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2023-06

高野山<後編>〜護摩修法と茶籠で野点 - 2020.11.09 Mon

翌日は、空海が嵯峨天皇に賜った土地に最初に諸堂を建立した壇上伽藍から。



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しかしながら建物よりもどうしても紅葉の美しさに目を奪われるのである。


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あちこちガイドブック通りに廻ろうと思っていたが、ここで初めて高野山に来て宗教的体験をして、1時間ばかり時間を費やしたのが、、、、



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愛染明王を祀る愛染堂の護摩修法であった。
ちょうどまさに始まりを告げる鈴がならされたところである。

真言密教の仏具はどれも興味深い。それらが並ぶ護摩壇の前で若い僧侶が無言で真言を唱える。お堂の中で正座してその様子を見守ること約30分、そんなに長くなるとは思わなかったが、足を痺れさせながらすわっているとなにやら心がおちついて、お堂に吹き込む微風や外のざわめきなどをいっそう感じられる。



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おもむろに護摩壇に護摩木をやぐらに組んでいって、火をつけるのにfat wood(樹脂の多い木)を使うが、これが2回消えてしまって、はらはらどきどき、3回目にやっと木に燃え移ったときにはほっとした。(よくあることらしいが)火はだんだんと勢いを増して、その中に香油や薬種、芥子の実?(種類不明の)常緑の木の葉などを投入していく。何かがはじけ飛ぶ、いぶされるような煙の中で、仄かに丁字の匂いがした。僧形と所作のすがすがしさ、絵になるなあ。

時間にして1時間、今回の旅のなかで一番印象深いと私も思い、みんなが言う。やっと高野山へ来た気がした。



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壇上伽藍の根本大塔。建物はなんども焼失しているので、この目に鮮やかな塔は昭和9年に再建された鉄筋コンクリート製。中は弘法大師の思想をあらわす立体曼荼羅の呈であるが、京都の東寺の立体曼荼羅の方がより荘厳な感じがするのはしかたあるまい。


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境内を歩いていてごろごろごろごろ、臼をひくような音がするな、と思っていたらこの六角経蔵であった。基壇の処の取っ手を押してごろごろ1回回すと一切経を一通り読んだと同じ功徳があるとか。マニ車のようなものか。こちらも昭和9年の再建だが、発願は鳥羽天皇の皇后であった美福門院の発願だったというのが興味深い。


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この数カ所有る取っ手を押すのであるが女子一人では重くて動かず。数人で押すのが正解。



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他にも渋いお堂がたくさん立っていて、金剛峯寺より宗教的な感じがよかった。


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金剛峯寺へ通じる道、蛇腹道も紅葉が美しい。


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人も多いが、、、


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さて、先ほど買った酒饅頭を手にやってきたのは、壇上伽藍に続く湯屋谷弁財天神社の境内である。
名前の如く、かつてここに共同浴場があったとか。



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ここの綺麗な紅葉を見上げながら、、、


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ミニ野点会を。


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いつも海外旅行のお供に連れて行く茶籠を持参。(今年は出番なかったな)
お菓子は酒饅頭と、持参した金平糖、友が持ってきたすはま。



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茶碗は鶴野啓司さん。


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ポットのお湯がなくなるまで、それぞれお茶をいただく楽しい時間はこの小旅行中のハイライトの一つであった。今回はよき茶友たちが一緒でいつも以上に楽しめたのである。



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自然数の本性

  ≪…ごろごろごろごろ…≫は、人類が築き上げた数の言葉ヒフミヨ(1234)が、〇を創る操作に生ると観る。「空海の風景」司馬遼太郎著に、[一切は、一であり 一は、一切である  零は、一切であり 一切は、零である 」の眺望に想うに・・・

 (円周)=2×(π)×(半径)

 の数の言葉ヒフミヨ(1234)へと帰結させたい。

 (円周)+(直径)=
 (半円周)+(半径)+(半径)+(半円周)

 この眺めは、例えば(円盤)を真上から観立てたなぞりの軌跡を表す(式)だ。

 チョット観方をかえて、円盤を立てて真上から円周(輪の幅)を観立てると、
 その目による計測は、
  (円周)
  (半円周)
  (直径) 
  (半径)+(半径)
 も同じ長さに観えてしまう。

 これこそ「身体がする数学(密教)」だ。
 1+1=2  は、
 (円周)=(半円周)+(半円周)
 (直径)=(半径)+(半径)

 この言葉の世界の意味を抽象化した言葉として
   1+1=2 
 があるのだ。
 我々が使う十進法の基に[算数]される。

 数の言葉ヒフミヨ(1234)を[大原問答]で知る・・・


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