fc2ブログ
topimage

2023-09

コスモスの般若寺 - 2020.10.27 Tue

奈良坂への道にある般若寺は、いまではコスモスが有名である。



IMG_3295.jpeg


ちょうどこの季節、境内いっぱいにコスモスが見頃を迎え、うなるくらい壮観である。


IMG_3301.jpeg



コスモスは明治に渡来した外来植物、和名の「秋桜」が百恵ちゃんの歌とともにおもいだされてなにやらゆかしい。



IMG_3313.jpeg



般若寺縁起は飛鳥時代に遡る。聖武天皇が平城京の鬼門守護のため大般若経をおさめた塔をたてたのが名前の由来とか。平家の南都焼き討ちで灰燼に帰したが、鎌倉時代にあの儲茶で茶の湯界隈で有名な叡尊たちの手によって復興。(でもまた松永久秀に焼かれちゃう  (^_^;)



IMG_3324.jpeg


本堂の入り口にもコスモス(*^_^*)
本堂に祀られる文殊菩薩騎獅像がとてもすてきだった。現在の文殊さまは、ここが南朝方であったため、後醍醐天皇の倒幕祈願のためにつくられたという。


IMG_3346.jpeg


ちょっとへなちょこな(ゴメン)絵だけれど、雰囲気はつたわるかしら。この文殊様は頭髪が少年に多く見られる八髻のスタイル、むしろ文殊につきそう善財童子を彷彿とさせてかわいらしい。たいして騎乗する獅子の迫力!阿倍野文殊院の獅子にはりあえそう。

♪ 獅子には文殊や 召さるらん〜 (謡曲「玄象」)


IMG_3325.jpeg



境内のどこからでも見られる現在の十三重石宝塔も、鎌倉時代に宋から渡来した石工によって作られた。昭和39年この塔の解体修理が行われたとき、塔内から後述する白鳳仏像他、多数の納入宝物が発見されたそうだ。



IMG_3296.jpeg



さらに境内のコスモスの間をめぐる。
このなにげ〜にある楼門が実は国宝!なんである。叡尊上人らによる鎌倉再興伽藍の西門で、幾多の戦禍をくぐりぬけて現在にいたる。


IMG_3338.jpeg



楼門の上には小さな北の守護毘沙門天様がいらっしゃるようだ。
この門も老朽化がすすみ改修にせまられ、勧進されているが、クラウドファウンディングにしてみてはどうだろう。



IMG_3315.jpeg


さて、境内はコスモスだけではない。


IMG_3318.jpeg



茶の花も茶の実もなっている。


IMG_3322.jpeg



カラスウリに、カタツムリもみえるだろうか。
ここは春には山吹がきれいだというから、またその季節にも来てみたいね。



IMG_3320.jpeg



境内にひっそりたたずむ藤原頼長供養塔、たてられたのは平成22年だからつい最近であるがすでに良い味出している。兄・忠通と藤原氏長者を争って保元の乱で敗れた頼長はこの般若寺の南にある葬送の地・般若野五三昧に葬られたゆかりで。のちに墓はあばかれ墓所は不明とか。どうしても頼長というと大河ドラマの山本耕史さんを思い出していかんわ。



IMG_3326.jpeg


一番奥の宝蔵堂では先ほどの十三重石宝塔から出た秘仏・白鳳阿弥陀如来の秋の特別公開中である。


IMG_3327.jpeg


身の丈20cmくらいの小さな金銅仏で、四頭身のかわいらしさ、白鳳スマイルをうかべておられる。持統天皇念持仏をその血を引く(曾孫)聖武天皇がおさめたものともいわれる。


IMG_3329.jpeg


こちらではコスモスの形の散華をいただいた。
ちなみに後の銅鑼をならすと、戸のかげにいるおばさんが戸を明けてくれる仕組みに(^_^;



IMG_3328.jpeg


この築地塀の破れ方が、奈良っぽくて(?)好き。


IMG_3332.jpeg


外来植物だけれど、意外と仏様に似合うコスモス


IMG_3336.jpeg



さて、最後に十三重石宝塔をふたたび拝んで般若寺を後にした。



関連記事

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/1470-08bee391
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

泉涌寺・悲田院 «  | BLOG TOP |  » 秋の花背〜石井まり子さんと

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (14)
茶の湯 (384)
茶事(亭主) (82)
茶事(客) (171)
茶会(亭主) (17)
煎茶 (9)
京のグルメ&カフェ (94)
町家ウォッチング (10)
弘道館 (7)
岡崎暮らし (108)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (65)
京都めぐり2023 (29)
京都めぐり2022 (29)
京都めぐり2021 (30)
京都めぐり2020 (19)
コロナ緊急事態宣言下の京都2020 (12)
京都めぐり2019 (28)
京都めぐり2018 (20)
京都めぐり2017 (30)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (14)
美術館・博物館 (138)
奈良散歩 (128)
大阪散歩 (1)
着物 (8)
京の祭礼・伝統行事 (60)
祇園祭2023 (9)
祇園祭2022 (11)
祗園祭2021コロナ下 (5)
コロナ下の祇園会2020 (1)
祗園祭2019 (18)
祗園祭2018 (11)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2023 (10)
修二会2022 (8)
コロナ下の修二会2021 (6)
修二会2020 (5)
修二会2019 (3)
修二会2018 (4)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (9)
京都和菓子の会 (4)
ソウル紀行2023 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
パリ紀行2014 (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
古筆 (1)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
京都でお遊び (13)
ギャラリー (4)
暮らし (13)
中国茶 (48)
京都の歴史・文化について勉強 (3)
過去ブログ終了について (0)
猫 (1)
滋賀さんぽ (21)
オランダ・ベルギー紀行2018 (9)
ニュージーランド紀行2019 (9)
台北旅行2018 (3)
高野山 (2)
骨董・工芸品 (1)
東京散歩 (2)
諏訪紀行2021 (4)
金沢さんぽ (1)
御所朝茶 (4)
有田2022 (1)
熊野三山巡り (2)
兵庫さんぽ (1)
太宰府 (2)
丹後旅行 (3)
仕覆制作 (3)
信州旅行2023 (2)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR