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2024-05

淀看席茶会〜西翁院・金戒光明寺 - 2020.11.14 Sat



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朝の金戒光明寺、通称くろ谷さんは、自宅からも近く、学生時代も散歩コースであった。


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いつも山門からでなく、西側の坂道から入るが、今ごろ楽しみなのがこのドウダンツツジの紅葉である。


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桜の紅葉とのコラボはまた格別に美しい。


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このちょっと先の小径を北に入ると、懐かしい西翁院へのなだらかな坂道、学生時代なんども往復し、卒業してからもお世話になった道である。



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西翁院は、藤堂家の呉服商をつとめた藤村源兵衛(法名・西翁院)が建立した塔頭であるが、のちに三代目、宗旦四天王の一人であった藤村庸軒の茶室「淀看席」で有名である。3年前には冬の旅で特別公開もあった。

今回某○交社主催、建築家にして裏千家の学術担当でもある飯島宗照(照信)さんとご住職が席主を務められる茶会へ参加してきた。(もちろん徒歩で行ったわよ(^_^;)



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ここで、大学の心茶会錬成茶会を幾度かひらいたので、いまでも広い露地をみると2日間苦労して掃除をしたことを懐かしく思い出す。卒業してからも何度か足を運び、門の前にいまでもお迎えの学生が立っている姿が目に浮かぶ。

ただ学生の頃は広間を使わせてもらっていたので、淀看席にはいったことはなかったし、冬の旅でも外からのぞき込むだけだったので、この中で濃茶をいただけるとは有り難い機会である。しかもコロナのおかげで二畳(+点前座一畳)に3人というちょうどよい贅沢な人数。(例年なら8人おしこむんだそうだ)

本堂の寄付で、なんとこの日が旧暦の庸軒祥月命日(旧暦閏9月18日)ということで飯島先生がお経をあげられ供茶もなされた。例年なら庸軒忌がおこなわれる日だったそうだ。
待合には祇園会の長刀鉾のお稚児さんの天冠、装束が飾られていたのは、今年山鉾巡行がなかったから、ここで、というお心で。
待合でいただいた老松さんの紅白かきわけ金箔ふりかけ、は見た目にも美しくおいしかった。


露地はけっこうな高台になって、アップダウンがあり、庭の景色と高台からの景色が楽しめるのだが、おみ足の悪い方には少しきつい。庸軒お手植えの桧がまだ健在であった。



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(岡田孝男「京の茶室」から) 


袈裟型の蹲居を使う。これはオリジナルなのかどうかずっと疑問に思っている。

躙り口のうえに「澱看」の扁額。 正式名称は紫雲庵(金戒光明寺は紫雲山)または反古庵(庸軒の号)らしいが、淀まで見える眺望の良さからいつのころからか「淀看席」とよばれるようになったとか。


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(岡田孝男「京の茶室」から) 

 
特徴は宗貞囲い、本では道安囲いになっているが、建築的には宗貞囲い(炉が点前座内にある。道安は出炉になる)。  黒っぽいスサ壁、洞床には墨蹟窓あり。お詰めの席に座ると連子窓から外が見えて、確かに淀まで見えそうなくらいの佳き眺めである。淀看窓というらしい。
板床は2枚半の板でしかも珍しく釘打ち、飯島先生によるとこの意匠は躙り口と同じなのだとか。

床には庸軒の肖像画と賛「瓢 月花を我が物にして肘枕  顔子都に遊にヨリテ云々、、」
顔子とは瓢一つで食事も水も飲んだという顔回のこと。肖像画は机によりかかる庸軒、その目の前に竹の花入れ、白菊が投げ入れられている。それをうつして竹二重切花入(庸軒銘「惟肖」)には白い菊が。葉っぱの小さいめずらしい足摺岬にしか咲かないアシズリノジギクだという。
ここで現在は北村美術館にある庸軒の竹花入「遅馬」の話がでる。有名な花入で遅い馬=駆けられない=掛けられない=置花入にしかならないよ、という庸軒のユーモアのセンス。

画賛の年号が元禄3年、花入が4年、このころは表千家の覚々斎が14歳の若さで表千家を継がねばならなかった時代で、庸軒はそのバックアップをするためさかんに茶会をおこなった時期なのだそうだ。

お点前は飯島先生、なにせ狭い小間なので半東無し、お点前はするはおしゃべりもせなあかんわ、でたいそう忙しそう(^_^;。
文化財でしかも火を使わせてくれるところは滅多にないので、これも和尚様と飯島先生との信頼関係によるもの。

茶入は不見斎(裏千家9代)手づくね黒楽「玄鶴」
茶杓はやっぱり庸軒、銘を「一竹 亘古今」、細くて華奢。
水指は古丹波、達磨型というより算盤玉型だが銘は「不識」(淡々斎)
主茶碗は発掘黄瀬戸、釉薬けっこうかかって艶々、胆礬なし、言われないと黄瀬戸とはわからない、ゆがみあり。

薄器が桐棗で杉木普斎在判、これで宗旦四天王のふたりがそろった。


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いつも心茶会で茶席にしている広間で点心、たん熊北店。
ここの広間で亭主もやったし、OBとして客もやったなあ〜と懐かしさがいっぱい。鉄斎の袋戸棚の富士山も懐かしいわ。


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点心のあとは奥の比較的あたらしい茶室で薄茶をいただきながら和尚様のお話を聞く。
掛け軸が庸軒の漢詩「和紫雲山紅葉染」。ちょうど今の時期、紫雲山(=くろ谷さんの寺号)はじめ東山の峰嶺は紅葉し、白川がその間を流れる、、といったような風景。

蹲居がオリジナルかどうかの件を和尚様に尋ねてみると、昔の都絵図に描かれた蹲居とは明らかに形が違うので、おそらく鉄斎あたりが違うのに据え変えたのでは、というご返事であった。そうか〜。長年の謎がとけた。

学生心茶会の話などもできて、とてもうれしかった。おそらく当時はまだご先代の頃であったと思うが、錬成茶会終了後、暗くなった中、本堂へ御礼のお菓子を届けたことなど思い出す。あれから一体何年たったことやら。



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西翁院からのかえり、この坂道からの景色が好きなので、、、


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NHKの時代劇のオープニングバックに使われた時にはすぐ、ここだ!!とわかったのである。


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西翁院から本堂へ抜ける細い小径も好きで、


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最近毎年除夜の鐘を撞きに来ている本堂にお参りして、


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またこのすてきな道を通って帰宅した。




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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

しぇるさんとして、何とも想い出もあり

良い御縁の茶席となりましたね

この秋の京都の紅葉は

何とも順調に染まり行きます

写真を始めた10年、紅葉の季節を追いかけていますが

こんな順調なのは、珍しい^^;

高兄様

淀看席でお茶、、、はとてもうれしかったです。学生時代は、庸軒?だれそれ?やったのにね(汗)

毎年紅葉の時期が読めなかったのでいきなりの紅葉にあせりつつ、今年はどこへいこうと考えます。
コロナもあるけ屋外だし。いつか秋の嵐山へも初めていけるかもしれません。(紅葉シーズンまだ行ったことない)


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