもない)



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大葉イタドリの葉の上に並ぶのは、天然独活、その上にのっているのは春に大将が摘んで乾燥させておいた土筆なんである。
根曲竹、蛙の口に見立てたそら豆、花背の清流でとれたじゃこ、山蕗の湯葉巻、青梅の甘露煮、日本海の小鯖と山椒の葉っぱのはいった寿司、蕨の黒酢漬け

海山の幸を美味しくいただく。



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蓋を開けた後は小紫陽花の花をそれぞれ小さい升に生けていただく。おしゃれやわ。



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加茂茄子に山芋のすりおろし、これがまた絶品の汁であった。懐石にこのアイデアはいただきやな。
少しはみ出ている茄子が氷山で、すりおろしが溶けた雪でございます、と大将の絶好調の口上、健在や。



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お、あそこで摺り摺りしているのは、、、蓼ではないかしらん。
、、、ということは、、、



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やっぱり鮎や〜初物や〜!



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清流に見立てた器に鮎、そして玉ねぎは水紋である。ちょんと乗っている黒いのが数年モノのもろみ。川魚が苦手な私であるが、ここの炭火で焼いた鮎はほろ苦さも美味しいと思える不思議。そして蓼酢はもちろん飲み干しましたよ。フレッシュな蓼は全然苦みもないのね。



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朝風きゅうり(京野菜)のすりおろしの下に隠れているのが安曇川の清流で泥を吐かせた鯉のおつくり、全然生臭さなし。白醤油でいただく。鯉の煮こごりがまた絶品。
大根の花、緑のちいさいのは種、そして大根(根)、、「大根の一生でございます(^.^)」



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煮物椀は「水無月」
この三角の水無月は蓬、豆、山芋でできている。上に乗るエンドウ、小豆は魔祓いのため、船に見たてたエンドウに櫂としてこのこ(お酒すすむやつ〜)、夏蜜柑の皮と初物のじゅんさい。
川舟だから、器の蓋にも沢蟹



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懐石で最初に出すアルデンテのご飯、少し芯があるくらいの水分多目。自分の懐石でこのご飯はいまだに炊けない。



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笹の葉の下には無農薬のたんぼでとれたタニシ
上にのるのはサバのなれ寿司。鮒寿司はどうも苦手なのに、このサバのやつほんとチーズみたいで美味しい。なれ寿司が美味しいと思ったのははじめてかも。



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炊き合わせは「ノアの箱船」だそう(*^_^*)舟形の器に。
蕗、虎杖、唐辛子、たけのこ、生節
お汁もしっかりいただく。そこらに生えている雑草の虎杖(イタドリ)がどうしてこうも美味しく料理できるのか。



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そして女将さんの帯が、、、
ノアの箱舟にあわせて鳩であった!(オリーブの枝をくわえているかどうか確認できず)



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本日のメイン、鹿肉。北山の野生の鹿である。白味噌と米油のソースをからめて。鹿肉は美味い。奈良市民には申し訳ないけど(^0^;) 添えてある山椒の葉っぱと一緒に食すとまた格別。



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強肴は間引き山葵菜、タラの芽、独活、山葵菜の花を添えて。


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蕗の葉のたいたんと上にのるのはなんと柿の花。
よく噛めばそういえば柿のほのかな、、、



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〆はおくどさんで炊いたご飯には、めざし(鰯雲のお皿!)これぞ日本人の朝ご飯。



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おこげもお好みの食べ方で。
私はParis式(大将言うところのパリパリを塩で食べる)で大好きなおこげをいただく。
他にもNewYork式(お湯漬け ご飯が入浴してるから)、アラブ式(内容失念 
アラブ=中東、、なかひがし、、、(^0^;))

ダジャレ健在!



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デザートは蓬のシャーベット、紅茶ゼリー、桑の実
これは美味しい。今度蓬つんだら試したい。



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お約束のコーヒーをいれるパフォーマンス。いよっ!お上手!



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冷たいコーヒーの御供は、蕎麦の実の入った金平糖と、今年自粛生活で自分でも作ってみたところの「蘇」。こちらの方が格段においしいけどね。


お腹一杯である。しあわせ。
本来、この会は昨年末に行われる予定であった。お店のご都合で延期、最初6月になると聞いたときにはえらい先やな、と思っていたが、先見の明というかラッキーというか、3月4月ごろだったらとてもひらけていなかったと思われる。こうして最初のご馳走にまた集えたのはほんまにありがたいことやなあと、繰り返し思うのである。



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