fc2ブログ
topimage

2023-09

年の瀬の茶事 - 2012.12.17 Mon

師走のあわただしい中でも、お茶は別!
という方々が年の瀬茶事においでくださいました。

P1010696.jpg

お正客がこの日誕生日の友人でしたので、待合には紀貫之の宇多天皇還暦の寿ぎの歌を。
(N様、いただいたお軸、時を得たお披露目できました。ありがとうございました。)

冬至も近いので、錦でかった柚子をのちほどお持ち帰りいただく。

P1040985.jpg

今回もお茶の道では先輩のWさんに水屋に入っていただく。
有能な水屋がいると裏方仕事は任せて安心なので、席に集中できます。

P1040977.jpg



さて、趣向も考えたし、準備は万端、、、、だったんですけれどね。

P1040975.jpg


肝心のお点前がちょっと自分でもなさけなかった。

P1040965.jpg

重ね茶碗はいつもやってるしできるはず、、、とタカをくくって稽古もせず、ぶっつけ本番で。
結果はもうぼろぼろでかなりお恥ずかしい。

P10409722.jpg


日ごろのお稽古がいかに大切か、思い知ることになりました。

P1040961.jpg


極めつけは濃茶の追杓のとき、柄杓の合がぽろっととれてお湯をぶちまけたことかしら。
さいわい茶碗の中は無傷だったので、なんとか練り上げましたが、このアクシデント、きっと御参席のみなさまの後々までの語りぐさになるんだろうな〜、、、


きゃ〜っ!! 。・゚゚・(>_<;)・゚゚・。


P1040971.jpg


全然準備万端じゃないじゃない。


P1040966.jpg
(木守り:蓋置)


趣向が楽しければそれでいい、という人もいるかもしれませんが、自分が満足するにはほど遠い。
楽しむべき所は楽しむけれど、お茶はやはりもっと真剣勝負をする姿勢でのぞまなくてはならなかったと反省。

P1040983.jpg
(宝船にみたてた釣船花入。白玉椿)

最近ツイッターでフォローしている熱い若者茶人のツイートに頭が下がる。

”今日も稽古である。 昨日も稽古である。 一昨日も稽古である。 昨日一昨日も稽古である。 勿論、 明日も稽古である。”

P1010702.jpg

それでもすばらしかったのは懐石とお菓子。
(全部私以外の手柄です。(T_T))

仕出しの三友居さん、我が家の狭いキッチンですごく手際よく最高の懐石をくりだしてくださる。
料理を出すタイミング、引くタイミングについてもいろいろ勉強になることをたくさん教えていただきました。

P1010695.jpg


お酒は神戸のお酒、福寿。
山中伸弥教授をはじめとするノーベル賞授賞式の晩餐会で供されたお酒を用意いたしました。

P1040982.jpg

これは山もとさんの創作菓子。

最初顔見世にちなむものを、ということで「暫」の枡形をモチーフにしよう、という話でしたが、その直後の勘三郎さんの訃報。

そこで考えて下さったこの菓子は定式幕に角切銀杏・中村屋の紋。
銘を「決意の口上」。

すばらしいですね。
亭主のへたれを救ってくれたお菓子です。

P1040967.jpg

亀廣保さんのお菓子は一幅の日本画のようです。


P1040991.jpg

かくして茶事は終了し、お手伝いのWさんと残心、、、というか反省のお茶を点て合ってお見送りしたあとはほんとうの独座観念。

P1040988.jpg

お炭は胴炭まできれいに燃えて、上げようとしてさわると、ほろほろと崩れる。
良い感じ。
寒い季節は炭火の美しさがことさら感じられます。

P1040995.jpg


外回りの片付けを終わるとあたりはもうすっかり暮れています。

P1040994.jpg

見上げれば三日の月。

次回はもっと真剣勝負でがんばろう、、く( ̄△ ̄)ノ

関連記事

● COMMENT ●

御盛会であられたご様子、まことにおめでとうございます。
また、このような盛事にお軸をお使いいただき大変光栄に思います。
本当に準備から万端に至るまでお心遣い
大変であられたであろうと拝察申し上げます。
お疲れさまでした。

