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池田炭〜能勢炭のお話 - 2020.09.11 Fri

お茶をする人にはなにより大切な炭である。昔は生活の中の必需品として、だれもが扱えた炭であるが、いかんせん、現代を生きる我々にはちょっと扱いづらいアイテムだ。いちいち熾さないといけないし、継ぎ足しもせねぱならぬ。茶の湯の間だけ、昔にもどって炭を熾す。しかしながらこれがまた茶の湯の楽しみにもなっている。炭がおこるときの金属音、かすかな匂い、炉の中で赤く光るように燃えるのを見るのも楽しい。火鉢など、いつまでも炭をいじっていたいような気持ちになる。そして炭で沸かしたお湯で点てたお茶は美味しいのだ。

その炭を作る職人さんの数がだんだん減って、絶滅危惧種、へたしたら炭手前など出来なくなるのではないかと、心配する人も多い(お茶の周辺の人だけ?)。実際茶家では良い炭を買い占めているというウワサも聞く。



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その炭を実際に能勢(大阪府豊能郡能勢町)で焼いておられる炭焼師小谷義隆のお話しをオンラインで聞く機会を得た。主催はTea Knot、主幹はEちゃんである。



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まずはその能勢の菊炭でEちゃんの炭手前、画面の一部でだんだん炭が熾っていくのを講座の間中見られるように。

菊炭はその断面が菊の花のようにきれいに割れ目が入っているもので、茶の湯炭としては最高のものである。多くは能勢の山の中で焼かれてきたが、集荷地が池田(大阪府池田市)であったために池田炭ともよばれる。関東は佐倉炭が有名で、東の佐倉、西の池田と並び称されたとか。
空海が唐から製炭技術を伝えて以来、1145年から明治になるまで、池田の久安寺から宮中御用炭を献上していた記録があるという。現在の池田炭の技術は16世紀ごろ考案されたらしい。

樹齢7〜8年のクヌギの若木を用いる。ちなみに楢炭もあるが、クヌギに比べてどうしても菊割が単純なのだそうだ。木の水分が少ない冬の間、伐採炭焼き、原木を窯に入れて出すまで2週間、これを何度もくりかえす。炭焼き作業の動画も見せてもらったが、外は粉雪が舞っているのに窯場の灼熱感が伝わってくるようで、これは過酷な作業だわ、と思う。ゆえに後継者不足になっているのもわかるような。さらに里山破壊、獣害などによるクヌギの原材料の枯渇、たしかに炭不足になる条件はそろっている。

それに負けず、菊炭という伝統産業、文化を次の世代に繋いでいこうと、小谷さんたちは「菊炭と里山を未来につなぐ植樹会」を行って広報にも努めておられる。その中から将来炭焼き師になろうと思う若者も現れるかも知れない。そもそもEちゃんと小谷さんとの出会いも、数年前のこの会だったそうだ。そういう話を知り合って間もない頃聞いた記憶があり、今回の講座はずっと彼女のなかで温めていたものだなと思った。

お聞きしたところ、現在小谷さんが把握している範囲内とはいえ、兵庫県1軒、愛媛1軒、石川県1軒、福岡県1軒、大分県?、、と全国的には100軒ほどしか炭焼窯がないそうだ。小谷さんところで年間10t製炭、その8〜9割が京都におさめているというから、やっぱりお茶は京都や、の感を深くした。



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さて、現在海外でも「世界の木炭の傑作」といってよい日本の炭は注目を集めているという。実際このオンライン講座参加者に海外の方も複数おられた。海外は化石燃料(石炭とか)が豊富であったため、炭にこだわりがなくこのような炭を作る必要がなかった。しかし今、遠赤外線で電子レンジ効果で炭でじわ〜っと料理すると美味くなる!というので興味を持つ人が多いと聞く。



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講座には池田炭の飾り炭がおまけについているので送られてきた。


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いや〜美しいのう〜♪
サイズ的に炭手前向きではないかもだが、輪胴に使えそう〜!




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