topimage

2017-10

おしょらいさんを送る朝茶事 - 2013.08.21 Wed

五山送り火の日、ご先祖様の御霊、お精霊(おしょらい)さんを送る日の朝、心づくしの朝茶事へお招きいただく。


朝茶は夏の候、朝6時頃からスタートして、あっさりさらさらすすめて9時頃、暑くなる前におひらき、、、というのが理想的。今回はやや遅めのスタートなので助かります。(だって早起き苦手〜)


P1040568.jpg

待合の煙草盆には一閑人ならぬ唐子がのぞきこむ火入れが。かわいい。今回客は3名、わたくし以外は茶事の手練れのお茶人さん。理想的。


P1040573.jpg


待合のお軸はまさにこの日にふさわしい大文字。この朝茶のためにわざわざ誂えてくださったもの。
おかげでこの日は二回、大文字さんをおがむことができましたわ。


P1040576.jpg

お手入れのいきとどいた露地には水引草がそろそろ花を咲かせようとしていて、猛暑ながらもかすかな秋を感じます。
迎えつけのあと、いよいよお茶席へ。四畳半小間扱い。

本席のお軸は有馬頼底猊下の「夢」。亡き人を偲ぶのに似つかわしい軸です。

風炉の時期の茶事は懐石→初炭なのですが、朝茶事に限り初炭→懐石。
風炉中拝見もあり、正客はかえりに拝見にだされていた香合を自席へ持ち帰る。

この時の香合を出す位置は棚付の場所になるのはなぜでしょう?、、、と主客で問答になるのも楽しい。
結局正解はでなかったのですが。どなたかご存じかしら。

ちなみに香合は鬼灯を木から刳りだしたもの。鬼の灯とは、まさに亡き人の魂を連想させます。
灰型は二文字押し切り、美しかったです〜∈^0^∋


P1040575.jpg

飯器の竹籠が涼しげですてきです。クマザサの葉をたっぷり敷いた上にご飯をこんもり。サトイモの葉や蓮の葉を使うこともあります。(この時期、仏壇のお供え用に蓮の葉はスーパーでも売ってますし)
今回の懐石はほとんど手作り。これがすごいしありがたい。

向付は朝茶事では生ものではなく、一夜干しや酢の物を使うのですが、今回は鰻の蒲焼きキュウリの塩揉み添え。おいしかった〜、これが!

汁は茄子の赤出汁。煮物椀は胡麻豆腐とお野菜、海老のたきあわせ。この煮物椀に入っていた人参がなんと!猫の抜き型だったんです!そう、ご亭主さんも実はと〜っても猫好きなんです。(ちなみに主客4人中3人が猫飼い)


P1040574.jpg

とどめがこの香物(漬け物)の器。朝茶事では焼物をぬくかわりに香物を多目にしますが、ひとりひとりとっていくと現れたのがこの大きなにゃんこの顔!\(^O^)/

お菓子をいただいて、中立。

さて、後座のはじまりです。


P1040570.jpg


おおっ!
これは名水点てではありませんか!
期待がたかまります。え〜〜っと、名水点ての時はどのタイミングでどこの名水と聞くのだったっけ、、、(←へなちょこ正客の私、、、)

下鴨神社の御神水をお心遣いくださいました。甘露なだけでなく、なにやらありがたい。


P1040571.jpg


花入れは経筒、花は蓮のつぼみに白リンドウ。ここにも亡き人を偲ぶための道具が。
蓮の花は茶事に合わせて開かぬようご手配くださったものですが、大変だったと思います。お花だけはこちらが思うように動いてくれませんものね。

おいしいお練り加減の濃茶をいただき、朝茶は「時がうつろいましてはご迷惑をおかけしますので、、、」といって、続き薄にするのがお約束。早く終わらないと暑くなりますしね。


P1040569.jpg


お干菓子も五山送り火。私はこの東山の大文字をいただきましたが、ほかにも妙法、舟形、左大文字、鳥居のもそろっていたんですよ。

赤膚焼きのお茶碗は、底に「大」の字が。これは京都では大文字、赤膚焼きの本場、奈良では東大寺らしい、、(^◇^;)

玄々斎花押の宗哲の真塗棗、拝見させていただきましたが、ほんとうに美しいお塗りでした。感動。

そして、、、、茶杓が位牌窓の共筒付、「泪」の茶杓の写し〜!
(利休が自らの遺品として古田織部に与え、織部は共筒を位牌にみたてて所持した。徳川美術館・蔵)


