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2024-05

郡上八幡で茶事 - 2020.11.22 Sun



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岐阜から北陸へ通ずる道は山の中、紅葉が美しく、しばらくいくと急にぱっとひらけて現れる山間の町が小京都・郡上八幡。


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ぐるっと歩いて一周できそうな町の中を吉田川が流れる。正面遠くに見える橋が「川ガキ」とよばれる地元の子たちの飛び込みで有名な新橋らしい。高さ12mあるそうで、1種の成人儀礼かな。



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そして古い町並み建物がそこここに残っているのが小京都と言われる由縁。


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この建物もひょっとして江戸時代まで遡るんじゃないかと思われるような古いお家。なにしろ郡上八幡は400年の歴史ある城下町なのだ。
若い友人達の間で郡上八幡踊りがここ数年ブームになっている。SNSでよく話題にあがっていた。7月から9月まで30夜ほど町のあちこちで行われるロングランなので、参加しやすいのもあり、観光客巻き込み型の盆踊りなのだそうだ。



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もひとつ有名なのが連歌の飯尾宗祇が古今伝授をうけた場所であること。郡上八幡には名水百選第1号の白雲水という湧き水がある。かつて伝授を東常縁(篠脇城主)から受け終え帰京する際にこの湧き水のほとりで

「もみじ葉の 流るる龍田 白雲の 花のみよしの 思ひ忘るな」

の歌を餞としたという。よって宗祇水とよばれるようになったそうだ。


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そんなすてきな町の中にSさんのお宅はある。
彼女と最初にであったのは、まだ京都移住前(なので10年以上前)、加古川の野中の清水さんのところへ古筆を見に行ったときであった。その時はそれっきりだったが、なんと10数年の時を経て、またご縁がつながり、こうして当時建築中、と話題にもなった茶室にお招きいただけるとは、人生出会いですなあ。



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待合には、加古川で軸をご覧になって初めて蓮月を知った、というエピソードを踏まえて蓮月の紅葉の短冊を。これはうれしいお心遣い。

露地は丈の低い密集した杉苔が美しく、茶室はウッドデッキだったところに露地と一畳台目中板向こう板の茶室をはめ込む、というむつかしい工法でつくられたお茶室。扁額を見て「あ!」と思った。うちの茶室は「雲閑席」なの。臨済録の「松老雲閑(松老いて雲しずか)」をわけわけした感じの茶室名でちょっとうれしい。



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淡々斎の「雲近蓬莱常五色」、開炉にふさわしいおめでたい語句で原典は杜甫の七言絶句。
釜の地模様が狐のような鹿のような動物(十長生ならやっぱり鹿か)が林の中で戯れているようでかわいい。しかも鐶付きが霊芝というのもめずらしい。
炉縁が沢栗で水指が南蛮芋頭、、、とくるとこれは光悦会(今年はなかったけど)の鉄板の組み合わせではないか!

前日遅くまでご友人のお詰めさんと話し込んでいたらしいというのに、今朝ちゃんと懐石を手際よくお作りになったのね。向付のお刺身にふりかかる大根おろしに混じった赤い野菜が紅葉の落葉をおもわせ、汁の実のちっちゃい蕪は御主人が趣味で作られたものだそうで、小豆入り、懐石にもお心配りいただいた。



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そして可愛い可愛い亥の子餅!ちゃんと目があるので、どこから食べてよいか迷ってしまう〜♪(結局頭から食べるんだけどね)


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後座
玄々斎の花入「衣滝」に入るのは白玉椿と<炉開き>という名前の小さいツバキ。これはツバキと茶の交配種で、赤いというのをのぞけば見れば見るほど茶の花にそっくり!
濃茶の主茶碗が大好きな高麗で、私の好みをよくご存知、枇杷色の釉薬は井戸脇かも。古瀬戸の茶入は「閑人」、かんじん?ひまじん?うちらのことやろか?(^_^; なかなか堂々たる大きさの肩衝であった。
茶杓があれ、竹とちがうのに節がある???と思ったら桑の木を削って竹茶杓、しかも仙叟の茶杓を淡々斎がうつしたものとか。これはびっくり。



