近江八幡・その1 水郷めぐり - 2020.09.23 Wed
思い立って近江八幡へ。
天気は、今にも降りそうだがふらないというあまり好条件ではないものの、ここへ来たらまずしたかった水郷めぐりへ。

豊年橋のたもとの近江八幡和船観光協同組合の船着場へ。一日10時〜15時〜の2回しかないので要注意(貸し切りはその限りにあらず)
近江八幡には内湖が散在しており、これらを結ぶ水路をつくり琵琶湖への水運を開いた。これが近江商人の活躍をさらに後押ししたのだが、近年内湖は埋め立てられ農地になり、景観が激変、簾の材料でもある葦(ここらでは「あし(bad)」とよばず「よし(good)」とよぶ)の群生地も危機をむかえた。それを憂えた有志が水郷の環境の保全と保護を訴える手段として、手持ちの手こぎ舟を持ち寄り、観光客をのせてはじめたのが水郷めぐりだそうだ。
観光としての人気が高まるにつれ、近江八幡市からの連携もあり、地域の事業として小学生の無料招待や、定年リタイヤ後の人の雇用、水郷周辺の植栽や葦焼きなどの葦群養生など、活動の幅をひろげている。この日の船頭さんも元サラリーマン、いままで和船など漕いだこともないし近江八幡のことも良くご存じなかったそうだ。それが今は手こぎで80分舟を漕ぎ、ガイドでしゃべりっぱなしという仕事がすっかり板についている。
この日は琵琶湖の水位がさがって、今までの最低レベルと同じくらいとのこと。
BSLとあるのが琵琶湖標準水位だから、それよりマイナス20cmくらいってことよね。
この日は天候が天候なので、乗客は4名とゆっくりできた。
さて、水郷に漕ぎ出でよう。
見事な葦の群生に歓声をあげてしまった。葦戸や簾でとてもお世話になっている。琵琶湖の葦が危機的状況と聞かされていたので大丈夫か?と聞くと世界中の簾を作ってもまだあまるよ、とのご返事(^_^; こうやって有志の方々の努力によって守られなければそうはいかなかっただろと思う。
この日は我々の舟と、もう一艘だけであった。
なんとものどかな。こぎ出せばもう車の音も町の騒音も全く聞こえない。
行く手には琵琶湖に生息する水鳥がたくさん。
これは川鵜かな。
白鷺、アオサギも。
そして成鳥でも手のひらサイズのカイツブリ=滋賀県の県鳥も。琵琶湖は<鳰の湖(におのうみ)>とよばれることもあるが、その鳰とはこのカイツブリのことなのだ。
舟はいくつかの広い内湖にはいったり、狭い葦の水路にはいったり、ゆらゆらと。まわりは農地に囲まれているため、どうしても畑の土がはいるから、水は澄むことがないのだそうだ。
こうして見回しても看板や現代的建築物などが全く見えない。市の規制があるそうだ。すごいな。(見習えよ京都市)
ちなみに水際に立っている竹はその下に魚とりの仕掛けがあって、地元の漁師さんが掛けた物。モロコなどがとれるそう。腕くらいの太さのあるウナギも捕れるそうだ(゚д゚)
ここの主だという鴨のつがい
鴨の餌付けを船頭さんがしていたが、市にとめられたとのこと(^_^;
さあ、また広い内湖にでた。
さて、あの山はなんでしょう?
そう、あそこにかつて信長の壮麗な安土城がそびえていたのですよ。地図で確認したら近江八幡と安土ってほん近くなんだな。
コースには入っていないが西の湖という最大の内湖があるのだが、ここはラムサール条約湿地帯にH18年登録された。
この方はボートを借りて釣りにでかける方らしい。ブラックバスやブルーギル、この外来種を駆逐しようと様々な試みが行われた事をしっているが、結局成功せず、彼らは居着いてしまったみたいだ。
船頭さんの後のこの水路が、水郷めぐりの一番人気スポット、春には左の土手は桜並木になり右手は菜の花畑になる。HP、ポスターに採用されている春の写真。一度その頃に来てみたい物だ。それもはじめからあったわけではなく、協同組合の船頭さん達が少しずつ植えて手入れしてできたものだそうだ。そうした地道な努力が実をむすんでいる。
さて、また狭い水路に入る。狭い場所では枯れた葦の茎が船内にはいってきて危険。
葦ばかりでなく、菅笠の材料ともなるスゲも自生する。また水中から生えているように見えるカワヤナギなども。
あ、向こうから別の舟。
自分たちの姿は外から撮れないので、こんな感じだと載せておこう。
風が吹くと、さらさら、さらさらと、葦が音をだす。これがまた美しい音なのだ。これが聞けるだけでも価値がある。春にはヨシキリが葦の中に産卵してまた鳴き声がかしましいのだそうだ。
水郷めぐりの終わりに、この葦を1本、船頭さんに取っていただいた。
(なににするかは未定、ストロー?)
*近江八幡水郷めぐり(近江八幡和船観光協同組合)→ http://www.suigou-meguri.com
*水郷めぐりについて → https://www.kokocool-shiga.jp/selection/57
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