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2023-11

薬師寺花会式前のお身拭い式2021 - 2021.03.26 Fri

東大寺二月堂修二会が結願したら、次は薬師寺修二会、通称花会式がはじまる。(3月25日〜31日)


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金堂内の薬師三尊像をたくさんの造花で荘厳するので、この名前がある。現在この花造りはたった二軒のおうちで担われていて、一昨年はそのお家の方のお話をききに行った。(→造花作り



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これはその時の写真。
あわせて2000本近い造花をご家族総出で農閑期に作られるそうだ。



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25日からの法要開始の前、23日には薬師寺の各お堂の諸仏像をきれいに拭き上げる、お身拭いがおこなわれる。


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(玄奘三蔵院伽藍の高田好胤師出身地ゆかりの薄墨桜ははや見頃を迎えていた)

金堂の薬師如来+日光菩薩、月光菩薩の前で待っていると、彼方からシャラシャラと露払いの金棒が地面を引く音が近づいてくる。そして今年の練行衆(薬師寺は10名)入堂。
みなさん七条袈裟(たぶん)に墨染めの衣、着座後に法要がはじまる。



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導師の読経のあと散華、一枚すばやくゲット(^_^; ↓これ


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そこからの聲明がすごかった!
これはもう音楽、すごくハモっているというか和音になっていて、目をつぶって拝聴しているとどこかにもっていかれそうな感じになる。これが聲明の功徳というものか。いままでよく聞いている密教系の聲明とまた違って、より無国籍的音楽であった。


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二月堂ご本尊が十一面観音ゆえ「南無観」になるところ、薬師寺は薬師如来なので「南無薬(なむや〜)」と唱えるのである。


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いよいよお身拭い、数人の若い練行衆が袈裟を脱いで、袖を交互に首に掛けて襷で締め上げ、なかなか勇ましくかっこよい。あらかじめ用意されていた根来の大樽、この日の朝に壇供としてついたお餅を作るときにつかったお湯が入っていて、これで拭き上げていくのである。(薬師寺のInstagramに写真あり)

般若心経が繰り返し唱えられる中、ご本尊の薬師如来の膝の上にのっかって!ゴシゴシ拭いてく。日光月光にいたってはガシッとハシゴをお体にかけて、それに登ってふきふき。下ではお寺の職員+信者+ボランティアの方が、先にフォークが付いたような竹の棒で新しい手ぬぐいをはさんでは練行衆に渡し、拭いたあとの手ぬぐいを回収し、それはもう戦場みたいなあわただしさなんである。

終われば、全国でも珍しい金銅製の仏様はさっぱりとつやつやのお肌。
いさましい姿の練行衆はさっと元の姿にもどり、七条袈裟をつける、その変わり身がすごい。



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堂司(練行衆の役)が柄香炉を持って、体をのけぞらせて絶叫!するお経も、迫力あったな。いずれにせよ、お坊さん達はいいお声をされている。あれは訓練で出るようになったのだろうか。

約1時間の金堂の法要のあと、先導されて金堂からでてこられる練行衆の方々。


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次なるお身拭いは講堂の阿弥陀三尊像。


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金堂から運び出されるお身拭い用のお湯がはいった根来の大樽。



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お水取りを思い出しちゃうな。


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法要の間、ずっとお堂の東の端にいたのだが、ずっと目の先に西の扉から見える桜が瓦屋根を背景に、お堂に額縁に切り取られて、夢見るように美しかった。
(お堂の中は撮影できないので、違うアングルで撮る。本当はもっと額縁内に桜が広がって見えて圧巻)



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講堂でのお身拭いを遠くから拝見して境内を巡る。



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ああ、菜の花も桜といっしょに咲いちゃってるよ。桜早すぎやな。


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10年あまりの大改修を経て、昨年再び姿をみせた国宝東塔の初層を拝見できる。
(落慶法要が予定されていたがコロナで延期、予定未定、残念)


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てっぺんまで貫く心柱の力強さよ。これが世界最古の木造建築を1300年もの間支えてきたのだ、と感無量。


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青空に映える「凍れる音楽」、水煙。薬師寺のシンボルでもある。


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帰りに写経道場に寄って、カナクギ流(^_^;の写経を。(なかなか全文覚えられない般若心経、、、)




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