コスモスの般若寺 - 2020.10.27 Tue
奈良坂への道にある般若寺は、いまではコスモスが有名である。

ちょうどこの季節、境内いっぱいにコスモスが見頃を迎え、うなるくらい壮観である。
コスモスは明治に渡来した外来植物、和名の「秋桜」が百恵ちゃんの歌とともにおもいだされてなにやらゆかしい。
般若寺縁起は飛鳥時代に遡る。聖武天皇が平城京の鬼門守護のため大般若経をおさめた塔をたてたのが名前の由来とか。平家の南都焼き討ちで灰燼に帰したが、鎌倉時代にあの儲茶で茶の湯界隈で有名な叡尊たちの手によって復興。(でもまた松永久秀に焼かれちゃう (^_^;)
本堂の入り口にもコスモス(*^_^*)
本堂に祀られる文殊菩薩騎獅像がとてもすてきだった。現在の文殊さまは、ここが南朝方であったため、後醍醐天皇の倒幕祈願のためにつくられたという。
ちょっとへなちょこな(ゴメン)絵だけれど、雰囲気はつたわるかしら。この文殊様は頭髪が少年に多く見られる八髻のスタイル、むしろ文殊につきそう善財童子を彷彿とさせてかわいらしい。たいして騎乗する獅子の迫力!阿倍野文殊院の獅子にはりあえそう。
♪ 獅子には文殊や 召さるらん〜 (謡曲「玄象」)
境内のどこからでも見られる現在の十三重石宝塔も、鎌倉時代に宋から渡来した石工によって作られた。昭和39年この塔の解体修理が行われたとき、塔内から後述する白鳳仏像他、多数の納入宝物が発見されたそうだ。
さらに境内のコスモスの間をめぐる。
このなにげ〜にある楼門が実は国宝!なんである。叡尊上人らによる鎌倉再興伽藍の西門で、幾多の戦禍をくぐりぬけて現在にいたる。
楼門の上には小さな北の守護毘沙門天様がいらっしゃるようだ。
この門も老朽化がすすみ改修にせまられ、勧進されているが、クラウドファウンディングにしてみてはどうだろう。
さて、境内はコスモスだけではない。
茶の花も茶の実もなっている。
カラスウリに、カタツムリもみえるだろうか。
ここは春には山吹がきれいだというから、またその季節にも来てみたいね。
境内にひっそりたたずむ藤原頼長供養塔、たてられたのは平成22年だからつい最近であるがすでに良い味出している。兄・忠通と藤原氏長者を争って保元の乱で敗れた頼長はこの般若寺の南にある葬送の地・般若野五三昧に葬られたゆかりで。のちに墓はあばかれ墓所は不明とか。どうしても頼長というと大河ドラマの山本耕史さんを思い出していかんわ。
一番奥の宝蔵堂では先ほどの十三重石宝塔から出た秘仏・白鳳阿弥陀如来の秋の特別公開中である。
身の丈20cmくらいの小さな金銅仏で、四頭身のかわいらしさ、白鳳スマイルをうかべておられる。持統天皇念持仏をその血を引く(曾孫)聖武天皇がおさめたものともいわれる。
こちらではコスモスの形の散華をいただいた。
ちなみに後の銅鑼をならすと、戸のかげにいるおばさんが戸を明けてくれる仕組みに(^_^;
この築地塀の破れ方が、奈良っぽくて(?)好き。
外来植物だけれど、意外と仏様に似合うコスモス
さて、最後に十三重石宝塔をふたたび拝んで般若寺を後にした。
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