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途中感動の!突き上げ窓開けるセレモニー?いいなあ、突き上げ窓、憧れるわ。

後炭まできちんとやってくださって、太い胴炭を上手に四分割されたのには感動した。私は後炭はあまりやっていないが、こんなにきれいに胴炭が割れたためしがない。
薄茶の主茶碗が黒楽やな〜と思っていたが、これは渡辺又日庵手づくねの茶碗であった。そう、花入が玄々斎、茶碗が又日庵、ご兄弟がそろったわけである。(三河奥殿藩から玄々斎は裏千家へ、兄の又日庵は寺部領主渡辺家へ養子)

薄茶の茶杓が圓能斎?だったか失念したが、銘を「美好野(みよしの)」と。
ふつう御吉野と聞くと春の情景を思い出すが、ここ郡上八幡では秋なのだ。さきほどの宗祇へおくられた歌を思い出して欲しい。

  もみじ葉の 流るる龍田 白雲の 花のみよしの 思ひ忘るな

ここではみよしのは秋、龍田姫がおわします今の季節なのだなあ。
いや、最後までお見事でした!こんなご縁をいただいてほんとうにありがたい。


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突き上げ窓からも美しい山法師の紅葉が見られ、楽しい美しい二刻であった。
郡上八幡、また来たいねえ。




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● COMMENT ●

思い出します

Sさん、懐かしいですね。

Sさんにいただいた明宝ハム、美味しかったです。

郡上八幡には4回、桜の頃も紅葉の頃も行きました。

本当にいいところですね。

うなぎがおいしかったです。特に思い出します。

最近は食べることが楽しみです。

野中の清水様

覚えてくださっておられましたか。
あの頃はまだまだひよっこもいいとこでした。ちょっとトサカがでるくらいまではきたかしら?(汗)
10年くらいの時を経て、つながるご縁もあれば、あんなにつるんでいたのに疎遠になるご縁もあります。
とかく人の世はたえまなく面白い。
最近はそれに健忘もくわわって、なかなか楽しい?人生です。
私も食べる楽しみは最優先!
郡上八幡はまたお茶以外でも行きたいところですね。盆踊りめざそうかな。

健忘そして老

私も一緒です。代名詞での話が多くなりました。
記憶違いでなければSさんは介護関係のお仕事をされておられたのではなかったか、
と思っています。
最近は、人には「もう農業をやめる、しんどい、こんな生活もういや」といいながら
ベトナムから呼んだ青年と売れない野菜を作っています。

野中の清水様

お野菜作りは続けていらっしゃるのですね。
もうやめる、という方ほどなかなかやめないと世間では。
もしかしてやめるとおっしゃてた古筆コレクションもまだ?

郡上八幡のS様、野中の清水様、なんと懐かしいお名前でしょう!
これは私もお仲間に入れて頂かなければ。

あの時は確か、岐阜だからと春駒の歌も展示して下さっていましたね。
鶴林寺でしたっけ、見物の後に私達は自力で駅まで戻れなくて、やっぱり送っていただきました。
駅の近くでランチをしながら、S様のお茶事のファイルを見せて下さって、
熱心さに感心したことを覚えています。

十数年ですか。
思えば遠くに来たものだなあ。



そらいろつばめ様

ほんと、懐かしいです。
調べてみたら、ちょうど10年前の4月、同じ年の10月に京都移住した記念すべき年でした。
よく当日のことを覚えておられますね。私は自分の過去記事よんで、ぼちぼち思い出してきました。
10年のブランクを経て、お互いに色々環境も変わりながら、みんなお茶を続けているってすごいなあ、と思います。まだまだがんばって精進せんとなあ、、と思いつつ。


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