私は年末に例の恐ろしい会を開催します。
今回は後西天皇が名づけられた勅銘香というのを聞くのですが、
私の場合は首尾万事みんな丸投げですが、それでも結構気遣いします。

いずれにしろ、一座を建立するのは大変ですが、本当に楽しいですね。

茶事は何度してもきっと課題が残ると思いますが そうやって100会を目指せばいいのだと思います。

客は準備された亭主に想いをはせ 茶席に入ったときに 庭の鳥の声を合図に始まり どのような事があっても凛としたお茶を楽しみます。途中 たとえ柄杓の合が外れるようなことがあっても それをものともせず 練り上げられた濃茶は格別美味しく 至福のときでしたねえ。
先日 読んだ本から キリスト教では年末の最後3日前は今年あったことを反省し 2日前には今年あったいいことを思い起こし 1日前は次の年をどのような年にするか静かに考えるのだそうです。
さあ これから年末に向かい 頑張らねば。

N様(^^)

ウン年後の自分の還暦茶事に使おうかな、と思っていたのですが、思ったより早くつかわせていただく機会を得ました。
ほんとうに貴重なお軸をありがとうございました。

おとろしい会はますますおとろしさ度を上げているようで、勅命香といったら博物館か茶家が秘蔵している物ではないのですか?
え?それ切っちゃっていいんですか?
私は嗅覚もにぶいので、もったいなくておとろしくて聞けそうもありませんわ〜。

ひいらぎ様

おはずかしいところをたんとお見せしてしまいましたが、まあ、これが今の自分の実力ですわ。
アクシデントがなければ濃茶の練り加減は前回よりましになったと思います。おいしいといっていただけてうれしいです。
ちょっと褌(?)をしめなおして、自主稽古をまじめにやります。
でも、お茶事のプランをたてるのは楽しいです。
もはや、やみつき。(←あまり懲りてない?)
次はもっとましなお茶をさしあげたく存じます。
御参席、ありがとうございました。

しぇる様
点前座は別名忘れ畳と申します。いつもはよくおできになられますのに 私はきっと準備に忙しくてお疲れなのだと思っていました。
実力はもっともっとありますよ。
小さな積み上げですよね、私たちって。自分の立ち位置を確認しなかが 1日1日を楽しみたい。

ひいらぎ様

忘れ畳!!
確かに、、、、(^_^;
実力を発揮できないのも実力のうち、これからあんまり大口をたたかないようにしよう、、、、、

プロが台所に入って懐石を作くる茶事なんて、花咲たった2度だけしか行ったことがありません。一度は、茶事のために障子や畳をかえられているとかと言う(大そうな(失礼))茶事で、先生のお供でした。
 二度とも、お寺さんの茶事で・・・・
しぇるさん、すごいです!!
 合が外れるなんて、そんなこともあるんですねぇ・・・・「亭主、そのとき少しも慌てず」・・・・ですね。

 みなさんが帰られた後、ホロホロと崩れいく炭を見ておられるしぇるさん。気持ちが伝わってくるようです。

花咲おばさん様

柄杓の合が釜の中に浮かんだ、、、という話は聞いたことがあるのですが、こんなことが我が身におころうとは、、、ほんまにもう、きゃ〜っ!!!です。
仕出し出張はたいそうなことと私もおもっていたのですが、意外と気楽に利用できると思いました。あちらはプロでもう慣れてはるし、費用も思ったよりおりこうでしたよ。
また、出張仕出しで茶事やりますか?>^_^<


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/14-dc216dec
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

京都会館〜この景色を目に焼き付けて «  | BLOG TOP |  » 茶事の準備と洛中レトロ建築ウォッチング

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (385)
茶事(亭主) (82)
茶事(客) (171)
茶会(亭主) (17)
煎茶 (9)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (108)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (29)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (138)
奈良散歩 (128)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (9)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (13)
中国茶 (48)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (1)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (3)
信州旅行2023 (2)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR