二月堂十七夜〜今年は盆踊りもなし - 2020.09.21 Mon

火ともし頃の浮雲遊園では鹿だけが夕食に余念がない。
二月堂の手前の手向山八幡宮の前の電灯が、秋の到来を感じさせてもの悲しい雰囲気だ。
今宵は十七夜、例年ならお堂の周辺の万灯籠や、盆踊りもあるそうだ。今年はみごとに中止、いつものお堂とさほどかわらない。
十七日は観音様の縁日、特に旧暦8月(新暦9月)は「十七夜」とよばれ特別なんだそうだ。大仏殿前の鏡池から二月堂の登廊(修二会でお松明があがってくるところ)からあらゆるところに灯籠がたてられ、それは見事な景色だという。
写真で見たのみだが、二月堂下の広場では盆踊り、それも河内音頭や江州音頭、だれでも参加でき、まさにカオス状態らしい。まあ、盆踊りはいいとして、万灯籠は残念である。
ちなみにここの盆踊りは関西では最後の盆踊りで、関西最初の夏祭りといわれる橿原のすももの荒神様にも今年はお参りした(お祭りは中止だが)から、なんとなく完結した感があるなあ、個人的に。
万灯籠とまではいかないにしても、お堂に入った燈火は美しい。
だんだん暮れていく奈良市街を眺める。修二会の時も同じだが、季節が違えばまた空の模様もちがうのだ。
登廊にも燈火が入る。
18時〜17日定例の観音様への読経が聞こえる。聞いても般若心経しかわからないが、観音経だったらしい。お堂の前には善男善女が静かに手を合わせている。こうべを垂れて、読経に聞き入る。信心深いとはいえない私も、自然にこうべをたれている。
献灯もしてふりかえれば、、、
奈良市街には夜のとばりがすっかり降りて、なにやらすざまじいまでの空の色だ。
ちなみにこの大木は良弁杉(開山の良弁僧正が子供の頃鷲にさらわれ、この杉の上にひっかかっているところを東大寺のお坊さん達に助けられたという)
読経も終わり、出仕口からでてこられて休憩所に向かうお坊様たち。お参りの人もこの時間は少なく、今年は静かな十七夜であったな。
そろそろお堂の扉が閉められる頃だがしばし燈火を楽しもう。
お堂の中の献灯は受け付けられていたみたいで、チラチラゆらぐ光りがゆかしい感じだ。
ご存知二月堂のシンボル瓜灯籠。
お堂を少し上がったところにある飯道社の近くでみつけた泥仏。おもわず頬が緩むくらいにかわいらしい。清水公照和尚が作られた泥仏にとても良く似ている。
来年の十七夜はいつもどおり開かれるといいね。でも人でごった返すのは好きではないので心で祈るのみ。(私には、むしろこんな感じで人がいないほうがうれしいのだが(^_^;)
本来なら灯籠が道の両脇を照らす裏参道もいつも通りで、ちょっとさびしいけど。
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● COMMENT ●
高兄様
う〜ん、奈良と京都の根本的な違いってなんなんでしょうね。
こまかいことはいろいろ語れても、本質の処でなにがどう、、というのは言葉にできません。
どちらも沼みたいに奥が深いので、一生浮上できないかも〜(笑)
こまかいことはいろいろ語れても、本質の処でなにがどう、、というのは言葉にできません。
どちらも沼みたいに奥が深いので、一生浮上できないかも〜(笑)
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二月堂の趣というのは、何とも良いものですねぇ
京都と、また違う魅力を感じます
京都より、もう少しだけ、時間の流れがゆっくりなんですよね^^