大文字の待合掛けからはじまって、今日はそれぞれの、今は亡き身内や親しかった人の御霊を偲ぶ茶事になりました。

そしてこの夜はお盆の間、此岸ですごされたおしょらいさんが彼岸へお帰りなさる足元を照らす送り火の日。それにふさわしいよい茶事でした。ご亭主様、御連客様、ありがとうございました。
夜、送り火点灯の時、しみじみ手をあわせましたよ。


P1040585.jpg

う〜〜ん、これなら蓮の花の帯にでもすりゃよかったかな(・ε・` )


<おまけ>
ちなみに「大文字焼き」というと京都の人にはおこられます。でも私が学生の時(ウン十年も前)はまわりの京都人は普通に「大文字焼き」と言ってました。その後、京都市観光局が必死になって本来の意味である「五山送り火」という名称を定着させたようです。保存会でも古株の人の中には「大文字焼き」といまも言う人がいるそうです。また、大文字は左京区南部エリアなので、(妙法や、舟形を大文字焼きとよぶのは無理がある)その周辺の人たちだけが「大文字焼き」と言っていたのかもしれません。いずれにせよ、京都人の矜恃を尊重して、くれぐれも「大文字焼き」とは言われませんように。(^_^)b




関連記事

● COMMENT ●

いい朝茶事でしたねえ。

ひいらぎ様

ほんまに!

こういうお盆の過ごし方ができるなんて、優雅~

ところで、私んとこでは子どものころから「大文字焼き」なんて言いませんでしたよ。船形やのに「大文字さん」と関西人お得意のさん付けで言うてました。あれは「点す」であって、「焼く」というのはちゃうと子供心にも思ってました。
大文字焼きいうのは、銀閣寺アイスキャンデーの太鼓まんじゅう(これはずいぶん後になって知ったんですが)。
なんで保存会の人が「焼き」というのか謎ですが、あの周辺に住む京都以外から来た人が言い出したんじゃないんですかねぇ。外の人(のほうが多い学生街とか)には抵抗がないやろうし。

ぽん様

よそさんの言動に眉をひそかにひそめる事の多い京都人ですが、ことに「大文字焼」は超・地雷原のようです(^_^;
なので私はこの件に関しては「降参〜」というほかありません。
今では決して大文字焼、なんていわないから許してちょ。

いい帯ですね~♪

いつもステキなお着物や帯を楽しませていただいています。
お着物は無地を合わされたのでしょうか?

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

志織子様

ありがとうございます。作家さんの帯だったと思います。タレの蟹が気に入りましてゲットしました。
着物は限りなく無地に近い付下げ、ダークブルーにしました。まあ、テッパンコーディネートというやつです。本人に似合ってるかどうかは別として、、、、(^_^;

鍵コメ様

情報、おおきにです。
いつかいきたいです!土曜日は仕事なんでちょっと無理なの(>_<)


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://cherubinpriel.blog.fc2.com/tb.php/151-1298df47
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「八重の桜」展〜京都文化博物館 «  | BLOG TOP |  » イスタンブール・カッパドキア紀行2013〜8)イスタンブールの猫たち

最新コメント

プロフィール

しぇる

Author:しぇる
京都へ移住する前から書いているブログなので、京都移住後もタイトルに愛着がありこんなタイトルです。でも「もう・住んでる・京都」です。旧ブログから引っ越ししてきました。

最新記事

カテゴリ

未分類 (8)
茶の湯 (213)
茶事(亭主) (24)
茶事(客) (58)
茶会(亭主) (2)
京のグルメ&カフェ (52)
町家ウォッチング (7)
弘道館 (6)
岡崎暮らし (49)
MUSIC (4)
能・歌舞伎 (32)
京都めぐり2017 (26)
京都めぐり2016 (34)
京都めぐり2015 (34)
京都めぐり2014 (39)
京都めぐり2013 (36)
京都めぐり2012 (6)
本・映画 (8)
美術館・博物館 (52)
奈良散歩 (19)
大阪散歩 (1)
着物 (6)
京の祭礼・伝統行事 (38)
祗園祭2017 (17)
祗園祭2016 (18)
祗園祭2015 (16)
祇園祭2014 (13)
祇園祭2013 (14)
修二会2017 (4)
修二会2016 (3)
修二会2015 (3)
修二会2014 (3)
修二会2013 (3)
その他の町散歩 (2)
京都和菓子の会 (3)
イスタンブール・カッパドキア紀行2013 (8)
パリ紀行2014 (7)
英国田舎紀行2015・湖水地方とコーンウォール (7)
ノルウェー紀行2016 (4)
ポルトガル中部〜北部紀行2017 (7)
古筆 (1)
京都でお遊び (5)
ギャラリー (3)
暮らし (4)
中国茶 (23)
京都の歴史・文化について勉強 (1)
過去ブログ終了について (0)

月別アーカイブ

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR