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2024-03

修二会2021〜初夜上堂 お松明 - 2021.03.09 Tue



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四月堂の横の階段に登ると開山堂の糊こぼし椿がちらっと見える。二月堂修二会の内陣を荘厳する造花の椿のオリジナルである。


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今年は局での聴聞は不可であるが、11日まではお松明を拝むことが出来る。ただし芝生内に入れるのは200人まで、ということで早くから並んだのだが、蓋をあけてみればほぼ全員が芝生内へはいれるくらいの人出であった。例年となんという違い!


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かぶりつきの場所にて19時の上堂を待つ。
暮れていく奈良の町、大仏殿の屋根だけがみえる。



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今年は人数規制が厳しかったので、芝生の外に一時出るには再入場の券が必要であった。


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暮れていくお堂


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そして奈良の町に灯りがともる。


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19時、電灯が消され、上堂を告げる三時の案内(あない)の小さい松明が登廊を行き来する。
「出仕のあな〜い!」



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そしてゆっくり最初のお松明が登ってくる。

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初夜のおつとめをされる練行衆の行く手を照らす灯りだ。現在のように大松明になったのは江戸時代中期以降と聞く。それまでは実用的なシンプルな灯りだったのだろうか。



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お松明のあとをゆっくり練行衆のお一人が登ってこられる。







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お堂に登りきった最初の角で突き出される大松明。


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振られるとたくさんの火の粉が舞い散って、最前列だと熱気すら感じられ、火の粉よけに着たビニールレインコートに容赦なく穴を開けるのだ。でもありがたや、これで1年無病息災まちがいなし。


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お水取りは火と水の行、今年水のパートは見られないが、このすざまじい炎を見ているといろんな思いが浄化するような気がする。


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お松明は欄干を走って反対側の角へ。


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そこでも盛大に火の粉をまき散らす。


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先に上堂して用事をすませている処世界(一番若い役)以外の10人の練行衆にあわせてお松明は次から次へ10本登ってくるのだ。


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登廊の上で控える堂童子さんかな。


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すべての民になりかわって罪を悔い改める観音悔過(けか)、同時にそれは春の訪れを告げる火の乱舞である。


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サッカーワールドカップ優勝トロフィーが渡される瞬間に舞い散るキラキラ紙吹雪を思い出しちゃって、、(^_^;
わ〜い、春だ春だ!





↑ 入堂する練行衆の差懸(さしかけ・履物)の独特のリズムと、松明の燃える音、鐘の音、童子達のかけ声をどうぞ!



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すべての練行衆の上堂が終わり、中に練行衆を閉じ込めたままお堂の扉はすべて閉まる。例年なら局の中へはいって深夜まで、下堂されるまで聴聞をするのだが、今年は周りをぐるっとまわって拝んでおしまい。とにかく練行衆の方々に感染させぬようせねばね。


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いつもは拾い集めることができるお松明の燃えさしも、今年は満行後の15日にまとめて授与、ということらしい。かろうじて拾えたのはこんな小枝であった。小さいが杉の葉の燃えた匂いは芳しい。


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そして恒例の萬々堂さんの「糊こぼし」をいただく。


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自宅には昨年のもえさしがいまだ飾ってあって、昨年入手した日本画家・中田文花さんの「青衣(しょうえ)の女人」を飾る。(修二会中、過去帳読み上げの時に現れたという幻の女性)



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なにもかも異例づくめのコロナ下の修二会ではあるが、今年一つとてもうれしいことがあった。

修二会の期間中、お堂の中で練行衆が刷る「牛玉札(ごおうふだ)」、満行後、関係者に配られるのだが、これが欲しくて欲しくて、長年あれこれ調べたり聞き回ったりしていた。ツテもないまま半ば諦めていたが、願いは口に出すものだな、意外な処からコロッと我が家へお迎えできたのだ。(感謝感謝!かたじけない!)




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● COMMENT ●

しぇるさん、こんにちは

御写真の、流れ

雰囲気が素晴らしい

またまた、御写真の腕前が向上されているような・・・^^v

高兄様

おほめにあずかり光栄です。
昨年から大きい一眼レフ+望遠レンズを持ち込むようになったので、腕ではなく、カメラのおかげなのと、松明は10本上がるので一枚くらいは良いのが撮れるのです。


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